年末年始診療 12月29日~1月5日は休診します

年内は12月28日(土)まで、年始は1月6日(月)から通常診療を行います

2007年12月29日土曜日

2007年総決算 part 1

2007年という年を自分なりに振り返ってみる。当然、それは反省と来年に向けての新たな目標を見つけるためであるわけですが、そんなに大げさに考えずに思い出してみましょう。

昨年1年間が新規開業からの1年であり、とにかくクリニックの存在を何とか広めることに終始したといえるかもしれません。そして、どんどん資金が無くなり、手作り看板などのような自分でできるミニ広告をいろいろやりました。その結果、①名前はそれなりに知られていそうだ、②ほとんどの広告の直接効果はあまり無い、ということを感じました。そこで、実際に何か健康の問題が起こったときに受診したいと思ってもらえるには、実績が最も大事であるという基本に立ち返りました。

言い換えれば、あそこに行けば何とかしてもらえる、という口コミが広がるのを待つしかないということです。そのためには、患者さんのニーズに合わせて、最良の結果を積み重ねていくことが大切です。当たり前のことなんですけどね。でも、世の中は当たり前のことが一番難しかったりしますよね。

今年最初にやったことは、何とか家賃の支払を減らしてください、とビルのオーナーにお願いに上がることでした。見栄も外聞もありません。いくら理想に燃えても先立つものが無ければどうしようもない。とりあえず、半年間はお金を借りる形で割引してもらうことになりました。

次が当直のバイト。去年は月に3日程度でやっていたのですが、今年は最低月4日、祝祭日はほぼすべて日当直をさせてもらうことにしました。たぶん、祝祭日で当直しなかったのは数日しかないと思います。

さらに、恥をさらすようですが、子供の学費の滞納が春から続き、何とか奨学金を申し込んだり、学費減免制度を利用することになりました。そんなこんなで、やっと黒字が出るようになってきましたが、実質的な自分の給料といえる額にはほど遠い。

患者さんを増やすためには、患者さんの数をこなすための道具が必要です。そこで、物理療法機器を一台購入。本当は300万円くらいするものを、担当の方の尽力でデモ機を格安(半額以下!!)で確保してもらいました。そして、家賃割引期間が終了し、すぐさま返済開始となり、本来の家賃より多い額を払わなければなりません。少し増えても、今年の猛暑による夏枯れは深刻な打撃でした。

そして11月にインフルエンザ予防接種のおかげもあって何とか最低の目標である1200人/月・50人/日にやっと到達しました。整形外科というのは患者単価の低い科の代表みたいなもので、普通2000円から3000円くらいといわけており、内科などにくらべて数をこなさないといけないと云われています。内科なら、1日に40人程度の患者さんがいれば十分やっていけるといわれていますが、整形外科なら80人から100人は必要です。なんといっても、リハビリ用に通常のクリニックの倍近い面積を使用していることが大きな要因です。

では、この少ない人数でなんとかやってこれたのはどうしてなのでしょうか。それはリウマチの患者さんのおかげだといっても過言ではありません。検査を必要とするのと、注射などによる指導管理料などの加算が多いので、患者単価を引き上げてくれているのです。

でも、リウマチ患者さんはそんなに多いものではありません。自分も国際的に使われる分類基準あるいは日本の学会が提唱している早期基準に合致することを守っていくようにしています。いまだに、簡単にリウマチと言われている患者さんが多く存在していることはしばしば耳にしますので、とにかく後で他の専門医から後ろ指をさされないようにしないといけないと考えています。そして、入院などのバックアップ体制を確保して行くことで、専門病院と同等だけど、より小回りの効くサービスを提供し続けることが患者さんを集めていくことにつながると考えています。

整形外科と高齢者も切っても切れない関係にあります。年齢とともにあちこちが痛くなることは普通によくあることです。高齢者は今の医療改革の中で、いろいろなしわ寄せを受けています。政治的な思惑で右往左往させられている高齢者を、しっかりと支えることは大変重要だと思います。そういう意味で、春から往診を始めたことは、いわゆる在宅医療への関わりの第一歩です。今後の開業医の在宅へのシフトの可能性への試金石と考えています。

そして、都筑区という住民の若い地域の特性としての、小児整形外科とスポーツ整形外科への取り組みも忘れてはなりません。こどもをしっかり診る事ができれば、親御さんの信頼も得られ、ホームドクター的な関わりを持つことができます。なるべく積極的に早く治すことが求められていて、また自分で行う体のメンテナンスをしっかり指導していくことが大切です。何回も再診させることより、治し方を知ってもらうことが、次の問題が起きたときに、確実に相談をしにきてくれることにつながると考えています。