2025年11月23日日曜日
アンダーニンジャ (2025)
この映画もそういう作品の一つで、あまりにも監督の自己満足的な笑うに笑えないようなシーンが多すぎて、結局ストーリーの主題がぼやけてしまった感が否めない作品になりました。元は花沢健吾のマンガが原作ですが、かなり独自の斬新な世界観が設定されていて、(自分のように)原作を知らない者には、よりこの映画は何だかよくわからないうちに終わってしまうのです。
忍者は現代でも密かに存在を続けていて、厳格ではありますが今風の組織NINとして暗躍しているらしい。NINを抜けた忍者の大半はアンダーニンジャ(UN)と呼ばれる組織に入り、NINと敵対していました。NINのメンバーのうち一般職は下忍と呼ばれ、地味に暮らしている雲隠九郎(山﨑賢人)もその一人。上司の中忍の加藤(間宮祥太郎)から、講談高校に潜入しUNの情報を掴むように指令を受けます。
講談高校の女学生である野口(浜辺美波)と知り合った九郎は、いじめられっ子の瑛太(坂口涼太郎)からも校内の事情を調べます。すると、学校全体を陰で操っているのは、実質的には用務員の主事さん(平田満)であると確信します。講談高校の地下はかつて、NINとUNが雌雄を決する戦いをした場所で、多くの忍者が死亡した聖域のような場所でした。
UNの刺客として猿田(岡山天音)が、講談高校に乗り込んできて殺戮を始めたためNINの鈴木(白石麻衣)や蜂谷(宮世琉弥)が応戦します。美人でぶりっ子の山田(山本千尋)を怪しいと感じていた九郎は、封印されていた地下の迷宮へと向かうのでした。
まぁ、さしあたって、一番のお勧めはヒロインの浜辺美波の変顔。基本的に美人系女優さんなのに、よくぞここまで吹っ切れた演技ができるもんだと感心します。一部のファンの人は、崩れ去る理想像にがっかりするかもしれないくらいの勢い。ビラン側のヒロインは山本千尋で、本格的な武術をやっていただけに、なかなか切れのあるアクションが見物です。
佐藤二朗やムロツヨシの意味不明のギャグは、せっかくの物語の緊迫感を薄れさせているのですが、それこそが福田節だと考える人にはたまらないパートだろうと思います。アクション・シーンの出来は評判が良いので、そういった「無駄」な時間がもったいないと思い人もかなりいるのも間違いない。
福田監督は当然、そういった賛否両論は重々承知の上でやっている確信犯みたいなものなので、嫌いなら見なければよいと居直っているように思います。物語は雲隠十郎の登場で終わっているので、まだまだ続編の構想もあるのかもしれませんから、見ようと言う方はそれなりに覚悟した方が良さそうです。
2025年11月22日土曜日
レコード大賞の衝撃
優秀作品賞
× ILLIT「Almond Chocolate」
× M!LK「イイじゃん」
× FRUITS ZIPPER「かがみ」
△ アイナ・ジ・エンド「革命道中 - On The Way」
△ 幾田りら「恋風」
△ Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」
× CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」
× 新浜レオン「Fun! Fun! Fun!」
△ 純烈「二人だけの秘密」
× BE:FIRST「夢中」
新人賞
× CUTIE STREET
× SHOW-WA & MATSURI
× HANA
× BOYNEXTDOOR
物心ついた時からある、日本の音楽関係の(たぶん)最高の栄誉となる日本レコード大賞。
主催は公益社団法人日本作曲家協会で、スポーツ紙を含む各新聞社の記者が中心となって投票して決定されるもので、昔は大晦日といえば「レコ大」と「紅白」を掛け持ちして大急ぎで移動する歌手のことが話題になりました。
その年に大ヒットを飛ばした話題作が選出されるので、昔は知らない曲が出てくることはなく、まさに世相を反映した1年の締めくくりにふさわしいイベントだったと思います。
上に列挙したのは、今年のレコード大賞に選出されたもの。この中から12月30日に大賞が発表されることになります。
で・・・頭についている×と△は何か?
自分がアーティストの名前を聞いたことが無い、顔もわからないというのは×印をつけました。名前は知っているが、顔は知らない、あるいは曲を聞いた記憶がないというが△です。名前、顔がわかって曲も知っていたら〇を付けたかったのですが・・・
何と、一つも〇を付けられないじゃないか!!
Mrs.グリーンアップルは顔はわかるし、過去のヒット曲なら聞き覚えがあるかもしれないけど、この曲はわからないじゃないか~!!
・・・
・・・
・・・
年を取ったものだ、と実感する日々です。
2025年11月21日金曜日
イチケイのカラス (2023)
そして、その流れで劇場版が公開されました。入間みちお(竹野内豊)は熊本から岡山県秋名市に異動し支部長となっています。坂間千鶴(黒木華)は秋名の隣町である日尾美町で弁護士の職に就いていました。
日尾美町から出発した貨物船が、海上自衛隊イージス艦に衝突・沈没する事故が発生します。すべては貨物船船長の島谷の責任となり、納得できない船長の妻・加奈子(田中みな実)は、葬儀に訪れた政府関係者に包丁を向けてしまい逮捕されてしまいました。
その裁判の担当となった入間は、防衛省が事件の詳細を隠匿しているため、正当な判決を出せないと考え、伝家の宝刀「職権発動」により再捜査を開始しますが、防衛大臣(向井理)からの圧力により裁判長を下ろされてしまいます。
一方、坂間千鶴は、日尾美町の町そのものと言っても過言ではないシキハマ株式会社の工場に環境汚染の疑いがあることを知ります。坂間は人権派弁護士といわれている月本信吾(斎藤工)と協力して、その証拠を集めるのですが、いろいろな嫌がらせを受け、アパートは放火され、ついに月本は殺されてしまうのでした。
坂間は、何とか健康被害の民事裁判に持ち込みますが、なかなか決定的な証拠をつかめないでいました。その裁判の担当となった入間は、独自の調査によって貨物船事故と工場の環境汚染を結びつける証言を得ることに成功したのです。
かつてのイチケイのメンバーたちは、ちょっとずつのサービス出演という感じで、ほぼ竹野内豊と黒木華による展開になっています。周りを固めるのは、日尾美町の医師として吉田羊、秋名裁判所の若手裁判官に柄本時生と西野七瀬、シキハマ工場長には平山祐介、シキハマの弁護士に尾上菊之助らです。
ドラマの刑事事件と違って、民事訴訟がメインなので対決するのは弁護士同志で、裁判官の挙動もドラマとは異なります。ドラマとスタッフはほぼ共通で、脚本は浜田秀哉。監督は田中亮ですが、劇場版となって事件が起きた深い人間関係を掘り起こすような展開となっています。
そういう意味では、リーガル・エンタテイメントとしての痛快感は薄れてしまったのが残念な感じがします。また、一見関係ない二つの事件が次第に結びつくところに注力していますが、貨物船事件は無くてもいいような感じで、日尾美町の問題に集中した方がヒューマン・ドラマとしては深みが出たような感じがしました。
2025年11月20日木曜日
イチケイのカラス (2021)
犯罪物、いわゆるクライム・サスペンスというと、一般には捜査をして犯人を逮捕する警察官が主役ですが、その後に待っている裁判を描くのが法廷物(リーガルドラマ)というジャンル。過去には、検事が主役の「HERO」、弁護士が主役の「リーガル・ハイ」、「99.9-刑事専門弁護士」、「石子と羽男」などがヒットし、全部の仕事をまとめた「虎に翼」も思い出されます。
「イチケイのカラス」は東京地方裁判所第3支部第1刑事部、通称「イチケイ」を舞台にした裁判官が主役のドラマで、原作は浅見理都によるマンガです。ただし、主役やキャラクター設定は改変されていて、落ち着いた配役によって安定したライト・コメディに仕上がりました。
イチケイに新たに配属されたのは超真面目で、上からの期待が高い優秀な女性裁判官、坂間千鶴(黒木華)です。イチケイのトップは駒沢(小日向文世)、書記官としては川添(中村梅雀)、石倉(新田真剣佑)、浜谷(桜井ユキ)、事務官として一ノ瀬(水谷果穂)がいますが、一番問題児なのが中卒で、元弁護士の裁判官、ふるさと納税を趣味とする入間みちお(竹野内豊)です。
入間は、誰もが納得できる正しい裁判を行うために、裁判官としては異例の「職権発動」によって自ら再捜査に乗り出してばかりいるので、たくさんの処理案件が滞っているのです。しかし、駒沢もそのことに理解があるので、イチケイ全体が問題視されているのでした。
12年前、入間が弁護士として関わった殺人事件で、担当した日高亜紀裁判官(草刈民代)は、まったく弁護側の主張を聞き入れず、被告に無期懲役の判決を下しました。無実を主張していた被告は絶望して自殺し、弁護士に嫌気がさした入間は、駒沢の申し出により裁判官になったのです。
あまりのマイペースぶりに坂間のイライラはつのりますが、いろいろな事件を担当するうちに、少しずつ入間の想いを少しずつ理解するようになっていきます。そして、ある事件をきっかけに、12年前の事件の真相に近づくチャンスが巡ってくるのです。
本当の裁判官からすると、こんな裁判官はあり得ないといわれそうですが、エンターテイメントとしては、実に良く出来ています。それでもキムタクも松潤も相当変わっていましたし、堺雅人ほど極端なキャラではないので、一般人からするとだいぶ現実的な印象を持ちます。
それはキャスティングの妙もあると思いますが、演技者として定評のある出演者によってそれぞれがしっかりと描かれていると思います。ただし新田真剣佑だけは活躍の場が少なすぎて、ちょっと物足りなさを感じます。
裁判官は法廷の最後でほとんど事実関係が明らかな状態で登場するので、ストーリーを盛り上げたのは原作者の力が大きいとは思いますが、それをうまくドラマに落とし込んだ脚本の浜田秀哉も評価されると思います。
2025年11月19日水曜日
ラ・フランス
ラ・フランスは西洋梨の代表的な品種ですが、当然、フランスではそうは呼ばない。
原産国フランスでは、クロード・ブランシェ(Claude Blanchet)さんが19世紀半ばに発見した品種ということで、発見者の名前を冠した呼び名が用いられます。
ところが、本国ではその後すたれてしまい、日本では山形・長野を中心に定着し世界最大の産地になりました。
今が食べ頃というわけですが、実際に収穫されるのは10月だったりします。
実は、収穫されてから、数週間の追熟によって、含まれるでんぷん質が糖分に変化するすることで、甘くトロリとした美味しさになります。
好きな方にはたまらない美味しさなんですが、難しいのは食べ頃の判定。
耳たぶくらいの柔らかさが目安と言われていますが、タイミングを逃すと腐らせてしまうので、毎日にらめっこしないといけませんね。
2025年11月18日火曜日
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 (2024)
どこからともなく現れる駄菓子屋、銭天堂。噂になっても、ごく限られた者しか店にたどり着けないらしい。駄菓子屋の主の紅子(天海祐希)は、店の来ることができる客を水晶玉を通して呼び寄せ、その客の希望を叶えられる不思議な駄菓子を売るのでした。小学校の教師をしている等々力小太郎(大橋和也)は、こどもたちの中に、急に何かがうまくなったりするのは、どうやらその駄菓子を食べたせいだと耳にします。
小太郎の大学の後輩の相田陽子(伊原六花)は、ファッション雑誌の編集部に配属され、自分のセンスの無さに落ち込んでしまいます。しかし、紅子に呼び寄せられ、食べると自分に似合うファッションが光って見える「おしゃれサブレ」を買うのです。しかし、もっと注目されたいという欲が膨れ上がり、なぞの駄菓子屋たたりめ堂のよどみ(上白石萌音)の誘いにのって「強欲あんこ」を口にしてしまうのです。
小太郎の妹のまどか(平澤宏々路)は、一緒に美術大学を目指している親友の如月百合子(伊礼姫奈)が急に絵が上手になり自分に冷たくなったことを悩んでいました。紅子はまどかに、心がきれいになる「虹色みずあめ」を売ります。実は、悪意をどんどん生みだすために、百合子もよどみの駄菓子を食べていたのでした。
う~ん、まあ、元は児童文学ですから・・・あまり、いろいろ言うことはないんですが・・・にしても、中田秀夫もよく監督のオファーを受けたものだと。天海祐希もしかり、上白石萌音もです。まぁ、本人たちが楽しんでいるなら、それはそれでよしとするしかない。ファンの方には怒られると思いますが、大橋和也くんの演技は・・・
あまり考えずに、多少楽しめればよいという、時間がある方がこども向けだと思って見るにはちょうど良いかもしれません。
2025年11月17日月曜日
夜明けのすべて (2024)
2024年の映画賞の多くを受賞した作品で、若手(?)の日本の映画監督の中で、注目すべき一人である三宅唱の監督作。原作は実写化作品がいくつかある瀬尾まいこの小説で、脚本は三宅と和田清人の共同脚本です。
この映画を理解する上で、2つの病気が重要な意味を持っています。一つは月経前症候群(PMS)で、生理の時期に体や精神の不調を生じるもので、軽いものは多くの女性が経験します。5%程度で日常生活に支障をきたすような、情緒不安定、イライラ、抑うつ、めまい、倦怠感、腹痛、頭痛などを起こしています。もう一つはパニック障害です。突然の激しい不安発作が繰り返し起こり、発作時には動悸、息切れ、めまいなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたします。
いずれの病気も、多くの時間は普通に社会生活を送っているので、周囲の人々には気がつかれないこともあり、発作時の苦しみはなかなか理解されにくいところがあります。主人公の一人、藤沢美沙(上白石萌音)は、発作が終わると攻撃的だった自分を嫌悪し、希望を持てない生活を送っているのです。もう一人の主人公である山添孝俊(松村北斗)も、電車に乗ることもできず自分の殻の中に閉じこもり生きる希望を失いつつありました。
大会社の中では居場所を見出せなかった美沙は、今ではプラネタリウムの玩具などを製造・販売する栗田金属で働いていました。社員は10名に満たない小さな会社でしたが、社員全員が家族のようにお互いを気遣うような環境でした。1か月前に大きな会社から転職してきた孝俊は、他の社員と交流することはなく黙々と仕事をするのです。
ある日、孝俊は美沙のイライラをぶつけられ驚きます。また、孝俊が社内で発作を起こしたことで、美沙は自分も使ったことがある薬を孝俊が服用していることに気がつきます。美沙に苦しい時はお互い何かできるかもと言われた孝俊は、自分の主治医にPMSの本を借りて勉強し、次に美沙が発作を起こしたときは、何とか落ち着かせようと協力するのでした。
小学校で毎年行っている移動式プラネタリウムのイベントを、今年は孝俊と美沙がメインで担当することになりました。二人は知識の整理だけの解説では面白味がないため、昔社長(光石研)の弟が担当していた時の、録音テープや資料を参考にして、より生き生きとした解説原稿を作ります。しかし、美沙は脳梗塞を起こした母の介護のため会社を辞めて、実家の近くに転職する決意をしていたのです。
映像的に特別に凝ったことはしていませんが、終始ゆったりとしたシーンをつなぎ合わせて、大変おちついた描写を心がけている作品です。音楽の使い方もシンプルで、ストーリーをまったく邪魔することなく、映像の中にしみ込んでいくような単調な音楽が心地よい。
一番良いのは脚本です。無駄な台詞は排除して、いちいち説明的な言葉はありません。見る者の想像力に頼る部分が多いのですが、俳優の演技や情景により伝えるべきことは伝わるような脚本だと感じました。
タイトルの意味は、プラネタリウムの解説の最後に美沙が説明する言葉にすべて込められています。美沙は「夜明け前が最も暗い時間です。そして朝が来れば、また夜が来る。喜びに満ちた日も、悲しみに沈んだ日も、地球が動き続ける限り必ず終わる。そして、新しい夜明けがやって来る」と、来場者のみならず自分にも向けて語るのです。
孝俊と美沙の間には、いわゆる恋愛感情はおそらくありません。孝俊は、男女の関係には助け合うというものもあると語っています。それは、同性同士であっても、上下関係の中でも、人と人の関りという点では共通のものだろうと思います。この映画には、悪意を持つ者は一人たりとも登場しません。すべての人に感じてもらいたい作品なのてす。
2025年11月16日日曜日
幸せカナコの殺し屋生活 (2025)
ウェブサイトで連載された、若林稔弥による無料の4コママンガが原作。そして、それを実写ドラマ化したのはネット通販サイトであるDMM.comが運営する動画部門のDMM TVです。出展からして、実にネット社会だからこその新しさがあります。
通常の地上波テレビは、スポンサーが出資して番組が作られ、視聴者は無料で番組を見れますが、そのかわりスポンサーによるCMを合わせて見ないといけない。番組制作にはスポンサーの意向が反映され、誰でも見れるため時代に合った制約を強く受けます。
一方、衛星放送チャンネルやネット配信のよる番組は、そのほとんどが「サブスク」で提供されます。視聴者は見たいと思って同意した上で視聴するので、映画と同等に暴力的、あるいは性的な倫理的に過激な描写も可能で、作り手はかなり自由に番組を作れるので、いろいろな意味で面白くなるのは必然と言えます。
このようなメディア構造の変化は、特にネットに依存する度合いが強い若者中心に受け入れられ、もはや地上波テレビ放送は「絶滅危惧種」の如くで、関係者は先細りの将来に大きな危機感を持っていることだと思います。ただし、サブスク番組も視聴者を獲得するため、より過激化する心配もないわけではありません。
事務所移籍トラブルにより、芸名である「能年玲奈」を本名であるにも関わらず使えなくなった"のん"は、地上波テレビ復活よりも映画やサブスク系ドラマなどに活路を開いたという意味では、現在のメディア構造をもっともうまく利用した出演者と言えるかもしれません。
5年ぶりとなるメディア露出を果たしたのは、2019年の自ら監督もした「おちをつけなんせ」で、これはYouTubeを利用した自主制作でした。2025年はNetflix映画「新幹線大爆破」や本作で存在感を見せつけ、この時期にABEMAで配信中の「MISS KING」でも大評判になっています。
前置きが長くなりましたが、本作は痛快アクション・コメディで、1話約30分の全6話、実質的には2時間ちょっとの映画サイズです。監督はこのジャンルの作品が多い英勉。
ブラック企業に見切りをつけたカナコ(のん)が、就職面接を受けに行ったのは殺し屋でした。しかし、社長(渡部篤郎)の説明でホワイトな職場であることを理解したカナコは採用され、早速殺し屋としての実践訓練を始めることになります。指導するのは先輩の桜井(藤ヶ谷太輔)ですが、社長も桜井もカナコの殺し屋としての才能を認めざるを得ない。
まずは壮絶なパワハラをカナコにしていた元上司を暗殺したのですが、怨恨の線でカナコの元にも警察が事情を聞きに来ます。刑事の竹原(矢本悠馬)はカナコに一目惚れし、バディの大森(山崎紘菜)もあきれてしまう。しかし、カナコは殺し屋の仕事に今までにはなかった充実感を感じるようになるのです・・・
というような、荒唐無稽の話ですが、とにかくテンポが良い。アクションもそこそこかっこいい。社会の落ちこぼれになったカナコが再生していくところも、共感を呼びます。頻繁に出てくるギャグもわざとらしさがなく、ストーリー全体をポップに仕上げることに溶け込んでいます。機会があれば、是非視聴してみることをおすすめできるドラマだと思いました。
2025年11月15日土曜日
ランサムウェア
ランサムウェアとは、コンピュータ・ウィルスの一種で、感染すると保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを復旧させるための金銭などを要求する不正プログラムのこと。
近年、新たに登場したわけではなく、コンピュータおよびインターネットの黎明期からすでに存在していたわけで、1989年の「トロイの木馬」として有名になったプログラムが最初と考えられています。
20世紀は、一つ一つのコンピュータは独立した仕事をする場合がほとんどでしたから、さまざまなコンピュータ・ウィルスが登場しても、被害があっても個々のコンピュータの問題であることがほとんどでした。
しかし、今では組織内のコンピュータのみならず、世界中の家庭のものですらインターネットを介してつながる時代になり、問題が起こるとその影響は多岐にわたって拡大します。
現在、日本の企業でランサムウェアの攻撃により著しく業務に支障をきたしているのがアサヒ・ビールとアスクルです。アサヒ・ビールは、アナログな手段により、受注・出荷を少しずつ再開していますが、いまだに解決には至っていません。
アスクルは、どこの企業でも日常的に使われる消耗品全般を扱い、注文すると基本的に「明日、来る」ので、多くの会社が利用しているもので、自分のクリニックでも医薬品などを除くと、主要注文先として開院以来利用しています。
注文するとすぐに届くということは、自社で在庫をたくさん抱える必要が無いことが大きなメリットなんですが、ひとたびアスクルがストップしてしまうと、証文品はすぐさま枯渇してしまうことになります。あらためてアスクルの有難味がよくわかるというものですが、同時に代替えとなる入手手段を考えないといけない。
トイレット・ペーパー、ペーパー・タオル、ティッシュ・ペーパーなどは、近くのホーム・センターに買いに行けばいいのですが、持ち帰るのはかさばって大変です。Amazonなどの別の通販を利用することもできますが、配達時間などが不定なので頼みにくい面があったりします。
アスクルを日常的に利用する酒屋さんが、一番困っているのかもしれませんが、とにかくランサムウェアの問題は他人事ではありません。コンピュータの発展は、便利になると同時に不便になるところも増えていると認識しないといけないということ。薬でいえば、主作用と副作用は表裏一体と同じです。
2025年11月14日金曜日
さかなのこ (2022)
宮澤正之による自叙伝「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」が原作。宮澤正之というと「 誰??」となるんですが、「さかなクン」と言えば知らない人はいない。
さかなクン、本名宮澤正之は、いつでもハコフグの帽子をかぶりハイテンションで魚に関する様々な解説をすることで人気者になりました。一方で、その魚類に関する博学ぶりは専門家をも凌駕する場合があり、内閣総理大臣賞(2012年)を受賞し、現在は東京海洋大学の客員教授を務めるほどになりました。
監督・脚本は沖田修一。さかなクンは男性ですが、監督は中性的な魅力も感じる女優ののん(能年玲奈)を起用し、ミー坊と呼ばれた少年が「さかなクン」になるまでを沖田流のフィクションの味付けを加えて描いています。
小学生のミー坊(西村瑞季)は、魚が大好き過ぎてクラスの中でも浮いていました。それでも、
ある日、ミー坊はギョギョおじさん(さかなクン)と出会います。魚に詳しいギョギョおじさんは、ミー坊にいろいろな魚の話をしてくれたのですが、夢中にになって夜遅くなってしまい警察がやってきて、ギョギョおじさんは連行されてしまうのです。去り際にギョギョおじさんは、かぶっていたハコフグの帽子をミー坊に渡すのでした。
高校生になったミー坊(のん)は、学校で飼育するカブトガニの孵化に成功して新聞に紹介されました。原付暴走族の総長(磯村勇斗)との仲良くなり、対抗するグループの籾山(岡山天音)とも親しくなりました。しかし、ミー坊の学校の成績はいまいちでした。それでも三者面談で、母親は成績が悪くてもかまわないと言うのです。
水族館に就職したミー坊は、魚への愛ばかりで仕事はからっきし。寿司屋に転職したものの、魚好きのミー坊にはどうも向いていない。高級歯科医院からアクアリウムの設計を頼まれても、マニアック過ぎる魚ばかりをチョイスして失敗します。
熱帯魚店でやっとやっと落ち着いたミー坊の元に、モモコ(夏帆)が子連れで転がり込んできました。しかしモモコを同居させるには部屋に置いていたたくさんの水槽が邪魔だったので、ミー坊は水槽を整理するのです。それを知ったモモコは黙って出ていきました。
ミー坊の魚の絵が上手なことを知っていた総長は、寿司店を開こうとしていた籾山のもとに連れていき、ミー坊に店の外壁・内壁にたくさんの魚を絵を描かせます。これが評判になり、ミー坊の元には魚のイラストの仕事が舞い込むようになりました。それを知ったテレビ局で働くヒヨは、ミー坊をテレビで紹介することにしました。緊張するミー坊は、ギョギョおじさんから受け継いだハコフグ帽をかぶり、ついに「さかなクン」になったのでした。
さかなクンにまつわる本当の話も混ざっていますが、大部分はフィクション。それでも、実にうまく話が作られていて、さかなクンならこうやって誕生したのかもしれないと思わせてくれます。この辺りは脚本の妙味というところなんで、映画としては良く出来ているところです。
ただし、沖田監督作品としては・・・ちょっと原作に振り回された感じで、ある意味「普通」の映画です。原作がフィクションではなく、かつ原作者が存命中ということで、皆が知っているさかなクンのキャラクターに寄せ過ぎた感は否めません。その結果、沖田カラーは彩度を失ってしまったのかもしれません。
事務所移籍トラブルから露出が激減したのん(能年玲奈)にとっては、この年は自ら監督も行った「Ribbon」に続いての女優としての実力を再確認させることにつながっています。男性とも女性とも、あるいはトランスジェンダーでもない何にも染まらない存在感を、見事に演じています。
2025年11月13日木曜日
子供はわかってあげない (2021)
原作は田島列島で、沖田作品としては初めてマンガ作品が取り上げられました。冒頭、「魔法左官少女バッファローKOTEKO」というオリジナル・アニメが登場して、「あれ? 見るものを間違えた」と思ってしまうかもしれません。
高校2年生で、水泳とアニメ一筋の生活を送る朔田美波(上白石萌歌)は4人家族。父の清(古舘寛治)とはアニメ趣味も同じで仲が良く、母の由起(斉藤由貴)も明るく理解があります。大好きなアニメが同じだったことから、美波は同級生の門司昭平(細田佳央太)と仲良くなります。
美波は、偶然に昭平の家にあったお札が、高校生になった時差出人不明で自分宛てに送られてきたものと同じであることに気がつきました。書道家である昭平の父が書いたもので、新興宗教の「光の函」のお札であることを知った美波は、昭平の兄で探偵っぽいことをしている明大(千葉雄大)を紹介してもらいます。
実は母は子連れの再婚で、美波は本当の父親との記憶はありませんでした。お札は父親から送られてきたものかもしれないと考えていた美波は、「藁谷」という苗字だけを頼りに父親の捜索を頼むのでした。明大は教団の線から教祖である藁谷友充(豊川悦司)を割り出し、今は教祖を辞めて海辺の町で整骨院の手伝いをしていることを調べ上げます。
美波は水泳部の夏合宿の期間に、両親には黙って友充を訪ねることにしました。整骨院は友充の実家で、美波が会いに来たことを歓迎します。二人は湿っぽい話はせず、美波は友充が可哀そうだからと夏合宿への合流を先延ばしにして留まることにしました。
友充は自分には自然に人の心を読む能力が身についていたので教祖に祭り上げられたが、それを教えても誰もできなかったため教壇を抜けたと語ります。さらに友充は、姪の小学生の仁子が泳げないので水泳を教えてあげるよう美波に頼みました。仁子は少しずつ泳ぎが上達しているうちに、夏合宿期間が終わろうとしていました。美波がまったく合宿に現れないことを知った昭平は、何かトラブルになっているのではないかと心配し、美波の行き先に急ぐのでした。
昭平は自宅で小学生相手の書道教室で先生をしていて、それを見た美波は感心するのですが、昭平は「教えられたものを教えるのは簡単だよ」と返していました。美波は水泳を人に教えたことはなかったのですが、仁子に教えることを頼まれたときにその言葉を思い返します。
一方、友充の「特殊能力」は、誰かに教えてもらったものではないので、美波が教えてもらってもまったくどうにもならないのです。この映画のポイントはそこのところで、人は様々な事柄を教えてもらい成長し、そしてそれをまた誰かに教えていくことで継承されていくのだということ。
現代っ子なのか、記憶にない父親と再会しての、美波の反応はドライな印象を受けます。今になってヒントになるお札を送ってきた理由は尋ねますが、何故母と離婚したのか尋ねないし、10年以上の空白があるにしては打ち解けすぎじゃないかと感じました。もっとも、そこを突っ込んでいくとお涙頂戴的な悲壮感とかも出てきてしまい、沖田カラーとは異質の展開に行ってしまいそうです。
むしろ、過去は横に置いて、前向きに父親との時間を取り戻すことに集中したということ。同時に、こどもは急速に距離を縮めることができるのに対して、大人はこどもの好きなものをそろえたりしてそれなりに四苦八苦している。「親の心子知らず」的なところが、タイトルの由来なのかもしれません。
今回も、基本ほのぼのとした「ハート・ウォーミング」なストーリーを目指しているので、いつものカットを減らして長回しでゆったりとした間を活かした「らしさ」は十二分に堪能できます。そういう意味では一つのシーンが長いので、俳優陣は大変だったろうと思いますが、若手陣はなかなか頑張ったと言えそうです。
2025年11月12日水曜日
おらおらでひとりいぐも (2020)
日高桃子(田中裕子)は75歳、数年前に夫に先立たれ、一男一女を授かりましたがそれぞれ独立して、今では一人住まいの身の上です。趣味と言えば、図書館で借りてくる本を参考にして書きためた「地球46億年の記憶ノート」を作ることくらい。
桃子の目の前には、桃子の心を代弁するさびしさ1(濱田岳)、さびしさ2(青木崇高)、さびしさ3(宮藤官九郎)がしょっちゅう現れます。朝になると、どうせ(六角精児)が「どうせ起きても昨日と同じでやることはないよ」囁いている。確かに、起きても図書館と病院に通うだけの生活なのです。
桃子は岩手県の出身で、東京オリンピックの年に、親が決めた縁談が嫌で「新しい女」になると東京に飛び出してきたのです。若かった桃子(蒼井優)は、住み込みの食堂の客だった同郷の周造(東出昌大)と知り合い結婚したのです。幸せな結婚生活でしたが、古い習慣に縛られ新しい女のイメージとはほど遠い生活でした。
昔の自分を思い出し、様々な妄想を繰り返しているうちに、むしろ自分が一番輝いているのは周造が死んでからの勝手気ままな生活をしている今なのかもしれないと思うようになります。そして。「おらおらでひとりいぐも」と言うと、今を受け入れるようになるのでした。
タイトルは東北弁で、「私は私で、一人で行きます」という意味。宮沢賢治の「永訣の朝」の中の死の床にいる最愛の妹に対する決別の言葉です。ここでは亡くなった夫に向けた桃子の気持ちの整理を意味しているようです。
原作にならって、現実では標準語、妄想の中では東北弁が使われていて、一部東北弁については聞き取りにくいところがあります。東京に出てきて標準語で通してきたはずの桃子でしたが、やはり標準語を使う自分に後ろめたさを感じていたわけで、出自を完全に捨て去ることはできないということ(46億年前の地球に重なります)。
主たるテーマは「老いと孤独」ということだと思うのですが、沖田作品の特徴である無理しないユーモアのおかげで悲壮感はありません。むしろ、若かったころの桃子の「この幸せが終わることはないと思っていた」という言葉に、「周造が死んだことで、独りで生きてみたいと思っていたことが叶った」と今の桃子が返答するのは、ある意味真実なのかなと思ってしまいました。
田中裕子はこの映画の時は65歳くらいですが、シーンによって孤独な老女とお茶目な少女の両方を演じ分けていてさすがです。もともと地味な印象がある沖田作品のなかでは、群を抜いて地味な感じですが、沖田監督らしさを随所に感じられるほのぼのとした仕上がりになっています。
2025年11月11日火曜日
モリのいる場所 (2018)
沖田修一は2006年の「このすばらしきせかい」以来、一貫して脚本も自ら書き起こす映画監督で、21世紀の邦画界では常に注目すべき映画作家の一人だと思います。常に日常的な何気ない風景の中から、大声で笑うわけではなく、心が嬉しくなるような「コメディ」を構築しています。
昭和49年、東京都豊島区の一角にある古い平屋に、94歳の画家の熊谷守一(山崎努)は妻の秀子(樹木希林)、姪の美恵(池谷のぶえ)と暮らしていました。守一は、毎日、身支度を整えると、秀子に「行ってきます」と挨拶をして出かけていくのです。途中、見慣れない小石に「どっから飛んできた?」と問いかけ、蟻の行列をじっと見つめ、生繫った植物や小動物を観察するのです。
これはすべて守一の家の30坪足らずの庭での出来事。守一は、この地に家を構えて30年間も外出せずに暮らしていたのです。ごくたまに家の敷地の外に出ても、ちょっと歩いただけで誰かと出会うと逃げ帰ってきます。守一が毎日出かけていくのは、庭のはじにある池。少しずつ自分で掘った深い穴の底にある水溜りのような池ですが、メダカが泳いでいるのです。
親しい人からはモリと呼ばれていた熊谷守一は、1880年生まれでシンプルな構図の中に大胆な色彩で(自宅の庭にある)自然物を描き続けた画家です。二度の褒章の機会を「人がもっと来たら困る」という理由で辞退し、60歳頃からは家から出ることなく、1977年に97歳で亡くなっています。絵画に興味が無くても、誰もがモリの作品をどこかで見たことがあることでしょう。
モリは二科会の早くからの会員であり、二科展へは毎回のように出品を続けていました。昭和天皇が二科展を訪れた際に、モリの作品を見て「これはどこのこどもが描いたものか」と尋ねたという有名なエピソードがあり、この映画もその場面から始まります。しかし、後に昭和天皇はモリの作品が大好きになられたらしい。
この映画は、そんなモリのある一日を描きます。モリの日常を撮影しているカメラマンの藤田武(加瀬亮)が、今日は新米の鹿島(吉村界人)を連れて訪れます。信州から看板を書いてもらいたくてやってきた朝比奈(光石研)は、旅館名ではなく「無一物」と書かれて困惑して帰っていきます。宮内省の役人(嶋田久作)は、電話で褒章の内示を伝えるものの断られて呆然とするのです。近所の人々(黒田大輔、きたろう)も特に用がないのに集まってくるのでした。
モリの家のすぐ横にマンション建築が始まり、現場監督(吹越満)と作業員の岩谷(青木崇高)がやってきて、美術大学生らが反対運動をしているのを何とかしてほしいと言ってきます。岩谷はモリが著名な画家であることを知っていたので、自分の息子の描いた絵を見せるのです。モリは「下手だ。でも下手はいい。上手は先が見えちまう」と評するのでした。
モリはマンションが建つと、日当たりは池のところだけになってしまうので、岩谷に池の穴を埋め戻すことを頼み、夜には建築作業員をにすき焼きを振舞うのでした。宴会の中、モリは庭に見たような人がいることに気がつきます。その人は変わった姿をしていて、「池が宇宙につながりました。一緒に行きましょう」とモリに言うのです。しかし、モリは「行かない。この庭でも私には広すぎる。行くと母ちゃんが疲れちゃうのが、一番困る」と言うのです。
池は無くなり、マンションも建ちましが、モリの暮らしは相変わらずでした。また訪れた藤田はマンションの屋上に上がってみます。見下ろすと、とても狭いけど大きなモリの宇宙が広がっていました。
人にはそれぞれ自分の世界があって、それは安心できる小宇宙ということ。そして、モリのいる場所はそんな庭の世界・・・であると同時に「秀子のいる世界」が大事だということ。沖田監督はモリの「奇妙」な生活に興味を持ち、ストーリーの大多数はフィクションであろうと思いますが、カメラマンの藤田のモデルである「獨楽- 熊谷守一の世界」を出版した藤森武氏にも取材されたのかもしれません。
主演の山崎努と樹木希林は、50年来の知り合いですがこの映画が初共演。樹木希林はこの映画を気に入っていて、「喋りやすい、喋過ぎない脚本で、無駄がない」と語っていたそうです。山崎努は「キツツキと雨」で大御所俳優として出演していましたが、その中で新人監督の小栗旬に「またやろう」というシーンがありました。沖田監督はそれを実現したかったのかもしれません。
2025年11月10日月曜日
海老クリーム・パスタ
有頭海老を見つけたらパエリア・・・じゃなくて、海老クリームのパスタがおすすめです。
殻付きのまま有頭海老を、ちよと多めのオリーブオイルで炒めましょう。両面をしっかり焼いたら、トングなどでギュっと押しつぶして、味噌を絞り出します。そしたら、一度フライパンから取り出しておきます。海老のエキスがたっぷり出た海老オイルになります。
さて、フライパンに戻りましょう。トマト缶1/3(130ml程度)、生クリーム100mlを追加します。キノコとか入れたかったら、このタイミングでお願いします。
パスタが茹で上がったら、フライパンに移しましょう。少し水を加えたほうがやりやすいです。フライパンの中で数分間パスタを煮て、味を吸わせてパスタを完成させます。
あ~至福の美味しさ。申し訳ありませんが、そこらの店よりうまいぞ~
2025年11月9日日曜日
野球場の話
今はサッカー人気が高いので、こどもたちの夢はJリーガーなりたいというのがダントツで多い。昭和のこどもは、特に自分に関しては当然のように野球少年であり、将来野球選手という夢をもつこどもがほとんどでした。
それというのも、王・長嶋全盛期、読売ジャイアンツが連続V9を達成していた頃ですから、娯楽も今ほど多くなかったので、こどもだけでなく大人も野球が大好き。
東京にいるとジャイアンツの試合は全試合テレビ・ラジオ中継がありましたから、ジャイアンツの選手の名前は憶えても、他のチームの選手はわからない。必然的に、ジャイアンツのファンとアンチ・ジャイアンツに二分されるということになります。
後楽園球場のチケットを入手するのは大変だったらしく、ほとんど観戦に行ったことはありません。ただし、神宮球場は当日券でも楽勝に入場できたので、生の野球観戦といえば、ほぼサンケイ・アトムズ対読売ジャイアンツに限られるということになります。
サンケイ・アトムズはもともとは国鉄スワローズだったわけで、後に巨人に移籍した大投手の金田正一がいたチーム。東京オリンピックのあとに産経グループに売却されましたが、大坂万博の頃にはヤクルト・アトムズに変わっています。1974年にヤクルト・スワローズとなり、2006年から現行の東京ヤクルト・スワローズを名乗っています。
自分が知っている頃のスワローズ(あるいはアトムズ)は、リーグで最弱と言ってもかまわないくらい弱いチームで、神宮球場の外野は閑古鳥なんてものじゃない。その頃は外野スタンドは芝生だったので、好きな場所でゴロっと横になって見物できたし、あきると友人とキャッチボールもできました。
現在、横浜DeNAベイスターズと名乗っているのは、自分がこども時は大洋ホエールズでした。当時は川崎球場がホームでしたが、1978年に横浜に移転し横浜大洋ホエールズとなり、1993年から横浜ベイスターズ、2012年にDeNAが球団名に加わりました。
川崎球場は一度だけ、ホエールズ対ジャイアンツの試合を見に行ったことがある。たぶんJR川崎駅から徒歩で行ったのだと思いますが、何か場末の繁華街みたいなところを通り抜けるので、こども心にはずいぶんと怖い場所にあるという記憶だけが残っています。
セントラル・リーグには、他に甲子園球場の阪神タイガース、広島球場の広島東洋カープ、名古屋球場の中日ドラゴンズがありますが、いずれも球団名はほぼ変更されていません。ただ、地方で野球観戦というのはしたことがありません。
ただ唯一、1974年、確か京都への修学旅行の帰りに、新幹線の中から名古屋球場の灯りを一瞬見ました。実はその日は、ペナントレースの最終戦で、ドラゴンズ対ジャイアンツの試合が行われている時だったのです。ジャイアンツはこの試合に敗北してV10を逃し、鉄人・川上哲治監督は勇退したわけです。
2025年11月8日土曜日
久しぶりにカルボナーラ
パスタのメニューの中で、カルボナーラはトップクラスの人気を誇ります。
もちろん自分も嫌いではないのですが、かなりカロリーが高めになってしまうので、やや避け気味になっいます。でも、うまく出来た時の満足感はけっこうあるので、たまに作りたくなります。
ポイントの一つは、味の決め手の塩は、パスタを茹でる時にしか使わない。そして用意したソースを絡める時の過熱の仕方だと思います。
通常パスタを茹でる場合には、1%の塩を入れます。つまり1Lの水に対して塩は10g。これだけでは味が薄いのでないかと心配しそうですが、ベーコン(またはパンチェッタ)も使うので、そこから出る塩味があるのでまったく心配はありません。
二人前くらいで、まずみじん切りのタマネギ中1/2個を炒めます。これは焦げない程度。そして好きなだけベーコンを入れて火を通します。既定の時間より1~2分早めに茹で上げたパスタをフライパンに投入したら、少しだけ茹でるのに使った湯を入れてパスタに味を吸わせていきます。
さてソースは先に用意しておくのですが、使うのは生クリーム200ml、生卵の黄身1個分、パルメザンチーズ(いわゆる粉チーズ)適量、そして粗挽き黒コショウです。
チーズをたくさん入れたくなりますが、入れすぎるとソースが重くなりますので注意が必要。このあたりのバランスには個人の好みもあるので、何度か自分で試してみるしかないかもしれません。
パスタがほどほどに煮汁を吸ったら、あとはソースを混ぜるだけなんですが、火をつけたままだと卵黄がかたまり過ぎて失敗します。ゆっくりじっくり、そして冷めないように火を入れるのが大事。
プロは湯煎をしたりしますが、家庭ではなかなか大変。そこで、超弱火にしてソースをフライパンに投入する方式がおすすめです。ゆっくり混ぜながら1~2分程度加熱すると、いい感じに仕上がります。
皿に盛ったら、黒コショウ追加、パセリを散らせば完成。何度が作って、ほぼパーフェクトと威張れる自己満足満点のカルボナーラが出来上がりました。
2025年11月7日金曜日
モヒカン故郷に帰る (2016)
監督・脚本は沖田修二で、広島県呉市の瀬戸内海の小島で撮影されました。島の美しい風景と暮らす人々の素朴な心情をはさみながら、しばらくぶりに故郷に帰って来た長男と父親の関係をユーモラスに描くハートフル・コメディです。
東京でデスメタルバンドのボーカルをしていてモヒカン頭がトレードマークの田村永吉(松田龍平)は、妊娠した婚約者の会沢由佳(前田敦子)を紹介するために、故郷の瀬戸内海の戸鼻島に帰ってきました。
永吉の父親である田村治(柄本明)は、若い頃から矢沢永吉の大ファンで、ずっと面倒を見ている中学の10人しかいない吹奏楽部には矢沢の「アイ・ラブ・ユー、OK」を演奏させていました。母親の春子(もたいまさこ)は広島カープの大ファンで、弟の浩二(千葉雄大)も定職についていませんでした。
モヒカン頭は気に入らないものの、治はとりあえず長男の結婚祝いの宴会を開きます。しかし、その夜治は倒れ、肺がんの末期であることが判明するのでした。永吉は家業の酒屋を手伝い、由佳も島に馴染みましたが、治も春子も二人に東京に帰るように勧めるのでした。一度は連絡船に乗って島を離れたものの、二人は宮島観光をしただけで戻ってきます。
治の病状は悪化していましたが、痛いのは嫌だからと大きな病院に行くことはしません。永吉は、治の思い出のピザを取り寄せたり、吹奏楽部の連中にノリノリの矢沢永吉を演奏させたり、矢沢の扮装で治のベッドの横に立ち治を喜ばせたりします。そして、治の最後の願いで永吉と由佳は結婚式をあげ、その晴れ姿を見せることにするのでした。
父親が死の病に侵され、しばらく父との対話か無かった息子が父を助けるために奔走するみたいなベタな展開はありません。登場する人々は、良いことも悪いこともそのまま受け入れて、特に頑張るわけでもなく、それでもやさしく見守るのです。
モヒカン頭で変わり果てた息子はともかく、初対面の息子の彼女(少なくとも両家の子女ではない)に対してすら、そのまま受け入れることができるのはなかなかできるものではありません。でも、それがまったく普通のことに思えるのは作品の持つおおらかな雰囲気の賜物と言えそうです。
沖田監督作品としては、ストーリーがわかりやすく作られているように思いますが、死に向き合いつつも、日常的な自然に発生するユーモアをうまく挟み込んでいるところは、この監督らしさだと思います。同じキャストで、続編なんかも見たいものだと思いました。
2025年11月6日木曜日
滝を見にいく (2014)
ほのぼのとした雰囲気の中で、自然に笑いがこみ上げてくるような癒し系のような作品が多いのですが、この作品は特にその傾向が強い。
ストーリーはいたって簡単です。紅葉の山の中で滝を見学するツアーに参加した7人のおばちゃんが、素人ガイド(黒田大輔)のせいで迷子になり、なんとなく協力して一晩野宿し、本来の目的だった滝を見ることができた・・・という感じです。
おばちゃんたちは、ほとんど知らない女優さんばかりですし、実際素人も混ざっているらしい。知られた人がでてこないので、なおさらただのおばちゃんに見えるというのがポイントです。
それぞれが、一般に「おばちゃん」と呼ばれる人の特徴を備えていて、最初のうちはお互いにその「おばちゃん」らしさが鼻につく。ところが、遭難したとなると反目している場合じゃないことが少しずつわかってきて、それぞれの持ち味を生かした協力体制かできてきます。
それはもう「おばちゃん」というより、危機的状況を逆手にとって楽しむ少女のような感じになっていきます。何とか帰り道の目鼻がついたところで、まだ滝を見ていないことに気がついた7人は、とにかく滝だけは見て帰ろうと再び戻っていくのです。
かなりゆったりとした流れの映像で、劇中音楽もかなり控えめで、たまに聞こえるのはほとんどゆったりとしたクラシック音楽なので、緊張感はかなり少な目です。
そんなのんびりとした時間を過ごさせてくれる佳作として、休日の午後にゴロっとなってみるのに丁度良い作品です。
2025年11月5日水曜日
横道世之介 (2013)
明るい性格でお人好し、そしてちょっと横着者である横道世之介(高良健吾)は、入学してすぐに倉持一平(池松壮亮)と阿久津唯(朝倉あき)とともだちになり、サンバ研究会に入会します。一緒に上京してメディア研に入った小沢(柄本佑)とのからみで知り合った年上の片瀬千春(伊藤歩)に、男との別れ話をするため弟のふりをするように頼まれ、千春に一目惚れしてしまいます。
世之介は教室で加藤雄介(綾野剛)と知り合い、加藤のアパートにはエアコンがあったので、夏の間いりびたりになります。加藤に気がある女子の誘いでダブルデートになった世之介は、一緒に現れた与謝野祥子(吉高由里子)と知り合いました。祥子は富豪の娘で、運転手付きの車の送迎がある箱入りのお嬢様でした。
世之介が夏休みに長崎に帰省すると、祥子も実家にやって来て父(きたろう)・母(余貴美子)と仲良くなってしまいます。夜に海岸でいいところまでいった二人でしたが、ちょうどそこへベトナム難民のボートピープルが上陸してきて、世間知らずの祥子は大きなショックを受けるのでした。
新学期になって、大学に戻ると倉持が退学していました。倉持は唯と付き合っていたのですが、唯が妊娠してしまったため結婚して就職することになったのです。世之介は、当面必要な金を倉持に貸すことにします。
きちんと付き合うことにした世之介と祥子は楽しくクリスマスを過ごし、正月にスキーで祥子が足を骨折したことで、より一層絆が深まることになりました。バレンタインデーに世之介のポストに間違ってチョコが入っていて、初めて隣人の室田(井浦新)と話をし、室田がカメラマンであることを知ります。室田はお礼にとカメラを貸してくれたことで、世之介は写真を撮ることに夢中になり将来の仕事にするのでした。
それぞれの登場人物が16年後の「今」に、ちょっとしたことから世之介を思い出す構成で、メインのストーリーはそれぞれの人物の回想という形を取っている。前半で回想されるのは、世之介との楽しい思い出ばかりで、世之介のお人好しを笑って楽しめるものばかりです。
しかし、ほぼ真ん中でラジオのパーソナリティになっていた16年後の千春の登場から、物語の雰囲気はガラリと違った印象に変わってしまうのです。千春は今日のニュースを読み上げ、そこからディレクターにテンションが下がったと指摘されるのです。そのニュースは、地下鉄のホームから落下した人を助けようとして世之介も亡くなったというものでした。
これは2001年に山手線新大久保駅で実際に起こった人身事故がモチーフになったことはあきらかです。泥酔してホームから落下した男性を助けようとした日本人カメラマンと韓国人留学生が亡くなられた事件で、当時大きな話題になりました。もちろん「日本人カメラマン=世之介」ではありませんが、原作者に大きなヒントを与えたことは間違いない。
そのことを知らされた視聴者は、同じように語られているはずの後半のストーリーはも前半と正反対の悲しい思い出になってしまうのです。先ほどまで笑えていたエピソードと同じような話が続くにもかかわらず、油断すると泣けてしまうこの構成はすごい。
特別に何かすごいことを成し遂げたわけではないにもかかわらず、世之介と知り合った人々は、より幸せな人生を送っている。皆を笑顔にできる世之介のような人物の存在は、誰もがともだちにすべきとても貴重な存在だといえそうです。
沖田組からは高良健吾、黒田大輔が再登場しています。カットを少な目にしてシーンの印象を強くしたり、派手な音楽を使わない沖田流の映像手法は完成したと言ってよさそうです。160分という長尺の映画ですが、もっと世之介を見ていたい気分にさせられました。
2025年11月4日火曜日
キツツキと雨 (2012)
林業を営む岸克彦(役所広司)は、昔ながらの職人気質の頑固一徹な人物。2年前に妻に先立たれ、定職につかない25歳の息子・浩一(高良健吾)と二人暮らし。
村にゾンビ映画の撮影隊がやって来て、克彦は偶然に彼らの手伝いをする羽目になってしまいます。仕切っているのは助監督の鳥居(古舘寛治)で、一緒にいるのに何も動こうとしない若者に克彦は説教をしてしまいます。
その若者、田辺幸一(小栗旬)は、実は自分に自信が持てない25歳の若手監督で、この作品も自分の意見が言えずスタッフの言いなりになっていたのです。幸一は現場から逃げ出そうと、克彦に駅まで送ってもらいます。車の中で、克彦がしつこくあらすじを聞いてくるので台本を渡してしまいます。しかし、駆けつけてきた鳥居に捕まり、幸一は連れ戻されてしまいました。
克彦が家に戻ると、幸一が身支度をしていて、東京に行くと言い捨てて出ていってしまいます。幸一は、克彦の家に台本を返してもらいに行きますが、何となく克彦は幸一の立場が想像できるのでした。それから克彦の声掛けで村中からエキストラが集められ、少しずつ映画の体裁がまともになっていくのです。
幸一は克彦の応援してくれる声が頭の中に聞こえる気がして、少しずつ自信をつけていくのでした。
ゾンビ映画のキャストとして、山崎努、平田満、臼田あさ美、スタッフには嶋田久作、黒田大輔、克彦の仕事仲間に伊武雅刀、高橋努などが登場します。高良、嶋田、黒田などは沖田作品には何度も登場しています。
沖田監督の特徴として、とても静かな長い間合いがあります。今作でも、ぎりぎり長過ぎない間合いによって、説明セリフに頼らず人物の心情などをうまく表現しています。もちろん、そこは言葉に頼らない俳優の演技があってのこと。
撮影でも、カットは多用せず一つの画面に中に、会話をしている二人を同時に映しこむことで、流れを途切れさせない演出が目立ちます。音楽は控えめで、簡単音楽で盛り上げようとするような姑息な手段は使われません。このことで、むしろ映像の中に没入できる感覚になります。
当時30代半ばの沖田監督は、おそらく幸一に自分の分身を投影していたのかもしれません。そして、息子の浩一とうまく折り合えない克彦と、おそらく父親とうまくいっていない幸一の関係を重ねてくることで、父と息子という家族のつながりが描かれているのだと思います。
2025年11月3日月曜日
ちょっとだけエスパー (2025)
この秋のテレビドラマで注目していた作品の一つがこれ。
何しろ、大泉洋主演、ヒロインが久しぶりの連続ドラマ登場の宮﨑あおい。二人は2018年の「あにいもうと(TBS)」以来2度目の共演。そして、最も楽しみなのは脚本が野木亜紀子というところ。
野木さんのオリジナル脚本は、登場人物の作り込みがすごいのでドラマの奥行きがめちゃめちゃ深い。大泉洋出演作では、「ラッキーセブン(2012、フジTV)」、「アイアムアヒーロー(2016)」以来ということになります。
今作は、10月スタートのゴールデンタイムの新番組としては最も遅いスタートで、待ちに待った感じで否が応にも期待が高まりましたが、その期待をまったく裏切らない面白しさがすでにあふれている感じです。
平凡なサラリーマンだった文太(大泉洋)は、会社の金を横領して、仕事も家族もすべて失いネットカフェで細々と暮らすどん底の身。ある日、面接に行ったノナマーレという会社で、社長の兆(岡田将生)に謎のカプセルを渡され、それを飲めば採用と言われます。
そのカプセルは、世界を救うためにちょっとだけエスパー・・・超能力者になれるというもので、文太は社宅で四季(宮崎あおい)と夫婦として暮らすように言われます。文太はあくまでも世間を欺く仮の夫婦だと思いますが、何故か四季はまったく演技ではなく本当に文太を夫だと思っている様子。
文太の周りには、同じくノナマーレの社員である「ちょっとだけエスパー」な人々いる。桜介(ディーン・フジオカ)はどこでも花を咲かせる能力の持ち主で、円寂(高畑淳子)は念じるとちょっと温められる200w程度のレンチン能力があり、半蔵は動物と話ができてお願いを出来るというもの。そして、文太の能力は触れていると相手の心の声が聞こえるというものでした。
彼らに兆から送られてくるミッションは他愛のないものばかりで、これで世界を救えるのか疑問しかないものばかり。兆は世の中の出来事にはいろいろな選択肢があり、些細な事でもその結果は大きな変化につながることがあると文太に説明します。
ノナマーレの意味は、イタリア語で「Non Amare (人を愛してはいけない)」であり、文太にとっては仮の夫婦である四季への接し方が難しい。四季はノナマーレの社員ではなく、本当の夫が死んだことで心が壊れ、文太を本当の夫だと思い込んでいるのでした。
今のところ第2話まで放送されていますが、それぞれのちょっとだけの超能力がどのように使われていくのか気になりますし、一瞬登場して彼らがエスパーであることに気がつく大学生(北村匠海)もどのように絡んでくるのか注目です。
もちろん、仮の夫婦である文太と四季がどうなっていくのかも気がかりですが、何よりもノナマーレ、いや兆の真の目的が隠されているように思えるし、そもそも兆の正体も謎過ぎる。
まだ間に合いますから、これは是非みんなで見てもらいたい。社会派が続いた野木作品ですが、今回はちょっと肩の力を抜いて本人も楽しみながら話をつくっているのかもしれません。でも、第2話の衝撃のバッドエンドには、思わずびっくりして一筋縄ではいかない野木作品の闇も垣間見えました。
2025年11月2日日曜日
海鮮丼
海近の町でよくある名物が海鮮丼。
テレビでも、「こんなにすごい」丼があったと紹介されることがしばしば。圧倒的なボリュームで驚かしたり、めちゃめちゃ安くて嬉しくなったりと、いろいろです。
そんなのを見ていたら、むしょうに食べたくなってきた。ただし、出かける時間が無ければ、自分で作るしかない。
・・・というわけで、スーパーで安いお刺身を買い込んできました。
こういう時は、あまりお財布の中身を気にしてはいけないのですが、おいしそうな物はやはり値段が高い。自然と頭の中で計算して、手が出なくなります。
結局のところ、質より量、少しでも安いものをたくさん購入。二人分で4500円ほど。一食にかける金額としては、ふだんの3倍くらいでしょうか。
ブリ、めばちマグロ、イカ、ホタテ、赤海老、サーモン、一番単価が高いイクラ、いくらに隠れていますがタコを並べてみました。
御飯はタマノイのすしのこで味付けして寿司飯にしてあります。後はワサビ醤油を用意して食べるだけです。
まぁ、そこそこ満足が得られました。上を見たらきりがありませんが、家で楽しむなら簡単で十分すぎるということでしょうか。
2025年11月1日土曜日
マルタイ・ラーメン
インスタントラーメンは、1958年の日清のチキンラーメンが世界初と言われています。
ただし、自分が認識した最初はサンヨー食品の「サッポロ一番」とか明星食品の「チャルメラ」、そして日清食品の「出前一丁」です。これらは60年代半ばに登場した三大即席めんと呼んでも異論はないと思います。
ただし、これらはいずれも油揚げ縮れ麺で、お店で食べる麺とは「何か違う」という印象は拭えませんでした。
1959年に発売されたマルタイの「棒ラーメン」は、今でも販売が続く人気商品ですが、他のインスタントラーメンと違い熱風乾燥によるストレートの細麺が最も特徴的。
麺の味としては本物に近いのですが、それはそれで別物という感じ。でも、何か嫌いじゃない。
今はノンフライの、ほとんど生麵と変わらないものがたくさん出ていますが、だったら普通に生麺を買う方が安くて美味しいと思います。
あえて、インスタントラーメンを買うなら、むしろ棒ラーメンを選んでしまいます。時々食べたくなる味ということなんでしょうね。
2025年10月31日金曜日
ミライさん (2018)
世の中の情報技術・・・つまりIT (Information Technology)の進歩は、21世紀になって急速に拡大して、特にメディアの世界では、従来の組織がどんどん縮小する傾向が顕著です。
例えば、本。文字文化の象徴みたいなところがありますが、本屋はほとんど姿を消しつつあり、手に取って文字を読むという習慣は過去の物になりつつある。例えば、新聞。発行部数は縮小の一途をたどり、いまやテレビのニュースはSNSに上がった個人の感想みたいなものばかりを垂れ流している。
しかし、他人とのコミュニケーション・ツールとして言葉そのものが無くなることは、今のところは想像できません。SNSでさえ、言葉を文字にして交換するというのが基本です。SNSの代表的なツールであるLINEは、オールド・メディアがやってきたことを取り込んで、どんどん肥大化しています。
そんなLINEが、2018年に初めてドラマとして製作したのが本作です。現在はYouTubeのLINE NEWSの中で見ることができます。スマートホンで見ることを前提として、1時間の番組では長すぎるという観点から始まった企画のようで、1話10数分で全5話という構成。制作サイドはこれでも長いと考えているらしい。
ただし、LINEの企画はこれ1本だけですし、今最も勢いのあるドラマ配信であるNetflixなどは、1話1時間程度が基本ですし、2時間の映画を作ってもいて、いずれも支持されているわけですから、短いドラマは見た時の満足感も少なくなってしまい必ずしも安定した需要は見込めないのかもしれません。
このストーリーは、ちょっとだけ近未来のホーム・ドラマという感じのもので、今野ミライ(のん)、兄のトモロウ(本多奏多)、母のイマコ(堀内敬子)、そして父のフルキチ(マキタスポーツ)という4人家族の話。
「人が働かなくてもいい未来」を作る自称革命家であるミライは、まったく働こうとせずダラダラと日々を過ごしています。わかりやすく言えばニート。トロモロウが発明した道具を、便利に使いこなして楽することばかり考えているのです。
フルキチは名前の通りで、ミライからはしょっちゅう「古い常識にとらわれている」と言われるため、ミライとはしばしばぶつかります・・・という、はっきり言って他愛ない内容。
スマートホンだろうと大画面だろうと、やはり内容の面白さが一番大事なポイントになるのだと思います。短い時間では、物語に深みがなく、ドラえもんのポケットから出て来たみたいな道具を巡ってのドタバタにしかなっていません。
ただし、この短いドラマが注目できるポイントの一つが「のん」の女優復帰作であるということ。のんについては、どうしても芸名にまつわるトラブルの話を避けては通れません。
2013年のNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」と2014年の映画「海月姫」でブレークした能年玲奈は、その2つの出演を最後にメディアから遠ざかってしまいました。事務所の売り出し方針と本人の希望との間のずれのため退所したことが原因で、本名である能年玲奈は芸名としては事務所の商標であるため使用できなくなったのです。
トラブルを起こしたタレントはスポンサーは使いずらい。そのため数年間は露出が激減したわけですが、このLINEドラマで4年ぶりに女優に復帰しました。その後は着実に映画を中心に、俳優としての実力を発揮していて、テレビでも見かけるようになってきたので安心ですね。
2025年10月30日木曜日
おいしい給食 (2019~)
自分が給食を経験したのは、小学校の6年間。中学からは学校に食堂設備はありましたが、業者がまったく決まらず、ひたすら近くのパン屋で調達していました。まぁ、おかけでカップヌードル登場にも立ち会えたわけですが。
給食はと言うと・・・記憶にあるのは、不動のレギュラーだった脱脂粉乳と固い耳の厚切り食パン2枚。お世辞にも美味しいとはとても言えない。あとは平皿におかずが一品という組み合わせで、特に記憶に残るような美味は感じたことがなかったと思います。
牛乳や、米飯が登場するのはもっと後のことで、ニュースなどで聞いた時はとても羨ましい気持ちになったことを覚えています。クラスの皆と食べるとという時間的・空間的な共有が楽しかったとは思いますが、今となっては特別な思い入れはありません。
そう思うと、甘利田先生の給食愛のすさまじさは、とても理解しきれないところはあるんですが、甘利田先生が過ごした1980年代の給食メニューの献立は、自分が経験した給食とは異次元の物のような内容で、これなら楽しいだけでなく美味しいと思うのも当然かもしれません。
・・・甘利田先生? それ誰? と思った方、今ならまだ間に合います。すぐさまTVerをチェックしてください。今ならテレビで放送された「おいしい給食」の3 seasonのすべてを楽しむことができます。
2012年に始まった「孤独のグルメ」以後、テレビでドラマ仕立てで美味しい料理を紹介する番組がたくさん作られています。しかし、そのほとんどは料理の紹介に注力するあまりドラマとしての面白さは低いと言わざるをえません。唯一評価できたのは、高畑充希主演の「忘却のサチコ」で、主人公の成長をしっかり組み込んだことで見応えがありました。
さて、「おいしい給食」は、そのものズバリ、給食に特化した学園グルメ・ドラマです。母親の作る料理がまず過ぎて、こどもの時から給食がうれしくてしょうがなかった極度の給食愛好者である甘利田先生が、おなじく給食をさらに美味しく食べるためにあの手この手を繰り出してくる生徒の一人と毎回バトルを繰り広げるというもの。
学園物としての先生と生徒のつながりも描かれ、マドンナとなる女性教師とのドラマもあり、そして甘利田に敵対する人物も登場して、ドラマとしての面白さが十二分に盛り込まれています。給食という、誰もが経験して情報を共有できる素材に着目したというのが素晴らしい。
そして、何よりも主演の甘利田を演じる市原隼人の吹っ切れた演技が凄すぎる。市原と言えば、通常寡黙で強面という役が多いので、コメディとは対極にいる俳優というイメージですが、ここでは手足をキレキレに振り上げて踊りながら校歌を熱唱し、給食を褒めたたえて食べ切り、そして生徒の挑戦に目を丸くして敗北感を感じると床に倒れ込んでしまうのです。
しかし、それ以外の場面ではいつもの市原に戻るので、そのギャップに拍手を送るしかありません。役作りについては、かなり本人のオリジナルによるところが大きいらしく、甘利田という役に対する本気度が伝わって来るようです。
Season 1 (2019)では、常節市立常節中学校が舞台。産休の代替教員として赴任した御園ひとみ(武田玲奈)が副担任となり、甘利田と給食マニアの神野ゴウ(佐藤大志)とのさらに美味しく食べるための戦いが描かれます。
劇場版 おいしい給食 Final Battle (2020)
神野がより美味しい給食のたに生徒会長選挙に立候補します。給食を廃止したい教育委員会の鏑木(直江喜一)と対立した甘利田は、給食が続く学校への配置換えされることになります。
Season 2 (2021)では、転勤先の黍名子市立黍名子中学校に神野ゴウが転校してきて、再び給食を巡るバトルが再開します。学年主任の宗方早苗(土村芳)は、給食を愛しすぎる甘利田を不審に思い、鏑木の依頼で甘利田の様子を伝えるのでした。
劇場版 おいしい給食 卒業 (2022)
鏑木の作戦で、健康のためという理由で、給食の味が落ちてしまい、甘利田と神野は教育委員会に乗り込みます。神野は給食を守る教師になると宣言して卒業し、甘利田は函館に飛ばされてしまいました。
Season 3 (2023)では、函館市立忍川中学校に転勤しています。1年生の担任になった甘利田は、クラスの中にかつての神野を彷彿とさせる給食マニアである粒来ケン(田澤泰粋)がいることに驚きます。甘利田は新米の英語教師、比留川愛(大原優乃)の指導係となり、比留川の厳格な父親と対決することになります。
劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ (2024)
甘利田は、自分が脚本を作ったクラス対抗の演劇をおこなうことになります。そして函館転勤を容認した影の目的である、イカメシの給食登場を待ち続けていたのです。
そして、現在公開中なのが、「劇場版 おいしい給食 炎の修学旅行」で、すでにたいへん好評らしい。どこまで続くのかわかりませんが、一度見だすとはまることうけあいです。あなたも、甘利田の"狂気"を微笑ましく思えることでしょう。
2025年10月29日水曜日
2試合分
昨日のMLB ワールド・シリーズ、ドジャース対ブルージェイスの第三戦は凄かった。
現地時間で試合が始まったのは午後5時好き。なんと終わったのは6時間半後ですから、ほぼ日付が変わろうかという時間。日本だったら終電を気にするところですが、車社会のアメリカはあまり関係ないのかもしれません。
何しろ、延長戦になって2試合分、18回の裏までかかって、昔の日本の高校野球の試合みたいなことになりました。1勝1敗の五分で迎えた第3戦ですので、ただでさえこの試合で勝つことは重要な意味があるというものです。
ましてや歴史に残る総力戦ですから、勝つか負けるかで精神的にもだいぶ違ってくるというものです。サヨナラ負けしたブルージェイスにとっては疲れまくった上に敗北じゃ、テンションが下がる一方・・・とは言え、そこはプロですから、気を取り直して今日の試合に臨むことでしょう。
日本シリーズだと、現行は第7戦までは12回で打ち止め。第8戦以降は無制限だそうです。MLBではレギュラーシーズンはタイブレーク制ですが、ポストシーズンは無制限だそうです。
もともと野球は勝負ですから、勝ち負けが決まるまでとことんやる・・・というのは、本来の姿かもしれませんが、実際のところ投手が変わったり、代打・代走が出たりで、使える選手が減っていきますから、無制限というのはかなりしんどいルールです。
MLBの最長試合は、1981年4月18日、ポータケット・レッドソックス(ボストン・レッドソックス傘下)対ロチェスター・レッドウイングス(ボルチモア・オリオールズ傘下)の試合で試合時間は8時間25分というのがある。
日本の場合は、1992年9月11日、阪神タイガース対ヤクルトスワローズ戦の6時間26分が最長で、延長15回引き分けとなっています。もっとも、判定でもめて37分間の中断も含まれています。長時間費やして決着がつかなかったので、両チームとも相当疲弊したことでしょう。
ところで、昨日は平日。仕事の昼休みに決着がつかなかったのには驚きましたが、それよりも大谷の結果にもっと驚いた。何しろ1日で9打席、しかも4打数4安打(2二塁打、2本塁打)・5四球(4連続申告敬遠含む)です。
敵の監督にしてみれば、そりゃもうこれ以上打たれたくないというのはもっともなことですが、もうまったくつまらない。つまらないんですけど、それほどまでに敵に恐れられる偉大なバッターだということに感心します。でも、今日は投手として先発予定となっていますが大丈夫でしょうか。まぁ、「2試合目」はほとんど休んでたみたいなものかもしれません。
2025年10月28日火曜日
ちゃん付け問題
最近のニュースで、ひときわ多くの人がとまどって反応したのがこれ。
会社で同僚女性社員に対して「ちゃん」付けで名前を呼んだことが、裁判でいわゆるセクシャル・ハラスメントと認定され、罰金か科せられたというもの。
ちゃん付けがセンセーショナルだったため、やや誤解されている傾向はありますが、この裁判の被告人はその他にも、確かに「それってセクハラだろう」と思うようなこともしていたので、それらを含めての判決のようです。
しかし、判決の中で「ちゃん」はこども大して使う言葉であり、大人が使う必要はないと断じたところは、なかなか議論を呼ぶことは避けられません。
自分のクリニックでは、患者さんがいる場面ではスタッフを「~さん」と呼んでいますが、確かに状況によって「~ちゃん」という呼び方もしている。スタッフの確認してみると、それが嫌だと思ってはいないとのことですが、今後は慎重にならざるをえない。
大人に「~ちゃん」は、一般的に親愛の気持ちを込めて使うわけですが、確かにそこには上下関係が含まれていて、相手を下に見ているところが無いとは言い切れません。こども専用の呼び方というのは言い過ぎのような思いますが、友だち同士はともかく職場では安易に使うことは控えるべきなのかもしれません。
だったら、相手にちゃん付けしてよいか確認すれば良いという意見もでるかもしれませんが、それを不快に思っている人は、嫌だとはなかなか言いにくいものです。
いずれにせよ、本来人間関係の中で決まる事柄だとは思うので、裁判で判例が出て強制的に制度化されるようなものではないはずですが、それをしないといけない社会というのが寂しい感じがします。
2025年10月27日月曜日
リボン (2022)
本名は能年玲奈。今は「のん」という名前で芸能活動をしています。そのあたりは、いろいろ大人の事情があるようですが、すでに「のん」としての実績がたくさんあるので、それはそれでいいんじゃないかと思ってしまいます(本人には申し訳ないないかもしれませんけど)。
主たる活動は女優ですが、2019年にYouTubeで「おちをつけなんせ」という初監督・初脚本・主演作を発表しています。こちらもそこそこ楽しい仕上がりでしたが、これは監督・脚本としては2作目ですが、劇場公開用の初商業作品です。
「おちをつけなんせ」で両親を演じた菅原大吉・春木みさよが、本作でも両親役で登場します。友人の平井に山下リオ、中学の同級生に渡辺大知、妹のまいに小野花梨、そして主役の浅川いつかにのんというのがキャストのすべて。特撮には樋口真嗣、カメオ出演と予告編政策は岩井俊二という具合に、有名な方々が応援して作られています。
2020年4月に新型コロナウイルスのパンデミックにより、初めての緊急事態宣言が出され、多くの人が自粛生活とソーシャル・ディスタンスを余儀なくされ、その影響をまともに受けた美大生の生活を描きました。多摩美術大学が全面的に協力しています。
美術大学生4年のいつかは、緊急事態宣言により大学が閉鎖されたため、製作中の作品を持ち帰ることになりました。親友の平井は作品が大きすぎて、そのまま置いておくしかありません。心配する母親がアパートに見舞いに来ますが、いつかの作品を遊びで書いたゴミだと思って捨ててしまいます。母親と喧嘩して、ごみ捨て場から絵を回収したものの、それを描き続ける気力は失ってしまういつかでした。
さらに父親、妹がアパートに訪ねてきます。人と喋る機会が無くなってしまったので、家族でも声を出せることは悪くはありません。公園に行くと、何度か同じ男性と会うようになりました。そして、彼は中学の同級生だった田中であると名乗ります。彼は初めていつかの絵を褒めてくれた人物だったのでした。
実は、平井はときどき大学に忍び込んで絵を描き続けていたのです。そして何とか持って帰りたいといつかに相談してきます。しかし、大きすぎて持ち出すことはできないし、持って帰っても置く場所はありません。二人は大工道具を用意して、見つかったら退学覚悟で再び大学に忍び込むのでした。
コロナ禍のさまざまな制約を受けたドラマ・映画などはすでにいろいろありますし、コロナ禍そのものが映像化されることも今でこそありますが、コロナ禍の真っただ中に、真正面から自粛生活のフラストレーションを映像化したのものは珍しいと言えそうです。
いろいろな日常が停止してしまい、忍耐を強いられる生活を強制された人々がたくさんいたわけで、この作品に登場する美大生はまさにその典型なのかもしれません。それは、芸能界の人々も同じで、いつかのセリフにも「世の中には芸術なんて無くても困らない人がいる」という言葉に集約されているようです。
いつかの気持ちの浮き沈みは、CGで彼女の周囲を舞うリボンとして描かれています。時にはゆったり舞い、時には矢のように真っすぐ刺さるように向かう、たくさんだったり、1本だけだったり、美大生のアートな雰囲気をうかがわせることに役に立っている面白い効果です。
のんの監督・脚本の技量については、可もなく不可もなくという感じでしょうか。コロナ禍の中の制約を受けつつ、コロナ禍を描くという、鉄は熱いうちに打つというかなりのチャレンジであることを考えれば、上出来と評価されるべきかもしれません。自らの活躍の場を自ら開拓していくという強い信念があってのことでしょうから、今後も期待したいと思います。
2025年10月26日日曜日
飴色タマネギ
飴色タマネギという言葉は、料理のレシピにしばしば登場します。
例えば、スパゲッティのボロネーゼ、いわゆるミートソースを作る時に、最初にする作業がまさに飴色タマネギ作りです。
ルーを使わずカレーを一から作る時も、最も重要なのが飴色タマネギ作り。カレーソースのとろみは小麦粉ではなく、タマネギで出すと言っても過言ではない。
飴色というのは、かなり古くから使われている色を表す言葉で、明るい褐色あるいは橙色のことで、透明感がある琥珀色に似た感じのこと。その由来は、麦芽糖を水に溶かして加熱して作る水飴です。
タマネギを飴色にするということは、タマネギの持つ本来の甘さを引き出すということで、洋食の基本調理法です。
ただし、美味しく作るのにはある程度の時間が必要で、それなりのコツが必要。
タマネギは出来るだけ細かく切る、いわゆるみじん切りにした方が時短になります。生のまま一度冷凍して、炒める前に解凍して使うとさらに時短なります。電子レンジで加熱して作ろうとすると、水分が減り過ぎて臭みが強くなるので却下です。
高温にするため油は必要。みじん切りにしたタマネギに、ほんの少し塩を振ってを中火で炒め初めます。塩によって、細胞が壊れやすくなります。
透明感が出てきたら、強火にして少しだけ水を追加。水気が無くなってきたら、また水を追加を繰り返します。
全体的に「飴色」になったら出来上がりで、タマネギ1個分なら15分程度というのが標準的な時間です。大事なことは、焦げを作るわけでは無いということ。炭化させてしまうと味を損ないますので、時にゆっくりかき混ぜながら、注意深く観察し続けないといけません。
店では、どんな料理にでも使いまわせるペースト状にするので、さらに数時間かけてじっくり火を通すこともあるようです。一般家庭ではそこまでやってられないので、どうしてもペーストが欲しい方は、市販品を利用しましょう。究極の時短法です。
2025年10月25日土曜日
高市内閣
日本初の女性総理大臣が誕生しました。
高市自由民主党総裁が、総理大臣として有能であると認められたから、性別に関係なく選ばれたというのが、期待されるべき結論だと思います。
女性蔑視はしないというのは現代社会においては基本的な考え方であり、その点についてはまったく異論はありません。ただし、それは男性蔑視もしないという裏返しです。
ただし、男女には生物学的な差異が歴然とあることは厳然たる事実です。ですから、単純に両者をまったく同等に扱うことが「平等」ではなく、互いの差を認めて補い合うことが必要だということ。
高市氏が、本当に立派な総理大臣として職務を遂行できるのかどうかはまだまだわかりません。保守色が強まることは確実だと思いますが、自民党の従来の金権体制の復活につながらないことを祈るしかありません。
事前に組閣についての情報では「裏金議員」と呼ばれた方々が含まれると噂されていましたが、蓋を開けてみると、さすがにそこまで国民の反発を招くようなことはできなかったようです。
自民党執行部については、圧倒的に麻生太郎氏の傀儡と化す人事を行いましたが、内閣については見かけ上は「挙党一致」と形容できるような、総裁選でのライバルも要職に取り入れる人選を行ったと言えそうです。
麻生氏は、表立っては権力の外にいるように見えて、実は自民党が与党である限り、内閣の首根っこを押さえていることには変わりはありません。麻生氏に象徴されるような古い体質を、高市氏が今後どこまで押し返せるかが、本当の意味で国民からの信任を得ることにつながるのではないでしょうか。
まぁ、お手並み拝見・・・一国民としてはこれしかありません。
2025年10月24日金曜日
マイナンバーカード更新 その後
3週間ほど前に、マイナンバーカードの更新手続きをネットで行いました。
ことの他簡単で、さすがに更新ともなると楽ちんなもんだと思ったわけですが、交付通知が届くまで1か月ほど待てということだったので、すでにそんな事をしたことは忘れていました。
そんな頃に、郵便で交付通知がとどきました。
表に、交付期限、交付場所が書いてある以外はあまりたいしたことは記載されていません。
青葉区役所に行くとばかり思っていたら、センター北にも特設センターというのがあって、どちらかでの受け取りになります。
ただし、いつでも好きな時にどうぞというわけではなく、事前予約が必要とのこと。裏面に予約のためのIDが記載されています。
センター北だと時間的に平日は難しい、区役所だと日曜日はやってない。う~ん、どうしたものか、悩みどころです。
受け取りにはマイナンバーカード以外に本人確認書類が必要。この場合、更新前のマイナンバーカードでも可のようです。そりゃそうだ。写真付きのマイナンバーカードが身分証明にならなかったら、根本的な意味をなさなくなります。
裏面下半分は受け取りを代理人に委任する場合に必要な欄。
また暗証番号を決めないといけないらしい。最低2種類。アルファベット(大文字)と数字の組み合わせで6~16文字のものと数字4桁です。
デジタルのための仕組みなんですが、最終的にはアナログな動きをしないといけないのが残念なところです。健康保険証は書留郵便で送られてきていたんですから、マイナンバーカードもそうできないわけはない。手に入れた時点で、本人がネットを使って有効化するような方法はあると思うんですけどね。
2025年10月23日木曜日
ミツワ石鹸
驚きました。いやいや、何十年生きていて、自分にとっては「常識」みたいなことでも、今では世間から忘れ去られてしまっていたことがあるものです。
♪ワっ・ワっ・ワぁ、ワが三つ
ワっ・ワっ・ワぁ、ワが三つ
ミツワもミツワ、ミツワぁ~石鹸
これ、自分がこどもの頃に、めちゃめちゃテレビで流れていたCMソングです。
昭和のコマーシャル・ソングの「帝王」、三木鶏郎の作詞・作曲によるもの。
三木鶏郎といえば、例えば「明るいナショナル」とか「くしゃみ三回、ルル、三錠」、「キリンレモン、好きになったらキリン・レモン」などなど・・・とにかく、記憶の奥底に眠っているCMソングで、そのほとんどを作った人。
ミツワ石鹸は江戸時代に創業した会社だそうで、1975年に倒産したそうです。こども向けには、人気マンガの「おばけのQ太郎」の形をした容器に入ったシャンプーがあった。
そうなると、少なくとも50才までの人は確実に知らないわけです。CMを見た記憶があるのはおそらく55才くらいから上の年代ということになるんでしょうか。
自分がこどもの頃に明治百年といっていろいろな企画がありましたが、今はもう昭和百年です。忘れられて当然と言えば当然の事。
ですけど温故知新。昔のものにも学ぶべきところはあるものです。まぁ、ミツワ石鹸は知らなくても困りませんけ
2025年10月22日水曜日
給油口キャップ置き場
驚きました。いやいや、何十年生きていても、こんなことも知らんかったというものがあるものです。自動車の話です。
ガソリンの給油口。電気自動車でなければ、必ずあります。
ガソリンを給油する時、給油キャップはくるくると回転させて外します。
昔は、キャップは車の天井とかに乗せて給油をしていましたが、今では、そのまま落ちないように本体との間がストラップで繋がれているので、そのまま垂らしています。
まったくそれ以上のことは、何にも考えていなかった。
実は、給油口の蓋を開けるとヒンジのところに、丸いお皿のようなところがあるんです。
しかも、キャップがそこにぴったりとはまる!! キャップ置き場があったんです。
どうやらこの車だけではなくて、形状はいろいろみたいですが、このような仕組みはずっと昔からあるらしい。
ちゃんと車を作る人も細かいところまで考えているんですね。感心しました。
2025年10月21日火曜日
侍タイムスリッパー (2024)
何しろ、第67回ブルーリボン賞作品賞、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞、第56回星雲賞メディア部門を受賞し、業界からも一般の観客からも確実に支持されたことは間違いない。
製作費2600万円という超低予算の自主製作作品で、8月にたった1館で上映が始まったものの、話題が話題を呼び次第に上映館が拡大し、半年足らずで約350館に達し、興行収入は10億円を突破しています。ちなみ同時期公開の「ラストマイル」は製作費5億円、興行収入57億円です。
監督・脚本・撮影・編集は安田淳一で、手が空いた時はその他の仕事も担当しています。スタッフは、驚くことに10名程度で、まさに全員ができることは何でもやって作り上げた作品といえそうです。安田は米農家を兼業していて、自主製作は3作目です。
時は幕末。会津藩士である高坂新左衛門(山口馬木也)は、長州藩士・山形彦九郎(富家ノリマサ)を討つべく、京都・西経時寺前で対峙するのです。しかし、その時落雷があり、高坂は現代にタイムスリップし、気がついた場所は何と京都・太秦の時代劇撮影所の中でした。
浪人者が町娘に手を出すのをかっこつけた侍が助ける場面が繰り返されたり、張りぼての魚が出てきたり、不思議な服を着た女性に邪魔だと追い払われたり・・・まったく合点がいかない高坂は、頭をぶつけて入院してしまいます。
病院で高坂はいろいろなものを発見して、何故かわからないけど自分が160年も未来の日本にいて、幕府は滅んだことをやっと理解します。絶望して病院を抜け出した高坂は、西経寺の前にたどり着き気を失ってしまいます。それを西経寺の住職が見つけ、寺に招き入れいろいろと面倒を見てあげるのでした。
西経寺は時代劇のロケ地としてしばしば使われているため、太秦で一度高坂を追い払った助監督の山本優子(沙倉ゆうの、実際の助監督も兼任)も寺に出入りしていて、彼女も高坂に斬られ役専門の剣心会への入門を世話するのです。最初は竹光・・・模擬刀を振り回すことに違和感があった高坂でしたが、本職の武士ですからだんだん斬られっぷりは上達していくのでした。
そんな中、時代劇を卒業したと言っていた人気役者の風見恭一郎が、新作として自身最後の時代劇を撮影することが発表され、その相手役として高坂が指名されるのでした。実は風見は、高坂と剣を交えた山形だったのです。彼は30年前にスリップし、やはり斬られ役から今の地位を獲得していたのでした。
侍が現代にタイムスリップしてくる話は、すでにいくつか映画にもなっています。それらも含めて、タイムスリップ物は文化の違いからくるいろいろなあわてぶりを描きながら、主人公がいかに元の時代に戻ろうとするかがストーリーの骨格にあります。
しかし、この映画が秀逸なのは、元の時代に戻るのではなく、いかにこの時代に適合していくのかという点にあります。しかも、侍が侍として今の時代に合法的に生きていくための最善の方法が提示されたことが素晴らしい。
安田監督は「真剣の重みを感じられる映画」を作りたかったと述べていて、模擬刀を用いる殺陣ではあっても、真の侍が命を懸けて真剣を振るう姿を再現したかったようです。それは物理的な戦いだけではなく、心理的な側面をも映画の中に焼き付けようという作業だったはずです。
主役の山口馬木也は基本的にバイプレイヤーですし、彼以外はほとんど知らない役者さんばかりなので、ある意味、ありえない話にもかかわらずストーリーの現実味が感じられます。ここに誰もが知る人気俳優が混ざってしまうと、とたんに嘘くささが出てくるでしょうから、逆に低予算自主製作映画の良いところが出ているのだろうと思いました。
2025年10月20日月曜日
オズランド 笑顔の魔法おしえます。 (2018)
波平久瑠美(波瑠)は、せっかく東京の一流企業に就職したものの、突然の人事異動で田舎の遊園地「グリーンランド」の企画部に異動になりました。指導係となった小塚慶彦(西島秀俊)は、グリーンランドを営業利益を倍増させたカリスマとして本社でも有名でした。
赴任してみると小塚はみんなから「オズさん」と呼ばれて、笑い顔を絶やさない人物でしたが、「なみひら」を「なみへい」と読み間違え、園内のごみ収集の仕事ばかりをさせて、せっかく久瑠美が考えた企画もほったらかしなのです。
ある日、園内で客から道を聞かれた久瑠美が答えられずにいると、一緒に入職しごみ収集ばかりしていた吉村(岡山天音)がさっと答えられたことにショックをうけます。何で園内中を歩き回ってごみを集めていたのかやっと久瑠美は理解し、愚痴ばかり言うのをやめます。自分もスタッフの一人として、遊園地に来た客を笑顔にするために努力するようになります。
たまたまオズさんが書いた退職願を見てしまった久瑠美は、オズさんがこの遊園地で世界一と言えるようなことをしたいと願っていたことを知ります。久瑠美は開園記念日に気球からたくさんの風船を落として客を喜ばせる企画を考え、オズには内緒のサプライズも用意して驚かせることにしました。
まぁ、安心してみれるハートフル・コメディです。それほど新鮮味があるストーリーではありませんが、楽しく働くことの大事さを描いているわけです。そういう意味では、あまり書くべき感想はないんですが、波瑠はまさにそのままのナチュラルな役なんで無理せず役をこなしている感じ。西島秀俊が、こういうユーモアのあるホコホコとした役もできるというところが新鮮かもしれません。
熊本県荒尾市に実際にあるグリーンランドで、ほぼ全編ロケが行われていて、地方にも立派な遊園地があることが何か嬉しい感じです。
2025年10月19日日曜日
グランメゾン★パリ (2024)
2025年正月映画として公開された映画ですが、もともとは2019年放送のTBS日曜劇場で放送された「グランメゾン★東京」の完結編にあたります。ドラマ版から通じて、脚本は黒岩勉、監督は塚原あゆ子が担当しました。2024年の塚原は、映画では「ラストマイル」、テレビで「海に眠るダイヤモンド」があり快進撃の1年になりました。
パリでミシュラン三ツ星レストランを目指していた尾花夏樹(木村拓哉)は、トラブルから夢破れた生活をしていましたが、絶対的な味覚の持ち主である早見倫子(鈴木京香)と出会ったことで、倫子をオーナーシェフとした「グランメゾン★東京」をオープンし、倫子に三ツ星を取らせるため奮闘するというのが、ドラマ版の骨格でした。
グランメゾン★東京が三ツ星を獲得したことで、ドラマにおける目的を達成した夏樹は表舞台を去っていくわけですが、夏樹自身の夢はまだ達成できていません。
映画公開前の2024年クリスマスイブに、単発のスペシャル・ドラマが同じスタッフ・キャストで放送され、コロナ禍で経営が苦しくなったグランメゾン★東京に対して、夏樹が「グランメゾン★東京を終わらせるため」に京都に店を開き挑んできました。これは倫子を奮い立たせるためのものだったわけで、そのことに成功した夏樹は再び自分の夢を叶えるためにパリに旅立つという内容となっています。
さて映画は、尾花夏樹がパリの料理界の重鎮から見込まれて開店した「グランメゾン★パリ」が獲得した二つ星を維持できたところから始まります。つまり、開店してから最低2年は経過していることになりますが、当然三ツ星を目指している夏樹は満足できません。
夏樹を支えるスタッフは、倫子をはじめ、昔からの理解者、京野陸太郎(沢村一樹)、相沢瓶人(及川光博)らに加え、バリで三ツ星のバティシエを夢見る韓国人のユアン(オク・テギョン)、移民で集まったいろいろな国の人々でした。
いまだに外国人という理由で食材の調達にも苦労している状況で、ついにオーナーから立ち退きを迫られることになります。三ツ星を取ることを条件に、立ち退きを引き延ばした夏樹は、自分のルーツを封印して徹底的にフランス人が好むフランス料理を並べようとしますが、ユアンの借金の取り立てによる暴力事件が発生し窮地に立たせられるのでした。
それでも、スタッフ全員が夏樹に三ツ星を取ってもらいたくて頑張っていることをあらためて知った夏樹は、スタッフそれぞれの国のアイデアを生かして、さらなる革新を加えていくのがフランス料理の神髄であることに気がつくのです。
当然流れから結末は容易に想像がつくわけですが、ドラマ版で濃厚な駆け引きを見ているので、2時間の映画に落とし込むには時間が少なすぎるような感じがします。もっとも、東京と同じことをパリでやっても二番煎じになってしまうだけですから、製作陣としてはその辺りが一番苦労したところなのかもしれません。
そして、舞台がパリで、ほぼ全編に渡ってフランス・ロケとなっているのは、見応えがある一方で、セリフの大半がフランス語、時に韓国語というのがやや観客のハードルを上げているように思います。これらは当然強制字幕になるので、始まってしばらくはセリフを読むのが精一杯で、登場人物の心情を感じ取るのを難しくしているのではないでしょうか。
ドラマを知っている者からすると、その辺りがややモヤモヤすることになるのですが、初めて映画から入る者にとっても、人間関係の説明は全く無いので「いつものキムタク・ストーリー」以上にはならないという、なんとも悩み深い作品になっているという感想を持ちました。
ドラマ終了直後に、小林圭氏が実際にフランスで三ツ星を獲得したことがニュースになり、しかも5年間それを維持しているという偉業を続けています。映画では彼が料理監修を行い、登場する料理は画面からも素晴らしい味や匂いが伝わるような撮影・編集がされているところは拍手喝采もので、これだけでも見る価値はあります。
2025年10月18日土曜日
半径5メートル (2021)
雑誌の生活情報記事のための編集部を舞台に、新人の女性記者が成長していくドラマで、NHKで全9回で放送されました。
週刊誌「女性ライフ」のゴシップ記事を追いかける花形部署の新人記者である前田風未香(芳根京子)は、スクープを取り損ね生活情報班に異動させられてしまいます。スクープを追いかけてギラギラしていた部署と比べて、すべてにおいてのんびりムードが漂い、メンバーも個性的でした。
デスクの丸山(尾身としのり)は、コーヒーをみんなに配るのが趣味でやりたい企画は何でも通してくれます。藤川ますみ(山田真歩)は、夫が単身赴任中で堅実な仕事ぶり。海老原香織(北村有起哉)は妻と離婚して、今は女性として生きるトランスジェンダー。そして、フリーランスですが、最も人気のある記事を連発する亀山宝子(永作博美)が、風未香の教育係になりました。
宝子は自分の周囲半径5mまでに見えてくる身近なものが大事と教え、風未香は宝子の何気ないアドバイスで、物事を一方向からだけ見ないで、その本質は何かを考えること、そしてそれを記事として文章に起こす力を少しずつつけていくのでした。
そんな中で、誤報をしたら記事にした人に一生消えない迷惑をかけることも知り、宝子がフリーランスになった秘密も次第に明かされていくのでした。
主たる演出を担当した三島有紀子と脚本の橋部敦子の企画から生まれたオリジナル作品で、相手との距離によって、どのように人と付き合っていくのかということをメインテーマにしています。
もっとも、舞台となる生活情報班の部屋はかなりモダンな作りで、現実の雑誌編集部としてはおそらくありえないくらいかっこいい。生活の中でいかにもありそうな話題を扱いつつも、あえてファンタジー感もそこそこ入れ込むことでギスギスし過ぎないような配慮なのかもしれません。
芳根にとっては、ちょっとコメディ調が混ざるお仕事ドラマは、たぶん最も得意なジャンルなのではないでしょうか。悩み苦しみながら、そして時にはぶれながらも、だんだん自信をつけていくのは、見ていてとても安定感があります。
2025年10月17日金曜日
どくせんじょう
驚きました。いやいや、何十年生きていても、こんなことも知らんかったというものがあるものです。
「どくせんじょう」というのは、一人欲しいままにできる場(状況、場面)という意味で、「一人」=「独」、「欲しいまま」=「擅」ということで漢字で書くと「独擅場」となります。
ところが、今、普通に同じ意味で使う言葉は「独壇場」で、読み方は「どくだんじょう」です。
独擅場 独壇場
パッと見ると同じじゃないかと思いやすいのですが、よく見ると・・・違います。
手へんと擅と土へんの壇という違いがあった。
独擅場(どくせんじょう)が、一人舞台を連想しやすかったため、舞台を意味する「壇」が誤って使われるようになって、独壇場(どくだんじょう)が普通に使われるようになったとのこと。
また、「擅」が当用漢字に含まれていないため、「壇」が代用されたことが間違いの始まりということもあったらしい。
ちなみに最終局面の事を「どたんば」と言いますが、こちらは漢字だと「土壇場」となり、本来は首を斬る刑場のこと。
2025年10月16日木曜日
OD調査2025
OD調査は、「全国道路・街路交通情勢調査、自動車起終点調査」というもので、国土交通省が5年に一度行っている調査です。これも統計法によって行われるようです。
日本全国の道路交通の実態を把握し、道路の計画、建設、管理などについての基礎資料を得ることを目的とした調査です・・・というもの。
そして、全国の緊急車両を除く三輪以上の全ての自動車のうち、国土交通省が令和7年(2025年) 5月末時点の自動車登録情報から無作為に抽出した車両の所有者を対象としています・・・なんだそうです。
・・・で、うちにこれがある、ということは当たりということ。以前にやった覚えが無いので、初めて選ばれてしまったようです。国勢調査は簡単だったので、ほとんどストレス・フリーでしたが、こちらは・・・
正直言っていっきにやる気が下がります。なんか面倒だなぁ・・・という気持ちが先に立ってしまい、調査票の内容をみると「やたらと細かいことを聞くなぁ」と思ってしまいます。
平日と休日のそれぞれ特定の一日を対象として、どのように車を使用したかを事細かに書くのですが、最初にその日に自動車を「使った or 使わなかった」を答えるので、「使わなかった」に〇をつけて終わりにしたい気持ちがでてきます。
とは言え、これもインターネットを利用した回答ができるので、ゆっくりやりたいと思います。
2025年10月15日水曜日
記憶屋 あなたを忘れない (2020)
監督は「約束のネバーランド」の平川雄一朗、脚本は平川と鹿目けい子です。エンディングテーマには、中島みゆきの「時代」が使われています。
もうじき大学卒業を控えている吉森遼一(山田涼介)は、母と幼馴染で故郷の広島から出てきて間もない河合真希(芳根京子)と暮らしています。遼一は沢田杏子(蓮仏美沙子)と卒業したら結婚することになっていましたが、ある日、急に杏子が自分の事を知らないと言い出します。
巷には都市伝説として記憶屋というのがあって、忘れたい記憶を消してくれると噂されています。遼一は杏子が記憶屋に自分の記憶を消されたのではないかと疑い、大学の先輩である弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談します。
最初は相手にしなかった高原でしたが、遼一が自分の周りで二人目だと言うと耳を傾けるようになりました。こどもの時、連続少女誘拐殺人事件があり、唯一命が助かったのが真希で、彼女は事件の事をまったく覚えていないのです。
遼一は消せる記憶なら戻すこともできるのではないかと思い、故郷に何か記憶屋に関する手掛かりが残っていないか高原と共に向かいます。真希の祖父(田中泯)に会いますが、何も手掛かりは有りませんでした。そこへ高原の助手を務める安藤七海(泉里香)から重要な手掛かりがあったと連絡が入りますが、戻ると七海の記憶屋に関する記憶はすべて消えていました。
高原も記憶屋にどうしても頼みたいことがあったため、遼一に協力していたのです。高原は脳腫瘍のため余命宣告を受けていて、一人娘を悲しませないために娘から自分の記憶を消してもらいたいと考えていたのです。強い頭痛に襲われた高原は、記憶屋のネット掲示板に「会いたい」と書き残すと意識を失い入院してしまうのでした。
結局、割と早い段階で記憶屋の正体はほとんど明かされています。そういう意味では、ミステリー的なところは強くない。ファンタジー系としたのは、記憶を消すことは超能力として片付けられているから。本来、忘れないと生きていけない辛い記憶を消すための力らしいのですが、ややそれ以外の目的で使われているところもあって、素直に喜べません。
ラストシーンも何となくモヤモヤが残る。結局何だったんだろうと言う終わり方なので、ロマンスを匂わせているにも関わらず、本来感情移入して泣く所も泣くに泣けない感じです。最後は記憶を消すことは罪としているけど許してあげようという、そんな解決でいいのかと思いました。
山田涼介の演技力は定評があるところなので、ここでもいい雰囲気をだしています。辛い過去を微妙に引きづる芳根京子も、間違いないところ。ただし、せっかく田中泯を起用していながら、これはちょっと役柄としては誰でも良い感じでもったいない。ベテランの佐々木蔵之介は、シーンを引き締めているのはさすがですが、ちょっと高原の描き方に物足りなさを感じました。
悪い作品とまでは言いませんけど、積極的に人にお勧めするのはちょっとしんどいかもしれません。
2025年10月14日火曜日
ライトフライト ~ 帰りたい奴ら (2009)
戸次重幸のDVDなどで見ることができる単独公演は、「アルプス」、「GHOOOOOST!!」に次いで3作目ですが、ここでもどちらかというとドタバタ的なコメディに仕上がっていて、「アルプス」と同じ時空を移動する設定になっています。
新規参入したニューアサヒ・スカイラインという航空会社の、初めて東京発札幌行きの便が離陸しようとしています。オカマのCAの釜田(福島カツシゲ)が登場案内をしますが、乗客は誰も聞いちゃいない。
乗客は、人気漫画家の富樫よね(川原亜矢子)と夫でありマネージャーでもある富樫明夫(六角慎司)、何か怪しげな医者っぽい黒田十一(戸次重幸)、今どきギャル風の宅間典子(小松彩夏)、いかにもハイジャックでもしそうな佐田武蔵(川井"J"竜輔)です。機長は堅物感ありありの早乙女青二斎(野中イサオ)で、副操縦士は某歌劇団の男役みたいな夜月ミチル(蘭香レア)。
離陸したとたんに佐田がこの機をハイジャックすると宣言するものの、持っている武器はダーツの矢ですから、乗客らの協力で簡単に制圧されてしまいます。そうこうしていると、飛行機は宇宙船と衝突し、宇宙人のソ(加藤貴子)が乗り込んできます。
ソは時空の歪みによって突然現れたわけで、飛行機自体もどこかわけのわからない場所に不時着していました。そこは原始時代らしく、あわてて機を離陸させます。時空の歪みに飛び込むと、そこは・・・いったい彼らは帰ることができるのでしょうか。
・・・という、もうほとんどナンセンス・コメディとしか言いようがないもの。正直な感想としては、あまり面白いものではありません。知的なイメージがある川原亜矢子が出演しているのが不思議でしょうがない。
まず舞台が題材からして広すぎる。機内の座席を正面から見ている設定なので、客席が横に広がり過ぎてかなり違和感があるし、それでも余ったスペースがもったいない。その上の2階部分みたいなところに操縦席があるのも変です。機内を横から見るような舞台の方が、まだ良いのではないかと思えてしまいます。
時空移動は二番煎じですし、特に不満を感じるのは、最後の結末シーンは紙芝居で説明して終わりというのは、かなり雑なエンディングです。うまい着地点を思いつかなかったので、取り急ぎ終わらせた感があるのが残念です。
2009年は2月から4月にかけてTEAM NACSとして「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」の本公演をしていて、戸次は夏には連続テレビ・ドラマにも出演していました。この舞台は10月から11月にかけて行われたので、戸次にとってはかなりハード・スケジュールだったのかもしれませんが、それを言い訳にはできません。
2025年10月13日月曜日
累 (2018)
唇から頬にかけて醜い傷がある淵累(芳根京子)は、大女優と呼ばれた故・淵透世(檀れい)の娘で、母から「独りぼっちで。本当に辛い時はこれを使うように」と口紅を託されました。その口紅を塗って誰かとキスをすると、姿や声がそっくり12時間の間入れ替わることができるのです。
透世の十三回忌で羽生田(浅野忠信)に声をかけられた累は、羽生田がマネージメントしている美しい女優り丹沢ニナ(土屋太鳳)の舞台を見学しました。何故か口紅の秘密を知っている羽生田は、透世の才能を受け継いだ累に、体調に不安を抱え演技力に問題があるニナの代役を務めるように言うのです。
容姿のためにずっと劣等感を抱き続けてきた累でしたが、毎日9~21時はニナと入れ替わり芝居のオーディションに合格、ニナが以前から憧れていた演出家・烏合(横山裕)に認められるのです。初めは累のことを自分が成功するための踏み台と考えていたニナでしたが、しだいに累に対して嫉妬を感じるようになり、ついに累を追い出そうとします。
しかし、ニナは持病の発作を起こし5か月もの間眠り続けてしまい、その間に累が演じる「ニナ」は大成功して世間に広く知られるようになってしまうのでした。ニナが目覚めた時、二人の立場は逆転していました。実は、透世も口紅によって他人の顔を使い続けていました。羽生田は過去に透世のマネージャーだったので、そのことを知っており、累を第二の透世として世に送り出そうと考えていたのです。
ニナは累の実家を訪ね、累の生い立ちや母の秘密を知ります。踏み台にされているのは自分であることに気がついたニナでしたが、「偽物が本物を超える」と宣言した累はニナの唇を自由に使うため睡眠薬で眠らせ続けるのでした。
18世紀の歌舞伎作者として有名な四代目鶴屋南北が、現・茨城県常総市の累ヶ淵を舞台とした怨念の物語をもとに狂言を作り人気を博しました。醜い容姿の累が義父に殺され祟り続ける話ですが、江戸末期の落語家・三遊亭圓朝が「真景累ヶ淵」という長大な怪談話としてまとめ上げたものが有名です。
この映画はこれらの物語からモチーフをもらっていることは明らかですが、自己中心的で演技力不足の美貌の持ち主ニナと、確かな演技力があっても醜さからくる強い劣等感を絶えず抱いている累という対照的な二人の主人公の対立軸がテーマです。
土屋太鳳と芳根京子は、数年土屋の方が先輩ですが、ほぼ同世代で容姿や体形も比較的似ていて、人の入れ替わり物としては絶妙な配役だと思います。両者とも、真逆な心理状態を表現しなければならず、しだいに狂気に飲み込まれていくかなり難しい役所だと思いますが、芝居をするシーンは本物でも偽物でもニナで、どちらも土屋太鳳が演技をするので、より土屋の方が大変だったかもしれません。
いずれにしても、二人とも見事にこなしていてなかなか見応えがあります。芳根にとっては、演技力を知らしめる絶好の機会になったのかもしれません。浅野忠信の演じる羽生田は、いかにもという演技なんですが、やや強引過ぎてもう少し透世に対する想いを丁寧に描けていれば厚みが出たかもしれません。
2025年10月12日日曜日
ガーデンシクラメン
シクラメンはサクラソウ科の多年草球根植物で、涼しくなってくると長期間楽しめる秋から春までの代表的な花です。
球根ですから、ちょっとがんばれば毎年楽しめる・・・はずですが、そのがんばりがなかなか難しく、結局毎年新たに買うことになります。
一般的にシクラメンは、鉢植えで日当たりの良い室内で育てます。
全体が小ぶりになったミニシクラメンも人気ですが、特に耐寒性に優れた系統のものが「ガーデンシクラメン」と呼ばれ、屋外でも楽しめるのでファンが多い。
ホームセンターでガーデンシクラメンが売り出され始めました。一株が327円となっていて、見栄えを良くしようとたくさん買うと、通常サイズの見栄えの良い鉢が買えそうです。
まぁ、どのように楽しみたいかの問題なので、個人の好みで選べば良いのですが、自分の場合は玄関をパッと明るくしたいので、大きくて立派なのがあると嬉しいかもしれません。
2025年10月11日土曜日
2025年10月10日金曜日
119エマージェンシーコール (2025)
今年の1月~3月にフジテレビで放送されたドラマなので、ご覧になった方もいることと思います。自分も横浜市が舞台だったこともあり、興味を持って見出したのですが、あのフジテレビ関連の大スキャンダルが発生したため、放送日程や、ロケ撮影に多大な影響が出て、ある意味最も割を食ったドラマだったのではないでしょうか。
横浜市消防局が全面的に協力して制作されたのですが、スキャンダル以後、協力のクレジットを表示しなくなり、屋外のロケも大々的に縮小されて、スタジオでの撮影が中心になりました。
新人指令管制員の粕原雪(清野奈名)は、こどものときに家が火事になり、119番の電話で指令管制員の声に励まされたことが今でも強く記憶に残っています。指令管制員の仕事は、ただ通報を受けるだけでなく、想像力をフル活用して少しでも要救助者を助けたいという信念を持っていました。
雪の教育係である兼下睦夫(瀬戸康史)は、元消防隊員でしたが、現場で自分の行動のせいで後輩に重い怪我を負わせたことで、指令管制に移動になりました。雪が自分の手配の結果などを確認するため後で現場に出向くことに批判的で、指令管制員は現場に指令を出すだけでいいんだと頑なな姿勢を崩そうとしません。
司令課3係には、粕原、兼下の他に係長の高千穂一葉(中村ゆり)、新島沙良(見上愛)、救命救急士の資格も持っている与呉心之介(一ノ瀬颯)、箕輪健介(前原滉)などとともに大ベテランの堂島信一(佐藤浩市)らが所属していました。
主人公たちは消防局の指令管制員であり、119番の通報を最初に受けて、適切に消防車や救急車を手配する役目を担っています。各個人の想いに関連した話とさまざまな現代の都会で遭遇する可能性のある事案を取り上げ、けっこう骨太なテーマとエンタメ性が両立したドラマとして成立していると思います。
スキャンダルの影響で屋外での撮影シーンが減っても、むしろ電話の声だけを頼りに様々な対応をする心理的な緊迫感はより強調されたと思いました。もちろんドラマですから、それぞれのキャラクターにはストーリー性が描かれていますが、かなり現実の状況を反映できているだろうと想像できます。
出演者の方々も、いろいろな制約の中で不安がいっぱいの撮影だったと思いますが、少なくとも良質な作品を世に送り出したことは称賛されてよいと思います。横浜市は消防局クレジット表記こそ取りやめましたが、最後まで実質的な協力は続けたことは良かったと思いました。
2025年10月9日木曜日
夕焼け
昨夕は、めっちゃ綺麗な夕焼けが広がっていました。
西の空です。
こういう時は、翌日の天気は晴れになるといわれています。
でも、夕焼けの明日は雨ということも聞いたことがありますね。そのあたりのことは、勉強したことが無いのでよくわかりません。
・・・なんてことを考えながら、仕事が終わって駐車場に向かうと、何とアンラッキーな出来事が起こりました。
何と駐車券を入れたら、「このカードは無効です」ときた。カードを傷めるようなことをした覚えはまったくありません。
まじか!!
精算機の電話で事の次第を連絡すると・・・係がむかいますので30分くらいかかりますと。
OH----!! NOォ~
本当に30分も足止めされてしまいました。
どうも夕焼けはあんまりいいこと無い・・・天気は雨になるかもしれません。
2025年10月8日水曜日
防犯砂利
近くのホームセンターで売り出していましたのが「防犯砂利」というもの。
何か耳にしたことがありますが、実物は初めて見ました。
踏んでみると確かに大きめの音がしますが、普通の砂利とどのくらい違うかはよくわかりませんでした。
大きな音がするので侵入者に気がつきやすくなるということで、防犯に効果的というのが売り文句になっています。
材質は廃棄されたガラスやセラミックなどを加工したものらしく、見た目ほどは重たくないようです。
ただし良いことばかりではありません。もとがガラスですから砕けやすいので、長期間使っていると粉塵のようになるらしい。
また、普通に歩いても音がするわけですから、もしかしたら隣近所に騒音として迷惑をかけることがあるかもしれません。
でかい袋(40L)が1780円になっていましたが、ある程度厚めに撒かないと意味が無いので、その量でたぶん1m四方くらいまでいけるかいけないかという雰囲気です。いろいろとよく考えてから購入しましょう。
2025年10月7日火曜日
中秋の名月 2025
何と、前日は見えていたのに昨夜は全天曇り。まったく月が見えません。
こればかりはどうしようもない。
中秋の・・・というと10月6日だったんですが、これはあくまでも旧暦の8月15日にこだわった決めです。
月の満ち欠けを基準にしたものですが、この周期は29.5日です。半分は14.8なので、真ん中を15日とすると、ちょっとずつずれるので、必ずしも中秋=名月とはならない。
今年の満月は10月7日、今夜です。
なので、「名月」にこだわるなら、ワンチャンありますので、今夜の天気に期待したいと思います。でも、台風来ている・・・・
とりあえず、ここでは過去の写真を楽しんでいてください。
2025年10月6日月曜日
the 波乗りレストラン (2008)
ふらーっと江の島にやって来た小波健二(大泉洋)は、食べ歩きしているうちに土産物屋をやっている長塚日出夫(西村雅彦)やシラス漁とシラス丼の店をやっているロッキー(布施博)、その妻であるマドンナ(富田靖子)らと知り合いになります。健二は、海岸のはずれにある2階建ての荒れた空家を友人から借りてレストランを始めるつもりでした。
準備を始めてはみたものの、健二はいつまでたっても準備中の札を出したままで開店しようとしません。すると長塚やロッキー、マドンナまで何となく出入りするようになります。さらに記憶喪失になった女性弁護士の孝子(白石美帆)、彼女の夫で孝子を見守るナポリ(岡田善徳)らも、やって来て「人生の休業」を始めるのです。
そして、休業中にもかかわらず「波乗りレストラン」には、次から次へと生活に疲れたり、生活がうまくいかない人々が集まってくるのでした。それでも健二はなかなか店を開こうとせず、みんなの話は聞いてあげても、自分のことは語ろうとしません。そうこうしていると、マドンナは自分をリスタートしたくなり、ロッキーに離婚を申し出ます。しかし、彼女は病が発覚するのでした。
出演者は豪華。それぞれがチョイ役ですが、他には平岡祐太、柳沢慎吾、星野真里、小出恵介、仲里依紗、小松彩夏、小倉久寛、杉本哲太、賀来賢人、かとうかずこ、戸次重幸、吉田照美、奥山佳恵、サンプラザ中野くん、高橋ひとみ、吉高由里子、でんでん、安田顕、岸谷五朗、田島令子、松下由樹、深津絵里、福山雅治・・・まぁ、出てくる出てくる有名人。
ストーリーとしては面白い・・・んですが、何しろ細切れ過ぎてどうも気持ちが付いて行きません。ショートドラマですからしょうがない。誰だって長く人間やってれば、少しは人生に疲れる瞬間はあるものです。これだけいろいろなパターンを出してくると、もしかしたら自分にも当てはまるなぁと考える人がいるかもしれませんけどね。
そう思った方は、是非DVDを用意しましょう。特典に全部をまとめ上げた2時間ドラマに編集し直したバージョンが入っているので、そちらを鑑賞しましょう。ただ、それはそれで登場人物が多すぎて混乱するかもしれません。
2025年10月5日日曜日
自由民主党新総裁
昨日、現政権与党である自由民主党の総裁選挙が行われ、高市早苗氏が選出されました。
まず、最も注目される点は、初めての女性総裁ということ。それが意味するところは、群雄割拠する野党が一致団結することはなさそうですから、日本で初めての女性総理大臣が誕生することを意味しています。
女性の社会進出に対して、自分は特にマイナスの思考は持っていないつもりですので、女性総理大臣の誕生には特別な感慨はありません。政治の世界は能力至上主義だと思うので、魑魅魍魎が巣くう永田町をしっかりとまとめ上げて、すべての国民が納得できる政治運営をしてもらえるのなら、男女関係なく応援できます。
ただ、高市氏のこれまでの行動・発言などで一抹の不安を感じる方は多いだろうし、自分もその一人であることは否定できません。メディアを通じて伝わって来た高市氏のイメージは、必ずしも良いことばかりではありません。
そもそも自分は自由民主党が嫌い。派閥と称して実際はいくつもの政党の寄り合い所帯にもかかわらず、自分たちの利益のために手を握り、政治家のための政治を構築してきたのが自由民主党だと思えるし、その古い体質を具現化した最後のトップが故・安倍晋三氏だと思っています。
高市氏はおそらく自他ともに認める安倍氏の崇拝者。アベノミクスを継続しサナエノミクスと呼び、憲法の「戦争放棄」の削除、女性天皇反対、教育勅語の復活、選択的夫婦別姓反対、靖国神社参拝・・・などなど、どう考えても高市氏はかなり保守的思考の強い人物と思えます。
自民党は変われるのか?? ・・・・おそらく、党員・所属議員は最も変革できない人物をトップに選出したと思います。またそれを許す、自民党にすり寄る泡沫野党にも大きな責任があるのかもしれません。
















































