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2021年8月14日土曜日

パシフィック・リム アップライジング (2018)

怪獣ファンのウルトラ世代とロボット・ファンのガンダム&エヴァ世代のためにあるような前作から、10年後を描く続編です。しかも、今回は最終決戦の場が東京と富士山というから、少なくとも日本人には受けないわけがない。

と、言いたいところですが、世界的には「続編に傑作無し」みたいな結果に終わっているのが正直なところ。前作の監督をしたギレルモ・デル・トロは製作に周り、今作は主としてテレビで制作・監督・脚本を手掛けているスティープン・S・デナイトという人が監督です。

前作のヒロイン、森マコ(菊地凛子)は現役パイロットは引退してイェーガー部隊のトップ。今回の主役は、マコを姉さんと呼ぶ亡きペントコスト司令官の息子、ジェイク(ジョン・ボイエガ)。ジェイクは一時、パイロットとして入隊していたものの、父を乗り越えられず追放になり、街で小悪党みたいに生活していました。

ジェイクは、かつての怪獣との戦いで荒れ果てた町の一角で、拾い集めた部品で自分で小型イェーガーを作り上げてしまった十代のアマーラ・ナマーニ(ケイリー・スピーニー)と知り合います。二人は逮捕されますが、マコの手配でジェイクは訓練教官、アマーラは訓練生として軍に入ります。

前作で登場した凸凹コンビの科学者、ニュートン(チャーリー・デイ)とゴットリーブ(バーン・ゴーマン)。前作では怪獣の脳と精神合体(ドリフト)して重要な情報を引き出しました。ゴトリーブはイェーガーにロケット・エンジンを装着し空を飛ぶ研究中。ニュートンは中国のシャオ産業に雇われ、やり手の女社長リーウェンのもとで、無人イェーガーを開発しました。

シドニーでの無人イェーガーを採用するかの会議にむかったマコは、突然現れた正体不明のイェーガーによって乗っていたヘリコプターが襲われます。ジェイクは昔からの仲間のネイサン・ランバート(スコット・イーストウッド)と共にイェーガーに搭乗して護衛についていましたが、ヘリは撃墜されマコを守ることができませんでした。

マコが残した最後のメッセージから、ジェイクとネイサンはシベリアの旧イェーガー工場に向かい、正体不明機を発見し勝利します。しかし、驚いたことにコックピットには人ではなく怪獣の脳があったのです。実は怪獣の脳と精神合体したニュートンが完全に精神を操られていて、シャオ産業のすべての無人イェーガーには怪獣の脳が搭載されていたのです。

配備された無人イェーガーは、人による遠隔操作を受け付けず、各地で人類に対して攻撃を開始し、怪獣の出入り口である海底の裂け目を開放してしまいます。リーウェンが、何とか無人機のコントロールを取り戻すまでに、3体の怪獣が裂け目を通り越し、東京に向かい始めます。怪獣たちの最終目標は富士山を噴火させ、その刺激により環太平洋の活火山をすべての噴火により地球上を有毒ガスで覆うことだとわかります。

ジェイクとネイサン、そしてアマーラの訓練生は破壊を免れた4機のイェーガーにロケットを装備して東京に向けて発射されました。彼らは最初は優勢に怪獣を攻撃していましたが、不利になってくると何と3体が合体して巨大怪獣となりイェーガーを蹴散らして富士山に向かうのでした!!

昭和おやじには「鉄人28号」が途中から背中にロケットを装備したのを思い出しました。また怪獣が合体して巨大化するのも、「ゴレンジャー」シリーズどではお馴染みのパターンと似ていて、どんどん日本人的には馴染みのあるものが増えた感じがします。

今回は、怪獣の脅威が無くなって10年たっているのに、正規のイェーガー部隊が存続していることにずっと違和感が残ります。断続的な危機が続いているような説明は無いので、最初のうちはイェーガー同士の力比べの話みたいな印象です。ニュートンの秘密が暴露されてからは、なるほどと思うのですが、あらかじめ予見されていた話ではありません。

リーウェイは何か闇がある武器商人みたいな登場の仕方なんですが、途中からすごくい人になってパイロットたちを助ける中心人物になっちゃうのも、気持ち的にはついていけないところ。ちなみに訓練生のなかにリョウイチという日本人がいて、演じるのは新田真剣佑です。台詞はほとんどなく、映るシーンも少ないのでボーっと見ていると気が付きません。

何か文句ばかり書いているようですが、またもや若い頃のクリント・イーストウッドに激似の息子、スコットが出てくるのは何か嬉しいところですし、あまり深く考えずに見れればそれなりに楽しめる出来かなと思います。最後は「そっちから来なくていい。次はこっちから行く」という台詞で終わるところは、次作も考えているのかもしれませんね。