2022年3月14日月曜日

鰹のカルパッチョ


カルパッチョは、生の魚をいろいろなソースで食べる料理。日本の究極のカルパッチョともいえるのがわさび醤油で食べる刺身。似たような料理でマリネがありますが、こっちは素材を味・香りのついた液に付け込んでおくもの。

食べたいと思う魚、手に入る魚を、いろいろな味付けを自分なりにすればいいわけで、そういう意味ではレシピというものが存在しません。いろいろ試してみると、自分なりに一定のパターンが出来上がっていくというところ。

スーパーで刺身として売られているものは、いろいろな魚が入っていて楽しいのですが、厚みがあって、後からソースを足さないカルパッチョとしての食べ方には向いていません。できれば、さくで買ったものを自分でスライスする方が作りやすい。

三枚におろすのが苦でなければ選択肢は広がりますが、生食用で簡単に手に入りやすいさくとなる、鯛、サーモン、カンパチくらい。そして、値段的にも安いのが鰹ですが、多くはたたきとして表面が炙り焼にしてあるものが多い。

たたきはもともと新鮮さを失った鰹を食べるための知恵で、表面を焼いて叩いて味を浸みこませたもので臭みを取り美味しく食べる調理法。それはそれで美味しいのですが、生のさくがあったら、当然そっちの方が新鮮っぽい。

今回は生の鰹を、塩胡椒をして表面だけオリーブオイルをひいたフライパンで焼いて、「たたき風」にしてみました。いかにも鰹らしい感じですがステーキに近い感じです。

合わせるソースは、湯むき・種取りのトマトと玉ねぎの粗みじん切りに塩・胡椒・レモン・オリーブオイルです。トマトは煮たり炒めたりするのであれば、皮も種もあまり気にしないのですが、カルパッチョに使う場合は食感を邪魔するので無い方が良い感じです。

通常のたたきほど豪快に焼いていませんが、このくらいでも生臭さは無くなって鰹本来の味だけしっかり楽しめる・・・って、もともと新鮮なんでしょうけど。

2022年3月13日日曜日

ヒラマサ、真鯛とサーモンのカルパッチョ


日高シェフも、海鮮食材を使ったカルパッチョは、きっちりとしたレシピは無いと言っています。正直、その組み合わせは何でも有りの世界なんですが、サーモンは比較的定番と言えそうです。スーパーでもさくが安価に手に入りやすいので、何かと使いやすい。味もわかりやすく、まぁ、外れが少ないというところ。

ただし、サーモンの食感は柔らかくて、歯ごたえがありません。そこで、今回は比較的食感がしっかりしているぶり系のヒラマサを一緒に盛ってみました。

さて、やはり問題はソース。

定番を離れて、色々な味を試してみたいと思うので、今回はホースラディッシュを使ってみました。西洋わざびとも呼ばれ、ローストビーフの薬味としてしばしば口にするもの。普通のわさびほどはツーンと来たりはしませんので、多めに使ってもあまり問題はありません。

生のホースラディッシュ(リフォール)はさすがに手に入らないので、摺ってチューブに入っているものに塩・胡椒・ワインビネガー、そしてオリーブ・オイルを混ぜてみたもの。ピーマンと玉ねぎのみじん切りを一緒に和えています。

ほんのりした辛さとしっかりした酸味が、素材の味を潰さない程度に口の中に広がる感じです。もちろん普通のわさびで味わうのもありというところです。

もう一つ、アレンジ物を作ってみました。


こちらは、付け合わせてきな野菜を薄切りの魚で包んでみたもの。使った野菜はきゅうり、大根、ほうれん草、スナップエンドウなどです。魚は白いのが、やはり定番の真鯛、赤いのはサーモンです。

ソースは、茶色はアンチョビに塩・胡椒・レモン・オリーブオイル。白いのはホース・ラディッシュ・マヨネーズ・オリーブオイル。

一口サイズで分かれているのが面白いかなと思って試してみたんですが、野菜を巻くには薄くて広い面積が必要で、身の柔らかいこれらの魚はどうしてもバラバラになってまとまりが無くなってしまう感じ。

ソース自体はまぁまぁ。特にアンチョビは使えます。ただし、普通に平たく並べた方が作りやすく、食べやすく、ソースの味も均等に感じられるということを実感しました。そうです。はっきり言って失敗作。

2022年3月12日土曜日

帆立とタコのカルパッチョ

15世紀後半~16世紀前半のヴェネチアの人物で、画家のヴィットーレ・カルパッチョは、「聖ウルスラ物語」と呼ばれる連作絵画で知られています。そのカルパッチョが、バルミジャーノ・チーズをかけた薄切りした牛生肉が好物だったらしい・・・

嘘かホントか、そんな逸話から始まったのがカルパッチョ carpaccio。イタリア料理の中では、前菜、アンティパストとして出てくる代表的な料理。日本では、イタリア料理界の巨匠の一人、落合勉氏が刺身に慣れている日本人向けに肉の代わりに魚を使ったものを創作し広まったといわれています。

もともと生肉を食べる習慣が一般的ではない日本ですし、特に近年は食中毒の問題でますます生肉は避ける傾向がありますので、海鮮食材を使ったカルパッチョは、日本で受け入れやすかったのだろうと思います。

基本は魚介は何でもOKだと思いますが、問題はソースです。面倒なら、買ってきたそれなりのドレッシングをかけるという簡単な方法もないわけじゃないのですが、イタリア感は薄まってしまいます。


最初は帆立とタコです。食感の違う素材を組み合わせてみました。

ソースは、イタリア料理のサラダのスタンダードな味付けで、塩・胡椒、そしてオリーブ・オイル、酸味はレモン汁です。まぁ、いかにもイタリアンという味付けで、可も無し不可も無しというところ。

ただ、見栄えを良くするため、というか見た目の派手さを増すために、生トマトとピーマンのみじん切りを混ぜてあります。トマトは、やはり見栄えを気にして湯むきして種は取り除いてあります。


味を変えて、もっと派手にしてみたのがこちら。

欲張って、真ん中に日高式カプレーゼを盛ってあります。薄切りではなく4分割したフルーツトマトとちぎったモッツァレラとバジルに、塩・胡椒・オリーブ・オイルだけというもの。薄切りよりも食材の味がしっかりわかるので確かに美味しい感じが増したように思いました。

さて、カルパッチョ・ソースですが、見ての通り緑色。市販のジェノベーゼ・ソースを利用しました。もともと少し塩味がついているので、これに追加したのは胡椒・摺り下ろしニンニク、そしてワインビネガーとオリーブ・オイルです。

ワインビネガーだとレモンよりフルーツ感が減りますが、ここではフルーツトマトの味がいかせるかなと思いました。ジェノベーゼによってイタリア感は強まりますが、素材の味をダメにすることは無く、この組み合わせは高評価です。

2022年3月11日金曜日

インサラータ・カプレーゼ


ナポリ湾の沖合に位置する、カプリ島のサラダを意味し、一般には単純にカプレーゼと呼ばれることが多い料理。日本でも人気があり、スーパーの総菜売り場にも売っていたりします。何しろ赤・白・緑という、まさにイタリア国旗らしい配色が美しいです。

レシピというほどのものはなく、トマト、モッツァレラ・チーズ、バジルの3つの食材を混ぜただけ。味付けは塩と胡椒、オリーブ・オイルだけ。時にワイン・ビネガーとかバルサミコ酢とか、あるいはレモン汁などを合わせたりする。

日高シェフの紹介したカプレーゼは、半分に切ったミニ・トマトと手でちぎったモッツァレラを、さらに濃厚なトマト・ジュースで和えたものでした。シェフのレストランで使用しているトマトはかなり高級品で、いやもう旨いに決まっているだろうという一品。

我々凡人はスーパーで売っている普通のトマトですが、せめてフルーツ・トマトというちょっと高級なものくらいは使いたい。モッツァレラも、本来はブーファラと呼ばれる水牛の乳から作った物が使われるそうですが、さすがに普通の牛のモッツァレラで良しとします。

実は、イタリア料理の流れの中では、考えだすと難しい立ち位置にある料理と言えます。サラダと思えば、メイン・ディッシュの付け合わせとしてだされるコントルノなんですが、アンティパストとして最初に食べるのも有り。

生ハムを加えたり、温かくしたり、バジルの代わりにオレガノを使ったり、アレンジ・バージョンもいろいろあります。場合によっては、この一品とワインだけあれば、楽しい時を十分に過ごせたりする優れものです。

2022年3月10日木曜日

オリーブオイルの話


オリーブオイルは、その名の通りオリーブの実から採取される油のこと。オリーブの木は主として地中海沿岸で栽培され、それらの地域の調理には欠かせない食材であり、オイルは調味料としの役割が大きく、時にはそのまま飲用としても使われています。世界のオリーブオイルは、40%はスペイン、20%はイタリア、そして13%がギリシャで生産されています。

日本ではオリーブオイルは「食用植物油脂の日本農林規格(JAS規格)」で規定されていて、酸度0.6以下の精製オリーブ油( おおむね清澄で、香味良好)と酸度2.0以下の単なるオリーブ油(オリーブ特有の香味を有し、おお おおむね清澄)の二つの分類されています。

スーパーに行くと、だいたいどのオリーブオイルにも「エクストラ・バージン」という表記がされていますが、バージンというのは実を絞っただけのものという意味。エキストラは国際オリーブオイル協会が規定しているもので、さらに酸度が0.8以下で官能検査で合格したものだけが名乗ることができます。

JAS規格で精製オリーブ油とされたものは、酸度だけならエキストラ・バージンなんですが、ここで日本の規格にない官能試験に合格しているかどうかが品質として重視されます。官能評価は、専門の訓練を受けた複数のテスターによって、フルーティーさ、苦味、辛味など数多くの評価表にもとづいて風味をチェックするもの。

バージン・オイルでも、エキストラ以外に酸度2.0以下で官能検査でやや欠点ありのファイン、酸度3.3以下で官能検査で欠点ありのオーディナリー、そして酸度3.3を超えそのまま食用には適さないとされるランパンテがあります。

さらに酸度は低くてもランパンテを精製したリファインド、搾りかすから抽出したポマースと呼ばれる精製オリーブオイルがあり、その精製オリーブオイルにバージンをブレンドした単なるオリーブオイルも存在します。

高級な品質を保つため、実の採取は機械式よりも実を傷めにくい手摘みが良いとされますが、当然手間がかかります。基本的には、ペースト状にしたオリーブの実の絞り果汁を水と油に分離するだけですが、伝統的には手作業で不純物が混ざりやすい。現在は機械による圧搾が主流です。あえて風味を増すために果肉を残すものもありますが、その代わり腐敗しやすく賞味期限が短くなります。

オリーブオイルはしばしば健康には良いとされますが、その理由は主成分の一つであるオレイン酸が多いこと、そしてポリフェノールを多く含むことに関係します。オレイン酸は悪玉コレステロールを減らし、ポリフェノールは抗酸化作用があるため動脈硬化を予防しやすいことがわかっています。もっとも、油は必須栄養素ですが、取り過ぎは要注意。

料理に使うオリーブオイルは、通常はエキストラ・バージンを選択すれば間違いないのですが、風味はまちまち。最終的には個人の好みで選択すればいいのですが、風味が強すぎると素材の味を殺してしまう場合もある。

炒めたり揚げたり加熱して使う場合は、風味が落ちてしまうので、あまり高級なものを使うメリットは減ってしまいますので、メジャーなメーカーの比較的安価なオイルで良いと思います。魚料理にはスッキリ系、肉料理には濃厚なものが向いていると言われています。

日高シェフの店でのお勧めは、加熱用は安価なアウリア、仕上げ用はオールマイティに使いやすい高価なサルバーニョが基本。安価と言っても2.8円/mlで、自分が使っているボスコが1.2円/mlなのでだいぶ高級。サルバーニョは3.9円/mlです。さらに魚介系に向いていると紹介しているのがチェトローネのインテンソ(12円/ml)、さわやかさを求める場合はチンクエコッリ(8.4円/ml)などだそうです。

他にはネットをいろいろ探していると、いろいろなものが出てきます。アルドイノ(3.1円/ml)、プラテナ(4.9円/ml)はしばしば高評価の物として登場しますし、スーパーでも見かけやすいヴィラブランカ(1.9円/ml)はコストパフォーマンスが良いとされているようです(価格はAmazonでのもの)。

いずれにしても、開封すると酸化が始まり風味が落ちていくので、我々一般人は一つを使い切ってから次を試すのが大事ということですね。

2022年3月9日水曜日

イタリアのコース料理の話


西洋料理のフルコースを食べるという機会は、数少ない経験しかありませんが、そのほとんどは結婚披露宴でフレンチばかり。イタリア料理ともなると、家庭料理のイメージがあって、あまりかしこまって食べるという印象が無い。

そもそも、スパゲッティとピザという、思い切りカジュアルな感じがする料理が有名ですから、イタリアンはランチ、フレンチはディナーという印象があるかもしれません。初期のイタリア料理の店が、人気を広めるために若者が利用したくなるおしゃれな感じを強調したことも関係あるかもしれません。

それでもフランス料理ほど厳格なルールは無さそうですが、イタリア料理にもフル・コースというものがある。それなりの順番で食べるのは、お腹に負担をかけずに美味しい物をしっかり食べるための方程式みたいな物なので、知っておいて損はないというところ。

まず最初が、アペリティーボ(aperitivo)。食前酒です。胃を刺激して臨戦態勢に供えるもので、軽めのカクテルかスパークリング・ワインなどを楽しみます。ストゥッツィーノ(stuzzichino)と呼ばれるおつまみ程度のものが一緒に出てくる場合があります。

さて最初の料理は、前菜にあたるアンティパスト(antipast)。カルパッチョやフリッターなどが供され、本格的な料理ができるまでのつなぎの意味もあり、ある程度作り置きしておけるものが登場します。

さて、いよいよ第1の皿、プリモ・ピアット(primo piatto)です。パスタ、リゾット、ズッパ(スープ)などから一つ、あるいは複数の皿が出てきます。

続いて第2の皿、セコンド・ピアット(secondo piatto)で、メイン・ディッシュという位置づけ。肉または魚料理の登場です。両方出てくる場合は魚が先。サラダのような野菜を主体としたコントルノ(contorno)と呼ばれる副菜が一緒に出されることがあります。メインが終わると、ちょっと箸休めのフォルマッジィ(formaggi)と呼ばれるチーズが出される場合があります。

次はデザートに当たるドルチェ(dolce)。ケーキ系の場合とフルーツの場合があります。一緒に飲むコーヒーは、もちろんエスプレッソ。そして最後の最後に食後酒、ディジェスティーヴォ(digestivo)で〆ます。

基本的にはフレンチと似たような進行なんですが、組み合わせの自由度は高く、特にパスタやリゾットのような炭水化物が含まれていることが特徴的なのかもしれません。

2022年3月8日火曜日

パスタの話 5 郷土の定番


イタリアは南北に長い、いわゆる「長靴」のような形をした国土を持ちます。北部は山並に続き、スイスやフランスと接しますが、大部分は海に囲まれた国。地中海の温暖な気候が、様々な美味しい料理を生み出しました。

イタリアでは、それぞれの地域で独特の味があり、イタリア料理というのは郷土料理の集大成と言われています。それぞれの家庭で、作り慣らされた「おばあちゃんの味」みたいなもので、パスタについても600種類以上あるというのもそういうところからきている。

パスタの名称も、素材の名前を並べただけというのもありますし、町の名前が使われることある。

北から行くと、まずはジェノバ。バジルの葉をすりつぶしてソースにした、そのまんま、ジェノベーゼが有名。断面が楕円形のリングイネを使うのが本場の作り方。

ガラス工芸で有名な水の都、ヴェネチアではペスカトーレ。豊富な魚介をふんだん使った、濃厚な味わいを楽しめます。特にイカ墨を使ったネロは独特の風味で魅了します。

ボローニャから中部という位置づけ。ボローニャと言えばボロネーゼ。ミートソースの原型です。なんとかネーゼというのはなんとか風という意味で、本来のボロネーゼは平らなパスタを使うらしい。

中部になると、南北が合わさった食文化。まずはアマトリーチェ。ローマの北100kmの山のふもと。アマトリーチェが地震で被害を受けた時は、ここで発祥したアマトリチャーナを食べて支援する運動がおこったりしました。本来はグアンチャーレと呼ばれる豚ほお肉の塩漬けと、羊のチーズであるペコリーナを使い、トマトは使わないこともあったりするらしい。

イタリアの首都、ローマで定番と言えば、カチェエペペとカルボナーラ。これらでメインに使われるのが濃厚なチーズと刺激的な胡椒。

南の有名所というと、ナポリとシチリア島とバレルモ。素材を生かした、比較的さっぱりとしたものが多く、香辛料としては唐辛子がたくさん使われます。基本的なソースとして多用される、トマトとバジルだけのポモドーロ、ニンニクと唐辛子だけのペペロンチーノなどが人気。

これらが混ざった発展形がボンゴレ・ビアンコとトマトが加わるボンゴレ・ロッソ、あるいはオリーブ、アンチョビ、ケイパーのプッタネスカになります。他にも日本では高級食材になるウニやカラスミの味を楽しむパスタなどもあります。

イタリアの食文化を楽しむためには、特色のあるそれぞれの地域の味を網羅することが大事。その中で、好みの味を見つけてみるのが楽しいようです。日本もイタリア料理の中では一つの地域と考えれば、特色ある素材を生かしたものは和製の独自のパスタ料理としてOKということですね。

2022年3月7日月曜日

プッタネスカ


プッタネスカ puttanesca・・・またもや耳慣れないイタリア語ですが、puttanaというのが娼婦という意味で、日高シェフによると元々はナポリ湾の沖合にあるイスキア島の郷土料理。娼婦風というのは、それだけ刺激的で華々しいということだとか、娼婦が忙しくて海山のものを混ぜて食べたからなど諸説いろいろ。

基本的にはペベロンチーノのバリエイションの一つだと思いますが、ポイントはオリーブの実、ケイパー、そしてアンチョビのハーモニーです。

ケイパーは風蝶木(ふうちょうぼく)のつぼみで、独特の酸味があるため調味料として地中海沿岸で良く使われる物。スモーク・サーモンに付け合わせてあるのでお馴染みです。

アンチョビはカタクチイワシを塩漬け発酵させたもので、そのまま食べるというよりこれも調味料として用いられます。オイル漬けにしたカタクチイワシを加熱したものは、オイル・サーディンと呼ばれます。

慣れればパスタを茹で始めるところからスタート。指定茹で時間より1~2分早くに取り出すつもりなので、その間にソースを作ります。

フライパンにオリーブオイル、ニンニクみじん切りを入れて加熱。泡が出てきたら鷹の爪。そしてオリーブの実、ケイパー、アンチョビを入れて、アンチョビを崩していくように軽く炒めます。このパスタでは塩味を決めるのはアンチョビですが、けっこう塩辛いので1人前2切れ程度にして、入れすぎには注意します。

そこへトマト。生でもいいし、缶詰でも良い。自分は、あらかじめ細かく切ったトマトを炒めて煮崩しておいたものを使いました。てきぱきできれば時間が余りますが、素人料理人の場合はちょうどそのころにパスタの茹で上がりになります。

パスタをフライパンに移し、茹で汁を少し加えて、かき回すようにソースをパスタに吸わせていくと出来上がり。

ニンニクの香り、唐辛子のピリっと感、そしてオリーブ、ケイパーの酸味が加わり、アンチョビの独特の味と塩味、加熱したトマトの甘味も交じり合って、とても複雑な風味になりました。

2022年3月6日日曜日

カチョ・エ・ペペ


ローマ付近の定番のパスタ料理の一つがこれ。カチョ(cacio)はチーズ、ペペ(pepe)は胡椒。日高シェフは、本当に材料がこれだけのパスタを紹介しています。実にシンプルな料理ですが、チーズ好き、胡椒好きにはたまらない一品です。

大事なのはチーズ。たいていのパスタ料理では、粉末状のパルメザン・チーズ(パルミジャーノ)をしばしば使いますが、これは牛の乳から作られる。今回のレシピに無くてはならないのは、羊の乳から作られるペコリーノです。長期保存を目的としていたので、塩分が多めのチーズです。

胡椒はできれば粒のままを使いたい。それを調理直前に叩いて粗く砕いたものが、香りが強く出て溶けたチーズに切れ味を追加してくれます。

スパゲッティは、チーズがたくさん絡むので太目の方が合う。一人前60~80gに対して、すりおろしたたペコリーノは15~20g、胡椒は15粒程度がよさそうです。

茹で汁の塩は少な目で、スパゲッティを茹で始めます。茹でている間に、チーズを用意し、胡椒を砕きます。砕いた胡椒をフライパンに入れて軽く煎ったら、水を100ccくらい追加して温めます。

指定された茹で時間の1分前にパスタを取り出し、フライパンに投入。水分が大部分無くなるまでかき混ぜます。火を止めてペコリーノを入れてかき混ぜると出来上がり。

ペコリーノだけで十分な塩味で、おそらく牛よりもあっさりとした風味がくどくない。胡椒がガツンと効いて、くぅ~たまらんという出来栄えです。

料理人によっては、バターを加え濃厚な仕上がりにする人もいます。ペコリーノが手に入らない場合は、パルミジャーノでもOK。この場合は、塩を少し足した方が良いかもしれません。こういう料理は、日高シェフも言っていますが、基本的にイタリアの家庭料理なので、それぞれの家にそれぞれの味があるってことなんですね。

2022年3月5日土曜日

リッチョ・ディ・マーレ


リッチョ・ディ・マーレ riccio di mare は、耳慣れないと思いますが、日本語だと高級食材のウニ(雲丹)のこと。リッチョはハリネズミ、マーレは海という意味で、イタリアでも貴重な海産物です。

ウニのクリーム・パスタと言えば、何となく雰囲気がわかると思いますが、和製パスタを想像しますが南イタリアの定番の一つ。

日本でもウニは高価なので、まじめに作ると雲丹だけで一人前1000円くらいかかりそう。そこで、利用したのが瓶ウニ。物によりますが、量的なことで考えるとこっちのほうが少し安く手に入ります。

作り方は簡単で、あらかじめ一人前で生クリームを50mlくらい用意して、好きなだけウニを入れたら混ぜておきます。ある程度粒が残った方が食べる時、ウニの雰囲気が伝わりやすい。

フライパンにオリーブ・オイル、ニンニク少々、香りが出たらクリームを入れ少しだけ温めます。火を入れすぎるとボソボソした状態になりやすいので注意。茹で上がったパスタを入れたら手早く混ぜ合わせて出来上がり。

仕上げで、塩気が足りなければ塩を追加したり、お好みで粉チーズや胡椒を振ってもいいと思います。今回はセリをトッピングに使ってみました。

口の中でホワ~っと広がるウニの風味が嬉しい。ただ、たくさん入れるほど美味しさは増えるし、生ウニの方がかたまり感もあってより美味しいのかもしれませんが、やはりお財布には優しくありません。何度も作るのはためらいますかね。

2022年3月4日金曜日

ペスカトーレ


ペスカトーレは、「漁師」という意味。つまり魚介メインのパスタ料理のこと。漁師が売れ残った魚介で作ったのが始まりと言われています。実は単純にイカが入っているのがペスカトーレだと思っていた自分が恥ずかしい。

一般にはトマト・ソースをベースにしますけど、仮にトマトが無くたって魚介盛沢山ならペスカトーレだそうです。様々な魚介の旨味が混ざり合って、最高に贅沢な味になるわけで、言ってみればスペイン料理の海鮮パエリアのパスタ版みたいなところがあります。

日高シェフは、立派な魚介を使ったレストラン・バージョンと、簡単に作りやすい冷凍シーフード・ミックスを使用した家庭バージョンを紹介しています。シーフード・ミックスを使う場合の注意点は、冷凍のままフライパンに入れ火を入れて解凍していくということ。溶け出た水にも魚介の旨味があるので、これを捨てる手はないという話。なるほど、なるほど。

ここでは、できるだけレストラン・バージョンを目指してみました。

2人前のつもりで、赤エビ 4尾、ヤリイカ 2杯、あさり 1パック、大きめの帆立の貝柱 3個です。日高シェフはトマト缶を使っていましたが、ここはフレッシュ・トマトのソテーから始めます。

多めのオリーブ・オイルにニンニク、鷹の爪少々、玉ねぎのみじん切りの順に入れて炒めます。そこへトマト中玉なら3個、ミニ・トマトなら15個前後を小さめにカットしてから入れてフリット(揚げる感じ)していきます。魚介からも塩味が出るので、ここで使う塩はかなり少なめ。しっかり味をつけると後で困ることになります。ある程度煮崩れた感じになればOK。

ここで、パスタを茹で始める。一人前100gに対して、水は1リットル、塩は10g(もちろん、だいたいですけど)。茹で時間は、指定されている時間より2分程度早めを予定します。

次は、別のフライパンで魚介に火を通していきます。最後にあさりで、白ワインを入れたら蓋をして蒸し煮。あさりの貝が開いたら、蓋を開けてトマト・ソースを入れ、パスタが茹であがるのを待ちます。

茹で上がったパスタを入れたら、少しここで煮る感じ。水分が足りなければ、茹で汁を追加。イタリアン・パセリのみじん切りを振りかけて完成。今回はパセリの代わりにベビー・リーフを使いました。

あさりだけ、エビだけでも旨いに決まっているのに、さらにイカや帆立の味も混ざって、もう魚介のハーモニーが口の中で響き渡ります。そこにトマトの酸味と、フリットしたこによる甘味も加わり、究極の美味しさです。

シーフード・ミックスでも雰囲気は出ますけど、やはり魚介から出る旨味はかなり少なくなるので、どうせ作るなら頑張って魚介を揃えるにこしたことはありません。

2022年3月3日木曜日

ジェノベーゼ


イタリア料理と言えば、短絡的にバジル入れればOKって思ってましたが、それはごくごく一部のレシピでした。香りを求めて、いろいろなハーブを利用するのですが、ことパスタに関しては、主役となる素材の旨味を最大限に尊重し、あまり余計なものは使わない。

ただし、バジルが主役となる定番パスタがジェノベーゼ。北西部の町、ジェノバに由来するネーミングで、直球でバジルの味と香りを前面に押し立てるもの。

日高シェフは、すり鉢で必要な分だけのジェノバ・ペーストを作る方法を紹介しています。一般的によく言われているのは、バジル、松の実、ニンニク、オリーブ・オイル、塩をブレンダー、あるいはミキサーで混ぜて作る方法。

バジルの香りを最大限に生かすためには、温まってはダメ。道具も冷やせという料理人がいたりします。オイルは後から入れる方もいますし、オリーブ・オイルではなくごま油を使うというのもあったりします。

パスタは、本場ではリングイネと呼ばれる断面が楕円形のロング・パスタと合わせるのが定番ですが、さすがにそこまで用意してないので、ちょっと細目のスパゲッティーニを使いました。

茹でる時に、一緒にサイコロ状に切ったじゃがいもとインゲンを一緒にするのが定番ですが、今回はインゲンが無かったのでグリーンアスパラガスです。フライパンにジェノバ・ペーストをお好みの量を入れ温めておき、1~2分早めに茹で上げたパスタを、じゃがいも、アスパラガスも一緒にいれてしっかりかき混ぜまぜます。火を止めたらパルメザンチーズを振りかけて、再び混ぜ込んだら完成。

ですが・・・ごめんなさい。今回は、出来合いのジェノバ・ペーストを使っちゃいました。けっこう、大量のバジルが必要なので・・・このあたりは、何でも手作りということではなく、便利に使えそうな物は利用して、時間とお金の節約ということで。ただし、問題もある。

出来合いのペーストは、たいてい味がしっかりついていて、けっこう塩辛くなってしまいます。ですから、パスタの茹でるお湯に入れる塩は少な目にしました。しっかり全体が緑色になるようにしようと思うと、けっこうな量が必要だったりします。

ちなみにイタリアの国旗は、右から赤、白、緑の、三色旗トリコロール)で、赤は愛国者の血・熱血、白は雪・正義・平和、緑は国土をあらわすと言われています。料理では赤はトマト、白はニンニク・チーズ、緑はバジルということも納得です。

2022年3月2日水曜日

アラビアータ


ショート・パスタの一番人気のメニューといえば、おそらくペンネ・アラビアータ Penne all'Arrabbiata。

いやいや、マカロニ・グラタンがあるじゃないか、と思ったあなた。残念賞です。マカロニ自体は確かにショート・パスタの一つではありますが、実は、マカロニ・グラタンはフランス料理の範疇。オーブンで焼いたときに焦げがでるのをグラタンと呼ぶんですね。

アラビアータは「怒り」という意味で、一般的にはおこりんぼう風パスタと呼ばれています。何でかというと、唐辛子を強く効かせて辛さを売りにするから。もちろん、ロング・パスタで調理してもいいんですが、一般的にはショート・パスタ、しかも筒状で両端を斜めにカットしたペンネが使われることが多い。

レシピは、これも基本のペペロンチーノの派生形。

お湯を沸かして、1%の濃度になる量の塩を入れます。一人前のペンネは、ロング・パスタより少な目で60~80g程度が適当らしい。沸騰したらパスタを入れてソース作りをします。

フライパンにオリーブ・オイル。ニンニクを入れたら火をつけて弱火でじっくりと香りを出す。ニンニクが少し狐色になったら、鷹の爪を入れます。ニンニクや鷹の爪の量はお好みです。ここまではほぼペペロンチーノ。

さて、ここで面倒は嫌という場合は、追加の味が付いていないトマトの缶詰でOK。入れたトマトを揚げていくような感じ(フリット)で火を通していきます。今回はフレッシュ・トマトを使いましたので、細かく切って投入し、オイルは少な目でペースト状になるように強火で煮崩していく感じ。当然、トマトの量もお好みで。

その頃にはパスタも茹であがりますので、フライパンに混ぜてソースをしっかり絡めて出来上がり。味見して足りないなら塩を少し追加。

これも、実にシンプル。素材の味だけをしっかりと引き出しただけですが、ストレートにトマトとニンニクと、そしてピリっとする唐辛子の刺激がたまらない一品です。

2022年3月1日火曜日

パスタの話 4 カロリーあるよね


パスタばかり食べていると・・・

いゃあ、カロリーが気になります。何しろ「スパゲッティはダイエットの大敵」ということがよく言われていますからね。

白米のご飯は、普通のお茶碗一杯で150gで234kcal。丼飯になると200gで約300kcalです。
パスタと同じく小麦粉を主材料とした食品はパン。食パン一斤はおおよそ1000kcalあります。標準的な6枚切りだと一枚で170kcal前後です。

じゃあ、パスタは?

通常の一人前のパスタでは、乾燥麺の場合、だいたい80~100gが使われます。材料はデュラム小麦と塩だけが一般的で、100g当たり350kcalです。茹でると水を含んで、一食分250g程度になります(カロリーは同じ)。

同じ量の白米なら390kcalになりますから、白米よりは多少カロリーは少ない。少ない方が良しとするならば、白米一膳で終われれば、パスタの負け。ご飯をお替りしてしまうとパスタの勝ちということになります。

つまり、パスタだけで考えればカロリーとしては、特に怖がる必要はありません。むしろ、白米よりもミネラル、ビタミン、食物繊維などが豊富な分栄養学的には有利と言えます。

ただし、問題の一つはオリーブ・オイル。イタリア料理ではオリーブ・オイルをふんだんに使用しますが、食用油の中では健康には良いとされますがカロリーはそれなりにある。オリーブ・オイルのカロリーはだいたい9kcal/gです。

パスタ料理では一人前に少なくとも10g、場合によっては20gくらいは使うことを考えると、90~180kcalになる。一番何も入っていないペペロンチーノで、標準的な一人前で500kcalくらいになってしまう。

トマトやアサリなどはたいしたことが無いので、あまり気にしなくてもいいんですが、さらに困ったことになるのがチーズです。パスタで多用するパルメザン・チーズは、特にカロリーが高いチーズで約45kcal/gです。上からちょっと多めに振りかけただけで100kcal近くになってしまいます。

チーズをたくさん使う代表的な人気パスタはカルボナーラで、一人前にパルメザンチーズの粉末を5~10gくらい使います。さらに卵黄1個(66kcal)が入って、最大の敵、生クリームを50mlくらい使う。生クリームは100g当たり約430kcalもありますから、これだけで200kcalオーバー。さらに、パンチェッタ(またはベーコン)も加わって、余裕で一人前が1000kcalくらいになってしまう。

パスタ自体はあまりカロリーはありませんが、「白パスタ」で食べる人はいませんから、こうやって料理として食べるとなると確かにダイエット向きとは言えませんね。野菜をできるだけ一緒に食べるようにして、パスタは少なめにしておいた方が無難ということなのかもしれません。