そして、現役ロック少年としては、最後に買ったのがAnimalだったこともあり、Pink Floydはお気に入りのグループに一つとして殿堂入りしているのです。
今回のPULSEは1994のツアーのライブ。オリジナル・メンバーのロジャー・ウォータースがごたごたで脱退した後のなんだかんだの復活からうみだされたものですが、なんといっても1972年の大傑作アルバム「狂気」のフルバージョンをライブで完璧に演奏したところが、一番の注目ということでしょうか。
スタートのShine on Your Crazy Diamondから、もうフロイドワールドが全開。デイブ・ギルモアのけして派手ではないストラットの音が、すべてを支配するという感じ。ウォータースはいないけど、サポートメンバーが強力に周囲を固めているので、なんの遜色もありません。
基本は既発の作りこまれたアルバム曲をステージで再現することが目的なんでしょうね。その雰囲気は後半の「狂気」で一気にボルテージが上り詰めます。 やはり、この人たちただものではありません。ギターの早弾きもサーカス的なピアノもありません。大迫力のバスドラ連打もありませんよ。でも、これだけ音楽的な処理がされたロックは、絶対に他では聞けません。2時間ちょいなんて、あっという間です。