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2007年12月24日月曜日

Terence Young / The Christmas Tree (1969)

クリスマスといえば、当然いろいろな映画の素材になっているわけで、基本的にはハッピーなテーマの代表みたいなところがありますが、自分にとってクリスマスから連想する映画をあげるとしたら、この映画しかないくらい強烈な印象が残っているのです。ネットでも、ほとんど情報が得られないくらいの「B級」扱いなのですが、自分にとっては「名作」なのです。

クリスマス・ツリー The Christmas Tree (L'arbre de Noel) 1969仏
監督 / テレンス・ヤング 原作 / ミシェル・バタイユ
出演 / ウィリアム・ホールデン、ブルック・フラー、ヴィルナ・リージ、アンドレ・ブールビル

あえて、結末までのあらすじを書いてしまうと・・・
夏休みに父親と少年は海でのんびりと楽しんでいた。そこへ水爆を搭載した飛行機が近くに墜落し、少年はその影響で白血病になってしまう。このあたりは、今では冷静に考えていろいろ突込みどころではありますが、まぁ、あまりそういうところは黙っておきましょう。

医者は父親にあと半年の命と伝えます。それから父親は少年のためにどんなことでもするようになります。狼を飼いたいと望むと、夜中に動物園に忍び込んで狼を盗み出してくるのです。

やがてクリスマスが近づいて来ると、少年は父親のためにクリスマス・プレートを作り出します。イブの日にプレゼントを買いに父親は外出します。少年はきれいに飾られたクリスマス・ツリーの下で、出来上がったプレートを抱きしめ静に目を閉じるのでした。プレートには父親への感謝の言葉が・・・

007シリーズでも有名なテレンス・ヤングが監督し、名優ウィリアム・ホールデンが主演。たぶん、ジャニーズばりに愛らしいブルック坊やの登場、という具合に話題性は十分な仕込があるのですが、おそらく話の展開が強引なため、あまり話題になることがなく埋もれてしまった映画なのかなぁ、と思いますが、当時小学生の自分は映画館で見て、あまりに自分と同じ年くらいの少年の不幸に泣かずにはいられなかったのです。その後、一度テレビの洋画劇場で見たときも、涙が出てしまったように記憶しています。
どう考えても少年が死ななければならない理由は無く、この理不尽な不幸に救いはありません。見終わっても、たぶんほっとした気持ちにはならないことでしょう。核兵器は主題ではなく、あくまできっかけ。とにかく、見たものを悲しみに沈ませるための映画。泣きたい人のためにある映画。

でも、どんな人でも、望むものがすべて手に入っても幸せとは限らない、この少年からすれば誰もがHAPPYなクリスマスを過ごすことができるんだよ、ということを云いたいのだろうと考えればいいのでしょうかね。