2025年12月31日水曜日

横濱家 @ 港北ニュータウン


今年最後のエントリーは・・・

ラーメンです。ただし、コロナ禍以降はもはや食べ歩きをすることが無くなったので、ラーメン屋についても、新しい店を探して出かけることもなくなりました。

横浜と言えば豚骨醤油。豚骨醤油の店は、いわゆる「家系」と呼ばれる有名店を含めてたくさんあります。

ただ横浜市北部で強いのは、都筑区に本店がある横濱家です。チェーン展開していて、自分の高騰範囲の中だけでも10店舗弱はあるように思います。

もともと1988年に都筑区平台から始まったのですが、今年11月、都筑区内で4店目となるセンター北店がオープンしました。オープンと言ってももともとセンター北駅近から、センター南・北の中間地点にあるminamoの向かい側にリニューアル・オープンしたものです。

とにかく一度は寄ってみよう、ということで・・・

横濱家は店によって客層などを考慮したアレンジがされているところが興味深いのですが、この店はあまり特徴は感じませんでしたが、若いファミリー層を意識してか多少あっさり目かもしれません。

それにしても、この場所は・・・過去に何度もラーメン店が出ては退去を繰り返している場所です。横濱家には勝算があるから出店したのでしょうが、前の店のレイアウトをそのまま利用したせいなのか、店内の導線がかなり悪い感じがしたのは気になるところ。

もっとも味は横濱家ですから、間違いありませんでしたけどね。

や、や、やばい。年末年始で体重が・・・ ・・・ ・・・来年は体重を減らそう!!

2025年12月30日火曜日

ミスター・ドーナッツ@ あざみ野


東急田園都市線あざみ野駅の高架下にミスタードーナッツがあって、たまに買うことがあって、それなりになじみがあったんです。

それが、何故か撤退したのは、10年以上前の話。途端にドーナッツを食べることはほぼゼロという状態でした。

それが、それが、それが何と、あざみ野にミスドーが復活しました。というか、復活してました。11月のことのようですが、最近まで気がつきませんでした。

駅前の通りのローソンの跡に、あざみ野西口店ということで11月26日にオープンしたようです。

ただ、この場所は前の店のように駅直結というわけではなく、駅から出て横断歩道を渡った先というところ。田園都市線や横浜市営地下鉄から出てきてバスに乗る待ち時間に寄るには、ワンクッション必要なところがどうなるんでしょうか。

もちろん駐車場はありません。

でも買いました。


一番好きなのはエンジェル・フレンチ。何か昔の比べて、ちょっと小さくなってないですか? 味は一緒でした。妙に懐かしい感じがしました。

や、や、やばい。年末年始で体重が・・・ ・・・ ・・・

2025年12月29日月曜日

ふぐ


「ふぐ(河豚)」は人気ナンバー1を争う鍋のメインの食材だと思います。

ふぐ刺しとかとセットになったものはお歳暮でも利用されていますが、いざ自分で買おうとなるとなかなか手が出る値段ではないことが多い。

年末ですから、何か特別な期間ということで・・・

ふぐを買いました。歳末大売出しのようで、驚くほど安い。おそらくイメージの半額くらいだっと思うのですが、そのかわり活ふぐではなく養殖・冷凍品です。

ふぐを食べるのは、5年ぶりくらいかもしれない。

たいていポン酢で食べますから、鍋のベースは昆布出汁だけでもOK。今回は白だしを使いました。

あと薬味として紅葉おろしは必須。紅葉卸は、大根おろしに赤唐辛子を混ぜたものですが、唐辛子だけで赤く色づけるとかなり辛いので、赤さはにんじんを使うと食べやすい。

冷凍品だって、ふぐ独特のぷりぷり感はしっかり味わえます。最後の〆は、ふぐの出汁が混ざったおいしいスープにご飯と卵を入れておじやが定番ですね。

や、や、やばい。年末年始で体重が・・・ ・・・ ・・・

2025年12月28日日曜日

クリニック納会


昨日で、年内のクリニックの業務は終了しました。1週間は年末年始の臨時休診になります。

もっとも、院長としては診療報酬請求のため何度かクリニックに行きますし、個人的にもいくつか用事をこなさないといけないので、あまりゆっくりしている時間は無いのは例年の事。

忘年会というものは、以前は普通にお店を予約した宴席を設けていましたが、コロナ禍になったときに中止。2023年に、クリニック内でお酒無しの食事会として控えめに再開していました。

2023年はコンビニなどで何となく手に入る物で用意しましたが、さすがに寂しい。昨年も同じような食事会にしましたが、バーミアンのお持ち帰りメニューを利用して比較的食べでのあるラインナップになりました。

今年は最終日業務終了後に「納会」という形で行いましたが、今回は初めてケータリングなるものを利用しました。

ケータリングというとなんか大規模パーティで、配膳などの仕事をする人もやって来るというイメージだったのですが、たいてい「オードブル」という選択肢があって、これは少人数分でも可能で、食事は自分たちで並べたりする仕組みになっていました。

たくさんの種類の一口サイズに小分けされたものなど、一人一人が手に取りやすい、かつちょっと贅沢な感じり料理がリーズナブルな値段で並びました。小腹が満ちたところで、院長肝入りのゲームをやってスタッフを労いました。

さあ、今年は終わり。2026年はもうすぐそこという感じです。

2025年12月27日土曜日

今年の音楽


今年の・・・と言っても、とっくに流行を追いかけるのを断念した自分の場合、あくまでもよく聞いた音楽は何かという話になってしまいます。少なくとも、よく売れたとか、よく世間で聞かれたかどうかなんて興味ないんであしからず。

今年、一番の収穫はPENTHOUSEでしょうか。「ショパン・コンクールのファイナリスト、角野隼人」と紹介するだけで、わかる人は角野隼人がどんだけ凄い人か一瞬でわかるというもの。クラシック畑で活躍する角野隼人が、参加しているシティ・ソウルなバンドがPENTHOUSEです。もう、完全にどはまりしました。

こういう新しいところを聴くときは、その人、そのバンドでしか出せない音をもっているかどうかが重要なポイント。世の中の大多数のバンドなんかは、正直、聴く価値を感じない。この10年くらいで、自分に「選ばれし者」は、サカナクション、和楽器バンドに続く3番目の星というところ。

それと今年は中島みゆき姐さんの去年のライブが登場しました。2020年にラスト・ツアーとして始まったものは、コロナ禍で始まってすぐに中止となり、昨年満を持して行われたライブということで、期待しかありませんでした。何が驚いたって、姐さんがずっとメガネ(老眼鏡?)をかけたままステージにたっていたこと。それでも、70歳を過ぎても衰えを知らない歌声はさすがです。

そして、最もはまって楽しむ時間が多かったのは「CUE Dream Jamboree」です。普通の人は「??」となるのが当たり前なんですが、これ、実はTEAM NACSが所属している北海道のローカル・タレント事務所のOffice CUEが、総力を挙げて数年ごとに行っている大ファン感謝祭のこと。

今年は、大泉洋・安田顕・森崎博之・戸次重幸・音尾琢真の5人が結成した演劇ユニットTEAM NACSを集中的に楽しんだのですが、演劇舞台にとどまらず、彼らが主としてローカル・テレビで大活躍した数々のバラエティからはたくさんの曲が産まれているのです。コミック・ソングもありますが、しっかり真面目な歌もたくさんあって、本当に素晴らしいメロディを紡ぎ出す彼らの才能にはほれぼれします。

ある年は、そういった音楽を主体にし、ある年はTEAM NACSの舞台のサイド・ストーリー的な芝居をする。ある年は、思いっきり大人の悪ふざけですし、またある年は大まじめにミュージカル仕立てで楽しませてくれます。全国区ではまず見かけないCUE所属のタレントたちも、NACSに負けじと頑張っていてめちゃめちゃ楽しい。

それにしても、TEAM NACSの面々は音楽創作についてはほとんどド素人なのに、鼻歌を録音してきたものを楽譜に起こしてちゃんとした楽曲に仕上げているのは田中一志というプロデューサーで、その適応力の広さ深さには脱帽するしかありません。

音楽は、こんな感じで過ごした1年でした。さてさて、来年も何かはまれる音楽があるんでしょうか。

2025年12月26日金曜日

ぼくのお日さま (2024)

監督の奥山大史は1996年生まれ。青山学院大学卒業制作として長編の「僕はイエス様が嫌い(2019)」を製作し、スペインのサンセバスチャン国際映画祭に出品し、史上最年少の最優秀新人監督賞を受賞しました。本作は監督の長編2作目、初の商業映画で、男女のデュオユニットであるハンバートハンバートの「ぼくのお日さま」に強くインスパイアされて作られました。

北海道の中学生タクヤ(越山敬達)は、夏は野球、冬はアイスホッケーをするのですが、はっきり言って下手糞で吃音のせいであまり主張することも苦手。スケートリンクで、同じ年頃のサクラ(中西希亜良)がフィギュアスケートの練習をしているのを見たタクヤは、思わずその美しいスケーティングに見入ってしまいます。

サクラのコーチは、元プロスケーターの荒川(池松壮亮)で、真剣にサクラを見つめるタクヤに気がつくと、彼にも自分の昔の靴を貸し与えてフィギュアを教えることにします。タクヤは、フィギュアに夢中になり、一生懸命練習しみるみる上達していくのです。

荒川は、タクヤとサクラをペアにしてアイスダンスをすることを提案します。初めは乗り気ではないサクラでしたが、しだいに楽しくなり、タクヤとの息もぴったりになっていきます。そして、大会に出場するための検定を受けることになるのですが、その直前サクラは町で荒川が同性の男性(若葉竜也)と一緒に楽しそうにしているところを見てショックを受けます。

荒川が同性愛者だったのです。サクラは、荒川に「タクヤと一緒にいたいから教えているんですか」と言うと、検定会場には現れませんでした。タクヤは「本当はアイスダンスをやりたくなかったんだ」と言うだけで、再び下手糞なアイスホッケーの練習に戻るしかありませんでした。

奥山監督は、これからの邦画界を背負って立てる逸材としてたいへん注目されています。この映画は、まず目を引くのは映像の美しさ。屋内のスケートリンクでも、屋外の凍結した湖でも、計算しつくした光をコントロールしています。

また、オーディションで選ばれた越山敬達と中西希亜良はフィギュアの経験者で、監督の期待に応えた素晴らしい演技をしています。また池松壮亮も特訓を受けて、そこそこにスケートコーチらしくなっているところは、さすがとしか言いようがありません。

タクヤはせっかく自分を表現するチャンスを得たのですが、サクラが来なくなったことでそれを失ってしまいます。サクラも、自ら一つの楽しみを捨てることになる。荒川も、おそらくかつて見た夢を二人に託すつもりだったのが、結局は町から出ていくことになってしまうのです。三人が三人とも夢を失うという辛いストーリーですが、監督はそれをリカバーしてハッピーエンドに持って行こうとはしません。

通常見なくても良いエンドロールですが、この作品では主題歌と位置付けられた「ぼくのお日さま」が流れ、キャスト・スタッフの文字の間に歌詞がしっかりと映し出されています。つまり、その歌の中にストーリーの結末が歌われているような感じで、絶対に最後まで一字一句集中する必要があるのです。

2025年12月25日木曜日

ブルーモーメント (2024)


ブルーモーメントというのは、日の出の直前、あるいは日没直後に空が多く見える気象現象のことで、雲がない空気の澄んだ時に発生するもの。日本では、観察できるのは長くても10分間程度です。

数日前、夜明け直前にまさにブルーモーメントになりました。そうなると、見たくなるドラマがあります。


山Pこと山下智久の主演テレビ・ドラマ。小沢かなによるマンガが原作で、気象学をベースにした災害救援救命がテーマというのがかわっています。気象学者の荒木健太郎が原作からドラマまで監修で協力し、かなりリアルな現象を落とし込んだ作品になったようです。

気象庁に勤めていた園部あかり(本田翼)は、5年前の関東南部豪雨で亡くなりました。婚約者で、あかりの影響で気象学を学んでいた春原柑九朗(山下智久)は、あかりの構想していた省庁の垣根を越えて気象災害から人々の命を守る特別災害本部(SDM)を作り上げることに奔走していました。

SDMに新人として配属された雲田彩(出口夏希)は、春原に「天気予報は何のためにある」と尋ねられても答えることができませんでしたが、異常気象の現場で災害を予防することの重要性を学んでいきます。

政治的なまとめ役であるあかりの父、園部肇一(舘ひろし)は内閣府防災担当の特命担当大臣として関わり、試験運用が始まったSDMの本部長も担っていました。SDMには、あかりの先輩で皆の信頼が厚い上野香澄(平岩紙)、あかりのいとこで東京消防庁の園部優吾(水上恒司)、怪我をして手術をすることができなくなった元脳外科医の汐見早霧(夏帆)、神川県警の沢渡満(橋本じゅん)らが参加します。

それぞれが、さまざまな心の傷を持っていますが、一つ一つの事案に対峙するうちにチームとしてまとまっていきます。危険がわかっていて亡くなったあかりの行動の謎を引きづっていた春原でしたが、やっとあかりや周りの人々の思いを理解した時には、首都圏に未憎悪の巨大台風が接近していたのです。

似たような作品を探すと、海難事故に焦点を絞ったのが「海猿」だし、山岳事故をあつかったドラマは「マウンテン・ドクター」がありました。医療を中心にしたものとしては、テレビでは「救命病棟24時」とか「コード・ブルー」。そして「TOKYO MER〜走る緊急救命室」などが思い出されます。これらは事故が起こってから、どうやって人の命を救うかがポイント。

本作は、災害が起こる前、災害を引き起こす気象変化をどこまで予測するかで人命を守ろうというのが面白い着眼点です。もっとも、すべて予防措置ができたら、ドラマとしては盛り上がりに欠けてしまうので、その予測の隙間からこぼれ落ちる部分はある程度しょうがない。それでも、刻々と変化する気象をうまく利用して災害救助につなげていくところはなかなかのものです。

ドラマはSDMはまだ未熟な組織であり完成形ではないところで終了しているので、まだまだ続きのストーリーは作り出せそうです。Season 2とか、映画化とか、もっと見たいドラマの一つだと思います。

2025年12月24日水曜日

シウマイ弁当


横浜と言えば・・・たいがいの方が思いつく一つは「崎陽軒」です。

崎陽軒は横浜に本社、都筑区に工場があるので、いっそう身近に感じています。

主力商品は焼売。普通は「しゅうまい」と呼びますが、崎陽軒のは「シウマイ」です。

もちろん、単独のシウマイもいいんですけど、全国的に崎陽軒を有名にしたのは「シウマイ弁当」です。

シウマイは当然の事、濃い目の味付けをしたサイコロ状の筍、メカジキの照り焼きが、冷たくなっても癖になる美味しさです。

入れ物の隅にこびりついた米粒を無駄にしないように、割りばしで削り取るようにして食べますよね。

2025年12月23日火曜日

正月飾り


毎年、クリニックで飾っているもの。

X'masツリーみたいです。本物の松ではありませんが、それっぽい作りになっています。これに縁起物の飾りをぶら下げています。

毎年、12月25日にX'masツリーを片付け、こちらの正月飾りに入れ替えていました。

ただ、それだと年内数日、年明け数日しか来院した方々に見てもらえないので、何か寂しい感じがしていました。

「正月事始め」という言い方があって、このは12月13日のことだそうです。つまり、正月事始めをもって、新年を迎える準備を始めましょうということで、松飾などが解禁されるようです。

それだったら、X'masツリーは先週の始めに出したので、こちらの正月飾りも週明けに出してしまいました。これなら、ゆっくり見ていただけるかなと思います。


2025年12月22日月曜日

ニュータンタンメン再現


元祖ニュータンタンメン本舗は、川崎のソウルフードとも呼ばれていますが、期間限定?的に、袋麺やカップ麺が登場していて、横浜と言ってもあと少しで川崎に住んでいる自分としても、大好きな味であることにかわりない。

タンタンメンと言うからには担々麵の仲間だとしばらく思っていましたが、実はけっこうそうじゃない。昔、家で再現しようとしたこともありますが、あれはかきたま入り担々麵であって、ニュータンタンタメンではありませんでした。

今回のは、かなり簡単なレシピで、本家に近づけたと思います。

スープを作るのに用意したのは、鶏ガラスープの素、豆板醤、ごま油、にんにく、しょうがです。

沸騰させたお湯に鶏ガラスープの素を入れます。スープの素は食塩入りを用いたので、味見をしながら丁度いい感じになるように量を決めます。

そこへお好みの辛さになるように残りの調味料を入れますが、今回は豆板醤大さじ1、にんにく大さじ1、しょうが少々、ごま油少々としました。

豚ひき肉、もやしを入れて火が通ったら溶き卵を入れて出来上がりです。

少しだけ長ネギも使いました。

さてさて、お味の方は・・・元祖ニュータンタンメン本舗の味にどれだけ近づいたかは何とも言えませんが、自己満足度は高いので80点くらいとしておきます。似てるかどうかはべつとしても、けっこういけてる味なので、これはこれでOKだと思いました。

2025年12月21日日曜日

数の子


12月も二十日を過ぎると、いよいよ今年のカウントダウン開始という感じで、否が応にも年末の色合いが濃くなってきます。

新しい年を迎えるにあたっては、一応正月らしい料理というのは欠かせない。とは言え、本格的に何かを作るわけでもないのですが、昔ながらの正月らしい食材の一つが「数の子」です。

数の子は、言わずと知れた魚のニシンの魚卵です。ニシンの事を「かど」と呼んでいたものが訛った呼び方らしい。一般に売られているのは「塩数の子」で、保存がきくようになっています。

数の子って美味しい? 正直味はよくわからない。プチプチした食感が楽しいのですが、値段も高いですから、正月以外の時期に食べることはほぼありません。

物価高騰の今年は、スーパーで買うのはやめて、いつもお世話になっているAmazonで探しました。スーパーで見かけるものより小ぶりですが(いわゆる訳あり品)、なんと1kgで5千円台という安いものを購入しました。

これを塩抜きして、薄めの出汁に漬けて食べるわけですが、ポイントは真水で塩を抜かないということ。

少しだけ塩をいれた水につけて数時間ごとに水を数回取り替えます。塩を抜きすぎると苦みが目立ってしまうので注意が必要というのがセオリー。

ただ、塩を抜いた後に塩気のある出汁に漬け直すので、味が濃くなり過ぎないように味見は頻回にした方がよいですね。

2025年12月20日土曜日

四十九日のレシピ (2013)

伊吹有喜による小説が原作で、2011年にはNHKでテレビ・ドラマ化されています。劇場版映画は黒沢久子が脚本、タナダユキが監督を務めました。四十九日は、仏教の法要として定着している文化ですが、故人の魂が現世からいなくなる日とされています。

熱田良平(石橋蓮司)の妻、乙美(荻野友里)が亡くなった。良平は何もできない日々を送っていました。そこへ、突然厚化粧でロリータ・ファッションの20歳の井本(二階堂ふみ)と名乗る女性がやってきます。井本、通称イモは、乙美が働いていた問題児の社会復帰支援施設の出身で、亡くなる直前に、乙美から良平を助けて四十九日の大宴会を開催してほしいと頼まれていたのです。

東京に嫁いでいた良平の娘、百合子(永作博美)は夫の浩之(原田泰造)との間に子宝には恵まれていませんでした。しかし、愛人が夫の子を妊娠したこと知り、離婚届を置いて実家に戻ってきました。乙美は後妻で、百合子の実の母ではありませんでしたが、百合子は乙美を慕っていました。

乙美は、何かあるとイラストをつけた文章を書き綴ったカードを作っていて、そこには「暮らしのレシピ」とタイトルがつけられていました。良平と百合子とイモは、暮らしのレシピに沿って、家の中の様々なことを片付けていきます。イモの友人で乙美に世話になった日系ブラジル人のハル(岡田将生)も加わり、大宴会を盛り上げるために乙美の人生を年表にして張り出すことにしました。

しかし、いざ書き出してみると、身寄りがいない乙美には誕生、結婚、死亡以外に書くことがまったくないのです。こどもを産まなかった乙美の人生を知るために、彼らは奔走するのでした。

このストーリーは、こどもを産んだ女性にも産まなかった女性にも、それぞれの楽しみ、悲しみ、苦しみがあることを伝えています。ある意味、大変センシティブな部分なので、扱い方によっては大きな批判を巻き起こすかもしれません。

しかし、ここではこどもを産まなかった乙美が、多くの若者を応援して社会に送り出したことで、同等、あるいはそれ以上の影響力を持っていたことが示され、だからこそこどもいない百合子をさらに前に進ませる力となっていると描かれています。

良平のやさしさが乙美に伝わり、乙美のやさしさが百合子や若者たちに伝わり、彼らのやさしさが、巡り巡って乙美の最後の願いを叶えていく。そして、それぞれが個人として、家族として再生していく様子が映画の中にしっかりと映し出されている作品になっています。

2025年12月19日金曜日

ロマンス (2015)

21世紀になって、日本の映画界でも女性の監督が元気になってきました。例えば今年50歳となるタナダユキもその一人。蜷川実花の監督作品「さくらん(2007)」の脚本で注目され、2008年の「百万円と苦虫女」の監督・脚本で一気に名前が知られるようになったと思います。

近作は「浜の朝日の嘘つきどもと(2021)」、「マイ・ブークン・マリコ(2022)」がありますが、本作は2015年に、監督が始めから元AKB48の大島優子をイメージして脚本を当て書きしたもの。小田急電鉄が全面協力した、箱根を舞台にした小さなロード・ムービーです。

北條鉢子(大島優子)は、小田急の特急ロマンスカーの車内販売員、いわゆるアテンダントの仕事をしていて、その成績は優秀です。しかし、恋人はいるものの、そのだらしがない生活ぶりに幻滅し始めていました。今日は仕事をしていると、乗客がこっそりとワゴンの商品を抜き取ったのを発見します。

終点、箱根湯本でその万引き男を駅事務所に連れていくと、桜庭洋一(大倉孝二)と名乗る"おっさん"は、逃げだすのでした。鉢子は追いかけて捕まえますが、おかげで乗務するはずだった帰りのロマンスカーは出発してしまいます。しかたがなくホームで次の列車を待つ鉢子は、今朝ポストに入っていた母親からの手紙を取り出し、一読するとゴミ箱に捨てます。

それを見ていたおっさんは、手紙を拾い上げ読んでしまいます。そして、鉢子にこの手紙を書いた人はこれから死のうとしているのだから、探して死ぬのを止めようと言い出すのです。鉢子の両親は鉢子が小学生の時に離婚していて、以後母親は男手入りの激しい乱れた生活をしていたのです。それでも、母親にとっても鉢子にとっても、唯一の楽しい思い出は箱根への家族旅行でした。

何もしない後悔より、何かしての後悔の方がましだと言うおっさんの強引さに負けて、鉢子はかつての旅行の行程を辿ることになります。小田原城からスタートして、箱根登山鉄道に乗り、大涌谷でくろたまごを食べ、仙石原のすすきを楽しみながら、鉢子とおっさんはどちらともなく身の上をお互いに話していくのでした。

回想シーンを除くと、ほとんど大島優子と大倉孝二の二人芝居のような映画。一瞬の登場だけのだらしがない彼氏は窪田正孝、上司は昨年急逝した中村靖日。タイトルからして、恋愛物かと思ってしまいますが、大島優子と大倉孝二の組み合わせではそんな甘いことにはなりません。

この二人を通して、後悔していることをどうやって消化していくのか、あるいは後悔しないためにどのように行動すればいいのかといったことを「ぬる~く」考える内容になっています。舞台が神奈川県民にとっては馴染み深い箱根が中心になっているので、より物語の中に入り込みやすくなっているのが楽しい所。

ワン・シーンが長回しになっているところが多く、だからと言ってやたらのセリフが多いわけではありません。一つのシーンをじっくりと見せて、見ている側がさらに映画の中にどっぷり漬かれる間合いを作っているように思いました。やりすぎると「間延び」してしまいますが、そこのバランス感覚がこの監督の持ち味なのかもしれません。

2025年12月18日木曜日

2025年総決算

 


総決算というタイトルをつけて書くようになったのは2008年からで、昔はいろいろと書き留めておくことがたくさんありました。もう、ほとんど自分の記録みたいなもので、他人には何の役にも立たないし、本来は人に読んでもらうようなものでもありません。

それでも、読み返してみると、自分なりに気が付くことがあったりするので、まぁそこそこ意味が無いわけでもないなと思いながらも今年も書き出しました。

国際社会を見渡すと、いまだにウクライナとロシアの戦争は続いているし、アメリカのトランプ政権はやりたい放題だし、パレスチナ問題ももやもやしたままで、第2次世界大戦以後の安定した枠組みが、今年も徐々に崩れ続ける一年だったように思います。

資本主義国家と共産主義国家に、世界を大別できたのはもうずいぶんと昔のこと。資本主義と言いながら誰もが平等を目指すかと思えば、誰もが平等な共産主義社会の中にも格差が拡大するみたいな矛盾だらけの世の中です。そこへまったく別の対立軸として宗教の問題もそれぞれの社会の中にくさびを打ち込んでくるものですから、複雑さは増える一方です。

島国で国境が存在しない日本という国は、その中で単一の価値観を継続して持ち続けることが可能なのですが、逆にどんどん変化している国際社会の中で、古臭い立ち遅れた国家になってしまう危険もあるのかもしれません。

そういう意味では、今年は初めての女性総理大臣が誕生したことは、国内最大のニュースであることは間違いありません。もっとも、新しい価値観を生み出すことができるなら、女性にこだわる必要はありません。しかし、残念ながら高市早苗首相からはいまだに今後の日本をどうしたいのかというヴィジョンが伝わってきたかといえば、答えは否です。

政権誕生からまだ数か月ですから、目下のところ目先の政策ばかりが目立つのはしょうがないとは思いますが、旧泰然とした自民党政治に片脚突っ込んだようなイメージが払拭できるかどうか、今後を注視したいとは思います。また、高市発言に端を発する中国との関係悪化が、どのような影響を及ぼしてくるのかも無視できないポイントです。

国内では、次に話題になったのは大阪万国博覧会だったかもしれません。1970年の万博は、日本の高度経済成長期のシンボル的な役割があって、日本中が歓迎したイベントだったと思います。しかし、今回は、何のために行うのか不明なままで、結局世界を巻き込んだローカル・イベントという言われ方は必ずしも間違ってはいないように思います。少なくとも、赤字にはならなかったようなのでそれだけはよかった。

今年はAIが急成長した年でした。人工知能(artificial intelligence)は、コンピューター登場以来ずっと研究されてきていたものであり、特に目新しいものではありません。しかし、ずっとAIの知識の集積は、誰か一人が教え込んだものであって、その人物を超えるものではありませんでした。しかしネット・インフラが定着した現代では、特定の個人が教えるのではなく、世界中のネット上でこぼれてくる膨大なデータがAIの知識の源になっています。しかし、その中には誤った情報もあるし、矛盾する知識もある。まだまだ未熟なAIを使いこなすためには、使う側も相当訓練されている必要があるように思います。


メディア関連では、何といってもフジテレビ問題は忘れることができない出来事です。いろいろなことが言われていますが、本当のところは一般人には不明なことが多いので、タレントN君についてどうのこうのというのは差し控えるべきです。ただ、視聴率が最大目的である地上波テレビ局が、そのために健全な組織運営をしていなかったことは衝撃的でした。さらに日本テレビでは、フジテレビの件を考えてか、かなり思い切ったタレント切りを行ったことはいろいろな問題を残しています。

さて、いよいよ個人的な今年の総括をしておきます。

今年はクリニック開院20年を迎えた年でした。20年後を考えると、ずいぶん先の話だと思いますが、振り返るとあっという間でした。そして、まだまだ自分であきらめない限りはずっと続くわけです。20周年で何かイベントをするかと思ったりもしましたが、5周年、10周年などと違い、長く続けられることはもう特別なことではないなと思うようになり、何もしませんでした。

新型コロナウイルスのパンデミックは、クリニックにとってかなり深刻な打撃を与えましたが、今年はほぼおちついた1年だったにも関わらず、コロナ禍前のような状況にはなかなか戻りそうもありません。患者さん自身が、自己管理の姿勢が定着したこともあると思いますが、それは当然悪いことではありません。

他には急激に進んでいる物価高はかなり影響があると思います。注射器や針から大きな医療機器まで、診療に必要な物品には消費税がかかるわけです。消費税は最終消費者が負担するというのが原則ですが、保険医療機関は最終消費者である患者さんに消費税分の上乗せをすることができません。かといって、医療費の増大が絶えず問題になる昨今では、国が決める診療報酬は改定のたびにほとんど据え置きに近い状況です。

個人的にけっこう大きな出来事は、スマートホンをiPhoneからAndroidに戻したこと。小さい話だと思うかもしれませんが、2010年に初めてAndroidを搭載したスマートホンとして市場に登場したSony EricssonのSO-01B以来、Xperiaファンだったのに、2016年に家族の強い要望でiPhone7に鞍替えし、バッテリーの劣化により2020年からはiPhone11を使っていました。

何度も書いていますが、自分はアップル製品は大嫌い。当然iPhoneを使うというのは屈辱的なことなんです。最近はiOSのアップデートのたびに、たくさんのアプリやデータを削除する苦痛を強いられてきましたが、それもほとんど困難になってきていました。iCloudのサブスク使えということなんでしょうけど、これ以上金をかけるなんて我慢できない。

今年の春から、じわじわとAndroidへの帰還を考え始め、ついにめちゃめちゃ面白そうな機種を見つけました。イギリス発のNothong Phoneです。これがガジェット好きには刺さりまくる独特の機種で、5月にニューモデルが出てポチリそうになりましが、さらにフラッグシップ機が夏に登場するというのでじっと我慢しました。

フラッグシップというだけあって性能は相当なもので、はっきり言ってiPhone12で不満を感じていた部分は完全に消し去ることが出来ました。カメラ性能も専用機に比べれば見劣りするのはしょうがありませんが、例えば今年最後の満月では、スマホカメラでここまで撮れたのは初めての経験で驚きました。


そんなことくらいしか書くことは無いのかと呆れられそうですが、だんだん老いを感じる年齢になると、しょうがないと自ら苦笑するしかありません。とにかく2025年も、あっという間に過ぎていくという感想に尽きるということになりました。

2025年12月17日水曜日

LIMIT OF LOVE 海猿 (2006)

これはシリーズ化された劇場版第2作。2008年には第3作の最終作として「THE LAST MESSAGE 海猿」が公開されましだか、制作陣は描き足りないものがあるとして2012年に「BRAVE HEARTS 海猿」まで続きました。

基本的なスタッフ、および出演者は同じで、制作間隔に応じて時系列に設定が変わっていきます。2004年第1作で主人公・仙崎大輔は海上保安庁の潜水士になり、ヒロイン・伊沢環菜と出会いました。2005年のTVドラマでは、仙崎は現場で様々に経験をして一人前の潜水士に成長し、環菜との関係を深めました。

劇場版第2作は、鹿児島に転勤となり、機動救難士となった仙崎と環菜はいよいよ結婚の準備を始めていますが、そこへ大型フェリーの事故が発生する。第3作では、結婚3周年を迎えた仙崎と環菜の間には長男が誕生していて、今度は洋上天然ガス採掘施設の事故が起こります。そして最終作は、仙崎は潜水士の頂点である特殊救難隊にいて、環菜は第2子を妊娠中。エンジントラブルによって着陸不能になったジャンボ・ジェット機が海上不時着することになります。

はっきり言って、この3本の劇場版は仙崎ら出動するに相応しい大きな事故が起こって、苦難を乗り越えて「全員を助ける」ことと「生きて帰る」ことを体現することを描く金太郎飴映画です。主人公は究極のピンチに陥り、普通なら間違いなく死んでしまう状況で、見事生還するのですから、単なるヒーロー物、あるいは「水戸黄門」としか言いようがない。最終作でスタッフが「描き足りなかった」ものが何なのかはまったく不明で、これじゃ原作者が堪忍袋の緒を切るのもしょうがない。

日本海の天然ガス施設が沈むのをのぞいて、鹿児島湾の沈没する大型フェリーとか、東京湾に水没するジャンボジェット機は、引き上げるのが大変だなぁ、などとどうでもいいことを心配してしまいます。まぁ、これらの作品のおかげで海上保安官希望者が増えたらしいので良しとしましょう。

2025年12月16日火曜日

海猿 EVOLUTION (2005)

前年の映画のヒットを受けて制作されたTVドラマ。映画を担当した福田靖が引き続き脚本、そして監督も羽住英一郎が小林義則と分担して行っています。主題歌はB'zが「OCEAN」を書き下ろしました。

念願の潜水士の資格を取得した仙崎大輔(伊藤英明)は、映画から1年後、一等海上保安士として横浜で老船の巡視船ながれに配属されました。船長の勝田(夏八木勲)は思慮深いベテランの現場主義者で、潜水士の隊長を担っているのは下川(時任三郎)です。下川はかつてバディの矢吹(布施博)が怪我をし潜水士を引退したのは自分の責任と考え、出世しての陸上勤務を拒み続けています。

仙崎のバディになったのは、エリートの特殊救難隊から出向していた池澤(仲村トオル)で、ストイックで回りと協調する雰囲気が無く仙崎に対しても「お前に助けられることはない」と言い放ちます。食堂での調理を担当している吉岡(佐藤隆太)は、場を盛り上げる明るいキャラで、皆の人気者でした。

彼らが陸で溜まり場にしていたのは「オーシャンズ」というパブ・レストランで、偶然に服飾デザインの仕事を始めた伊沢環菜(加藤あい)が店の2階に間借りして引っ越してきます。遠距離になっていた仙崎と環菜はこの1年メル友以上になれていませんでしたが、仙崎は再びアタックを再開します。

しかし、命の危険がある出動のたびに心配することに疲れてしまった環菜は、しだいに迷いが膨らむのでした。池澤の妻で、妊娠中の尚子(芳本美代子)と知り合った環菜は、少しずつ仙崎の仕事を理解していくのですが、そんな矢先、海賊に襲われたタンカーを追跡中に池澤が狙撃され亡くなってしまうのでした。仙崎は、池澤を失ったことに動揺し、目の前の目的を見失ってしまうのです。

2時間勝負の映画と違って、ドラマでは仙崎の成長と環菜との関係に焦点が当てられ、より深く描くことが目的のようです。人の命を救うことが仕事の最大の目的だったのに、仙崎は不審船への銃撃を行い、結果として相手の乗組員を死亡させることになる。また、池澤を殺した犯人たちが海に飛び込んだ際は、下川の命令に背いて救助を拒否して、自らの海上保安官としての立場を否定してしまいます。

環菜は仙崎の仕事が危険なもので、怪我をせず無事に帰ってくることをじっと待っていることに対する不安が膨らんでいきます。頭ではわかっていても、簡単に割り切れるものではありませんが、「先輩」である池澤の妻を通して、人として強くなっていくのでした。

ただし、テレビ局の方針・・・当時は当然視聴率第一主義ですから、視聴率を取るためには原作を好きに改変してもいいという驕りが、最初の映画から作者との間で大きな溝を作るようになったようです。最近でも、大きな問題になりましたが、原作に対するのリスペクトがあって、作者が十分に納得して了承しているならともかく、勝手にテレビ的に面白くすることはトラブルのタネになる。

フジテレビは、1980年代から「面白くなければテレビじゃない」のスローガンを掲げていましたが、この頃には「面白ければテレビは何をしても良い」という雰囲気に変わっていたのかもしれません。佐藤秀峰氏との関係はどんどん悪化し、最終的には2017年に作者とフジテレビの関係はすべての契約期限を迎えて断絶しています。

そういう事情も頭に置いたうえで、見る側は原作とはモチーフだけ利用した別物という前提で楽しむしかないのかもしれません。

2025年12月15日月曜日

海猿 (2004)

佐藤秀峰のマンガ作品が原作。完結後、すぐにNHKがTVドラマ化(全4回)しています。それらと並行して、フジテレビの亀山千広が映画化に乗り出し、脚本・福田靖、監督・羽住英一郎、海上保安庁の全面協力で作られました。

主人公・仙崎大輔(伊藤英明)は、海が好きという理由でサラリーマンから転職して海上保安庁に入庁しますが、船上勤務に物足りなさを感じ、人命救助の最前線で働くため潜水士を目指して呉にある海上保安庁大学に入校しました。呉の人々は、潜水士課程の訓練に励む彼らを「海猿」と呼んでいました。

同期には優秀で周囲との馴れ合いを嫌う三島(海東健)、体力的に劣り失敗ばかりしている工藤(伊藤淳史)がいました。主任教官の源(藤竜也)は、自身がかつてバディを亡くした経験から「人命救助したいなどと甘いことを考えるな。最前線には楽しいことなど無い」と厳しく訓練生に接するのです。

母の怪我で東京から呉に帰郷した伊沢環菜(加藤あい)は、ファッション誌の編集部で働いていましたが、東京を離れたことで編集長に「もう帰らなくていい」と言われショックを受けます。たまたま仙崎と知り合い、しだいにひたむきに訓練に打ち込む姿が気になるようになりました。

仙崎とバディを組むことになった工藤は、環菜の友人で看護師のエリカ(香理奈)に一目惚れしますが、エリカはなかなか振り向いてくれない。環菜やエリカを誘って仲間とダイビングに出かけた時、偶然に溺れている人を発見した工藤は助けに向かいますが、未熟な工藤は要救助者と一緒に亡くなってしまうのです。

半年間の訓練の最終テストは海の中での作業でしたが、仙崎は源の命令で三島とバディを組みます。しかし、急な潮流の激変によって二人は流されてしまい、三島は岩に挟まれ身動きが取れなくなり、さらにボンベが破損してしまいました。源が常々言っていた「水深40m、バディと二人で取り残された。使えるボンベは一つ。酸素は片道一人分しかない。どうする?」という命題通りの状況に陥ってしまったのです。

これは、はっきり言って監督自身も言っているように、ハリウッドの名作「愛と青春の旅たち」に似たような、ものすごくベタな展開の映画です。どうだ、こんな大変なことが起こっても、どんな辛い目にあっても、最後には大きな喜びが待っているぞという展開で、誰もが予想できる安心のストーリーです。

ところが、意外とそういうところに感動してしまうというのが人の常。そこらへんは実にうまい作りの映画になっています。環菜の母・歌子には朝加真由美、教官には田中哲司、海上保安庁主席監察官に国村隼、同期の訓練生には無名時代の斎藤工や青木崇高らが登場します。

間違いのない感動を味わいたいなら、絶対にお勧めの作品の一つ。細かいことは気にせず、楽しめばいいでしょう。 

2025年12月14日日曜日

今年の映画


邦画の興行収入成績ランキングというもので、最近は「国宝」が、実写映画としては22年ぶりに「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の173億円を抜いてトップに躍り出たという話題で盛り上がりました。

それでも、邦画全体しては第8位。なんと第1位から第7位まで、すべてアニメ映画が占めている。実写映画で次にランクインするのは、「南極物語(1983)」で第20位。第10位から第19位もアニメです。ちなみにここまで17作品のアニメの中でスタジオ・ジブリが5作品、新海誠監督作が3作品入っています。

基本的にアニメはほとんど興味が無いので、どうでもいい・・・というと語弊がありますが、自分の場合は映画の世界では、基本的に人間が演技するのを見たいという気持ちが強い。そんな中でも、数少ないアニメ映画として繰り返しみたくなるのが「AKIRA」です。

最初の公開時には、製作費10億円に対して興行収入は7億5千万円で赤字だったので、ランキングにはまったく登場しませんが、その後どんどん話題になり現在までに全世界で50億円を超す収入となっていて、まさにカルト映画という冠名が相応しくなっています。

つまり、興行収入ランキングは、大ヒットした映画を探す目安のひとつではありますが、それが必ずしも名作というものではないことに注意しないといけません。そもそも名作という評価をするための基準はいろいろですし、名作と感じるのも個人の感性によってばらばらです。

日本の代表的な映画評論雑誌である「キネマ旬報」で、オールタイム・ランキングを確認すると第1位は「東京物語(1953、小津安二郎監督)」、第2位は「七人の侍(1954、黒澤明監督)」、第3位は「浮雲(1955、成瀬巳喜男監督)」といった、間違いのない常連が並びますが、ベスト10のほとんどが昭和前半の作品です。もちろん名作であることに異論はありませんが、リアルタイムで初公開時に見たという人はどれだけいるんでしょうか。

比較的新しいそうなのは、第7位の「太陽を盗んだ男(1979、長谷川和彦監督)」、第10位の「家族ゲーム(1983、森田芳光監督)」・「台風クラブ(1985、相米慎二監督)」で、30位までに21世紀の映画は入っていません。また30位まででアニメは「風の谷のナウシカ(1984、宮崎駿監督)」の一つだけが入りました。

オールタイム・ベストとなると、やはり古いものほど有利ですし、一度名作と評価されるとそれ価値を下すわけにはいかないという事情もありそうです。それだったら、キネマ旬報は毎年、その年の優秀作を発表しているので、21世紀の最優秀作品と評価されたものを確認してみましょう。※印は日本アカデミー賞作品賞受賞も受賞したもの。

2001 「GO(行定勲監督)」
2002 「たそがれ清兵衛 (山田洋次監督)」※
2003 「美しい夏キリシマ(黒木和雄監督)」
2004 「誰も知らない(是枝裕和監督)」
2005 「パッチギ(井筒和幸監督)」
2006 「フラガール(李相日監督)」※
2007 「それでもボクはやってない(周防正行監督)」
2008 「おくりびと(瀧田洋二郎監督)」※
2009 「ディア・ドクター(西川美和監督)」
2010 「悪人(李相日監督)」
2011 「一枚のハガキ(新藤兼人監督)」
2012 「かぞくのくに(ヤン・ヨンヒ監督)」
2013 「ペコロスの母に会いに行く(森崎東監督)」
2014 「そこのみて光輝く(呉美穂監督)」
2015 「恋人たち(橋口亮輔監督)」
2016 「この世界の片隅に(片淵須直監督)」
2017 「夜空はいつでも最高密度の青色だ(石井裕也監督)」
2018 「万引き家族(是枝裕和監督)」※
2019 「火口のふたり(荒井晴彦監督)」
2020 「スパイの妻 (黒澤清監督)」
2022 「ドライブ・マイ・カー(濱口竜介監督)」※
2023 「ケイコ 目を澄ませて(三宅唱監督)」
2023 「せかいのおきく(阪本順治監督)」
2024 「夜明けのすべて(三宅唱監督)」

まぁ、キネマ旬報ですから、やや芸術性に力が入って、エンタメとして面白さは二の次になっている感じはしますが、そこそこ妥当なラインナップというところでしょうか。

さて、いよいよ今年は? という話なんですが、そもそも映画館に足を運ぶなんて面倒くさがりの中途半端な映画ファンとしては(時間も無いけど)、配信やDVD・Blurayでしか鑑賞していないので、リアルタイムからかなり遅れ気味です。

2025年公開の作品としては、「新幹線大爆破」、「室町無頼」、「ショウタイム7」、「アンダーニンジャ」、「ババンババンパイア」、「ファーストキス 1ST KISS」、「フロントライン」の7本しか見ていません。

興行収入もまだはっきり確定した数字はないのですが、いずれにしても実績・評判では「国宝」がぶっちぎりなのは間違いない。各賞に輝く二宮和也樹円の「8番出口」、山田洋二・木村拓哉・倍賞美津子で評判の「東京タクシー」、福山雅治・有村架純共演の「ブラック・ショーマン」、今年破竹の活躍を見せた山田裕貴は「木の上の軍隊」・「ベートーヴェン捏造」・「爆弾」の3本なども注目作です。

その他にも「かくしごと」、「おーい、応為、」、「おいしい給食 炎の修学旅行」、「ナイトフラワー」、「遠い山なみの光」、「宝島」、「かくかくしかじか」、「平場の月」、「ドールハウス」、「君の顔では泣けない」・・・まだまだあるかもしれませんが、思い出すのはこんなところ。

日本国内だけでも年間数百本の映画が作られているわけで、それらの評価はピンキリですが、少なくとも、洋画に比べて元気がある。大金を費やしてCGてんこ盛りのヒーロー映画ばかりになってしまったハリウッドには、魅力が無くなったと思っている人は多いのではないでしょうか。お金をかけていない分、邦画には中身で勝負の作品が多いように思います。これからタイミングがきたら、これらのタイトルを少しずつ見ていきたいものです。

2025年12月13日土曜日

落ち切らない葉


落葉樹は、秋から冬にかけて葉をすべて落として、春になると新芽を出す樹木の事。

葉を落とすのは、水分を無駄に無くさないため。

でも、最近の気候変動のせいなのか、紅葉もなんだかモヤモヤが残るし、そもそも葉が落ち切らない木が多くないですか?

普通、12月に葉が残っているなんてありましたっけ。

熊だって冬眠しないかもとか言われてますが、一緒にはできませんけど、とにかく日本中
の四季がどんどん変わってしまうようで寂しいですね。

2025年12月12日金曜日

ズワイガニ


昨今、まぁ手が出る価格で蟹を食べようと思うと、ほぼズワイガニ一択という感じがします。

本当のことを言うと、一番食べた気がするのはタラバ。肉々しくて、食べ応えがあります。

でも、タラバガニを食べたのは・・・・もう30年くらい前が最後ですかね。

ズワイとタラバでは倍くらい値段が違いますよね。

それはそうと、ズワイガニは確かに蟹です。

でもタラバは…ヤドカリです。蟹は足10本ですが、タラバは見た目には8本です。実はタラバも10本脚があるんですが、5本目は小さくて隠れているとのこと。

そんなことはどうでもいいんですが、何にしても旨いのには変わりないです。

ちなみにかに玉とかカニ炒飯、あるいはカニクリームコロッケ、カニクリームパスタ・・・こんな料理を作る時は、間違ってもカニカマは使ってはいけません。

2025年12月11日木曜日

折り紙サンタ


これ、何だ?

というほどの、たいそうな物ではありません。

折り紙のサンタクロースです。

知る人ぞ知る、というもので、毎年年末になるとうちのクリニックでは、これを来院された患者さんに差し上げています。

ポケットになっているので、小さなお菓子を入れています。

最初に登場したのは2008年なので、もう17回目ということになります。

今年も、仕事の合間をぬって、10月末からスタッフ総出で400個作りました。

出陣は来週から。いよいよ年末です。

2025年12月10日水曜日

ベイビーわるきゅーれ エブリデイ! (2024)


あの二人組がテレビドラマにやって来た!! というわけで、女子二人組の殺し屋コンビが活躍する映画の第三弾が公開される直前から、テレビ東京で1話30分、全12話で放送されました。

映画での制作の中心にいる阪元裕吾が、ドラマ版でも脚本・監督を務めています。殺し屋協会所属の正社員、明るくいい加減で長い黒髪の杉本ちさと(高石あかり)とコミュ障の社会的不適合者で金髪ショートの深川まひろ(伊澤彩織)がここでも主役ですが、映画でおなじみの面々が脇を固めています。

前半6話は「風林火山編」で、老殺し屋のわがままに翻弄されます。後半6話は「ジョブローテーション編」となり、鉄壁のコンビが別れ別れになってそれぞれが苦悩するというもの。

ある日、つけてくる男に気がついたまひろは、相手を倒してちさとと協力して冷凍庫に置き去りにします。朝になると二人のサポートをする殺し屋協会の須佐野(飛永翼)が、協会のメンバーである夏目敬(草川拓弥)と連絡が取れなくなったと伝えてきました。二人はあわてて冷凍庫から、凍死しそこなった夏目を出すのですが、夏目はある目的で二人の適性を調査していたのです。

その目的というのは、協会の殺し屋ランキング全国2位で、数々の大型案件を成功させて10年前に引退した伝説の宮原幸雄(本田博太郎)が任された風林火山プロジェクト(ある人物の殺害)のメンバーの選抜であり、夏目は宮原を崇拝していたのです。夏目が推薦し、宮原が二人の仕事ぶりを評価して、プロジェクトメンバー入りが決定し、二人は合宿に参加することになってしまいます。

合宿が始まると、宮原の「老害」に悩まされる参加者たちでした。宮原のわがままとそれに盲従する夏目に対して、ハラスメント防止委員会が登場したりします。作戦決行の当日、さんざん行った練習通り、ちさととまひろは宮原が殺せるお膳立てをしますが、肝心の宮原は殺せなかったと言って戻ってきてしまうのです。で・・・・

休暇に入った二人は、ちさとの実家に行ったり、トレーニングしたり、ついには職務質問をかけらた私服刑事を殴り倒したり・・・しているうちに二人にはジョブ・ローテーションが待っていました。ちさとは殺しの依頼を受注する営業部、 まひろは服務規程違反などをしたものを粛清する監査部で日野彰の下につくことになりました。 

しかし、調子が良いはずのちさとは、営業部の人間関係に苦しめられ、何かと怒りで先輩を殺してしまう妄想を膨らませてしまいます。まひろの監査部移動も、実は日野の不正の調査と確定した場合の粛清が本来の目的であることが須佐野から告げられていたのでした。

タイムラインとしては映画「ナイスデイ」の後ということらしく、映画で登場した前田敦子がカメオ出演したりしています。

さすがに映画と違って、いろいろとコンプライアンスがうるさく言われる地上波放送ですから、暴力シーンは少なめ・・・ということは、アクションは控えめということです。それはしょうがないところですが、その分ストーリー性は強まったように思います。

また、普通にぎりぎりで社会人をしている二人ですが、映画では描かれていない家族との関係性などがドラマでは明かされているのは興味深い。二人が殺し屋を職業にしていることは秘密になっていなくて、家族も知っているけど、普通に接しているのが何とも不思議。

全体的にはちさと・まひろ対標的という構図よりは、殺し屋協会の内部事情がわかる内容になっていて、映画とは別の面白さがあります。実質的には2時間のスペシャル・ドラマを2本見るような感じなので、気楽に楽しめば良い感じです。

2025年12月9日火曜日

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ (2024)

女の子の殺し屋二人組が活躍する人気の映画、その第三弾。

今回は二人に「生きてて良かったぁ~」と言わせる、最強の敵との死闘が描かれます。もちろん、監督・脚本は 阪元裕吾、主演もお馴染みの髙石あかりと伊澤彩織が勤め、豪華ゲストが参戦します。

仕事で宮崎に出張しているのは、殺し屋協会所属の正社員、明るくいい加減で長い黒髪の杉本ちさと(高石あかり)とコミュ障の社会的不適合者で金髪ショートの深川まひろ(伊澤彩織)です。軽く一仕事を終えて、明日はまひろの二十歳の誕生日。やっと酒が飲めるとはしゃぐのも束の間、もう一件、協会の金を横領して逃亡した松浦(かいばしら)の抹殺の指令が下ります。

ところが、現場で松浦を殺そうとしている協会に所属していない「野良」の殺し屋、冬村かえで(池松壮亮)と鉢合わせし、まひろは冬村に倒され松浦も取り逃がしてしまいます。冬村は野良の殺し屋集団「ファーム」の協力で、別の理由で松浦を狙っていたのです。

殺し屋協会は、ベテランの入鹿みなみ(前田敦子)とその相棒である七瀬(大谷主水)を派遣し、4人で冬村と松浦の始末をつけさせることにします。ちさとは先輩として高圧的な入鹿に反発するものの、しぶしぶ任務を遂行することにしますが、松浦を確保するもののまたもや冬村の邪魔が入り、入鹿は足を負傷してしまいました。

冬村は、ファームのメンバーを力で仲間に引き入れ、4人と松浦が潜伏する廃屋を襲撃することにします。

池松壮亮、前田敦子というゲストの参戦で、だいぶストーリーの幅が広がった感じがしますが、やや伊澤彩織のアクションに頼り過ぎというところが目立ちました。ただし、今作ではちさととまひろの友情というか、絆というか、お互い無くてはならない存在であるという面が強調されているのが特徴かもしれません。

とか、例によって難しいことは考える必要はありません。今回も、とにかく笑えてかっこいいシーンがてんこ盛りなので、ただただ楽しめばよい作品です。

2025年12月8日月曜日

北海道ラーメン きむら 初代 @ たまプラーザ


もう、これについては新しいことはありません。

あくまでも、自分が食べた、という記録だけ。

近隣の主だった店にはだいたい行ってしまったので、ラーメン外食については、行きつけの店が決まってしまいました。

今回も、「北海道ラーメン きむら 初代」です。

今回も、辛味噌オロチョン・ラーメンです。

今回も、美味しくいただきました。 

今回も・・・今回も・・・

・・・

2025年12月7日日曜日

今年の最後の満月


12月5日の夜は、今年の最後の満月が見れました。

「寒月」という呼び名もありますが、アメリカでは「Cold Moon」という言い方もあるそうです。

いずれも、寒い時期の満月という意味合いがありそうです。

月の写真はISO感度、露出、シャッター速度を自分で設定できるカメラであれば、それほど撮るのが難しいということはありません。

ただし、現状のスマホでは、どんなに性能が良くなっても、カメラのセンサーサイズが極端に小さくなるので無理な話です。

ただし、問題は超遠距離の被写体の撮影ですから、相応なカメラの望遠能力と確実なブレの抑制が無いとまともに見ることはできません。

・・・なんて、かっこつけたことを言ってますが、最近は一眼レフとか、ましてや何百mmの望遠レンズとか重たくてとても持ち歩く元気が無くなりました。

なので、この写真もコンデジです。光学30倍可能なレンズがついているので、かなり鮮明な月の写真が撮れました。

それにしても、全周がはっきりわかる、正真正銘の満月というのはなかなかお目にかかれません。今回はなかなか貴重な写真になりました。

2025年12月6日土曜日

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー (2023)

阪元裕吾の監督・脚本によるシリーズ第2弾。前作に続き、髙石あかりと伊澤彩織が主役の最強殺し屋コンビを務めました。

杉本ちさと(髙石あかり)は黒の長髪で社交的(裏を返せばいい加減)、深川まひろ(伊澤彩織)は金の短髪でコミュ障で社会的不適合者という不思議なコンビ。殺し屋企業の正社員としてそれなりに評価される働きをしていましたが、未払いのジムの費用や保険の掛け金を入金しなければならず、しぶしぶ銀行に行きます。

ところが、そこで偶然登場した銀行強盗の二人組に振り込みを邪魔された二人は、強盗をやっつけてしまいます。しかし、会社からの正規の仕事以外で目立つ暴力沙汰を起こした二人は、服務規程違反となり謹慎処分となってしまいます。

神村ゆうり(丞威)と神村まこと(濱田龍臣)の兄弟は殺し屋企業のアルバイトの身分で、仕事を取っくる赤木(橋野純平)と共に正社員に比べて雑に扱われることに不満があります。正社員が減れば、自分たちが上に上がれると言う噂を信じて、二人はちさととまひろを抹殺することにしました。

しかし、最初の襲撃はあっさりと返り討ちに合います。謹慎中は殺しをしてはいけないという規則のため、ちさととまひろは意識を失った兄弟の後始末を清掃員の田坂(水石亜飛夢)に依頼します。しかし、ちょっと目を離した隙に兄弟は逃亡し、後を追った田坂が撃たれてしまうのでした。

ちさととまひろは、一晩中兄弟を探してやっと二人追い詰めますが、そのままだとまた規則違反と言われてしまうので、二人のサポータである須佐野(飛永翼)に連絡して許可を求めます。須佐野は田坂の見舞いに来ていたところだったので、田坂は自分から殺しを依頼すれば仕事だから構わないだろうと言うのでした。

・・・というような、一般企業のような殺し屋のドタバタが今回も描かれていて、特にそれ以上でもそれ以下でもない、単純な笑えてかっこいい映画です。もちろん、主役は死なないという安心感があるので結末は予想できるのですが、それでも笑いとアクションのバランスがよく、前作よりも展開がこなれている感じします。

2025年12月5日金曜日

ベイビーわるきゅーれ (2021)

まだ20代の若い阪元裕吾による監督・脚本で、大人気となりシリーズ化、さらにはテレビドラマ化もされた作品。10代の女の子が企業としての殺し屋会社に入り殺し屋として優秀であるだけでなく、ごく普通の社会人としても試練を乗り越えると言うギャップをユーモラスに描きつつ、本格的なアクション映画としても成立させています。

殺し屋になるのは、朝の連続テレビ小説に抜擢され注目されている杉本ちさと役の高石あかりと多くの映画でスタントを行ってきた深川まひろ役の伊澤彩織。ちさとは愛想が良くて、黒のロングヘアー、社交的でお調子者。まひろは、金髪のショートヘアで、コミュ障、社会性は皆無だが、格闘能力は極めて高い。

二人は、殺しを請け負う会社から月給をもらって仕事をまかされるのですが、二人をサポートするのは須佐野(飛永翼)という、ごく平凡なサラリーマン風の男性で、彼女たちの仕事の後片付けをする清掃担当員は田坂(水石亜飛夢)です。田坂は、二人の荒っぽい仕事ぶりに怒っていて、片付ける方のことも考えてほしいと説教をするのです。

仕事でヤクザの親分を始末した二人ですが、その一番の部下浜岡(本宮泰風)は、自分の娘のひまり(秋谷百音)に犯人捜しを命じます。ひまりは側近の渡部(三元雅芸)とともに依頼人を突き止め、ちさとを誘い出して銃を奪って去っていきました。

メイドカフェでバイトすることになったちさとでしたが、そこに新しい金儲けを考えている浜岡と息子のかずき(うえきやサトシ)がやってきて、ちょっとしたことから浜岡が激怒してしまいます。なりゆきで、ちさとはかずきの銃を奪い取って射殺、その流れで浜岡も殺してしまいます。ひまりは浜岡とかずきの死体の匂いから、犯人はちさとであることを察知し、宣戦布告してくるのでした。

殺し屋なのに、家賃の払いとか、健康保険とかで悩むところがなかなか楽しい。特に、この他愛ない設定を、痛快な活劇に高めているのが伊澤彩織のアクションです。「キングダム」や「るろうに剣心」でのスタントのみならず、「ジョン・ウィック・コンセクエンス」でも見事なアクションを披露している腕は超一級品です。

とにかく、あまり深く考えずに、笑ってドキドキして、痛快・爽快感を味わうという、エンタメとして楽しめる作品になっています。

2025年12月4日木曜日

このまちはぼくたちのもの


これは横浜市青葉区役所の入口の植え込みに設置されているもの。

1m四方くらいの大きさのパネルが6つ組み合わさったような感じで、モダン彫刻というような範疇の美術品です。

この下に「このまちはぼくたちのもの We own this town 1995」と書かれたプレートが設置されていて、作者は渡辺豊重となっています。

渡辺豊重は1931年、東京生まれの美術家で、戦後は川崎で活躍しました。晩年は、栃木県のなすで過ごし、2023年に91歳で亡くなりました。

ネット情報が少ないので、あまり詳細はわかりませんが、ユーモラスな抽象的な作風だったそうなので、この作品も比較的ご本人の感性をストレートに感じられるものではないかと思います。

区役所は、たいてい目的があって訪れる場所。さっさと用事を済ませたいとは思いますが、ちょっと足を止めて眺めてみるのも良いかと思います。

2025年12月3日水曜日

レモンの樹


柑橘類がなっている庭の植木というのは、横浜あたりでもしばしば見かけます。

たいていは、蜜柑、柚子とか八朔とか和風の名前がつく、食べれそうなものが多いのでしないでしょうか。

ただし、ちゃんとした果樹園で栽培される物とは違い、実際に口にするとかなり渋かったり、酸っぱかったりで、隣り近所におすそ分けするのは控えた方が良さそうなものだと思います。

今まで気がつかなかったのですが、近所に真っ黄色な果実がなっているのを発見しました。

色からすると、まさにレモン色といえそうな黄色です。形は楕円というよりはやや球形に近いかもしれませんが、大きさからしてもレモンにしか見えない。

レモンを植えるとは・・・ちょっとおしゃれ。なかなかモダンなお宅と見受けます。

それに比べると、うちに生えているのは、あまり面白味はないものばかり。ですが、実がつくものは虫もつきやすいので、まぁ、いいか・・・ってな。

2025年12月2日火曜日

Cloud クラウド (2024)

現代日本の巨匠と呼べる映画作家の一人が黒沢清。いずれの作品も独特の世界観がありますが、主として社会性メッセージを込めたホラー風のストーリーが多い。この映画も、一見クライム・サスペンスのようにも見えますが、登場人物たちの行動は底知れない恐怖を感じさせるものになっています。この作品でも、黒沢清が監督・脚本のいずれも担当しました。

吉井良介(菅田将暉)は、ハンドル・ネーム「ラーテル」を用いて、転売を繰り返していました。ある時は、倒産寸前の町工場の殿山(赤堀雅秋)から、定価40万円の健康器具を3000円で買いたたき、「半額20万」として売り抜けていました。転売業の先輩、村岡(窪田正孝)からは、一緒に大きな仕事をしないかと誘われています。

吉井は工場で働いていましたが、社長の滝本(荒川良々)から、しつこく管理職になって自分のサポートをしてほしいと言われるのがうるさく感じ、会社を辞めて恋人の秋子(古川琴音)と共に、都心を離れた雑木林に囲まれた一軒家に引っ越すのでした。

地元出身という佐野(奥平大兼)をバイトに雇い、転売業は順調のように見えましたが、家の窓ガラスを割られたり、警察に行くと偽ブランド品売買を疑われたり、しだいに周囲に不穏な空気が立ち始めます。

秋子は金回りが悪くなったせいか、出ていってしまいます。佐野がネットを検索すると、「ラーテル」に対する中傷の書き込みがたくさんあり、人物を特定する動きがあることがわかりました。しかし、勝手にパソコンを使ったことで吉井は佐野も追い出してしまうのです。

ネットカフェで生活する三宅(岡山天音)は、何でもいいからどこかに怒りをぶつけたくて、「ラーテル」を潰す裏サイトに参加します。そして、吉井を殺すために集まった人々は、ついに行動を開始するのです。その中には、滝本や殿山も混ざっていました。

最近は、転売屋は大きな社会問題になっています。昔から転売行為はいくらでもありましたが、最近は規模が大きく、人気の最新商品が一般の購買客にまったく手に入らない事態が頻発しています。この作品では、転売を正当化するわけではなく、転売という行為が雪達磨式に膨れ上がり、一度始めると抜けられなくなる怖さ、そして必ずしも安定した利益を得られるものではないことを示しています。

さらに、一歩進んで、個人を簡単に特定してしまうネット社会の中では、転売に限らず意図しない怨みを買うことがいくらでもあることが恐ろしい。実は、佐野というキャラクターは、おそらく意図的にどのような人物が示されていませんが、吉井が潜在的に感じている恐怖を現実化したみたいな存在で、この映画のキーパーソンなのかもしれません。

その一方で、秋子の本性みたいなところは、最初からぷんぷん匂わせているので、結末がなんとなく見えてしまうのは残念なところ。菅田将暉は、この手の役では安定感があります。吉井と面識がなく勢いで参加する三宅という人物は、これもまた岡山天音の得意な範疇の役柄だと思いました。

世の中の「弱者」と呼べる人々の行き場のない怒りの矛先が、何となくいい思いをしているだろうと想像させた特定の一人に向かう怖さを描いた作品ですが、襲う側も襲われる側の両方に感情移入しにくい面があり、何となく違和感を残しました。はっきりとしたて解答が得られないモヤモヤが残るのですが、その不穏な感覚が監督の意図するところであれば作品は成功なのかもしれません。

2025年12月1日月曜日

決戦は日曜日 (2022)

今。話題になっている「君の顔では泣けない」で監督と脚本を担当している坂下雄一郎が、その一つ前にやはり監督・脚本した作品です。日本の政界には二世議員と呼ばれる方が数多く存在しますが、ユーモアと皮肉を込めて(?)その実態に迫る映画になりました。

父親の衆議院議員が病で倒れたため、後援会や市議会議員らの後押しで娘の川島有美(宮沢りえ)が地盤を引き継いで立候補することになりました。父親から引き続き担当する事務所のスタッフは、濱口祐介(小市慢太郎)、岩渕勇気(赤楚衛二)、田中菜慈(内田慈)、そして直接の世話をする秘書として谷村勉(窪田正孝)です。

しかし、政治の世界にはまったく素人で、様々な周囲の人々のしがらみなどまったく気にしない有美は、あちこちでたくさんの問題を起こして、谷村たちをやきもきさせてばかりいるのです。差別的な発言をしたり、突撃ユーチューバーと喧嘩をしてニュースになったりしても謝罪しないため、ついに後援会の重鎮は引き上げてしまいます。

谷村らが一生懸命にお膳立てをして、それらを何とか納めていき、何とか選挙戦に突入します。いろいろあっても、父親への信用から世論調査では楽勝と思われていましたが、公示後に父親のかつての特定企業への口利き疑惑がスクープされてしまいます。さらに、市議会議員や支援する企業の役員たちが、これまでの既得権益を守ることを要求してくるのです。

有美は初めて裏の世界を知り、政治に対して幻滅して立候補を取り下げると言い出すのです。そんなことをされたら、我々は全員仕事が無くなると谷村は必死になだめるのですが、しだいに谷村自身も考えを変えるようになり、有美に「立候補を辞めるわけにはいかないので、落選しましょう」と持ち掛けるのです。

谷村の作戦で、有美は再び暴れまわって、動画をネットに上げます。対立候補の立会演説でヤジを飛ばしたりするのですが、なかなか支持率が落ちません。ついには、父親のスキャンダルの相手が事実を認めてしまい、これで一気に落選に向かうと思ったとたん、北朝鮮がミサイルを発射したことで話題は一気にミサイルに流れてしまうのでした。

もちろん、早くから政治の世界を垣間見て勉強してきた二世の方は大勢いるのでしょうから、この映画を見たら憤慨するかもしれません。ただ、立候補する人が純粋に日本を良くしたいとだけ思っているというのは稀で、おそらくは多くの利権が絡んでいたりするだろうということは普通に想像できることです。

この映画では、本来はブラック・ユーモア的な題材を、ギリギリ表立って笑えるように作ったところが味噌です。それは、宮沢りえとしてはかなり奇抜な演技と、とにかく議員秘書の大変さを具現化した窪田正孝の演技によるところが大きいと思います。

実際に有美のように最初から最後まで本音を言いたくてたまらない議員が増えると、政治はもっと面白くなると思います。ただし、その一方で、そんな人ばかりだとまとまる話もまとまらなくなりそうですから、ある程度のバランス感覚は必要でしょうね。