湊かなえ原作ですが、ミステリーとは言えない、純文学に近い重厚な作品です。脚本は堀泉杏、監督は廣木隆一です。主人公である母と娘が、同じ場面をそれぞれがどのように感じたのかが交互に回想するような形式で進行します。
ルミ子(戸田恵梨香)は、母親の華恵(大地真央)から多くの愛情を受けて育てられました。自分が感じたことが、母親と同じであることをいつも期待して、その通りだと嬉しいのです。田所哲史(三浦誠己)と結婚したルミ子は、それからも母親を喜ばせるためなら、何でもしたのです。清佳(永野芽郁)が生まれても、それは変わることはありませんでした。
華恵は、ルミ子に注いだのと同じように清佳にもたくさんの愛情を注ぐのです。華恵が清佳のために小鳥の刺繍をした身の回りの物を作ってくれていたのに、清佳がキティちゃんのバッグを欲しがった時、ルミ子は華恵の好意を無駄にすることだと考え許しませんでした。
哲史が夜勤でいない夜、訪ねてきた華恵は嵐になったためルミ子の家に泊まることにしました。しかし、嵐のため停電となり、倒木が窓を破り華恵と清佳が寝ていた部屋に飛び込んできます。箪笥が倒れ、二人は挟まれてしまい、気がついたルミ子が助けようしますが、ロウソクの炎が広がり火事になってしまいます。
華恵の手を取ろうとするルミ子に対して、華恵は「そうじゃない。あなたが守らなければならないのは清佳です」といい、手を振り払うのです。火が回り、ルミ子はやっとのことで清佳を抱えて家から逃げ出しますが、華恵は亡くなってしまったのでした。
哲史の実家に住むことになった3人でしたが、ことあるごとに義母(高畑淳子)の嫌味はルミ子に向けられ、それでもルミ子は「母」を喜ばすために耐え続けるのです。高校生になっていた清佳は、ついに義母にルミ子をかばうために口答えをしてしまいます。しかし、ルミ子は、「あなたは私の努力を無駄にした」と泣いて責めるのでした。
哲史の妹の律子(山下リオ)は恋人の元に家出してしまい、義母のルミ子や清佳への当たりはますますま激しくなります。清佳は居所を調べようと律子の部屋に入ると、偶然若いころの哲史の日記を見つけてしまいます。そこには、学生運動に身を投じ理由もはっきりせず体制に敵対心を燃やす文章ばかりが綴られていました。
偶然、家と反対の方向に向かう哲史を見つけた清佳が後をつけていくと、哲史は知り合いの女性に貸しているルミ子の実家に入っていくのでした。女性と普段見たこともない父親を見た清佳は、ずっと昔から現実から逃げ続けてきただけの哲史を弱虫と責めるのです。しかし、清佳は初めて華恵の死の真相を聞かされショックを受けるのでした。
辞書的には「母性」とは女性に備わった生理的・身体的機能の特徴でこどもを産み育てること全般を指す言葉として用いられます。この映画では、それが受け継ぐ娘が成長の過程で後天的に形成されていくように説明されているようです。
タイトルからして予想通り重厚なストーリーで、見ていて辛くなってくることは否めません。母から多くの愛情を受けたルミ子は、母を喜ばせることで返す気持ちを持ち続けたために、今度は自分の娘に対する気持ちに振替できなくなっているところに悲劇が作られていくようです。そのような母を見て育った清佳も、何とか母を喜ばせたいといつも考えるようになるですが、どこかでルミ子は愛情の方向性を掛け違えてしまったのかもしれません。
一見同じエピソードの繰り返しのようですが、母の回想と娘の回想は微妙に異なるところがこの映画のポイントで、それぞれの主観に差があります。特に、映画のCMで登場した母が娘の首を絞めるところが白眉で、両者がそれぞれの過ちを理解する最重要シーンとなっています。
この点は、戸田恵梨香と永野芽郁のそれぞれの演技力の高さに脱帽するしかありません。1988年生まれの戸田と1999年生まれの永野では、母娘というのには年の差がありませんが、何の違和感も感じさせません。
核となるストーリーの外側には、さらに教会で懺悔する母親と教員となった娘が生徒の自殺のニュースを巡って仲間と議論するという二重、三重の枠が設えてあるところも、映画としての評価を高める要因となっているように思います。ものすごく重たいテーマを扱っていますが、少なくとも最後はよかったと思えるエンディングになっているので、安心してみてもらいたいと思います。
2024年12月30日月曜日
仮面病棟 (2020)
知念実希人のミステリー小説が原作ですが、この方はれっきとした内科医。そのため、医学的な知識に裏打ちされた作品は評価が高い。監督は「屍人荘の殺人」の木村ひさしで、脚本は木村と知念が共同で執筆しています。坂口健太郎と永野芽郁のW主演ですが、特に永野にとっては今までにない役柄を演じています。
速水秀悟(坂口健太郎)は、3か月前に婚約者と車に乗っていて交通事故にあい、婚約者の兄、小堺司(大谷亮平)が非常勤で勤めていた田所病院が救急搬送を断ったため、婚約者を死なせてしまいます。速水は、小堺に頼まれ臨時で田所病院の当直を引き受けることになりました。田所病院は、夜間は看護師の東野良子(江口のり子)と佐々木香(内田理央)だけの勤務で、病棟に入院中の患者はほとんどが認知症を患う高齢者ばかりでした。
その夜、近所のコンビニにピエロのマスクをかぶった拳銃強盗が押し入ります。東野に1階に至急来るように連絡を受けた速水が、待合に行くと腹部を怪我した川崎瞳(永野芽郁)がいて、ピエロのマスクの男が拳銃を向けてきました。瞳はたまたまコンビニの前を通りかかって、飛び出してきたピエロの男に拳銃で撃たれ連れてこられたと説明します。
応急処置をしていると院長の田所三郎(高嶋政伸)が現れ、ピエロの男は速水、瞳、院長、東野、佐々木を人質に病院に立てこもるのでした。しかし、単なる金目当てではなく、ピエロの男は、院内を物色して何かを探しているのです。そして、院長たちも何かを隠していて、速水と瞳は次第に疑念が強くなっていくのでした。
速水は瞳に、田所病院と自分の因縁を話し、彼女を守り切れなかった自分を責めます。瞳も、ずっと二人きりで暮らしてきた姉が自分を犠牲にして自分のことを守ってくれて来たこと、そしてその姉を失ったことを話します。速水は、今度こそ瞳を守ってあげることを決意するのでした。
佐々木の悲鳴を聞いて駆けつけると、ナイフが刺さったままで東野が殺されていました。そして隠しエレベータを発見した速水は、エレベータに乗り込むと、病棟ではない5階の資料保管庫の奥に秘密の病室があることがわかりました。そこには鎮静剤で眠らされた少年がいて、投与されている薬などから腎臓移植を受けたことが想像されたのです。
これは勘のいいひとなら、最初から物語のプロットは想像できるかもしれません。どう見ても、ピエロ男が立てこもる理由がありませんから、別の目的で田所病院に侵入したことは明らかです。そして、院長が隠している秘密を探るためというのもわかりやすい。
また瞳の存在も、いかにも嘘っぽい金髪のウィッグを含めて、不自然そのもの。犯人が自分で撃っておいて、瞳を助けるために病院に連れ来る必要がありません。つまり、瞳もこの事件に何らかの関係があって、そこにいる必要があるということ。そう思ってみていると、前半の速水が何が病院に隠されているのか調べるところは、ややじれったいだけで間延びしている印象を持ってしまいます。
コロナ禍での公開という悪条件はありますが、それほど評判になった感じがしないのは、全体の構成にやや難点があるような気がします。原作者が脚本に入るというのも、映画的な取捨選択を迷わす原因になっているのではないかという気もします。
高嶋さんは、やっぱりいつもの役柄で、この人が出てくるとまたかという感じがします。とりあえず、坂口君のさわやか正義漢と永野芽郁の可愛いけどミステリアスな演技を楽しむことができればOKというところでしょうか。
速水秀悟(坂口健太郎)は、3か月前に婚約者と車に乗っていて交通事故にあい、婚約者の兄、小堺司(大谷亮平)が非常勤で勤めていた田所病院が救急搬送を断ったため、婚約者を死なせてしまいます。速水は、小堺に頼まれ臨時で田所病院の当直を引き受けることになりました。田所病院は、夜間は看護師の東野良子(江口のり子)と佐々木香(内田理央)だけの勤務で、病棟に入院中の患者はほとんどが認知症を患う高齢者ばかりでした。
その夜、近所のコンビニにピエロのマスクをかぶった拳銃強盗が押し入ります。東野に1階に至急来るように連絡を受けた速水が、待合に行くと腹部を怪我した川崎瞳(永野芽郁)がいて、ピエロのマスクの男が拳銃を向けてきました。瞳はたまたまコンビニの前を通りかかって、飛び出してきたピエロの男に拳銃で撃たれ連れてこられたと説明します。
応急処置をしていると院長の田所三郎(高嶋政伸)が現れ、ピエロの男は速水、瞳、院長、東野、佐々木を人質に病院に立てこもるのでした。しかし、単なる金目当てではなく、ピエロの男は、院内を物色して何かを探しているのです。そして、院長たちも何かを隠していて、速水と瞳は次第に疑念が強くなっていくのでした。
速水は瞳に、田所病院と自分の因縁を話し、彼女を守り切れなかった自分を責めます。瞳も、ずっと二人きりで暮らしてきた姉が自分を犠牲にして自分のことを守ってくれて来たこと、そしてその姉を失ったことを話します。速水は、今度こそ瞳を守ってあげることを決意するのでした。
佐々木の悲鳴を聞いて駆けつけると、ナイフが刺さったままで東野が殺されていました。そして隠しエレベータを発見した速水は、エレベータに乗り込むと、病棟ではない5階の資料保管庫の奥に秘密の病室があることがわかりました。そこには鎮静剤で眠らされた少年がいて、投与されている薬などから腎臓移植を受けたことが想像されたのです。
これは勘のいいひとなら、最初から物語のプロットは想像できるかもしれません。どう見ても、ピエロ男が立てこもる理由がありませんから、別の目的で田所病院に侵入したことは明らかです。そして、院長が隠している秘密を探るためというのもわかりやすい。
また瞳の存在も、いかにも嘘っぽい金髪のウィッグを含めて、不自然そのもの。犯人が自分で撃っておいて、瞳を助けるために病院に連れ来る必要がありません。つまり、瞳もこの事件に何らかの関係があって、そこにいる必要があるということ。そう思ってみていると、前半の速水が何が病院に隠されているのか調べるところは、ややじれったいだけで間延びしている印象を持ってしまいます。
コロナ禍での公開という悪条件はありますが、それほど評判になった感じがしないのは、全体の構成にやや難点があるような気がします。原作者が脚本に入るというのも、映画的な取捨選択を迷わす原因になっているのではないかという気もします。
高嶋さんは、やっぱりいつもの役柄で、この人が出てくるとまたかという感じがします。とりあえず、坂口君のさわやか正義漢と永野芽郁の可愛いけどミステリアスな演技を楽しむことができればOKというところでしょうか。
2024年12月29日日曜日
PARKS パークス (2017)
この作品は「井の頭恩賜公園 100年実行委員会 100年事業企画」と冒頭に示されます。井の頭公園は、東京都武蔵野市と三鷹市にかかる大きな公園で、昔から憩いの場所としてよく知られています。ちなみに「恩賜」は、平たく言えば天皇陛下がスポンサーという意味。
監督・脚本は「違国日記」の瀬田なつき。井の頭公園で有名な桜のシーンからスタートし、公園の中心に、若者たちの物語が展開されます。
吉祥寺のアパートに住む大学生の吉永純(橋本愛)は、3年生の学期末に恋人にふられ、留年通知が届く。突然、高校生の木下ハル(永野芽郁)が訪ねてきます。ハルは、亡き父、晋平(森岡龍)の元カノ、佐知子(石橋静河)が、この部屋に50年前に住んでいたらしいので消息を知りたいと言い出します。
純は、晋平と佐知子がやり取りしたラブレターに興味を持ち、進級の条件だった卒論のテーマにすることにします。タイトルは「60年代の恋文から読み解く佐知子の青春」としました。不動産屋に教えてもらい大家さんに会うと、佐知子の住所を知ることができました。
家を訪ねると孫の小田倉時生(染谷将太)から、「ばあちゃんは先月、脳梗塞で死んだよ」と教えられます。時生は佐知子の遺品からオープンリール・テープを見つけ、晋平と佐知子のデュエットが流れてきます。純は、途中で終わっている曲を完成させたら単位をもらえることになります。
3人は仲間を集めてバンドを結成し、吉祥寺フェスティバルに向けて曲を完成させようと奮闘します。ハルはしだいに心の中で、少しずつ晋平と直接対話をするようになりこの曲にこめられた想いを理解していくのでした。そして、曲が現代風に変わっていくことにハルは抵抗があるのでした。そして、純とハルは意見がぶつかり、ハルは出て行ってしまいます。
過去の恋人たちと音楽を通して、現代の若者たちが交流していく様子を、時を行ったり来たりしながら描いていくのですが、それが実に違和感なく展開していくのは脚本も担当した監督の力量でしょうか。
普通なら、見事に現代風に曲が完成して披露され喝采される・・・というエンディングを考えるところですが、この映画の面白いところは挫折するにもかかわらず、登場人物にはある種の達成感をしっかりと刻み込むというところ。
そして、フワッとやってきて、ある意味敗者になりそうだった純や時生たちに夢中になれるものを与えたハルの存在がユニーク。ハルは父親の過去を知りたいと語っていましたが、本当に実在する人物なのかもよくわからない存在で、最後も急に消えて行ってしまいます。100年目となる公園を舞台に、そのすべての時間に存在して、往来した人々のすべてを見てきたかのような、公園そのものなのかもしれません。
ストーリーは少しずつぼやけてしまうところもあり、何が何でも「伏線回収」にこだわる人(自分で考えることを辞めてしまった人)には面白くないかもしれませんが、何かを感じ取ることが好きな人、そして井の頭公園が好きな人には、とても良い映画と思える作品だと思います。
監督・脚本は「違国日記」の瀬田なつき。井の頭公園で有名な桜のシーンからスタートし、公園の中心に、若者たちの物語が展開されます。
吉祥寺のアパートに住む大学生の吉永純(橋本愛)は、3年生の学期末に恋人にふられ、留年通知が届く。突然、高校生の木下ハル(永野芽郁)が訪ねてきます。ハルは、亡き父、晋平(森岡龍)の元カノ、佐知子(石橋静河)が、この部屋に50年前に住んでいたらしいので消息を知りたいと言い出します。
純は、晋平と佐知子がやり取りしたラブレターに興味を持ち、進級の条件だった卒論のテーマにすることにします。タイトルは「60年代の恋文から読み解く佐知子の青春」としました。不動産屋に教えてもらい大家さんに会うと、佐知子の住所を知ることができました。
家を訪ねると孫の小田倉時生(染谷将太)から、「ばあちゃんは先月、脳梗塞で死んだよ」と教えられます。時生は佐知子の遺品からオープンリール・テープを見つけ、晋平と佐知子のデュエットが流れてきます。純は、途中で終わっている曲を完成させたら単位をもらえることになります。
3人は仲間を集めてバンドを結成し、吉祥寺フェスティバルに向けて曲を完成させようと奮闘します。ハルはしだいに心の中で、少しずつ晋平と直接対話をするようになりこの曲にこめられた想いを理解していくのでした。そして、曲が現代風に変わっていくことにハルは抵抗があるのでした。そして、純とハルは意見がぶつかり、ハルは出て行ってしまいます。
過去の恋人たちと音楽を通して、現代の若者たちが交流していく様子を、時を行ったり来たりしながら描いていくのですが、それが実に違和感なく展開していくのは脚本も担当した監督の力量でしょうか。
普通なら、見事に現代風に曲が完成して披露され喝采される・・・というエンディングを考えるところですが、この映画の面白いところは挫折するにもかかわらず、登場人物にはある種の達成感をしっかりと刻み込むというところ。
そして、フワッとやってきて、ある意味敗者になりそうだった純や時生たちに夢中になれるものを与えたハルの存在がユニーク。ハルは父親の過去を知りたいと語っていましたが、本当に実在する人物なのかもよくわからない存在で、最後も急に消えて行ってしまいます。100年目となる公園を舞台に、そのすべての時間に存在して、往来した人々のすべてを見てきたかのような、公園そのものなのかもしれません。
ストーリーは少しずつぼやけてしまうところもあり、何が何でも「伏線回収」にこだわる人(自分で考えることを辞めてしまった人)には面白くないかもしれませんが、何かを感じ取ることが好きな人、そして井の頭公園が好きな人には、とても良い映画と思える作品だと思います。
2024年12月28日土曜日
汁なし担々麵 @ ファミリーマート
汁なし・・・というメニューは増えましたが、汁なしだと塩分などを取りすぎないで健康に良いような気がしてしまいます。人気の担々麵の汁なしも、だいぶ定番化したように思います。
各コンビニでも、そこんとこは見逃すはずがありません。ファミリーマートにも当然、汁なし担々麵が登場しています。
ただし、これはファミマに限ったことではなく、いずれもあまりパッとしない印象があります。
そもそも担々麵は、一番の特徴は練りごまをメインにした芝麻醤(チーマージャン)の味。これはたっぷりのスープとともに生きてくる。従って、汁なしの場合は芝麻醤の味が希薄になってしまいます。
ファミマの場合も、やはりそこんとこは限界突破できていないと思います。ピリ辛ひき肉は自分は担々麵であることを主張しているのですが、ゴマの風味はあまり感じられません。
中華麺系の総菜としては、普通に美味しいのですが、残念ながらそれ以上でも以下でもないというところ。やはり、坦々麺は塩分とカロリーに耐えてスープに浸っているものが美味しいことを再確認しました。
2024年12月27日金曜日
ちょい早の納会 @ クリニック
年内の診療は、あと2日。
2024年も大詰めというかんじなので、スタッフが集まりやすい昨日、納会をちょっと早めですが行いました。
コロナ禍で忘年会は中止が続き、昨年はクリニックで恐る恐るランチ会を行いました。今年はインフルエンザの急増もあり、夜より昼間の方が集まりやすいという理由もあって、去年同様、クリニックでの会合にしました。
用意した食事はバーミヤン。
ちょうど、駅前ビルのひとつに先週、中華ファミレスのバーミアンが開店しました。そこで、バーミヤンのテイクアウトをチョイス。
パーティ用の「わくわくプレート 集い」と「わくわくプレート 満喫」を中心に、点心、あんかけ焼きそばなどを追加して、全部で20人前くらいを揃えました。
出席者は全部で12人だったので、少しあまりが出る丁度良い量でした。本格中華には負けるとは思いますが、意外にバーミヤンの味もバカにできないとスタッフに上々の評判でした。
ババ抜き、神経衰弱などもやって楽しんだので、来年に向けての英気も養えたと思います!!
2024年12月26日木曜日
セブンのおにぎり 57
「セブン・イレブン×ちいかわ あったまるね、きもち」というコラボ商品の残っていたもうひとつが、「モモンガのきのカレーチャーハンおむすび」です。
先に紹介した「ケチャップライス」とか「炊き込みご飯」は、あまり味としては食べた時のインパクトはありませんでした。でも、こちらの「カレーチャーハン」は、今までにない味でなかなか好感が持てました。
よくあるカレー味かと思ったら、カレー風味ではあるものの、意外と主張していません。最初の一口で、あれっ? っと思うのですが、食べていくと、カレー味より炒飯的な味が感じられます。
なによりも、真ん中に盛ってあるブナシメジの味を殺していないので、主役が何かがよくわかります。リピートしたくなる出来だと思いました。
もう一つは新発売シールが貼られた「石焼き風 旨辛ビビンバ」ですが、これはほぼ何度も登場している味で、新鮮味はありません。
コチュジャン混ぜご飯の真ん中に、ナムルと牛プルコギがそれなりの量のせてあります。当然、味もそれなり。それなりに売れそうですが、それなりです。
2024年12月25日水曜日
Petite Noël
昨夜はクリスマスイブ。
クリスマス・ツリーを飾って、丸ごとロースト・チキンを焼いて、クリスマス・ケーキで楽しむ・・・・
というのは、うちではもう昔々の話。
こどもたちが独立して、もうイベントとしては、ほぼ忘れられた存在になりました。
キリスト教徒ではないので、キリストがいつ生まれたかなんて特に気にしゃいない。
まぁ、音楽としてはJ.S.バッハの教会カンタータの区切りとして、大事な日ではありますが・・・
かみさんは、(これを理由に罪悪感無しにケーキが食べれるということなのか)ケーキを用意してくれていました。
これだけで、十分すぎるクリスマス気分ということになりました。
2024年12月24日火曜日
2024年総決算
今年も1年を総括する時期になりました。
2024年、令和6年という年は、いきなり元旦の能登半島地震という自然災害で幕開けとなり、翌2日には羽田空港での飛行機同士の衝突という人災が立て続けに起こり、波乱の幕開けでした。
羽田の事故では、海上保安庁機は死者が出ましたが、日本航空機は乗客・乗員全員が炎上する機体から奇跡的に脱出することができ、世界中が驚きました。個人的には、日本航空機の乗客の中に、うちのクリニックをしばしば利用していただいているご夫妻がいたことを知ってたいへん驚きました。幸いけがはありませんでしたが、喪失したもろもろの手続きなどで半年以上大変だったようです。
日本の政界は自由民主党の「裏金事件」が年越しでくすぶり続けましたが、政治倫理審査会という何も解明されない名目だけの会で幕引きしようとする自民党の態度は国民を愚弄するにもほどがある・・・ということで、秋の衆議院選挙での大敗につながることになりました。
数の論理で強行採決を平然と続けてきた自民党は、ついに野党の意見も無視できない立場になり、初めて与野党が政策協議をちゃんとするような状況になったことは歓迎すべきことです。というか、そもそもそれが当たり前のはずなのに、これまでなされていなかったことに腹立たしい思いを新たにしたところもあります。
3月に戻って、MLBでエンジェルスからドジャースに移籍した大谷翔平選手は、韓国で開幕戦を迎えましたが、それまで二人三脚で大谷選手を支えてきたと思われた通訳の水原一平氏が、大谷選手の財産を流用してギャンブルにつぎ込んでいたことが明るみになったのは驚きでした。
夏になると、一番の目玉はパリで開催されたオリンピック。今回もロシア勢が不参加なので、世界一という称号には多少威張りにくいところはあるかもしれませんが、それでも日本勢は多くのメダルを獲得し大活躍を見せてくれました。どんな時でも、やはりがんばっている日本人というのはいろいろな力を与えてくれるものです。
それにしても今年の夏も暑かった。地球上にはもっと灼熱地獄になっている地域もありましたが、ほんとに日本の夏も高温と集中豪雨が当たり前になってしまいました。こうなると、もう風情も何もあったもんじゃない。日本人らしさを形成する一部にあった四季の移ろいは風前の灯です。
オリンピック後のスポーツ界は、もう大谷選手一色。50本塁打50盗塁と前人未到の偉業を6打数6安打3本塁打10打点2盗塁という、マンガでも書けないような大活躍で達成し、しかもワールドシリーズに出場し優勝を飾るというすごさで締めくくりました。水原事件の影響は微塵も感じさせず、もう脱帽としか言いようがない。
9月終わりに、岸田氏が退任したことによる自由民主党総裁選挙が行われ、石破茂氏が選出されました。そして総理大臣に就任し、よもやの衆議院解散に踏み切りましたが、その結果は自民党惨敗。「裏金」議員の多くが再選されず、やっと国民の怒りが政治に届いたと言えます。
11月には、兵庫県知事選挙で斎藤氏が再選を果たすという、われわれ他県人には直接関係はありませんが、ニュース・メディアでしかわからない立場として何とも不思議な出来事になったと思います。客観的な事実として部下から自殺者を出すようなトップというのが出直し選挙で信任されるというのは不思議でならない。
さらに、SNS戦略に関して追加のスキャンダルもありました。今の世の中が、最低限のファクト・チェックがあるはずのニュース・メディアよりも、真偽の根拠も示されないSNSの発信を信じてしまうという実態が再確認されたように思います。オーストラリアでは16歳以下のSNS使用を禁止する法律が可決しましたが、そのような強権を必要とする状況は日本にもあるのかもしれません。
そして、アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が当選し、4年ぶりの復活を果たしたことは、来年からの世界中の政治・経済に多大な影響がありそうです。少なくとも日本は良い方向に向かうとは考えにくく、不安材料でしかありません。ロシアのウクライナ侵攻も継続していて、イスラエルは周辺諸国と軍事的軋轢を増しているわけで、アメリカ大統領の匙加減でこれらがどう転ぶかわからなくなります。
それにしても、年末になって日産自動車の業績悪化、ホンダとの経営統合の可能性が報道され、自動車産業の再編の可能性が取り沙汰されたのは驚きです。確かに日産の商品力の低下は目に余るのですが、しかしホンダと対等な合併はあり得ないし、日産が吸収されるような形を受け入れるとも思えない。日本の基幹産業の担い手の一角ですから、日本の将来に大きな影響があるかもしれません。
さて、個人的にはどんな1年なのか・・・というと、コロナ禍がおちついて(収束というには早いですが)、人の動きがだいぶ戻りましたが、クリニックの患者数はコロナ禍前ほどには戻っていません。
とは言え、こちらもだんだん年を取ってポンコツ気味になってきていますので、それはそれで丁度良いと思ってしまう・・・のはダメでしょうか。少なくとも、必要な診療機器などを必要に応じて入れ替えしたりできるだけの余力さえ確保できればと思ってしまいます。
過去の総決算を見直すと、よくもまぁそんなに働いていたものだと感心してしまうのですが、実際、日曜日にしっかり休まないと本当にきついと思ってしまう今日この頃です。
今年一番の出来事は、車をハイブリッド車からPHEVに乗り換えたこと。3月からですが、だいたい週に2回自宅で満充電して、ほぼ電気だけで走るという形に慣れてきました。ただし、ガソリンをまったく使わないのもまずいので、たまにわざとハイブリッドで走るようにして、だいたい2か月に1回10Lだけ給油し、ガソリンのインジケーターは1メモリはキープするようにしています。
やはり、モーター走行の反応の良さ、加速性はエンジンの比ではないと感じますし、静粛性も高く満足度は高い。また、高齢ドライバーに足を掛けていますので、最新の安全装備の充実度はものすごく頼りがいがあって助かります。
まぁ、そんなこんなで来年もこういう感じが続くのかなぁと思いますが、それなりによく働いた1年ということで締めくくっておきたいと思います。
2024年12月23日月曜日
君は月夜に光り輝く (2019)
だから、恋愛物は苦手だって何度も言っているのに、またもや恋愛物ですよ。しかも、相手は不治の病で死期が迫っているという、一番やばいシチュエーションです。ただ、ここで登場するのは「発光病」という架空の病気。次第に皮膚が光を放ち、大人になるまで生きることができず、治療法も解明されていないらしい。だから、タイトルがいきてくるわけですが、実際にある病気だと生々しくなってしまうかもしれませんね。
監督・脚本は「君の膵臓をたべたい」の月川翔で、最新作は大泉洋主演の「ディア・ファミリー」ですから、純愛物専門というわけではないようです。
高校三年の岡田卓也(北村匠海)は、ずっと病気で入院している渡良瀬まみず(永野芽郁)に送る色紙を渡す役をさせられたものの、一度も本人にはあったことがありませんでした。病室で色紙を渡すと、まみずは「私、余命ゼロなんだ」と言って卓也を驚かせます。
そして、父親から貰ったという大事にしているスノードームを、卓也は落として壊してしまいます。お詫びとして死ぬまでにしておきたいことを書いたリストを見せられ、病室から出ることができない自分に代わってやってくれるように頼まれるのです。
卓也は、一人で遊園地に行き猫耳をつけてジェット・コースターに乗ったり、食べきれないほど大きなイチゴパフェを食べたりして、病室に戻っては報告するのでした。次の頼みは、徹夜して並んで最新のスマートホンを買ってきてというものでした。夜中に家を出ようとすると、母親(長谷川京子)に呼び止められます。
卓也は「ちょっと出てくる」と言うと、母親は鳴子(松本穂香)もそう言って出て行って帰らなかったと語気を強めます。実は、交通事故で亡くなった卓也の姉の鳴子は、付き合っていた彼が発光病で亡くなり、それ以来死ぬことばかりを考えていたらしいのです。以来、卓也も何事にも無気力になっていたのでした。
スマートホンを手に入れたことで、まみずは街の様子などをリアルタイムの動画で楽しむことができるようになりました。そして次の頼みは、離婚してから一度も会っていない父親に離婚の理由を聞いてきてほしいというものでした。
卓也はまみずの父親、深見(及川光博)から、借金の返済が及ばないようにするための離婚で、まみずに会うと債権者に偽装離婚であることがばれるから会うわけにいかないと話します。まみずは両親が喧嘩して別れたわけでないことを知ると安心しますが、そこまで気を使ってもらっても自分の病気が治ることはないと言うのです。
卓也は、満月がきれいな夜に、こっそり病院を訪れますが担当看護師の岡崎(優香)に見つかってしまいます。しかし、「ずっとここに閉じ込めておく方が残酷だ」と言って病室に入ると、まみずを屋上に連れて行き美しく光る月を一緒に見るのです。しかし、月の光によって病が勢いを増し、まみずの体が白く輝き倒れてしまうのでした。
病気で死んでいく苦しみを持つまみずと死なれたことで苦しむ姉という、二人の辛さの狭間で生き残る者がどうすれば良いのかという答えを探すことがテーマのようです。生き残ることも違った苦しさがあるわけで、もちろん正解というのははっきりした形ではわからなくて当然でしょう。
監督・脚本は「君の膵臓をたべたい」の月川翔で、最新作は大泉洋主演の「ディア・ファミリー」ですから、純愛物専門というわけではないようです。
高校三年の岡田卓也(北村匠海)は、ずっと病気で入院している渡良瀬まみず(永野芽郁)に送る色紙を渡す役をさせられたものの、一度も本人にはあったことがありませんでした。病室で色紙を渡すと、まみずは「私、余命ゼロなんだ」と言って卓也を驚かせます。
そして、父親から貰ったという大事にしているスノードームを、卓也は落として壊してしまいます。お詫びとして死ぬまでにしておきたいことを書いたリストを見せられ、病室から出ることができない自分に代わってやってくれるように頼まれるのです。
卓也は、一人で遊園地に行き猫耳をつけてジェット・コースターに乗ったり、食べきれないほど大きなイチゴパフェを食べたりして、病室に戻っては報告するのでした。次の頼みは、徹夜して並んで最新のスマートホンを買ってきてというものでした。夜中に家を出ようとすると、母親(長谷川京子)に呼び止められます。
卓也は「ちょっと出てくる」と言うと、母親は鳴子(松本穂香)もそう言って出て行って帰らなかったと語気を強めます。実は、交通事故で亡くなった卓也の姉の鳴子は、付き合っていた彼が発光病で亡くなり、それ以来死ぬことばかりを考えていたらしいのです。以来、卓也も何事にも無気力になっていたのでした。
スマートホンを手に入れたことで、まみずは街の様子などをリアルタイムの動画で楽しむことができるようになりました。そして次の頼みは、離婚してから一度も会っていない父親に離婚の理由を聞いてきてほしいというものでした。
卓也はまみずの父親、深見(及川光博)から、借金の返済が及ばないようにするための離婚で、まみずに会うと債権者に偽装離婚であることがばれるから会うわけにいかないと話します。まみずは両親が喧嘩して別れたわけでないことを知ると安心しますが、そこまで気を使ってもらっても自分の病気が治ることはないと言うのです。
卓也は、満月がきれいな夜に、こっそり病院を訪れますが担当看護師の岡崎(優香)に見つかってしまいます。しかし、「ずっとここに閉じ込めておく方が残酷だ」と言って病室に入ると、まみずを屋上に連れて行き美しく光る月を一緒に見るのです。しかし、月の光によって病が勢いを増し、まみずの体が白く輝き倒れてしまうのでした。
病気で死んでいく苦しみを持つまみずと死なれたことで苦しむ姉という、二人の辛さの狭間で生き残る者がどうすれば良いのかという答えを探すことがテーマのようです。生き残ることも違った苦しさがあるわけで、もちろん正解というのははっきりした形ではわからなくて当然でしょう。
卓也にやりたいことを代行してもらうことで、死ぬことばかりを考えていたまみずはこの世の未練を断ち切るつもりでしたが、逆に生きたいという気持ちを強く持つようになり、同じ死を迎えたとしても(少しかもしれませんが)前向きに受け止めることができたというところに救いがあります。
月夜に光り輝くのは、死が迫っている象徴なんですが、あまり露骨に光られると興覚めしてしいそうなんですが、そこんとこはほんのりと演出したのは正解だと思います。
月夜に光り輝くのは、死が迫っている象徴なんですが、あまり露骨に光られると興覚めしてしいそうなんですが、そこんとこはほんのりと演出したのは正解だと思います。
2024年12月22日日曜日
セブンのおにぎり 56
セブン・イレブンの「弁当シリーズ(?)」とでもいうような、ドデカいおにぎり。
今回は「どーんとおむすび アジフライ」です。
270円(税込み)と、ちょっと高額ですが、まぁ、一つでも十分に食べた気になれる大きさ。
それっぽい大きさのアジフライがご飯でサンドしてある形状で、厚みもバカにならない。手で持って食べられるミニ弁です。
ただし、2回目は無いかなぁ。
何故かというと、ソースとしてタルタルが使われていて、そっちの味が強すぎる。アジの味が感じられません。これだとのり弁に必ず入っている得体の知れない白身魚フライと同じ。
別に旨くないわけではありませんが、「どーんとおむすび のり弁」の時のようなインパクトはありませんでした。
2024年12月21日土曜日
ひるなかの流星 (2017)
永野芽郁、17歳の初主演映画。やまもり三香の少女マンガが原作で、脚本は安達奈緒子、監督は新城毅彦。
与謝野すずめ(永野芽郁)は田舎で天真爛漫に育った高校1年生。父親の海外赴任に母親もついていくことになり、突然東京の叔父、諭吉(佐藤隆太)に預けられることになります。東京の街の大きさに圧倒され、迷子になったところ諭吉のカフェの常連客である獅子尾(三浦翔平)に助けられます。
転校した学校に行くと、何と獅子尾が担任教師でした。隣の席になったのは馬村大輝(白濱亜嵐)で、愛想が悪いのはイケメンのくせに女性に対して臆病ということをすずめに見抜かれます。そのことを黙っているかわりに、馬村はともだちになってというすずめの頼みを了承します。
山での校外教室で、馬村に気がある猫田ゆゆか(山本舞香)は、すずめが馬村と一緒にいることが面白くないため、キャンプファイヤー用の薪を持ってくるように先生が言っていると、すずめに嘘の薪小屋の場所を教えます。すずめは道に迷い、追いかけてきた馬村と一緒に帰り道を探しますが、雨も降ってきて熱を出してしまいます。そして、二人は探しに来た獅子尾に助けられるのです。
学校に戻り、すずめはなんで嘘をついたのか猫田に尋ねますが、ここでも猫田が馬村が好きな事を言い当ててしまい、取っ組み合いの喧嘩になるのですが、それきっかけに二人は仲良くなるのでした。都会っ子の猫田のすすめで化粧やファッションを楽しむようになったすずめでしたが、しだいに獅子尾に対する思いが高まっていくのです。
獅子尾も、すずめを生徒の一人という思いを超えてしまう自分を抑えるのが精いっぱいでした。馬村はそんなすずめの気持ちを察しつつも、すずめが好きという気持ちを募らせます。獅子尾の気持ちに気がついた諭吉に、それは許さないと言われた獅子尾は、すずめに特別な存在ではないと言い放つのでした。
まぁ、自分がもっとも不得意な恋愛系ドラマで、しかも先生と生徒の禁断の関係が出てくるので、最初はこりゃだめだと思って見ていたんですが、そこへ同級生同士の青いキュンキュンが混ざってくるという構成でドロドロ一歩手前で踏みとどまる話でした。
今でも若々しい永野芽郁は、実年齢に近い主人公を元気に演じていますが、誰もが永野芽郁に感じるイメージそのままのキャラクターなので、無理なくストーリーに溶け込んでいます。白濱亜蘭は20代なかばなのでやや無理がある感じで、女性に対して臆病ですずめが振り向いてくれるまで待つというのも「らしく」ないかもしれません。
映画を見た人は獅子尾派と馬村派に分かれてキャーキャーしたようなんですが、まぁ無難な決着がついているので安心。胸キュン好きな人は見て損はありません。
与謝野すずめ(永野芽郁)は田舎で天真爛漫に育った高校1年生。父親の海外赴任に母親もついていくことになり、突然東京の叔父、諭吉(佐藤隆太)に預けられることになります。東京の街の大きさに圧倒され、迷子になったところ諭吉のカフェの常連客である獅子尾(三浦翔平)に助けられます。
転校した学校に行くと、何と獅子尾が担任教師でした。隣の席になったのは馬村大輝(白濱亜嵐)で、愛想が悪いのはイケメンのくせに女性に対して臆病ということをすずめに見抜かれます。そのことを黙っているかわりに、馬村はともだちになってというすずめの頼みを了承します。
山での校外教室で、馬村に気がある猫田ゆゆか(山本舞香)は、すずめが馬村と一緒にいることが面白くないため、キャンプファイヤー用の薪を持ってくるように先生が言っていると、すずめに嘘の薪小屋の場所を教えます。すずめは道に迷い、追いかけてきた馬村と一緒に帰り道を探しますが、雨も降ってきて熱を出してしまいます。そして、二人は探しに来た獅子尾に助けられるのです。
学校に戻り、すずめはなんで嘘をついたのか猫田に尋ねますが、ここでも猫田が馬村が好きな事を言い当ててしまい、取っ組み合いの喧嘩になるのですが、それきっかけに二人は仲良くなるのでした。都会っ子の猫田のすすめで化粧やファッションを楽しむようになったすずめでしたが、しだいに獅子尾に対する思いが高まっていくのです。
獅子尾も、すずめを生徒の一人という思いを超えてしまう自分を抑えるのが精いっぱいでした。馬村はそんなすずめの気持ちを察しつつも、すずめが好きという気持ちを募らせます。獅子尾の気持ちに気がついた諭吉に、それは許さないと言われた獅子尾は、すずめに特別な存在ではないと言い放つのでした。
まぁ、自分がもっとも不得意な恋愛系ドラマで、しかも先生と生徒の禁断の関係が出てくるので、最初はこりゃだめだと思って見ていたんですが、そこへ同級生同士の青いキュンキュンが混ざってくるという構成でドロドロ一歩手前で踏みとどまる話でした。
今でも若々しい永野芽郁は、実年齢に近い主人公を元気に演じていますが、誰もが永野芽郁に感じるイメージそのままのキャラクターなので、無理なくストーリーに溶け込んでいます。白濱亜蘭は20代なかばなのでやや無理がある感じで、女性に対して臆病ですずめが振り向いてくれるまで待つというのも「らしく」ないかもしれません。
映画を見た人は獅子尾派と馬村派に分かれてキャーキャーしたようなんですが、まぁ無難な決着がついているので安心。胸キュン好きな人は見て損はありません。
2024年12月20日金曜日
シシャモのアヒージョ
アヒージョは、オリーブオイルとニンニクで具材を煮込んだスペイン料理のことで、中身はいろいろですが、一般的には海鮮食材が中心に使われています。
今回は、メインの食材は「シシャモ」を選んでみました。本来は北海道を中心に獲れるものが「本当の」シシャモなんですが、一般に流通しているのは輸入物のカラフトシシャモです。
実は、テレビの「晩酌の流儀」という番組で紹介されていたもの。
どちらかというと和風なイメージが強いので、そのまま丸干しを食べる感覚なので、アヒージョにするというのは「えっ?」と思うかもしれません。
でも、例えばイタリア・スペイン料理では、イワシは普通に使われますので、多少似たような感覚でシシャモを使うのはありです。
準備は簡単。絶対必要なのはニンニク。まず少量のオリーブオイルで、気泡が出なくなるまで刻んだニンニクを炒めます。次に輪切りの鷹の爪を好きなだけ入れて、焦がさない程度に火を通します。
あとは食べる食材を並べて、オリーブオイルをある程度ひたるまで入れて加熱するだけ。味をみて、足りなければ塩をパラパラと追加します。
さすがにシシャモだけでは寂しいので、定番のアサリ、イカ、ムキエビ、マッシュルーム、ピーマンなどを追加しました。そして、味が決まるトマトは必須だと思います。
あとは、ワインとバゲットを用意して、お召し上がれ!! いつものシシャモが、格段の旨さに生まれ変わります。
2024年12月19日木曜日
帝一の國 (2017)
古屋兎丸によるマンガを原作とし、主としてテレビ・ドラマで活躍するいずみ吉紘が脚本、「キャラクター」の永井聡が監督しました。
海帝高校はエリート家庭のこどもが集まる男子校で、生徒会に出入りできる者は、将来日本の政治経済の中枢を担うことが約束され、その頂点に立つ生徒会長は多くが総理大臣となっているのです。トップの成績で入学した赤場帝一(菅田将暉)は、クラスのルーム長となり生徒会に参加することになります。
赤場の父、官僚の赤場譲介(吉田鋼太郎)は総理の信任が厚いものの、かつて海帝高校の生徒会会長選挙で敗れた東郷卯三郎(山路和弘)の下で忸怩たる思いの毎日を送っています。譲介は帝一に英才教育をほどこし、生徒会長となって将来自分の国を作ることを厳命していました。
帝一は幼少の頃から東郷の息子、菊馬(野村周平)にいじめられていましたが、白鳥美美子(永野芽郁)に助けられ、美美子も帝一が弾くピアノが大好きでした。しかし帝一はピアノを封印し、生徒会長を目指す決断をしたのです。親友で副ルーム長に指名した榊原光明(志尊淳)を伴って帝一が初めての生徒会に出席すると、菊馬もルーム長として出ていましたが、もう一人、大鷹弾(竹内涼真)というライバルの存在を認識しました。
何かと姑息な手段に出る菊馬と違い、大鷹は明るく豪快で、野心しか見えない生徒会メンバーの中で異彩を放つ誰にも好かれる好男子という存在でした。帝一は、当初敵対心を強くしますが、次第に打ち解け友人と言える仲になります。
秋になり、2年生の中から来年の生徒会長を選ぶ時期になりました。もっとも現生徒会に近い考えを持ち、第一本命と言えるのはロン毛金髪の氷室ローランド(間宮祥太郎)でした。帝一は、氷室に取り入り彼の選挙活動を応援することにします。大鷹が応援に回ったのは、穏やかで地味ですが、全校生徒を平等に扱えるように生徒会の改革を謳う森園億人(千葉雄大)です。
氷室は人気のある大鷹を怖れ、帝一の助言で氷室陣営に引き込むため経済的に苦しい大鷹家への援助を持ち出しますが、大鷹はきっぱりと断るのです。菊馬は帝一が氷室に可愛がられるのが不愉快で、氷室の父親が帝一の父親の政策立案により商売が苦しくなったことを告げ口します。氷室の元では生徒会長への道が閉ざされてしまうと悟った帝一は、森園陣営に頭を下げるのでした。
マンガですからかなり荒唐無稽な話ですが、「大人の世界」の縮図みたいなところが面白い。ひとたび金が絡むと人間のいやらしさが表に出て、またそれが諸刃の刃となって戻ってくる怖さが端的に描かれています。
野心の塊のような帝一ですが、彼の人間としてのやさしさを保たたせているのが美美子の存在で、スキャンダルを怖れる帝一が度々彼女の家の前で、海帝高校の様子を伝えるのに使うのが糸電話というのが気が利いています。そして、帝一が「自分の国」を作りたい本当の理由・・・これがなかなか良い。これがわかると絶対に帝一を応援したくなるかもしれません。
それにしても、主役級若手俳優を惜しげもなく大量投入して、それぞれの持ち味も引き出した監督の技量はなかなかのもの。ギャグに溺れてしまうことなく、全編ハイテンションで走り切った作品と言えそうです。
最後にエンディング・テーマのクリープハイプ「イト」のメロディに乗って、フェンダーのストラットキャスターを抱えたまま永野芽郁が踊る美美子ダンスが超絶可愛い!! 公開時、これが受けて真似する動画がたくさんアップされたようです。
海帝高校はエリート家庭のこどもが集まる男子校で、生徒会に出入りできる者は、将来日本の政治経済の中枢を担うことが約束され、その頂点に立つ生徒会長は多くが総理大臣となっているのです。トップの成績で入学した赤場帝一(菅田将暉)は、クラスのルーム長となり生徒会に参加することになります。
赤場の父、官僚の赤場譲介(吉田鋼太郎)は総理の信任が厚いものの、かつて海帝高校の生徒会会長選挙で敗れた東郷卯三郎(山路和弘)の下で忸怩たる思いの毎日を送っています。譲介は帝一に英才教育をほどこし、生徒会長となって将来自分の国を作ることを厳命していました。
帝一は幼少の頃から東郷の息子、菊馬(野村周平)にいじめられていましたが、白鳥美美子(永野芽郁)に助けられ、美美子も帝一が弾くピアノが大好きでした。しかし帝一はピアノを封印し、生徒会長を目指す決断をしたのです。親友で副ルーム長に指名した榊原光明(志尊淳)を伴って帝一が初めての生徒会に出席すると、菊馬もルーム長として出ていましたが、もう一人、大鷹弾(竹内涼真)というライバルの存在を認識しました。
何かと姑息な手段に出る菊馬と違い、大鷹は明るく豪快で、野心しか見えない生徒会メンバーの中で異彩を放つ誰にも好かれる好男子という存在でした。帝一は、当初敵対心を強くしますが、次第に打ち解け友人と言える仲になります。
秋になり、2年生の中から来年の生徒会長を選ぶ時期になりました。もっとも現生徒会に近い考えを持ち、第一本命と言えるのはロン毛金髪の氷室ローランド(間宮祥太郎)でした。帝一は、氷室に取り入り彼の選挙活動を応援することにします。大鷹が応援に回ったのは、穏やかで地味ですが、全校生徒を平等に扱えるように生徒会の改革を謳う森園億人(千葉雄大)です。
氷室は人気のある大鷹を怖れ、帝一の助言で氷室陣営に引き込むため経済的に苦しい大鷹家への援助を持ち出しますが、大鷹はきっぱりと断るのです。菊馬は帝一が氷室に可愛がられるのが不愉快で、氷室の父親が帝一の父親の政策立案により商売が苦しくなったことを告げ口します。氷室の元では生徒会長への道が閉ざされてしまうと悟った帝一は、森園陣営に頭を下げるのでした。
マンガですからかなり荒唐無稽な話ですが、「大人の世界」の縮図みたいなところが面白い。ひとたび金が絡むと人間のいやらしさが表に出て、またそれが諸刃の刃となって戻ってくる怖さが端的に描かれています。
野心の塊のような帝一ですが、彼の人間としてのやさしさを保たたせているのが美美子の存在で、スキャンダルを怖れる帝一が度々彼女の家の前で、海帝高校の様子を伝えるのに使うのが糸電話というのが気が利いています。そして、帝一が「自分の国」を作りたい本当の理由・・・これがなかなか良い。これがわかると絶対に帝一を応援したくなるかもしれません。
それにしても、主役級若手俳優を惜しげもなく大量投入して、それぞれの持ち味も引き出した監督の技量はなかなかのもの。ギャグに溺れてしまうことなく、全編ハイテンションで走り切った作品と言えそうです。
最後にエンディング・テーマのクリープハイプ「イト」のメロディに乗って、フェンダーのストラットキャスターを抱えたまま永野芽郁が踊る美美子ダンスが超絶可愛い!! 公開時、これが受けて真似する動画がたくさんアップされたようです。
2024年12月18日水曜日
葱焼牛肉麺
台湾のインスタント・ラーメンです。
通販サイトで1袋700円くらいするので、おいそれと買えない「高級品」です。
お土産でいただいたので、早速実食しました。
袋の中には、普通の感じの乾麺、粉スープの素の小袋、そしてレトルトのパックが入っていました。特に作り方は書いてありませんが、普通に作ればいいので困りません。
さて、気くなるレトルトの中身は煮込んだ牛肉とスープでした。葱ともやしは追加しました。
味はチョイ辛で、牛肉スープはあまり強くありません。追加できる豆板醤がついていますが、入れても辛さはマイルドでした。
麺は細めのちぢれ平麺という感じで、もう少し太い方が嬉しい感じです。
まぁ、普通に美味しい。レトルトが価格が高い理由と思われますが、それでもこの量の牛肉ではせいぜい500円くらいでないと買う気になれません。
2024年12月17日火曜日
からかい上手の高木さん (2024)
山本崇一朗のマンガが原作で、中学の同級生のからかう高木さんとからかわれる西片との関係を描くラブコメです。この原作を基にしたドラマが2024年4月に放送され、ドラマでは最後に高木さんがフランスに渡り二人は別れるところで終わっています。
映画は、それから10年後のストーリーとなっていて、ドラマで中学生の二人を演じた月島琉衣と黒川想矢が、映画でも回想として登場します。ドラマから映画まで、一貫して作られていて、監督は「ちひろさん」の今泉力哉が担当しました。
舞台は小豆島。母校の体育教師になった西片(高橋文哉)は、高木さん(永野芽郁)からの10年ぶりの突然の電話に驚きます。これから行きたいと思っていた場所に3週間行く予定だと伝えられます。翌日、学校に行くとかつての担任、今は教頭になった田辺先生(江口洋介)から、明日から来る教育実習生の面倒を見るように言われます。
放課後、西片が教室を見回っていると掃除道具が出しっぱなしだったため、ロッカーを開けようとすると、中から元気に高木さんが飛び出してきました。明日からの実習生は私だからヨロシクと言われ、西片は中学の時ずっと高木さんにからかわれてずっと仕返しができずいたことを回想するのです。
イヤホンをの片方を渡され、一緒に音楽を聴くと恋人みたいだねと言われ、目を閉じてと言われてしばらくすると、遠くの方から何か期待した?とからかわれる。10年前と変わらずに、西片はからかわれてドギマギするのでした。
西片の学校で不登校になっている町田くんに接する態度に感心する高木さんでしたが、偶然町で絵を描いている町田君を誘い、彼が人との関係を面倒に思っていることを知ります。同級生の結婚式で、ブーケを手にしたのは高木さんでした。でも、プールに落としてしまい、西片は思わず水に飛び込んでブーケを拾い上げます。高木さんも、プールに飛び込んで返してもらうのでした。
映画単独でも十分に楽しめるようになっていますが、10年後のオリジナル・ストーリーにしたことで、原作を読んでいなくても問題はありません。マンガの実写版は、しばしばイメージが違うと批評されますが、物語の完結編として原作ファンにも受け入れやかかったのでしないでしょうか。
からかうというのは関心があるからで、高木さんは西片がずっとずっと気になっていたということ。からかわれている西片も積極的に嫌がるわけではなく、どちらも裏返しの存在ということ。言ってみれば、二人とも積極的に口に出すことを怖がっているということかもしれません。
はたから知っている人が見れば、もう何してんだよ、じっれったいなというところ。ドラマとしては、そのもやもやするところが面白いわけです。もっとも、中学生だから面白いわけで、大人になってそのままじゃ・・・というわけで、もじもじしなから少しずつ間が縮まっていくところが映画の話。最後のお互いの告白でパチパチということになります。
映画は、それから10年後のストーリーとなっていて、ドラマで中学生の二人を演じた月島琉衣と黒川想矢が、映画でも回想として登場します。ドラマから映画まで、一貫して作られていて、監督は「ちひろさん」の今泉力哉が担当しました。
舞台は小豆島。母校の体育教師になった西片(高橋文哉)は、高木さん(永野芽郁)からの10年ぶりの突然の電話に驚きます。これから行きたいと思っていた場所に3週間行く予定だと伝えられます。翌日、学校に行くとかつての担任、今は教頭になった田辺先生(江口洋介)から、明日から来る教育実習生の面倒を見るように言われます。
放課後、西片が教室を見回っていると掃除道具が出しっぱなしだったため、ロッカーを開けようとすると、中から元気に高木さんが飛び出してきました。明日からの実習生は私だからヨロシクと言われ、西片は中学の時ずっと高木さんにからかわれてずっと仕返しができずいたことを回想するのです。
イヤホンをの片方を渡され、一緒に音楽を聴くと恋人みたいだねと言われ、目を閉じてと言われてしばらくすると、遠くの方から何か期待した?とからかわれる。10年前と変わらずに、西片はからかわれてドギマギするのでした。
西片の学校で不登校になっている町田くんに接する態度に感心する高木さんでしたが、偶然町で絵を描いている町田君を誘い、彼が人との関係を面倒に思っていることを知ります。同級生の結婚式で、ブーケを手にしたのは高木さんでした。でも、プールに落としてしまい、西片は思わず水に飛び込んでブーケを拾い上げます。高木さんも、プールに飛び込んで返してもらうのでした。
映画単独でも十分に楽しめるようになっていますが、10年後のオリジナル・ストーリーにしたことで、原作を読んでいなくても問題はありません。マンガの実写版は、しばしばイメージが違うと批評されますが、物語の完結編として原作ファンにも受け入れやかかったのでしないでしょうか。
からかうというのは関心があるからで、高木さんは西片がずっとずっと気になっていたということ。からかわれている西片も積極的に嫌がるわけではなく、どちらも裏返しの存在ということ。言ってみれば、二人とも積極的に口に出すことを怖がっているということかもしれません。
はたから知っている人が見れば、もう何してんだよ、じっれったいなというところ。ドラマとしては、そのもやもやするところが面白いわけです。もっとも、中学生だから面白いわけで、大人になってそのままじゃ・・・というわけで、もじもじしなから少しずつ間が縮まっていくところが映画の話。最後のお互いの告白でパチパチということになります。
2024年12月16日月曜日
ファミマのおにぎり (超・完全版)
何だ、このタイトルは?!
そうなんです。春にファミリーマートが、日清のカップ麺「どん兵衛」とソース焼きそば「UFO」のコラボおにぎりが登場して時に、「完全版」として紹介しました。
ところが、実はちょっと違和感があった。
だって、ライバルのセブンイレブンはマルちゃんの「赤いきつね」と「緑のたぬき」とコラボしているんだから、焼きそばとの組み合わせはダメではありませんが、何か違うよなぁと密かに思っていたわけです。
それをファミマの偉い人も思ったのか思わなかったのか、ついにその違和感を解決するおにぎりが登場しました。
パッケージもリニューアルされた「かき揚げむすび」、そして新規に登場した「きつねむすび」です。
しかもタイトルに「最強」の二文字が追加され自信のほどがうかがわれます。
たぶん、かき揚げは前回登場時よりも厚めになっている感じがします。最強の称号にふさわしい。そしてきつねは・・・んっ? 確かに揚げがのっている・・・だけです。
味としては、確かにこんなもんかなと思いますが、何となく物足りない感じがする。
前回、おそらくアイデアはあったが見送られた可能性が高く、違和感を克服するためにあえて今回登場させたのかもしれません。でも、何か惜しいという気持ちが残りました。
2024年12月15日日曜日
マイ・ブロークン・マリコ (2022)
原作は平庫ワカによるマンガですが、文学作品のような硬派な内容です。監督はタナダユキ、共同脚本はタナダユキと向井康介。主演の永野芽郁にとっては、おそらくチャレンジングな作品となっています。
トモヨ(永野芽郁)は、ブラックな職場でもマイ・ペースで仕事をしていましたが、ある日、テレビのニュースで親友のマリコ(奈緒)が自殺したことを知ります。二人は、小学生以来の付き合いで、トモヨは親からの虐待を受け続けるマリコにずっと寄り添ってきたのでした。
トモヨは急いで駆けつけますが、すでに遺体は焼かれ遺骨は親の元に送られていました。トモヨは、急いで郷里のマリコの家に向かいます。そして、遺骨を見つけると父親に包丁を振り回して、「マリコを苦しめ続けたお前に遺骨は渡さない」と叫び、遺骨を持ったまま窓から裸足で飛び出すのです。
衝動的な行動に走ったものの、どこに行くのか悩むトモヨでしたが、以前、二人でいつか行こうと約束した「まりがおか岬」を目指すことにします。交通機関を乗り継いで、やっと人気のない目的地に到着したトモヨでしたが、バス停を降りてすぐにバイクに乗った男にバッグをひったくられてしまうのです。
たまたま通りかかったマキオ(窪田正孝)は、遺骨を置いて男を追いかけていくトモヨにかわって遺骨のそばにいることにします。戻ってきた一文無しになってしまったトモヨに、マキオはお金を渡して去っていきます。
翌日、トモヨは岬に立ち、いつもマリコのためにいろいろ行動して、いろいろい考えていたのに、自分に一言も言わずに死んでしまった友人に悲しみをつのらせるのです。「黙って死なれるのがどんだけ辛いものか、あなたにも同じ目に合わせてあげる」と地面に置いた遺骨に言うと・・・
これまでの永野芽郁の演じてきたものからは想像もできない激しい役柄で、言葉遣いも汚いし、何と喫煙シーンも度々出てきます。マリコが虐待を受け続けてきたことは明示的に何度も登場しますが、精神が崩壊してしまうマリコをずっと見守ってきたトモヨのことは、ほとんど語られていません。
つまり、マリコの生き方の裏返し、いや相似形のようなトモヨについては、どんな生活をしてきたのかは与えられるシナリオが無いところが、演じる側には大変だっただろうと想像します。しかし、映画の中でトモヨという人物の存在感を感じさせてくれたのは永野芽郁の演技力の賜物と言えそうです。
それまで、絶望しかない展開が続いていましたが、マキオの登場でトモヨとマリコの二人に少しずつ光が射すような雰囲気が醸し出され、少なくとも少なからず希望を残したエンディングになったことは映画の作り方として喜ばしい感じがしました。
トモヨ(永野芽郁)は、ブラックな職場でもマイ・ペースで仕事をしていましたが、ある日、テレビのニュースで親友のマリコ(奈緒)が自殺したことを知ります。二人は、小学生以来の付き合いで、トモヨは親からの虐待を受け続けるマリコにずっと寄り添ってきたのでした。
トモヨは急いで駆けつけますが、すでに遺体は焼かれ遺骨は親の元に送られていました。トモヨは、急いで郷里のマリコの家に向かいます。そして、遺骨を見つけると父親に包丁を振り回して、「マリコを苦しめ続けたお前に遺骨は渡さない」と叫び、遺骨を持ったまま窓から裸足で飛び出すのです。
衝動的な行動に走ったものの、どこに行くのか悩むトモヨでしたが、以前、二人でいつか行こうと約束した「まりがおか岬」を目指すことにします。交通機関を乗り継いで、やっと人気のない目的地に到着したトモヨでしたが、バス停を降りてすぐにバイクに乗った男にバッグをひったくられてしまうのです。
たまたま通りかかったマキオ(窪田正孝)は、遺骨を置いて男を追いかけていくトモヨにかわって遺骨のそばにいることにします。戻ってきた一文無しになってしまったトモヨに、マキオはお金を渡して去っていきます。
翌日、トモヨは岬に立ち、いつもマリコのためにいろいろ行動して、いろいろい考えていたのに、自分に一言も言わずに死んでしまった友人に悲しみをつのらせるのです。「黙って死なれるのがどんだけ辛いものか、あなたにも同じ目に合わせてあげる」と地面に置いた遺骨に言うと・・・
これまでの永野芽郁の演じてきたものからは想像もできない激しい役柄で、言葉遣いも汚いし、何と喫煙シーンも度々出てきます。マリコが虐待を受け続けてきたことは明示的に何度も登場しますが、精神が崩壊してしまうマリコをずっと見守ってきたトモヨのことは、ほとんど語られていません。
つまり、マリコの生き方の裏返し、いや相似形のようなトモヨについては、どんな生活をしてきたのかは与えられるシナリオが無いところが、演じる側には大変だっただろうと想像します。しかし、映画の中でトモヨという人物の存在感を感じさせてくれたのは永野芽郁の演技力の賜物と言えそうです。
それまで、絶望しかない展開が続いていましたが、マキオの登場でトモヨとマリコの二人に少しずつ光が射すような雰囲気が醸し出され、少なくとも少なからず希望を残したエンディングになったことは映画の作り方として喜ばしい感じがしました。
2024年12月14日土曜日
サンタの季節がやってきた
毎年の事なのですが、この時期になるとクリニックの恒例行事として行っているのが、サンタクロースの折り紙にお菓子をつけて患者さんに差し上げるというもの。
今年も始めました。スタッフ全員で、作った折り紙は400個。
だいたい12月24日のクリスマスイブまではお渡しできるつもりで用意しているのですが、無くなればおしまいです。
今年は例年とちょっと違う・・・というのは、実は折り紙を用意するときに、大きさを間違ったんです。
何も確認せずAmazonで注文したんですが、折り紙の大きさが17cm×17cmでした。いつも使っていたのは15cm×15cmの標準サイズなので、一回り大きなサンタになってしまいました。
だからどうだってことはありませんが、毎年知っている方は「おっ!」っと思うかもしれません。
2024年12月13日金曜日
そして、バトンは渡された (2021)
正直に言うと、いやいやこんな家族ってありえない、というほとんどファンタジーな話だと思います。でも、登場人物が皆良い人すぎて、タイトルの意味がわかるととにかく目一杯幸せな気分になれる映画です。原作は瀬尾まいこの小説。脚本は「ビリギャル」の橋本裕志、監督は「ロストケア」、最新作「九十歳。何がめでたい」の前田哲。
父の森宮壮介(田中圭)と二人暮らしの高校三年生の森宮優子(永野芽郁)は、父親を「森宮さん」と呼んでいますが大の仲良しで、家でも外でも笑顔を絶やしません。母は黙って家を出てしまい消息不明です。卒業合唱で得意とは言えないピアノ伴奏係になってしまいますが、隣のクラスの伴奏係になった早瀬賢人(岡田健史)の、素晴らしい演奏に励まされるのでした。
母親を早くに亡くした小学生のみぃたん(稲垣来泉)は、父親の水戸秀平(大森南朋)と二人暮らし。ある日、秀平は新しいお母さんを連れてきました。彼女の名前は梨花(石原さとみ)といい、明るくて派手好きで自由奔放な女性でしたが、みぃたんのことが大好きでした。
しかし、秀平が昔からの夢だったブラジルでチョコレートを作るという話になった時に、梨花は異国暮らしを拒絶し、みぃたんも梨花を選び日本に残ります。生活は苦しくなりましたが、梨花はみぃたんのためなら何でもするのです。ある日、みぃたんがピアノを習いたいというと、梨花は家にグランドピアノがある資産家の泉ヶ原茂雄(市村正親)と再婚するのでした。
ある日、優子は街で早瀬が女性と一緒にいたことにショックを受けますが、壮介の励ましで何とか卒業式のピアノ伴奏をやり通すことができました。卒業後は独り暮らしで料理の学校に通い、有名レストランに就職できましたが、堅苦しさから町のレストランに転職します。そして、偶然に早瀬と再会し、母親の希望通り音楽大学に進学するも馴染めず退学したことを知ります。二人は一緒に料理の道に進むことで意気投合するのでした。
梨花は金持ちの暮らしに息苦しさを感じ、しばらく家を空けるようになりました。そして、ある日、また泉ヶ原とは別れて気が休まる相手と再婚すると言い出すのです。結婚式の当日、梨花は相手の男性にみぃたんを初めて紹介します。娘がいることが初耳だった男性は驚きますが、すぐに幸せが二倍になると受け入れてくれました。それが森宮壮介でした。
優子と早瀬は結婚することを決意し、「親巡り」を始めます。しかし、3人目の父である壮介は、一度決めた音楽家の道をあきらめた早瀬に優子を渡せないというのです。早瀬の母親も納得してくれません。2人目の父、泉ヶ原は祝福してくれました。そんな時、突然、梨花から小包が届きます。
中に入っていたのは、ブラジルに一人で旅立った秀平から優子への大量の手紙でした。梨花からの手紙には、優子が自分の元からいなくなるのが怖くて渡せなかった、本当に悪い母親だったと書かれていました。また、そこには1人目の父秀平が、ブラジルの事業は失敗して今では青森で家庭を持っていることが書かれていました。
壮介にも強く勧められ、優子と早瀬は青森に向かいます。秀平のところにも梨花からの小包が届いていて、中身は優子がブラジルの父宛に書いた大量の手紙でした。秀平は、梨花が自分が産んだわけではない優子を大事にできた理由を語ります。帰る時、いつでも早瀬のピアノに励まされてきた優子は、早瀬に音楽をあきらめないでとお願いしました。
そして最後に、優子の実の母のお墓に報告に行くのです。そこへ泉ヶ原から連絡を受けたという壮介が現れ、梨花が亡くなったことを知らせます。遺体と祭壇を設えた泉ヶ原の家に出向くと、泉ヶ原から好き勝手をしていた梨花の本当の姿が語られるのでした。
最初は優子とみぃたんの話が別々に進行していて、どこで結びつくのかなと思ってしまいます。そして、薄々わかってくるのですが、優子とみぃたんが同一人物であることがわかるとこのストーリーの言いたいことの大部分が一挙に理解できる仕組みになっています。
みぃたん、あるいは優子が、実の家族だけでなく、血のつながらない梨花と3人の父親にどれだけ愛されてきたか、そして彼女の存在が父親たちに自らの存在意義と生きるための活力を与えてきたかということが強く伝わってくるのです。
秀平から泉ヶ原、泉ヶ原から壮介にリレーしたバトンは、最後に壮介から早瀬に渡されてドラマは終了するわけですが、そのリレーを精一杯応援し続けた梨花という女性も、わかってみると素晴らしいキャラクターでした。これを見ると、永野芽郁と石原さとみのファンになってしまいます。
もしも、なるとしたらどの父になりたいですか? 実の父も、育て上げた父もいいんですが、もしも自分なら間ですべての事情を知りながら見守り続ける泉ヶ原の役どころがいいかなと思ってしまいました。
父の森宮壮介(田中圭)と二人暮らしの高校三年生の森宮優子(永野芽郁)は、父親を「森宮さん」と呼んでいますが大の仲良しで、家でも外でも笑顔を絶やしません。母は黙って家を出てしまい消息不明です。卒業合唱で得意とは言えないピアノ伴奏係になってしまいますが、隣のクラスの伴奏係になった早瀬賢人(岡田健史)の、素晴らしい演奏に励まされるのでした。
母親を早くに亡くした小学生のみぃたん(稲垣来泉)は、父親の水戸秀平(大森南朋)と二人暮らし。ある日、秀平は新しいお母さんを連れてきました。彼女の名前は梨花(石原さとみ)といい、明るくて派手好きで自由奔放な女性でしたが、みぃたんのことが大好きでした。
しかし、秀平が昔からの夢だったブラジルでチョコレートを作るという話になった時に、梨花は異国暮らしを拒絶し、みぃたんも梨花を選び日本に残ります。生活は苦しくなりましたが、梨花はみぃたんのためなら何でもするのです。ある日、みぃたんがピアノを習いたいというと、梨花は家にグランドピアノがある資産家の泉ヶ原茂雄(市村正親)と再婚するのでした。
ある日、優子は街で早瀬が女性と一緒にいたことにショックを受けますが、壮介の励ましで何とか卒業式のピアノ伴奏をやり通すことができました。卒業後は独り暮らしで料理の学校に通い、有名レストランに就職できましたが、堅苦しさから町のレストランに転職します。そして、偶然に早瀬と再会し、母親の希望通り音楽大学に進学するも馴染めず退学したことを知ります。二人は一緒に料理の道に進むことで意気投合するのでした。
梨花は金持ちの暮らしに息苦しさを感じ、しばらく家を空けるようになりました。そして、ある日、また泉ヶ原とは別れて気が休まる相手と再婚すると言い出すのです。結婚式の当日、梨花は相手の男性にみぃたんを初めて紹介します。娘がいることが初耳だった男性は驚きますが、すぐに幸せが二倍になると受け入れてくれました。それが森宮壮介でした。
優子と早瀬は結婚することを決意し、「親巡り」を始めます。しかし、3人目の父である壮介は、一度決めた音楽家の道をあきらめた早瀬に優子を渡せないというのです。早瀬の母親も納得してくれません。2人目の父、泉ヶ原は祝福してくれました。そんな時、突然、梨花から小包が届きます。
中に入っていたのは、ブラジルに一人で旅立った秀平から優子への大量の手紙でした。梨花からの手紙には、優子が自分の元からいなくなるのが怖くて渡せなかった、本当に悪い母親だったと書かれていました。また、そこには1人目の父秀平が、ブラジルの事業は失敗して今では青森で家庭を持っていることが書かれていました。
壮介にも強く勧められ、優子と早瀬は青森に向かいます。秀平のところにも梨花からの小包が届いていて、中身は優子がブラジルの父宛に書いた大量の手紙でした。秀平は、梨花が自分が産んだわけではない優子を大事にできた理由を語ります。帰る時、いつでも早瀬のピアノに励まされてきた優子は、早瀬に音楽をあきらめないでとお願いしました。
そして最後に、優子の実の母のお墓に報告に行くのです。そこへ泉ヶ原から連絡を受けたという壮介が現れ、梨花が亡くなったことを知らせます。遺体と祭壇を設えた泉ヶ原の家に出向くと、泉ヶ原から好き勝手をしていた梨花の本当の姿が語られるのでした。
最初は優子とみぃたんの話が別々に進行していて、どこで結びつくのかなと思ってしまいます。そして、薄々わかってくるのですが、優子とみぃたんが同一人物であることがわかるとこのストーリーの言いたいことの大部分が一挙に理解できる仕組みになっています。
みぃたん、あるいは優子が、実の家族だけでなく、血のつながらない梨花と3人の父親にどれだけ愛されてきたか、そして彼女の存在が父親たちに自らの存在意義と生きるための活力を与えてきたかということが強く伝わってくるのです。
秀平から泉ヶ原、泉ヶ原から壮介にリレーしたバトンは、最後に壮介から早瀬に渡されてドラマは終了するわけですが、そのリレーを精一杯応援し続けた梨花という女性も、わかってみると素晴らしいキャラクターでした。これを見ると、永野芽郁と石原さとみのファンになってしまいます。
もしも、なるとしたらどの父になりたいですか? 実の父も、育て上げた父もいいんですが、もしも自分なら間ですべての事情を知りながら見守り続ける泉ヶ原の役どころがいいかなと思ってしまいました。
2024年12月12日木曜日
ポケモン×ミスドー
何か、今年もやってます。ミスター・ドーナッツのポケット・モンスターとのコラボ企画。
今回はディグダ、そしてダグトリオ。
古~いポケモンを知っている人には、超おなじみなので、最近のこどもたちだけでなく、親も狙い撃ちした企画なのは間違いない。
ポケット・モンスターは何しろ最初に登場したのは1996年ですから、もう30年弱。アンパンマン、ドラえもんに続く、ロング・ヒットで、いまだに衰え知らずなのはすごいことです。
ミスター・ドーナッツは、あざみ野駅にあった時はよく食べていましたが、2012年に駅の改修工事により閉店してしまい、以後はラーメン屋になってしまいました。
そんなわけで、今ではまったく疎遠になってしまい、食べなきゃ食べないで何の問題もない存在になってしまったというのが正直なところです。
2024年12月11日水曜日
四月になれば彼女は (2024)
いや~、がらにもなく苦手な恋愛物を見てしまった。
正確には真正面からラブラブを描いていないので、だいぶひねりが効いているんですが、原作は川村元気の小説。山田智和の初監督作品で、脚本に原作者も名を連ねています。
大学病院で精神科医師として働く藤代俊(佐藤健)は獣医の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚式の準備中でした。時計が0時をまわって、4月1日生まれの弥生に誕生日おめでとうを伝えると、弥生は「愛を終わらせない方法は?」と俊に謎をだします。そして、二人とも就寝します。
翌朝、俊が目覚めると弥生の姿がどこにもいない。突然、いなくなり、理由も行き先もわからず、俊はいろいろ探してみるものの、しだいに憔悴するだけでした。
そこで、学生時代の恋人であった伊予田春(森七奈)から10年ぶりに手紙をもらったことを思い出します。弥生にも見せていたので、それが原因とも思えなかったのですが・・・
10年前大学の写真部に新人として入部したのが春でした。形として見えない物を写真に撮りたいという春に、次第に惹かれていった俊は、二人で世界各地の有名な朝日が見える場所に一緒に行くことにしました。しかし、出発の日、春は独りになれない父親(竹野内豊)を放り出すことができず、二人は別れることになってしまったのです。
春から届いた手紙は、二人が一緒に行こうとしていた外国からのもので、計画していた朝日の写真が添えられていたのです。
数か月して、弥生からの手紙が届きます。そこには、しだいに愛することを怠けていた二人がいたことが書かれ、愛を終わらせない方法は手に入れないことだと書かれていました。そして、昔の仲間から千葉のホスピスで春が亡くなったという知らせが入ります。
ホスピスを訪ねた俊は、スタッフから春が愛用していたフィルム・カメラを渡されます。大学の写真部の部室を使わせてもらい、カメラに残っていたフィルムを現像してみると・・・その中の写真の一枚に弥生が写っていたのです。
愛を終わらせない方法は、手に入れないこと・・・というのは、ずいぶんと含蓄のある言葉ですが、手に入れれば新しい段階の愛が始まるという考え方もできると思います。この二人は、お互いに愛を手に入れることに臆病だったのかもしれません。その結果、女は物理的に逃げ出してしまい、実は男も精神的に逃げていたんでしょうね。
春との関係も、手に入れなかったことで、心のどこかで愛が続いていたことは確かにありそうですが、少なくとも春は計画していた旅行を一人で実行することで完全に終わらせる決意をしたということ。その春のおかげで、俊も一歩も二歩も前進することができるようになるということなんだと思います。
恋愛物は苦手なので普通は見ないんですが、役者がいいので最後まで鑑賞できました。こういうドラマチックな経験はしたこともないので、自分とはまったく重ならないのが残念ですが、恋愛物はそういうものなのでしょうがありません。
正確には真正面からラブラブを描いていないので、だいぶひねりが効いているんですが、原作は川村元気の小説。山田智和の初監督作品で、脚本に原作者も名を連ねています。
大学病院で精神科医師として働く藤代俊(佐藤健)は獣医の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚式の準備中でした。時計が0時をまわって、4月1日生まれの弥生に誕生日おめでとうを伝えると、弥生は「愛を終わらせない方法は?」と俊に謎をだします。そして、二人とも就寝します。
翌朝、俊が目覚めると弥生の姿がどこにもいない。突然、いなくなり、理由も行き先もわからず、俊はいろいろ探してみるものの、しだいに憔悴するだけでした。
そこで、学生時代の恋人であった伊予田春(森七奈)から10年ぶりに手紙をもらったことを思い出します。弥生にも見せていたので、それが原因とも思えなかったのですが・・・
10年前大学の写真部に新人として入部したのが春でした。形として見えない物を写真に撮りたいという春に、次第に惹かれていった俊は、二人で世界各地の有名な朝日が見える場所に一緒に行くことにしました。しかし、出発の日、春は独りになれない父親(竹野内豊)を放り出すことができず、二人は別れることになってしまったのです。
春から届いた手紙は、二人が一緒に行こうとしていた外国からのもので、計画していた朝日の写真が添えられていたのです。
数か月して、弥生からの手紙が届きます。そこには、しだいに愛することを怠けていた二人がいたことが書かれ、愛を終わらせない方法は手に入れないことだと書かれていました。そして、昔の仲間から千葉のホスピスで春が亡くなったという知らせが入ります。
ホスピスを訪ねた俊は、スタッフから春が愛用していたフィルム・カメラを渡されます。大学の写真部の部室を使わせてもらい、カメラに残っていたフィルムを現像してみると・・・その中の写真の一枚に弥生が写っていたのです。
愛を終わらせない方法は、手に入れないこと・・・というのは、ずいぶんと含蓄のある言葉ですが、手に入れれば新しい段階の愛が始まるという考え方もできると思います。この二人は、お互いに愛を手に入れることに臆病だったのかもしれません。その結果、女は物理的に逃げ出してしまい、実は男も精神的に逃げていたんでしょうね。
春との関係も、手に入れなかったことで、心のどこかで愛が続いていたことは確かにありそうですが、少なくとも春は計画していた旅行を一人で実行することで完全に終わらせる決意をしたということ。その春のおかげで、俊も一歩も二歩も前進することができるようになるということなんだと思います。
恋愛物は苦手なので普通は見ないんですが、役者がいいので最後まで鑑賞できました。こういうドラマチックな経験はしたこともないので、自分とはまったく重ならないのが残念ですが、恋愛物はそういうものなのでしょうがありません。
2024年12月10日火曜日
ロストケア (2023)
葉真中顕の小説が原作。まさに超高齢化に向かう現代の大きな問題をテーマにした社会派サスペンスです。監督は前田哲、脚本は前田哲と龍居由佳里の共同です。
ケアセンター八賀では認知症高齢者の介護を行っていました。特に斯波宗典(松山ケンイチ)は、熱心で行き届いたケアが評判でした。
ある日、利用者の老人宅で老人とセンター長の二人が死んでいるのが発見されます。当初、利用者宅の合鍵を使い窃盗目的で侵入したセンター長が、何らかの事故で死亡したものと考えられましたが、老人のそばに落ちていた注射器の謎が不明でした。
しかし、付近の防犯カメラの映像から、二人の死亡時刻の頃に斯波が映っていたのです。事件の担当となった大友秀美検事(長澤まさみ)が取り調べ、斯波はたまたま老人を心配して訪問したらセンター長が盗みを働いていたためもみ合いとなり階段から転落したと話します。
事務官の椎名(鈴鹿央士)が調べると、ケアセンター八賀の利用者の死亡率が異常に高く、しかも死亡した曜日が斯波の勤務の無い日に集中していることが発覚し、それは3年間で41名にも上るのでした。
再び大友が斯波を取り調べると、「私は42名を救ったのだ」と話し始めます。自分のやったことは「喪失の介護(ロストケア)」であり、心底介護負担に苦しむ家族を救うための救済だと自供するのです。しかし、ケアセンターの死亡者よりも1名多い数字の意味が不明のままでした。
父親の手だけで育てられた斯波の履歴を調べていくと、ケアセンターに就職する3年前、それまでの仕事を辞め脳梗塞で倒れた父親の介護をしていたことが判明します。そして父親が亡くなったことで今の仕事に就いていたのでした。
大友は斯波に「あなたが殺した最初の一人はあなの父親ですね」と尋ねます。斯波はそんな大友に、あなたのような安全地帯にいる人には理解できないことだと言い、認知症が進み寝たきりになった父親のために、仕事に行くこともできななり、生活保護も断られたことを説明するのでした。
認知症の家族を持つ家庭で、施設を頼れなければ介護保険の居宅介護を受けますが、介護保険だけで足りることは少ない。その場合、家族の負担は想像に難くありません。国のサポートはとても十分とは言えませんし、ましてや介護する側の家族に対する援助はほぼ無いといえます。
サスペンスと言っても、犯人はすぐに判明し、方法もあっさりわかることなので、このストーリーのテーマは動機しかありません。高度な介護を要する家族がいる場合、もう介護する側が限界にきている状況はある程度想像できます。安全地帯にいる者は、斯波の行為を殺人と呼び断罪しますが、家族によっては救われたと考えることもある。
そういう意味では、最初の犯人捜しの時間がもったいない。すぐに犯人は判明するので、むしろ120分弱映画の1/3が無駄と言えます。大友検事にも施設にいる認知症の母親とがいることなどを提示して、斯波の境遇と対比させる狙いはあるかもしれませんが、最初から斯波だけを主観的に描いてもよかったかもしれません。
大友に何と言われようと自分の行為を最後まで正当化する松山ケンイチの演技はさすがで、揺ぎ無い信念を感じることができます。とは言え、完全にそれを正当化しない演出のバランスは評価できるところ。長澤まさみは、30代後半に入ってきましたが、今回のような重厚な役とコメディ調の役をバランスよくこなしていて、安心してみていられます。
ケアセンター八賀では認知症高齢者の介護を行っていました。特に斯波宗典(松山ケンイチ)は、熱心で行き届いたケアが評判でした。
ある日、利用者の老人宅で老人とセンター長の二人が死んでいるのが発見されます。当初、利用者宅の合鍵を使い窃盗目的で侵入したセンター長が、何らかの事故で死亡したものと考えられましたが、老人のそばに落ちていた注射器の謎が不明でした。
しかし、付近の防犯カメラの映像から、二人の死亡時刻の頃に斯波が映っていたのです。事件の担当となった大友秀美検事(長澤まさみ)が取り調べ、斯波はたまたま老人を心配して訪問したらセンター長が盗みを働いていたためもみ合いとなり階段から転落したと話します。
事務官の椎名(鈴鹿央士)が調べると、ケアセンター八賀の利用者の死亡率が異常に高く、しかも死亡した曜日が斯波の勤務の無い日に集中していることが発覚し、それは3年間で41名にも上るのでした。
再び大友が斯波を取り調べると、「私は42名を救ったのだ」と話し始めます。自分のやったことは「喪失の介護(ロストケア)」であり、心底介護負担に苦しむ家族を救うための救済だと自供するのです。しかし、ケアセンターの死亡者よりも1名多い数字の意味が不明のままでした。
父親の手だけで育てられた斯波の履歴を調べていくと、ケアセンターに就職する3年前、それまでの仕事を辞め脳梗塞で倒れた父親の介護をしていたことが判明します。そして父親が亡くなったことで今の仕事に就いていたのでした。
大友は斯波に「あなたが殺した最初の一人はあなの父親ですね」と尋ねます。斯波はそんな大友に、あなたのような安全地帯にいる人には理解できないことだと言い、認知症が進み寝たきりになった父親のために、仕事に行くこともできななり、生活保護も断られたことを説明するのでした。
認知症の家族を持つ家庭で、施設を頼れなければ介護保険の居宅介護を受けますが、介護保険だけで足りることは少ない。その場合、家族の負担は想像に難くありません。国のサポートはとても十分とは言えませんし、ましてや介護する側の家族に対する援助はほぼ無いといえます。
サスペンスと言っても、犯人はすぐに判明し、方法もあっさりわかることなので、このストーリーのテーマは動機しかありません。高度な介護を要する家族がいる場合、もう介護する側が限界にきている状況はある程度想像できます。安全地帯にいる者は、斯波の行為を殺人と呼び断罪しますが、家族によっては救われたと考えることもある。
そういう意味では、最初の犯人捜しの時間がもったいない。すぐに犯人は判明するので、むしろ120分弱映画の1/3が無駄と言えます。大友検事にも施設にいる認知症の母親とがいることなどを提示して、斯波の境遇と対比させる狙いはあるかもしれませんが、最初から斯波だけを主観的に描いてもよかったかもしれません。
大友に何と言われようと自分の行為を最後まで正当化する松山ケンイチの演技はさすがで、揺ぎ無い信念を感じることができます。とは言え、完全にそれを正当化しない演出のバランスは評価できるところ。長澤まさみは、30代後半に入ってきましたが、今回のような重厚な役とコメディ調の役をバランスよくこなしていて、安心してみていられます。
2024年12月9日月曜日
違国日記 (2024)
ヤマシタトモコのマンガが原作ですが、マンガとしては文芸小説に近い内容で、評判は高く「BOOK OF THE YEAR コミックランキング」では1位となったことは、ちょっと驚きます。監督は瀬田なつきで、脚本・編集も自ら手掛けています。
中学3年生の田汲朝(早瀬憩)は、突然の交通事故で両親を目の前で亡くしてしまいます。朝の母親の妹である人気小説家で人見知りの高代槙生(新垣結衣)は、行き場を無くした朝を勢いで引き取ることにしてしまいました。しかし、槙生は朝の母親のことは小さいころから大嫌いで、朝にも「死んでも嫌いな気持ちは変わらないけど、あんたのことを踏みにじることはしない」と伝えます。
とは言え、どうしていいかわからなかったので、元カレで今も友人として付き合いがある笠町(瀬戸康史)の助けを借りて後見人として手続きを進めます。片付けが苦手な槙生のマンションの部屋はゴミ屋敷状態でしたが、しだいに朝が掃除をしてくれるようになるのです。槙生の中学からの友人である奈々(夏帆)も、心配して二人の間を取り持ってくれるのでした。
高校に入学した朝は、中学からの友人や新しくできた友人たちと表面的には少しずつ楽しさを取り戻していきます。しかし、両親のことを忘れることができるわけではなく、また槙生が母を憎む理由がわからず、積極的に自分を表に出せないままでした。
ある日槙生は、母親から姉の遺品として日記を託されます。書き出しに「朝が高校を卒業したら渡そうと思っている」と書かれていたため、それ以上見もせずにすぐにしまい込んでしまいました。しかし、朝に日記の存在を知られてしまいます。槙生と朝は、それぞれもうこの世にいない姉、あるいは母のことをあらためて知りたくなるのでした。
30代になり結婚もした新垣結衣は、かつての可愛い役から脱皮し、比較的硬派な役どころを演じるようになってきましたが、この作品はさらに一歩踏み込んだ「女性の生きづらさ」みたいな難しい演技を見せることになりました。
槙生は、こどもの頃から姉に自分を否定され、世間とのごく普通の交流を避けてきた女性です。人見知りで、自分を見せる理由がないため、部屋はゴミだらけ、身なりもあまり気にしない。それなのに、憎んでいた姉の娘、しかも一番多感な時期の姪を引き取り共同生活をすることになる。
新垣結衣の演技には曇りが無くさすがと思うのですが、それは新人の早瀬憩のごく自然な演技があってのこと。突然両親を亡くすというショッキングな出来事に泣き叫ぶでもなく、まずはこの先どうなるのかという不安が押し寄せ来る。しかし、何かと母の姿や声を思い出し、悲しさがだんだん実感されてくるところは、実年齢の役とはいえ早瀬の演技力も素晴らしいものがあり将来が楽しみです。
中学3年生の田汲朝(早瀬憩)は、突然の交通事故で両親を目の前で亡くしてしまいます。朝の母親の妹である人気小説家で人見知りの高代槙生(新垣結衣)は、行き場を無くした朝を勢いで引き取ることにしてしまいました。しかし、槙生は朝の母親のことは小さいころから大嫌いで、朝にも「死んでも嫌いな気持ちは変わらないけど、あんたのことを踏みにじることはしない」と伝えます。
とは言え、どうしていいかわからなかったので、元カレで今も友人として付き合いがある笠町(瀬戸康史)の助けを借りて後見人として手続きを進めます。片付けが苦手な槙生のマンションの部屋はゴミ屋敷状態でしたが、しだいに朝が掃除をしてくれるようになるのです。槙生の中学からの友人である奈々(夏帆)も、心配して二人の間を取り持ってくれるのでした。
高校に入学した朝は、中学からの友人や新しくできた友人たちと表面的には少しずつ楽しさを取り戻していきます。しかし、両親のことを忘れることができるわけではなく、また槙生が母を憎む理由がわからず、積極的に自分を表に出せないままでした。
ある日槙生は、母親から姉の遺品として日記を託されます。書き出しに「朝が高校を卒業したら渡そうと思っている」と書かれていたため、それ以上見もせずにすぐにしまい込んでしまいました。しかし、朝に日記の存在を知られてしまいます。槙生と朝は、それぞれもうこの世にいない姉、あるいは母のことをあらためて知りたくなるのでした。
30代になり結婚もした新垣結衣は、かつての可愛い役から脱皮し、比較的硬派な役どころを演じるようになってきましたが、この作品はさらに一歩踏み込んだ「女性の生きづらさ」みたいな難しい演技を見せることになりました。
槙生は、こどもの頃から姉に自分を否定され、世間とのごく普通の交流を避けてきた女性です。人見知りで、自分を見せる理由がないため、部屋はゴミだらけ、身なりもあまり気にしない。それなのに、憎んでいた姉の娘、しかも一番多感な時期の姪を引き取り共同生活をすることになる。
新垣結衣の演技には曇りが無くさすがと思うのですが、それは新人の早瀬憩のごく自然な演技があってのこと。突然両親を亡くすというショッキングな出来事に泣き叫ぶでもなく、まずはこの先どうなるのかという不安が押し寄せ来る。しかし、何かと母の姿や声を思い出し、悲しさがだんだん実感されてくるところは、実年齢の役とはいえ早瀬の演技力も素晴らしいものがあり将来が楽しみです。
2024年12月8日日曜日
はたらく細胞
何と、珍しいことにアニメの紹介。「はたらく細胞」は、2015年から連載が始まった清水茜のマンガが原作。清水茜は1994年生まれなので、連載開始時は21歳の若さ。マンガの専門学校に通っている時に、妹が学校の授業の免疫の話を覚えるために、教科書をマンガにしたのがきっかけらしい。
書くことで医学知識がさらに増え、さらにより擬人化にもリアリティが増していったようで、医療関係者が見ても十分に納得できるストーリーになっていることは素晴らしいことだと思います。2018年にアニメ化され、そして今年、それも今週末から実写版映画も公開されるので、この年末一番の話題作と言えそうです。
基本的に細胞は人間風、病原体は怪物風に描かれていて、それぞれに固有名詞はありません。主人公は血液中に最も多い細胞である赤血球と白血球。
赤血球は空気を吸って取り込んだ酸素を体中に運び細胞活動を活性化させ、その結果生じた二酸化炭素を回収して肺に戻す。実写版では永野芽衣が演じます。
白血球は免疫機能により生体防御の仕事をしていて、最も多い好中球は体内に入り込んだ細菌やウイルスなどの病原体を攻撃して除去します。実写版では佐藤健。特定の病原体に働くのは主として各種のリンパ球の仕事で、その中でもヘルパーT細胞が病原体を感知するとキラーT細胞が実働することになります。T細胞が適切に働くために。各種のサポートがあります。
また、特にB細胞と呼ぶリンパ球は、特異度の高い免疫機能を発動する抗体を産生します。他にも、白血球には単球、好酸球、好塩基球といったものがあり、さまざまな免疫に関係しますが、中にはアレルギーのような体に問題を引き起こす事態を招く原因も作ってしまうことがあります。
血液中の細胞成分として、もう一つ大事な仕事をしているのが血小板です。損傷した血管に集まり血栓を作ることで出血を抑制します。皮膚の表面に見える状態の物は、いわゆる「かさぶた」で、この力が無ければ失血死の恐れが生じます。
他にも、専門家でないと説明しきれないくらいたくさんの種類の細胞が登場してきますが、最初からいろいろ知らなくても、自然と理解を深めることができると思うので、マンガでも、アニメでも読んだり見たりする価値は高いと思います。実写版では、さらにエンターテイメントの要素が強化されるでしょうから大変楽しみですね。
書くことで医学知識がさらに増え、さらにより擬人化にもリアリティが増していったようで、医療関係者が見ても十分に納得できるストーリーになっていることは素晴らしいことだと思います。2018年にアニメ化され、そして今年、それも今週末から実写版映画も公開されるので、この年末一番の話題作と言えそうです。
基本的に細胞は人間風、病原体は怪物風に描かれていて、それぞれに固有名詞はありません。主人公は血液中に最も多い細胞である赤血球と白血球。
赤血球は空気を吸って取り込んだ酸素を体中に運び細胞活動を活性化させ、その結果生じた二酸化炭素を回収して肺に戻す。実写版では永野芽衣が演じます。
白血球は免疫機能により生体防御の仕事をしていて、最も多い好中球は体内に入り込んだ細菌やウイルスなどの病原体を攻撃して除去します。実写版では佐藤健。特定の病原体に働くのは主として各種のリンパ球の仕事で、その中でもヘルパーT細胞が病原体を感知するとキラーT細胞が実働することになります。T細胞が適切に働くために。各種のサポートがあります。
また、特にB細胞と呼ぶリンパ球は、特異度の高い免疫機能を発動する抗体を産生します。他にも、白血球には単球、好酸球、好塩基球といったものがあり、さまざまな免疫に関係しますが、中にはアレルギーのような体に問題を引き起こす事態を招く原因も作ってしまうことがあります。
血液中の細胞成分として、もう一つ大事な仕事をしているのが血小板です。損傷した血管に集まり血栓を作ることで出血を抑制します。皮膚の表面に見える状態の物は、いわゆる「かさぶた」で、この力が無ければ失血死の恐れが生じます。
他にも、専門家でないと説明しきれないくらいたくさんの種類の細胞が登場してきますが、最初からいろいろ知らなくても、自然と理解を深めることができると思うので、マンガでも、アニメでも読んだり見たりする価値は高いと思います。実写版では、さらにエンターテイメントの要素が強化されるでしょうから大変楽しみですね。
2024年12月7日土曜日
汁なし まぜそば @ ファミリーマート
ラーメン荘 歴史を刻め・・・って、何かの格言のような店名のラーメン屋さんがあるそうで、場所は世田谷区の祖師ヶ谷大蔵。
当然のように行ったことは無いし、まったく知らない店ですが、大阪発祥の「二郎系」の店として人気らしい。
ファミリーマートの新しい麺類ラインナップにこの店の看板の一つ、「汁なし」が登場しました。
そもそも二郎系と言われる店で実食したことが無いし、ラーメン荘監修のこれがどれほど店で提供するものを再現しているのかはわかりません。少なくとも店では、トッピングでてんこ盛り何だろうと思います。
まず、見た目にも角々として平打ち太麺ですが、スープは底に少ししか入っていないので、電子レンジでチンすると、そのまま角張っていて食べた時の食感が悪い・・・と、麺は固めが好きな自分でもいきなり残念な感想。
この辺りは、コンビニ販売の商品として考え直す必要があるポイントだと思います。汁の少ないまぜそばとするなら、麺はほぼ完成された茹で具合でも良いのかもしれない。
トッピングは、二郎系としてはたぶん標準的なものだと思いますが、少なくとも肉厚の豚肉(チャーシュー?)はけっこう美味しく感じました。スープの味そのものはGOODです。
総じてコンビニ商品としては合格点をあげたいところではありますが、もう一度食べるかと聞かれればたぶん・・・食べないと思います。
2024年12月6日金曜日
2024年12月5日木曜日
お終活 熟春! 人生、百年時代の過ごし方 (2021)
香月秀之監督・脚本による人情コメディ。コロナ禍の最中の公開で苦戦したものの、評価は高く、2024年に同じキャストで続編も作られました。
母親の延命を希望しなかった父親と断絶してしまった菅野涼太(水野勝)は、勤めていたIT企業が倒産したため、一柳葬具総本店・・・つまり葬儀社に再就職しました。菅野を面倒を見ることになったのは、ベテランの桃井梓(松下由樹)です。早速、終活フェアのチラシを配ることになった菅野は、キッチンカーを営業している大原亜矢(剛力彩芽)にご両親にとチラシを渡します。
大原家は夫の真一(橋爪功)、妻の千賀子(高畑淳子)は結婚してもうじき50年。家のことは何もしないで文句ばかり言っている真一に、千賀子はいらいらを募らせる毎日。千賀子はチラシを見て終活フェアに出かけて、ずいぶんと人が亡くなることは大変な事かあると改めて認識しました。
フェアでメモリアル・ビデオの無料作成に当たった千賀子は、せっかくだからと乗り気になるのですが、真一はばかばかしいと猛反対し、説明に訪れた菅野にも人の不幸を仕事にしているとか、葬式を任せてもらいたいからの営業だなどと毒づくのです。
しかし、千賀子が脳梗塞を起こし倒れてしまいます。真一はあらためて、一人ではできないことがたくさんあることに気がつかされます。真一は一柳葬具総本店を訪れ、あらためて失礼を詫びビデオの作成を依頼するのでした。
幸い千賀子の脳梗塞は軽く、すぐに退院して家に帰ってきますが、今度は郷里の真一の兄が亡くなったという知らせが来る。亜矢は二人に金婚式をすることをすすめ、一柳葬具総本店にその段取りをお願いするのでした。
終活というテーマのようですが、実質的には熟年夫婦にあらためて絆を思い出してもらい、長いくなってきた人生の再出発を応援するような内容のストーリーです。ですから「青春」に対して、ここでは「熟春」がテーマということ。
何といっても、さすがはベテランの橋爪功がいかにも昭和のオヤジを演じているのが見所です。そうそう、こんなオヤジが普通だったと思い出しますが、これは高度成長期の日本を支えてきたからという確固たる自信があるからで、自分を含めて今の時代のオヤジには到底真似できるものではありません。
価値観は時代と共に変わるものですから、令和の時代にこんなオヤジがいたらヤバイの一言で片づけられてしまいます。でも、強がっているのは弱さの裏返しでもあるわけで、そこを表に出すことができないのが昭和のオヤジの特徴かもしれません。
父親と断絶していた菅野は、そんな大原一家に接しているうちに「許すこと」の大切さに気がつき父親に連絡を取るというのは、ベタですが気持ちの良い終わり方です。
母親の延命を希望しなかった父親と断絶してしまった菅野涼太(水野勝)は、勤めていたIT企業が倒産したため、一柳葬具総本店・・・つまり葬儀社に再就職しました。菅野を面倒を見ることになったのは、ベテランの桃井梓(松下由樹)です。早速、終活フェアのチラシを配ることになった菅野は、キッチンカーを営業している大原亜矢(剛力彩芽)にご両親にとチラシを渡します。
大原家は夫の真一(橋爪功)、妻の千賀子(高畑淳子)は結婚してもうじき50年。家のことは何もしないで文句ばかり言っている真一に、千賀子はいらいらを募らせる毎日。千賀子はチラシを見て終活フェアに出かけて、ずいぶんと人が亡くなることは大変な事かあると改めて認識しました。
フェアでメモリアル・ビデオの無料作成に当たった千賀子は、せっかくだからと乗り気になるのですが、真一はばかばかしいと猛反対し、説明に訪れた菅野にも人の不幸を仕事にしているとか、葬式を任せてもらいたいからの営業だなどと毒づくのです。
しかし、千賀子が脳梗塞を起こし倒れてしまいます。真一はあらためて、一人ではできないことがたくさんあることに気がつかされます。真一は一柳葬具総本店を訪れ、あらためて失礼を詫びビデオの作成を依頼するのでした。
幸い千賀子の脳梗塞は軽く、すぐに退院して家に帰ってきますが、今度は郷里の真一の兄が亡くなったという知らせが来る。亜矢は二人に金婚式をすることをすすめ、一柳葬具総本店にその段取りをお願いするのでした。
終活というテーマのようですが、実質的には熟年夫婦にあらためて絆を思い出してもらい、長いくなってきた人生の再出発を応援するような内容のストーリーです。ですから「青春」に対して、ここでは「熟春」がテーマということ。
何といっても、さすがはベテランの橋爪功がいかにも昭和のオヤジを演じているのが見所です。そうそう、こんなオヤジが普通だったと思い出しますが、これは高度成長期の日本を支えてきたからという確固たる自信があるからで、自分を含めて今の時代のオヤジには到底真似できるものではありません。
価値観は時代と共に変わるものですから、令和の時代にこんなオヤジがいたらヤバイの一言で片づけられてしまいます。でも、強がっているのは弱さの裏返しでもあるわけで、そこを表に出すことができないのが昭和のオヤジの特徴かもしれません。
父親と断絶していた菅野は、そんな大原一家に接しているうちに「許すこと」の大切さに気がつき父親に連絡を取るというのは、ベタですが気持ちの良い終わり方です。
2024年12月4日水曜日
セブンのおにぎり 55
新発売になったのは、コラボ商品です。「セブン・イレブン×ちいかわ あったまるね、きもち」というキャンペーンが始まりました。
ちいかわ・・・って何なん?? となるわけですが、Twitter(現・X)で連載され、単行本化されて人気のマンガ「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」のことらしい。
知らなきゃそれまでですので、どうでも良いのですが、とりあえず登場したのは「ちいかわのケチャップごはんおむすび」と「ハチワレの炊き込みご飯おむすび」の2つ。
はっきり言って、見た目そのまま、想像通りの味ですので、とくに驚きはありません。
ケチャップごはん・・・そりゃそんな味にしかならない。炊き込みご飯もほぼ鶏五目と同じ。
マンガのファンは手に取ればいいし、知らなければスルーでも問題ありません。
2024年12月3日火曜日
変な家 (2024)
「この間取り図は変」という宣伝文句がまだ耳新しい映画。
もともとは、オカルト・ユーチューバーの雨穴(うけつ)によるYouTube動画が原作。これを本人が書籍化して大ヒットしました。「ブラックペアン」や「半沢直樹」の丑尾健太郎が脚本、「リーカルハイ」の石川淳一が監督しました。
ユーチューバーの雨宮は雨男(間宮祥太朗)と名乗りオカルト関連をアップロードして人気を得ましたが、最近はマンネリ気味で閲覧数は頭打ち。雨男をサポートする動画制作会社の柳岡(DJ松永)は、買うかどうか考えている家の間取り図を見せるのです。
その家の間取り図は見れば見るほど違和感があり、これはネタになると考えた雨宮は、知り合いの設計士、栗原(佐藤二朗)に図面を見せ意見を聞くことにしました。栗原は、2回の中心にある独房のような子供部屋、その下にあるキッチンに意図不明のすべて壁に囲まれた空間などを指摘し、「私なら絶対にこの家は買わない」というのでした。
雨宮は柳岡にそのことを伝えようとすると、先方から購入は中止したと連絡が入ります。その理由は、すぐ近く雑木林からバラバラの遺体が発見されたため気味が悪いというのでした。それから、雨宮の動画を見たという女性(川栄李奈)が雨宮に会いに来ました。
女性は発見された遺体は自分の夫で、この変な家に訪ねて行ってから行方不明になった、あの家に秘密があるはずだから一緒に調べて欲しいというのでした。しかし、実はもともとの家の住人だった片淵綾乃(瀧本美織)は、ずいぶん前に失踪した実の姉で、彼女は妹の柚希だったのです。
というわけで、原作となったYouTube動画は、柳岡が購入を断念したところで終わっているのですが、映画はここからが本題。間取り図が変な家で起こった殺人事件を設計士の探偵とユーチューバーの助手が解決する・・・というサスペンスのように見せかけて、しだいにオカルト調が強まってホラー映画のような展開をしていきます。
商業映画としては「何か変ですね。チャンチャン!」では終われませんから、それなりに盛り上げて派手な立ち回りがあって決着がつくのですが、ちゃんと不気味な余韻を残しているところはそれなりに出来ています。
綾乃と柚希の母親に斉藤由貴、片淵家の本家の人々に石坂浩二、根岸季衣、高嶋政伸といったなかなかのキャスティングです。いつもアドリブ満載でナンセンスが喋って歩いているような佐藤二朗が、比較的大人しく演技をしているのはちょっと新鮮。
ただ、サスペンスなのかホラーなのか、どっちつかず的な感じがやや残念なところです。謎解き的な部分も、一気に語らせてしまい終わり方がせわしいのもマイナス点になりそうです。まぁ、YoTubeを題材にしているところが今どきで、興味深いところということでしょうか。
もともとは、オカルト・ユーチューバーの雨穴(うけつ)によるYouTube動画が原作。これを本人が書籍化して大ヒットしました。「ブラックペアン」や「半沢直樹」の丑尾健太郎が脚本、「リーカルハイ」の石川淳一が監督しました。
ユーチューバーの雨宮は雨男(間宮祥太朗)と名乗りオカルト関連をアップロードして人気を得ましたが、最近はマンネリ気味で閲覧数は頭打ち。雨男をサポートする動画制作会社の柳岡(DJ松永)は、買うかどうか考えている家の間取り図を見せるのです。
その家の間取り図は見れば見るほど違和感があり、これはネタになると考えた雨宮は、知り合いの設計士、栗原(佐藤二朗)に図面を見せ意見を聞くことにしました。栗原は、2回の中心にある独房のような子供部屋、その下にあるキッチンに意図不明のすべて壁に囲まれた空間などを指摘し、「私なら絶対にこの家は買わない」というのでした。
雨宮は柳岡にそのことを伝えようとすると、先方から購入は中止したと連絡が入ります。その理由は、すぐ近く雑木林からバラバラの遺体が発見されたため気味が悪いというのでした。それから、雨宮の動画を見たという女性(川栄李奈)が雨宮に会いに来ました。
女性は発見された遺体は自分の夫で、この変な家に訪ねて行ってから行方不明になった、あの家に秘密があるはずだから一緒に調べて欲しいというのでした。しかし、実はもともとの家の住人だった片淵綾乃(瀧本美織)は、ずいぶん前に失踪した実の姉で、彼女は妹の柚希だったのです。
というわけで、原作となったYouTube動画は、柳岡が購入を断念したところで終わっているのですが、映画はここからが本題。間取り図が変な家で起こった殺人事件を設計士の探偵とユーチューバーの助手が解決する・・・というサスペンスのように見せかけて、しだいにオカルト調が強まってホラー映画のような展開をしていきます。
商業映画としては「何か変ですね。チャンチャン!」では終われませんから、それなりに盛り上げて派手な立ち回りがあって決着がつくのですが、ちゃんと不気味な余韻を残しているところはそれなりに出来ています。
綾乃と柚希の母親に斉藤由貴、片淵家の本家の人々に石坂浩二、根岸季衣、高嶋政伸といったなかなかのキャスティングです。いつもアドリブ満載でナンセンスが喋って歩いているような佐藤二朗が、比較的大人しく演技をしているのはちょっと新鮮。
ただ、サスペンスなのかホラーなのか、どっちつかず的な感じがやや残念なところです。謎解き的な部分も、一気に語らせてしまい終わり方がせわしいのもマイナス点になりそうです。まぁ、YoTubeを題材にしているところが今どきで、興味深いところということでしょうか。
2024年12月2日月曜日
のだめカンタービレ 最終楽章 (前編 2009, 後編 2010)
映画として「最終楽章」というタイトルになりますが、スタートは言わずと知れた2006年のテレビドラマ。その後、2008年に「新春スペシャル in ヨーロッパ」が2夜にわたってスペシャル・ドラマとして放送されました。クラシック音楽の世界で、ラブ・コメ青春根性ストーリーを展開するという、今まで無かった世界が大ヒットしました。
原作は二ノ宮知子のマンガで、当初岡田准一がキャスティングされたのですが、ジャニーズ事務所の強引な要望を二ノ宮が拒否したことで、製作は1年遅れになったというのは知る人ぞ知る有名な話。シリーズを通して脚本は衛藤凛、監督は武内英樹と川村泰祐が勤めています。
ストーリーは比較的原作に忠実に進みますが、マンガ的な演出も頻出しているのも特徴的。またそれぞれの登場人物の実写版としての再現度もかなり高いため、原作ファンからも好感を持たれた作品になりました。
連続ドラマでは、天才的ピアノ技巧を持つにもかかわらず音楽は楽しければ良いと向上心の無い音大生、のだめこと野田恵(上野樹里)と、指揮者を目指していますが飛行機恐怖症のため海外に行けず鬱々としてるエリート、千秋真一(玉木宏)が、たまたまアパートが隣同士だったところから始まります。
音大に客員として招聘された世界的指揮者シュトレーゼマン(竹中直人)は、のだめと千秋に目をつけます。音大の落ちこぼれを集めてSオーケストラを結成し、千秋を副指揮者にすると練習は千秋に任せっぱなしで、自分はキャバレー通い。千秋は直観力だけで弾くのだめのピアノに感心しますが、それだけではだめだと感じます。のだめも千秋と一緒にいたいがために、努力することを決意するのでした。
定期演奏会で、優秀者から選抜されるAオケの前座としてSオーケストラが登場するのですが、シュトレーゼマンは直前になって後は千秋に任せると去ってしまいます。しかし、初めての千秋の指揮は音楽は楽しいものだということを体現した演奏で大成功になるのでした。
のだめも初めてコンクールに出場し、予選では審査員をうならせる演奏をするのでしたが、最終審査で熱を出したことでめちゃめちゃになってしまいます。しかし、のだめの才能を見抜いたフランスの著名なオクレールにより、フランスで勉強するように勧められるのです。のだめは素人催眠術で千秋の飛行機恐怖症を何とか克服させ、二人はヨーロッパに出発するのでした。
で、次はヨーロッパ編。スペシャルでは指揮者コンクールで、ライバルとなるジャン・ドナデュウと戦い、千秋は優勝を勝ち取ります。シュトレーゼマンの策略で、彼の助手として世界各地を演奏旅行して回ることになるのです。のだめはパリの音楽院でオクレールの指導を受けることになりましたが、あまりにも自分の知識不足・経験不足に落ち込む毎日を送るのでした。
さらに追い打ちをかけたのがシュトレーゼマンの代役で千秋が指揮をしたピアノ協奏曲の大成功の知らせでした。ピアノを弾いたのはのだめと同世代の孫ルイ(山田優)で、のだめはルイの演奏に追い付こうと自分をさらに苦しめてしまうのです。しかし、教会の讃美歌にであったのだめは再び音楽は楽しむものだと思い出し、オクレールの推薦で古城で行われる貴族のコンサートで初めてリサイタルを行い大喝采をもらうのでした。
そして、ついに完結編の映画となるわけです。あの孫ルイが音楽院に入学してきて、のだめは再び心乱れる毎日。コンクールでは勝ったのに、ジャンは人気のデシャン管弦楽団の常任指揮者になり、千秋は落ち目のマルレ管弦楽団に迎えられます。マレル管は、団員が減ってしまいボロボロでしたが、千秋の熱意が次第に次第に伝わり、何とか軌道に乗っていきます。
のだめはオクレールから次々に課題を出されるものの、コンクールへの出場は許可されず、千秋との差がどんどんひろがっていくことに焦るのです。シュトレーゼマンはオクレールには黙ってのだめを自分の指揮の演奏会に引っ張り出してしまいます。のだめは渾身の演奏を行い大喝采となるのですが、燃え尽きてしまい行方をくらましてしまうのでした。
てなわけで、大好評につき膨大なボリュームのシリーズとなったわけですが、クラシック好きにとっては、最初から最後まで十分すぎるほど楽しめました。出てくる曲も人気曲だけでなく、おーそれを使うかというマニアックなものまで多彩で、なかなかの選曲です。でも、ストーリーの面白さがあるので、クラシックを聞かない人にも問題なく刺さったのはうなづけるところ。
それにしても玉木宏でよかった。岡田クンは好きですけど、千秋が岡田クンだと、かなり残念な結果になっていたかもしれません。
原作は二ノ宮知子のマンガで、当初岡田准一がキャスティングされたのですが、ジャニーズ事務所の強引な要望を二ノ宮が拒否したことで、製作は1年遅れになったというのは知る人ぞ知る有名な話。シリーズを通して脚本は衛藤凛、監督は武内英樹と川村泰祐が勤めています。
ストーリーは比較的原作に忠実に進みますが、マンガ的な演出も頻出しているのも特徴的。またそれぞれの登場人物の実写版としての再現度もかなり高いため、原作ファンからも好感を持たれた作品になりました。
連続ドラマでは、天才的ピアノ技巧を持つにもかかわらず音楽は楽しければ良いと向上心の無い音大生、のだめこと野田恵(上野樹里)と、指揮者を目指していますが飛行機恐怖症のため海外に行けず鬱々としてるエリート、千秋真一(玉木宏)が、たまたまアパートが隣同士だったところから始まります。
音大に客員として招聘された世界的指揮者シュトレーゼマン(竹中直人)は、のだめと千秋に目をつけます。音大の落ちこぼれを集めてSオーケストラを結成し、千秋を副指揮者にすると練習は千秋に任せっぱなしで、自分はキャバレー通い。千秋は直観力だけで弾くのだめのピアノに感心しますが、それだけではだめだと感じます。のだめも千秋と一緒にいたいがために、努力することを決意するのでした。
定期演奏会で、優秀者から選抜されるAオケの前座としてSオーケストラが登場するのですが、シュトレーゼマンは直前になって後は千秋に任せると去ってしまいます。しかし、初めての千秋の指揮は音楽は楽しいものだということを体現した演奏で大成功になるのでした。
のだめも初めてコンクールに出場し、予選では審査員をうならせる演奏をするのでしたが、最終審査で熱を出したことでめちゃめちゃになってしまいます。しかし、のだめの才能を見抜いたフランスの著名なオクレールにより、フランスで勉強するように勧められるのです。のだめは素人催眠術で千秋の飛行機恐怖症を何とか克服させ、二人はヨーロッパに出発するのでした。
で、次はヨーロッパ編。スペシャルでは指揮者コンクールで、ライバルとなるジャン・ドナデュウと戦い、千秋は優勝を勝ち取ります。シュトレーゼマンの策略で、彼の助手として世界各地を演奏旅行して回ることになるのです。のだめはパリの音楽院でオクレールの指導を受けることになりましたが、あまりにも自分の知識不足・経験不足に落ち込む毎日を送るのでした。
さらに追い打ちをかけたのがシュトレーゼマンの代役で千秋が指揮をしたピアノ協奏曲の大成功の知らせでした。ピアノを弾いたのはのだめと同世代の孫ルイ(山田優)で、のだめはルイの演奏に追い付こうと自分をさらに苦しめてしまうのです。しかし、教会の讃美歌にであったのだめは再び音楽は楽しむものだと思い出し、オクレールの推薦で古城で行われる貴族のコンサートで初めてリサイタルを行い大喝采をもらうのでした。
そして、ついに完結編の映画となるわけです。あの孫ルイが音楽院に入学してきて、のだめは再び心乱れる毎日。コンクールでは勝ったのに、ジャンは人気のデシャン管弦楽団の常任指揮者になり、千秋は落ち目のマルレ管弦楽団に迎えられます。マレル管は、団員が減ってしまいボロボロでしたが、千秋の熱意が次第に次第に伝わり、何とか軌道に乗っていきます。
のだめはオクレールから次々に課題を出されるものの、コンクールへの出場は許可されず、千秋との差がどんどんひろがっていくことに焦るのです。シュトレーゼマンはオクレールには黙ってのだめを自分の指揮の演奏会に引っ張り出してしまいます。のだめは渾身の演奏を行い大喝采となるのですが、燃え尽きてしまい行方をくらましてしまうのでした。
てなわけで、大好評につき膨大なボリュームのシリーズとなったわけですが、クラシック好きにとっては、最初から最後まで十分すぎるほど楽しめました。出てくる曲も人気曲だけでなく、おーそれを使うかというマニアックなものまで多彩で、なかなかの選曲です。でも、ストーリーの面白さがあるので、クラシックを聞かない人にも問題なく刺さったのはうなづけるところ。
それにしても玉木宏でよかった。岡田クンは好きですけど、千秋が岡田クンだと、かなり残念な結果になっていたかもしれません。
2024年12月1日日曜日
マイナ保険証
いよいよ、明日から新規の「紙」の健康保険証が発行されなくなります。マイナンバーカードの取得率は、全国民の約80%と言われています。その中でマイナ保険証を登録済は2/3程度。
注意していただきたいのは、マイナンバーカードに紐づけが完了しているマイナ保険証が無いと病院・診療所への受診ができなくなるわけではありません。
現行の保険証は、最大で来年の12月1日まで利用できますが、後期高齢者医療制度の利用者は2025年7月31日まで、国民健康保険は自治体によって期限が異なります。
横浜市の場合は、国民健康保険は来年の7月31日まで有効です。ただし、令和7年7月31日より前に75歳のお誕生日を迎える方は、お誕生日の前日までです。そして、令和7年7月31日より前に70歳のお誕生日を迎える方は、誕生日の月末(1日の場合は前月末)までが有効期間となります。
マイナ保険証を登録している場合には、「資格情報のお知らせ」が発行され登録されている保険情報(氏名、生年月日、被保険者番号、一部負担割合 等)を簡便にご確認することができます。ただし、これはマイナ保険証の代わりではありませんので、これだけで保険診療は受けることはできません。
マイナ保険証を利用登録していない場合には、「資格確認書」を受診の際に提示していただけば、今まで通り保険診療を受けることができます。
資格確認書は現行の保険証の有効期間が過ぎた場合に、申請していただくことで取得できます。取得方法は、社会健康保険の場合は各自の会社へ、国民健康保険・後期高齢者保険の場合は居住地の区役所(あるいは市役所など)の保険年金課に届出していただくことになります。
原則として病院・診療所への受診の際は、従来から毎回保険証を提示することが決められています。ただし、作業が煩雑になるためほとんどの医療機関では月に1度確認させていただくかたちで運用されている場合がほとんどでした。
マイナ保険証を利用する最大のメリットは、投薬や検査などの情報を別の医療機関でも確認できる「鍵」になっているところで、より適切な医療を提供できる情報になっている点です。そのためにも、これらの情報を確認しても良いという同意をしていただき、受診のたびにマイナ保険証で受付することをお勧めします。
詳しく知りたい方は、以下へお問い合わせください。
横浜市 マイナ保険証移行等に関する専用コールセンター
TEL 045-620-8187 (来年1月末まで)
マイナンバー総合フリーダイヤル
TEL 0120-95-0178
マイナンバー総合フリーダイヤル
TEL 0120-95-0178
2024年11月30日土曜日
セブンのおにぎり 54
今回の新発売のおにぎりはこれ。
まず、安さが売りの「うれしい値!」シリーズの一つで、118円の「エリンギバター醤油」です。
御飯に細かき刻んだエリンギを混ぜて、醤油とバターを混ぜた感じの物。細かいことを言えば、みりん、ニンニクなども使っていて、いろいろと考えられた味なんだろうと思います。
実際に食べてみると、やっぱりそんな複雑さは感じません。普通にシンプル。エリンギは何とか食感を感じる程度を、念入りに計算しているように思いました。
もう一つは、「ベーコンチーズ焼きおにぎり」です。
厚さ1cmくらいの醤油味の焼きおにぎりを2枚使って、間に細かいベーコン入りのチーズが挟まっている。
さすがにチーズが使われているので、カロリーが気になりますが、236kcal/個と表記されています。これはさすがに多いので、食べるには罪悪感必至です。
2024年11月29日金曜日
違和感
違和感とは・・・
不適合、両立しない、相反する・・・といった意味であれば英語では「incompatibility」を使います。何となく気分がすぐれない、不快である・・・なら「malaise」になる。
これは違和感大あり。
東洋水産のマルちゃんブランドで、一番有名なカップ麺は、油揚げがのった「赤いきつね」うどんとかき揚げがのった「緑のたぬき」そばだと思います。
一目で、違和感。そもそもいつも見慣れているのは、平たい容器ですが、これは縦長。油揚げとかき揚げを小さくして、実質的な値上げになったのかと・・・
いやいや、そんなことより、驚くべきポイントは「赤いたぬき」と「緑のきつね」じゃないですか。
期間限定企画ということですが、もうこれは違和感しかない。
この場合は「strange feeling」でしかありません。
2024年11月28日木曜日
旨辛麺 @ ファミリーマート
ファミマで見つけた・・・「旨い辛い 旨辛麺」です。もう少しネーミングを何とかできなかったのかという・・・
それはともかく、注目した理由は・・・これはひょっとして、あの元祖ニュータンタンタルメン本舗イソゲンのレプリカではないかと思ったということ。
早速、チンしてみた。
おー、スープは少な目、具も少な目ですが、見た目は間違いない。唐辛子でむせるのも同じ。
ひき肉煎りかき卵、赤い唐辛子。ニンニクもしっかり香り立つ。味もたぶんほぼ再現しています。久しぶりにいいもの食べさせてもらいました。
右は本物ですけど、さすがにちょっと寂しいのですが、コンビニ麺としては我慢できるレベルでした。
2024年11月27日水曜日
タッチ (2005)
言わずと知れた、挿入歌のタイトル曲と共に、大人気だったあだち充原作のマンガを実写化した作品。ほぼマンガを読まない自分も、何と実は単行本を持っていました(!!)。監督は犬童一心、脚本は山室有紀子。
しばしば問題になるのは、マンガではすでに映像イメージがファンの中に固定されているため、実写化した場合に賛否両論が巻き起こるということ。たいていの場合は、イメージと食い違いがありすぎるとか、エピソードを端折りすぎという批判的な見方が多く、この映画もそういう意見にさらされました。
隣同士で、幼い時から兄弟のようにして育った双子の上杉和也(斎藤慶太)と上杉達也(斎藤祥太)、そして朝倉南(長澤まさみ)の3人は、思春期になって、明星高校に入学すると少しずつビミョーな関係性の変化が起こっていました。
3人で交わした約束は、必ず南を甲子園に連れて行くというものでしたが、達也は野球を辞めてしまい、ボクシングを始めますがどこか中途半端。南は野球部のマネージャーになり、エースになった和也を支える毎日。
地区大会決勝まで進んだ明星の対戦校は強打者、新田明男(福士誠治)を要する須見工です。しかし、試合に向かう途中和也は、交通事故にあい命を落としてしまうのです。エース不在の明星は敗退します。
もともと剛速球を投げられる達也を、同級生たちが再び野球に引き戻します。しかし、秋の大会で達也は多くの失点をしてしまい、和也のかわりにはなれないことを思い知らされるのです。南は甲子園に行くのは3人でした約束だったはずだと詰め寄りますが、今の達也には重たいだけの言葉でした。
しかし、親友らの言葉によって、和也の代わりではなく、自分が南と和也を甲子園に連れて行くと考えることができた達也は再び立ち上がるのでした。そして、再び地区大会が始まり、決勝は再び須見工との対戦になりました。マウンドに立つ達也は、観客席の南の姿を探してしまいます。打たれれば負けという新田との最後の勝負。ベンチの指示は敬遠でしたが、ナインは達也に勝負させることにしたのです。
ものすごく青春スポ根としてはベタな展開ですが、何しろ主人公の一人が死んでしまうというのは究極の涙ポイントで、もちろんこれは原作がそうだからしょうがない。確かに原作と異なるエピソードも入って来て、それにもかかわらずものすごいスピードでストーリーが進むので、批判されるのは理解できます。
が、しかし、約2時間にまとめるためには、それなりに原作をそぎ落とす必要があるのは当たり前。それでも、絶対に落とせない部分はしっかりと描き切ることが大事で、この作品はそれなりに映画的にはよくできている。それでも文句を言いたい人は、可愛い長澤まさみを見るための映画だと思えばいいんじゃないでしょうか。
しばしば問題になるのは、マンガではすでに映像イメージがファンの中に固定されているため、実写化した場合に賛否両論が巻き起こるということ。たいていの場合は、イメージと食い違いがありすぎるとか、エピソードを端折りすぎという批判的な見方が多く、この映画もそういう意見にさらされました。
隣同士で、幼い時から兄弟のようにして育った双子の上杉和也(斎藤慶太)と上杉達也(斎藤祥太)、そして朝倉南(長澤まさみ)の3人は、思春期になって、明星高校に入学すると少しずつビミョーな関係性の変化が起こっていました。
3人で交わした約束は、必ず南を甲子園に連れて行くというものでしたが、達也は野球を辞めてしまい、ボクシングを始めますがどこか中途半端。南は野球部のマネージャーになり、エースになった和也を支える毎日。
地区大会決勝まで進んだ明星の対戦校は強打者、新田明男(福士誠治)を要する須見工です。しかし、試合に向かう途中和也は、交通事故にあい命を落としてしまうのです。エース不在の明星は敗退します。
もともと剛速球を投げられる達也を、同級生たちが再び野球に引き戻します。しかし、秋の大会で達也は多くの失点をしてしまい、和也のかわりにはなれないことを思い知らされるのです。南は甲子園に行くのは3人でした約束だったはずだと詰め寄りますが、今の達也には重たいだけの言葉でした。
しかし、親友らの言葉によって、和也の代わりではなく、自分が南と和也を甲子園に連れて行くと考えることができた達也は再び立ち上がるのでした。そして、再び地区大会が始まり、決勝は再び須見工との対戦になりました。マウンドに立つ達也は、観客席の南の姿を探してしまいます。打たれれば負けという新田との最後の勝負。ベンチの指示は敬遠でしたが、ナインは達也に勝負させることにしたのです。
ものすごく青春スポ根としてはベタな展開ですが、何しろ主人公の一人が死んでしまうというのは究極の涙ポイントで、もちろんこれは原作がそうだからしょうがない。確かに原作と異なるエピソードも入って来て、それにもかかわらずものすごいスピードでストーリーが進むので、批判されるのは理解できます。
が、しかし、約2時間にまとめるためには、それなりに原作をそぎ落とす必要があるのは当たり前。それでも、絶対に落とせない部分はしっかりと描き切ることが大事で、この作品はそれなりに映画的にはよくできている。それでも文句を言いたい人は、可愛い長澤まさみを見るための映画だと思えばいいんじゃないでしょうか。
2024年11月26日火曜日
シムソンズ (2006)
北海道の常呂町出身のカーリング・チームのシムソンズは、2002年ソルト・レーク冬季オリンピックに日本代表として出場しました。現在は北見市のロコ・ソラーレが名実ともにNO.1ですが、シムソンズは日本中にカーリングを知らしめた元祖みたいなもの。
この映画は、シムソンズの成り立ちのエピソードを基に、それぞれ実在の選手をモデルにしたフィクションです。監督は「ストロベリー・ナイト」の佐藤佑市、脚本は大野敏哉です。
ホタテと玉ねぎ、そしてカーリングが名物の常呂町の高校生伊藤和子(加藤ローサ)は、根っから明るい性格。地元出身のカーリングのオリンピック選手、加藤真人(田中圭)にたまたまカーリング・チームを作ることを勧められます。実は、それは強豪女子チームのホワイト・エンジェルスから浮いてしまった尾中美希(藤井美菜)の居場所を作るためでした。
和子は同級生の受験勉強中の林田史江(星井七瀬)、酪農家の目立たない小野菜摘(高橋真唯)を口説きシムソンズを結成します。そこに真人に頼まれて現れたコーチは、ホタテ漁を仕事にしている大宮平太(大泉洋)でした。平太もかつては代表選手の一員でした。
しかし、いかんせん美希以外はまったく初心者で、ルールは理解していないしまともにストーンを投げることもままなりません。とりあえず出場した試合では、当然1点もとれず大敗します。何とか1点を取ることを目標に出場した次の試合では、小学生相手に苦戦。しかし、美希の最後の一投で何とか1点を取り引き分けました。
3人は1点取って大喜びでしたが、平太は美希に反則したことで怒ります。実はストーンを決められたラインを超えて手放していたのですが、美希は1点取れたのだから文句を言われることじゃないと反発します。そして、4人は喧嘩別れしてしまうのでした。
実は平太は大事な試合で、ラインを超えたことを自ら申告し優勝を逃した経験があり、そのことで今でも仲間から「常呂の恥」と呼ばれていたのです。平太は嘘をつくことより、チームとずっと仲間でいたかったのでした。
せっかく仲間としてカーリングを楽しめるようになってきたそれぞれは、自然に一緒に練習していた海岸に集まり、ついに美希も心を開き、チームとして結束を強めるのです。いよいよ北海道大会が始まり、シムソンズは勝ち進みホワイトエンジェルスと決勝を迎えるのでした。
たまたま結成直後の彼女たちに注目し、何かと追っかけ取材をするテレビ局ディレクターに松重豊、和子の母に森下愛子、平太らを育てたコーチに夏八木勲、シムソンズのたまり場の喫茶店主に高田延彦らが出演しています。
実話からはだいぶ脚色がされているそうですが、チームの4人のキャラクター分けが明快で、チームとしてまとまればそれなりに強みが出てくるところは納得です。そして、勝負も大事なのは当然ですが、何よりもカーリングそのものを楽しもうという雰囲気が心地よい作品になっています。
この映画は、シムソンズの成り立ちのエピソードを基に、それぞれ実在の選手をモデルにしたフィクションです。監督は「ストロベリー・ナイト」の佐藤佑市、脚本は大野敏哉です。
ホタテと玉ねぎ、そしてカーリングが名物の常呂町の高校生伊藤和子(加藤ローサ)は、根っから明るい性格。地元出身のカーリングのオリンピック選手、加藤真人(田中圭)にたまたまカーリング・チームを作ることを勧められます。実は、それは強豪女子チームのホワイト・エンジェルスから浮いてしまった尾中美希(藤井美菜)の居場所を作るためでした。
和子は同級生の受験勉強中の林田史江(星井七瀬)、酪農家の目立たない小野菜摘(高橋真唯)を口説きシムソンズを結成します。そこに真人に頼まれて現れたコーチは、ホタテ漁を仕事にしている大宮平太(大泉洋)でした。平太もかつては代表選手の一員でした。
しかし、いかんせん美希以外はまったく初心者で、ルールは理解していないしまともにストーンを投げることもままなりません。とりあえず出場した試合では、当然1点もとれず大敗します。何とか1点を取ることを目標に出場した次の試合では、小学生相手に苦戦。しかし、美希の最後の一投で何とか1点を取り引き分けました。
3人は1点取って大喜びでしたが、平太は美希に反則したことで怒ります。実はストーンを決められたラインを超えて手放していたのですが、美希は1点取れたのだから文句を言われることじゃないと反発します。そして、4人は喧嘩別れしてしまうのでした。
実は平太は大事な試合で、ラインを超えたことを自ら申告し優勝を逃した経験があり、そのことで今でも仲間から「常呂の恥」と呼ばれていたのです。平太は嘘をつくことより、チームとずっと仲間でいたかったのでした。
せっかく仲間としてカーリングを楽しめるようになってきたそれぞれは、自然に一緒に練習していた海岸に集まり、ついに美希も心を開き、チームとして結束を強めるのです。いよいよ北海道大会が始まり、シムソンズは勝ち進みホワイトエンジェルスと決勝を迎えるのでした。
たまたま結成直後の彼女たちに注目し、何かと追っかけ取材をするテレビ局ディレクターに松重豊、和子の母に森下愛子、平太らを育てたコーチに夏八木勲、シムソンズのたまり場の喫茶店主に高田延彦らが出演しています。
実話からはだいぶ脚色がされているそうですが、チームの4人のキャラクター分けが明快で、チームとしてまとまればそれなりに強みが出てくるところは納得です。そして、勝負も大事なのは当然ですが、何よりもカーリングそのものを楽しもうという雰囲気が心地よい作品になっています。
2024年11月25日月曜日
青空エール (2016)
青春っていいなぁ。おっさんが今更言うのは恥ずかしいところもありますが、スポ根性と応援する気持ちと、そしてせつない恋愛要素がバランスよくミックスした、青春映画のいいとこどりみたいな作品です。
原作は人気の高い河原和音のマンガで、「フォルトゥナの瞳」の三木孝浩が監督、「くちびるに歌を」の持地佑季子が脚本を担当しました。
引っ込み思案で、すぐにうつむいてしまう癖のある小野つばさ(土屋太鳳)が入学したのは白翔高校。楽器未経験のつばさは、経験者ばかりが集まる名門吹奏楽部にトランペットで入部を希望します。同級生の山田大介(竹内涼真)は野球部に入部し、二人はそれぞれの夢を叶える約束をするのでした。
つばさは3年生の森優花(志田未来)に個別の特訓をしてもらい少しずつ上達はするものの、定期演奏会では怖くて音を出せませんでした。そして、大介も地区大会決勝で自分のミスが原因で敗退してしまいます。その試合は吹奏楽部も応援に駆けつけていましたが、グランドで呆然としている大介に向かって、つばさは一人でルールを忘れてトランペットを吹いてしまい謹慎させられることになります。
大介はつばさにトランペットを吹いてくれたことのお礼をし、これからもともだちとして応援してほしいと言います。つばさは勇気をだして「ともだち・・・じゃなくて・・・」と告白しますが、大介は今は甲子園に行くこと以外は考えられないと伝えるのでした。
そして、二人は3年生になりました。大介はキャプテンとして、つばさも初心者の1年生を教える立場になっていました。しかし、つばさは吹奏楽コンクールのメンバーから漏れてしまいます。そして大介も練習試合で足首の骨折をしてしまい、「甲子園に絶対行く」、「甲子園でトランペットで応援する」という二人の夢に赤信号がともるのでした。
吹奏楽を厳しく、でも部員の事をやさしく見守る杉村先生に「スイングガール」で「のだめ」だった上野樹里というキャスティングも気が利いています。前半のもしもじ子さんの土屋太鳳は、やや演技がわざとらしい感じがしますが、後半のひたむきで努力し続ける頑張り屋の演技で帳消しにしています。竹内涼真は野球だけのドラマだったら暑苦しいかもしれませんが、比重が1/2なのでこちらも丁度良いところ。
主役の二人については、とても感情移入しやすい作りなので、野球の試合も吹奏楽のコンクールも自然と応援したくなる。べたべたし過ぎないところも好感が持てるところで、原作は未読ですが脚本の作りが素直でツボをしっかりおさえているというところでしょうか。
結末も、想像通りのハッピーエンドなんですが、野球の結果で本編を終わりにしたのは正解。吹奏楽の結果までしっかり入れると、冗漫になりすぎると思います。エンドロールの中で、さらっと結果だけ見せるというのはうまい方法でした。
原作は人気の高い河原和音のマンガで、「フォルトゥナの瞳」の三木孝浩が監督、「くちびるに歌を」の持地佑季子が脚本を担当しました。
引っ込み思案で、すぐにうつむいてしまう癖のある小野つばさ(土屋太鳳)が入学したのは白翔高校。楽器未経験のつばさは、経験者ばかりが集まる名門吹奏楽部にトランペットで入部を希望します。同級生の山田大介(竹内涼真)は野球部に入部し、二人はそれぞれの夢を叶える約束をするのでした。
つばさは3年生の森優花(志田未来)に個別の特訓をしてもらい少しずつ上達はするものの、定期演奏会では怖くて音を出せませんでした。そして、大介も地区大会決勝で自分のミスが原因で敗退してしまいます。その試合は吹奏楽部も応援に駆けつけていましたが、グランドで呆然としている大介に向かって、つばさは一人でルールを忘れてトランペットを吹いてしまい謹慎させられることになります。
大介はつばさにトランペットを吹いてくれたことのお礼をし、これからもともだちとして応援してほしいと言います。つばさは勇気をだして「ともだち・・・じゃなくて・・・」と告白しますが、大介は今は甲子園に行くこと以外は考えられないと伝えるのでした。
そして、二人は3年生になりました。大介はキャプテンとして、つばさも初心者の1年生を教える立場になっていました。しかし、つばさは吹奏楽コンクールのメンバーから漏れてしまいます。そして大介も練習試合で足首の骨折をしてしまい、「甲子園に絶対行く」、「甲子園でトランペットで応援する」という二人の夢に赤信号がともるのでした。
吹奏楽を厳しく、でも部員の事をやさしく見守る杉村先生に「スイングガール」で「のだめ」だった上野樹里というキャスティングも気が利いています。前半のもしもじ子さんの土屋太鳳は、やや演技がわざとらしい感じがしますが、後半のひたむきで努力し続ける頑張り屋の演技で帳消しにしています。竹内涼真は野球だけのドラマだったら暑苦しいかもしれませんが、比重が1/2なのでこちらも丁度良いところ。
主役の二人については、とても感情移入しやすい作りなので、野球の試合も吹奏楽のコンクールも自然と応援したくなる。べたべたし過ぎないところも好感が持てるところで、原作は未読ですが脚本の作りが素直でツボをしっかりおさえているというところでしょうか。
結末も、想像通りのハッピーエンドなんですが、野球の結果で本編を終わりにしたのは正解。吹奏楽の結果までしっかり入れると、冗漫になりすぎると思います。エンドロールの中で、さらっと結果だけ見せるというのはうまい方法でした。
2024年11月24日日曜日
フレフレ少女 (2008)
「ビリギャル」の橋本裕志が脚本、「はい、泳げません」の渡辺謙作が監督した青春映画。
内気で読書ばかりしている桜木高校2年の百山桃子(新垣結衣)に、野球部1年の大嶋の打ったボールが当たり桃子は気を失う。桃子は保健室で気がつくと、目の前で必死に謝る大嶋に一目ぼれしてしまいます。
しかし、野球の実力もある大嶋は女子たちの憧れの的で、簡単に近づけるわけもない。そんな時、一人で学校の屋上で応援団練習をする山本龍太郎(永山絢斗)の団訓に励まされた桃子は、大嶋を応援するという目的で応援団に入団します。
しかし、団員は他にいないため応援団は廃部寸前。桃子は必死に勧誘して、1年生の遠藤譲二(柄本時生)、田村晃(染谷将太)、大坪泰平(斎藤嘉樹)を入団させ、龍太郎の進言もあって第50代団長に就任します。
早速、ライバル不知火高校との練習試合で野球部を応援することになりますが、まともな応援ができないばかりか試合の邪魔をしてしまい、野球部からはもう来るなと言われ、不知火高からはエール交換を断られ、大嶋も不知火高に転校してしまうのでした。
内気で読書ばかりしている桜木高校2年の百山桃子(新垣結衣)に、野球部1年の大嶋の打ったボールが当たり桃子は気を失う。桃子は保健室で気がつくと、目の前で必死に謝る大嶋に一目ぼれしてしまいます。
しかし、野球の実力もある大嶋は女子たちの憧れの的で、簡単に近づけるわけもない。そんな時、一人で学校の屋上で応援団練習をする山本龍太郎(永山絢斗)の団訓に励まされた桃子は、大嶋を応援するという目的で応援団に入団します。
しかし、団員は他にいないため応援団は廃部寸前。桃子は必死に勧誘して、1年生の遠藤譲二(柄本時生)、田村晃(染谷将太)、大坪泰平(斎藤嘉樹)を入団させ、龍太郎の進言もあって第50代団長に就任します。
早速、ライバル不知火高校との練習試合で野球部を応援することになりますが、まともな応援ができないばかりか試合の邪魔をしてしまい、野球部からはもう来るなと言われ、不知火高からはエール交換を断られ、大嶋も不知火高に転校してしまうのでした。
その様子を見ていた第23代団長の柳原(内藤剛志)は、5人を合宿に誘います。思っていた以上に厳しい合宿で、それぞれは悲鳴を上げ逃げだしたくなりますが、誰かを応援することの意味、そのためには応援される側以上に努力をしないといけないということに気がつき、やっと応援団として自覚することができるようになりました。
野球部以外も応援することで、少しずつ実績を上げている頃、野球部はついに甲子園への地区大会決勝に進みます。相手は大嶋を擁する因縁の不知火高。桃子はチアリーディング部や吹奏楽部に頭を下げ応援に協力してもらい、野球部を甲子園に送り出すための応援が始まるのでした。
起-素人が一念発起、承-失敗して挫折、転-光を見出して成長、結-努力が実を結ぶ、という実に絵に書いたようなストーリーで、よほどのことが無い限りは失敗しない展開です。
この映画のポイントは、裏方的な応援団に焦点を当てたところ。本気の応援は間違いなく競技をしている側の力になるわけで、そのためには応援にもそれなりの頑張りが必要ということ。陰のスポ根として、この着眼点はなかなか面白い。
ただし、女子が硬派の応援団長になるというのは・・・ガッキー・ファンは大喜びだとは思いますが、やや設定に無理を感じます。もっとも加藤諒がチアガールになって登場するので、男女の垣根を超えたところを表現したいという意図があるのかもしれません。
2024年11月23日土曜日
リンダ・リンダ・リンダ (2005)
映画プロデューサー根岸洋之の原案からスタートし、監督・脚本の山下敦弘が肉付けして完成した、女子高校生がバンドを組んで、文化祭での演奏を目指す4日間を描いた青春映画。彼女たちの飾らないリアルを描いたことで、各映画誌からも高い評価を得ています。
明日から3日間の文化祭が始まるというその前日、山田響子(前田亜季)がドラムをたたくガールズバンドは、ギター担当が指のケガをして抜け、そのことでキーボード立花恵(香椎由宇)とボーカル丸本凛子(三村恭代)が喧嘩になって、凛子がバンドを抜けてしまいました。
しかし、響子と恵とベースの白河望(関根史織)は、文化祭最終日のステージをあきらめられず、たまたまとおりかかった韓国からの留学生ソン(ペ・ドゥナ)を急遽ボーカルに決め、恵がギターを担当することにしました。オリジナル曲を演奏するのは到底無理なので、THE BLUE HEARTSの楽曲を演奏することにして急遽練習を始めます。
日本語が不得意なソン、ふだんギター担当じゃない恵ですから、最初は音を合わせようとしてもボロボロです。しかし、時間が無いので文化祭が始まっても合間をぬって練習に打ち込む4人。ときどき恋バナで盛り上がり、先輩との交流などがあり、次第にバンドとして形になっていくのでした。
いよいよ最終日、軽音楽部のロック・フェスが始まりましたが、観客はまばら。4人は連日の猛練習で寝込んでしまいます。出番になっても現れないため、仲間たちがいろいろと歌ったりして時間をつないでいるうちに、外は突然の豪雨。気がついた4人は、雨でびしょ濡れになりながら会場の体育館に駆け込みます。雨宿りで大勢集まった中で、彼女たちは思い切り「リンダ・リンダ」を歌い大喝采を受けるのでした。
ちょっとしたことで喧嘩したり、気のある男の子にドキドキしたり、学校に忍び込んでこっそり練習したり・・・いかにも高校生ならやりそうな、あるいは高校生の頃に誰もがやったことがあるようなエピソードの積み重ねで、特別に大きな事件が起こるわけではありません。
かえって、そこが高校生たちのリアリティを浮き彫りにするところ。本来、異質な韓国人留学生を混ぜることで、ストーリーとしての面白さを強めているのは企画の勝利という感じです。ソンに告白して相手にされな男子で松山ケンイチ、軽音部の部長で小出恵介が登場しますが、まぁ、みなさん若い事若い事。
急場しのぎのバンドをやって意味があるのかと問われ、楽しければいいじゃんと答えるあたりに本質があるように思います。自分も高校生のときに文化祭展示の経験がありますが、特別な達成感を得たかったわけではなく、確かに楽しいからやっていたというのが真実のように思います。
・・・と、ほめているようですが、そして評価も高いらしいのですが、はっきり言って似たようなシチュエーションが続くだけなので、だいぶ退屈な映画であることは間違いない。つまり、リアルに傾き過ぎてめりはりが乏しいというのは、商業映画としてはどうなんだろうという感じがしました。
明日から3日間の文化祭が始まるというその前日、山田響子(前田亜季)がドラムをたたくガールズバンドは、ギター担当が指のケガをして抜け、そのことでキーボード立花恵(香椎由宇)とボーカル丸本凛子(三村恭代)が喧嘩になって、凛子がバンドを抜けてしまいました。
しかし、響子と恵とベースの白河望(関根史織)は、文化祭最終日のステージをあきらめられず、たまたまとおりかかった韓国からの留学生ソン(ペ・ドゥナ)を急遽ボーカルに決め、恵がギターを担当することにしました。オリジナル曲を演奏するのは到底無理なので、THE BLUE HEARTSの楽曲を演奏することにして急遽練習を始めます。
日本語が不得意なソン、ふだんギター担当じゃない恵ですから、最初は音を合わせようとしてもボロボロです。しかし、時間が無いので文化祭が始まっても合間をぬって練習に打ち込む4人。ときどき恋バナで盛り上がり、先輩との交流などがあり、次第にバンドとして形になっていくのでした。
いよいよ最終日、軽音楽部のロック・フェスが始まりましたが、観客はまばら。4人は連日の猛練習で寝込んでしまいます。出番になっても現れないため、仲間たちがいろいろと歌ったりして時間をつないでいるうちに、外は突然の豪雨。気がついた4人は、雨でびしょ濡れになりながら会場の体育館に駆け込みます。雨宿りで大勢集まった中で、彼女たちは思い切り「リンダ・リンダ」を歌い大喝采を受けるのでした。
ちょっとしたことで喧嘩したり、気のある男の子にドキドキしたり、学校に忍び込んでこっそり練習したり・・・いかにも高校生ならやりそうな、あるいは高校生の頃に誰もがやったことがあるようなエピソードの積み重ねで、特別に大きな事件が起こるわけではありません。
かえって、そこが高校生たちのリアリティを浮き彫りにするところ。本来、異質な韓国人留学生を混ぜることで、ストーリーとしての面白さを強めているのは企画の勝利という感じです。ソンに告白して相手にされな男子で松山ケンイチ、軽音部の部長で小出恵介が登場しますが、まぁ、みなさん若い事若い事。
急場しのぎのバンドをやって意味があるのかと問われ、楽しければいいじゃんと答えるあたりに本質があるように思います。自分も高校生のときに文化祭展示の経験がありますが、特別な達成感を得たかったわけではなく、確かに楽しいからやっていたというのが真実のように思います。
・・・と、ほめているようですが、そして評価も高いらしいのですが、はっきり言って似たようなシチュエーションが続くだけなので、だいぶ退屈な映画であることは間違いない。つまり、リアルに傾き過ぎてめりはりが乏しいというのは、商業映画としてはどうなんだろうという感じがしました。
2024年11月22日金曜日
弱虫ペダル (2020)
渡辺航のマンガが原作で、自転車ロードレースにかける高校生を描いたもの。三木康一郎が監督・脚本を担当しました。キャスティングだけ見ると、アイドル映画のように感じますが、なかなか胸熱な青春根性物に仕上がっています。
総北高校に入学した小野田坂道(永瀬廉)は、秋葉原まで毎週往復90kmをママチャリで通うアニメ・オタク。その天性の走りを見た、中学から自転車の実力がある新入生の今泉(伊藤健太郎)は、坂道を自転車競技部に誘います。また関西から、総北に入学した鳴子(坂東龍汰)も、今泉にライバル心をむき出しにします。
総北高校の自転車競技部はインターハイに出場するような強豪で、新入生の実力を見るためのレースが行われましたが、部長の田所は競技素人でママチャリの坂道には走らなくい良いと言うのです。しかし、今泉や鳴子と一緒に走る楽しさがわかり、初めてともだちを持った坂道は承知しませんでした。
部の自転車整備の面倒を見ているのは寒咲自転車で、その娘寒咲幹(橋本環奈)は部のマネージャーで、坂道に競技自転車を提供するのです。坂道はだいぶ遅れてスタートすることになりましたが、ついに上り坂で先行する今泉と鳴子に追い付き、クライマーとしての才能があることを先輩たちに知らしめるのでした。
いよいよ地方大会となり、勝てばインターハイへの出場が決まる大勝負の時。田所は三年生3人と1年生3人のチームで勝負します。団体戦は、一人でも最初にゴールしたチームの勝利となります。田所の作戦は、三年生一人を先行させ、スタミナのある鳴子を最も風圧を受ける先頭で走らせ残り4人が後ろについてスタミナを温存、ゴール前の上り坂で坂道が今泉を先導し、最後に一気に今泉にスパートさせるというものでした。しかし、何と坂道は集団の転倒事故に巻き込まれてしまうのでした。
多少ストーリー展開が早くて強引なところはありますが、その分あきることなく最後まで見れます。また、坂道のキャラクター設定もかなりファンタジーな感じもしますが、まぁ、これが許せるのはテンポの良さがあるから。ゆっくり、じっくりだと突っ込み所満載になってしまうかもしれません。少なくとも、自転車の団体レースの駆け引きの面白さは十分に伝わります。この辺りは映画の作り手の勝利というところでしょうか。
俺が俺がの今泉と鳴子が、チームの勝利のために自分を殺して頑張るというところは、本来はもう少しそれぞれのキャラを深く描いてもらいたいところですが、坂道の初めて信用され仲間のために奮闘するところだけでも拍手したくなるのでよしとしましょう。
総北高校に入学した小野田坂道(永瀬廉)は、秋葉原まで毎週往復90kmをママチャリで通うアニメ・オタク。その天性の走りを見た、中学から自転車の実力がある新入生の今泉(伊藤健太郎)は、坂道を自転車競技部に誘います。また関西から、総北に入学した鳴子(坂東龍汰)も、今泉にライバル心をむき出しにします。
総北高校の自転車競技部はインターハイに出場するような強豪で、新入生の実力を見るためのレースが行われましたが、部長の田所は競技素人でママチャリの坂道には走らなくい良いと言うのです。しかし、今泉や鳴子と一緒に走る楽しさがわかり、初めてともだちを持った坂道は承知しませんでした。
部の自転車整備の面倒を見ているのは寒咲自転車で、その娘寒咲幹(橋本環奈)は部のマネージャーで、坂道に競技自転車を提供するのです。坂道はだいぶ遅れてスタートすることになりましたが、ついに上り坂で先行する今泉と鳴子に追い付き、クライマーとしての才能があることを先輩たちに知らしめるのでした。
いよいよ地方大会となり、勝てばインターハイへの出場が決まる大勝負の時。田所は三年生3人と1年生3人のチームで勝負します。団体戦は、一人でも最初にゴールしたチームの勝利となります。田所の作戦は、三年生一人を先行させ、スタミナのある鳴子を最も風圧を受ける先頭で走らせ残り4人が後ろについてスタミナを温存、ゴール前の上り坂で坂道が今泉を先導し、最後に一気に今泉にスパートさせるというものでした。しかし、何と坂道は集団の転倒事故に巻き込まれてしまうのでした。
多少ストーリー展開が早くて強引なところはありますが、その分あきることなく最後まで見れます。また、坂道のキャラクター設定もかなりファンタジーな感じもしますが、まぁ、これが許せるのはテンポの良さがあるから。ゆっくり、じっくりだと突っ込み所満載になってしまうかもしれません。少なくとも、自転車の団体レースの駆け引きの面白さは十分に伝わります。この辺りは映画の作り手の勝利というところでしょうか。
俺が俺がの今泉と鳴子が、チームの勝利のために自分を殺して頑張るというところは、本来はもう少しそれぞれのキャラを深く描いてもらいたいところですが、坂道の初めて信用され仲間のために奮闘するところだけでも拍手したくなるのでよしとしましょう。
2024年11月21日木曜日
自宅居酒屋 #90 大根
自宅居酒屋は「簡単、早い、旨い」の三拍子がそろった家で楽しむ居酒屋メニューというコンセプトで、大根は何度も登場した素材です。
久しぶりに、スーパーで立派な大根が安く売られていたので、シンプルに煮てみました。ただ大根を美味しく煮るには、けっこう時間がかかる。早さを実現するためには、薄くすれば良いのですが、やはりおでんに入っているようなでっかいのを食べたくなります。
そこで・・・やることは簡単ですが、少し時間がかかる方法です。
朝、鍋にお湯を沸かして切って皮をむいた大根を食べたいだけいれます。今回は圧は約4cmくらいにしました。大根の横断面の直径の2/3くらいが見た目に美しいと思います。なお、今回は煮崩れの心配はないので面取りは省略。
煮ている時間は10分程度。当然、それだけでは芯まで火が通らない。でも、鍋に蓋をして、仕事に向かいます。
夜、蓋を開けると一応全体が透明になっている。そこで、ここに市販の白だしを適量入れて、再び火にかけます。ここでも10分くらい煮たら火を止めて、もう寝ます。
翌朝、蓋を開けると、しっかり味がしみ込んでいそうな感じ。今回は大根のみとしましたが、もしもイカとか、ブリ、とか鶏肉を入れたければ、このタイミングで入れてみたい。もう一度10分程度煮たら、また仕事に向かいます。
そして、いよいよ夜になったら、火にかけて温めると食べる準備OKです。今回は薄味にしたので、大根の味を感じることができました。
煮続けなくても、冷めるときに鍋の中が陰圧になるので素材に汁がしみ込みやすくなり、なおかつ煮崩れしないので、時間はかかりますが簡単で美味しいところは実現できました。
2024年11月20日水曜日
ロボコン (2003)
つくづく青春とは一つじゃないなぁ、と思う映画。高校生が目指すのは高専ロボット・コンテスト、通称ロボコンの優勝です。実際に毎年行われていて、もしかしたら未来を決定づけるよなものが登場するかもしれません。監督・脚本は古厩智之。
徳山高等専門学校、通称徳山高専に通う葉沢里美(長澤まさみ)は、成績も悪く何事にも興味が持てない毎日を送っていました。ロボット好きの図師先生(鈴木一真)は、そんな里美にロボット部に入ってみろとすすめます。
徳間高専には、部長の豪原(荒川良々)が率いるエリート的なロボット部Aがありましたが、図師先生が連れて行ったのは自分が顧問を務めるロボット部Bの方。部長の四谷(伊藤淳史)は知識欲は旺盛だが引っ込み思案。設計を担当している相田(小栗旬)は、実力はあるが他人に感謝することを知らないわがままな人間。そして工作担当の竹内(塚本高史)は、器械の扱いは天才的ですが、遊び優先でろくに部に顔を出さない。
そんなやる気が見えない連中に憤慨する里美でしたが、操縦を任されるとその面白さに気がつきます。ロボコンでは、各自が作ったロボット(人間型ではありません)を操作して箱を積み上げることで勝敗が決まります。地区予選ではAチームが優勝し全国大会が決まります。Bチームは敗北しますが、審査員推薦枠で全国に行けることになるのでした。
竹内もやっと本腰を入れてロボットをさらに仕上げることにしたので、やっとメンバーがそろいます。4人は、図師先生の合宿をしようの一言で、海辺の旅館に出かけ昼は旅館の手伝い、そして午後はロボット制作に集中し、しだいに仲間としての絆が深まっていくのでした。
長澤まさみ、1987年生まれ。小栗旬・塚本高史、1982年生まれ。伊藤淳史、1983年生まれ。ですから、主要キャストは、この映画撮影時には全員が十代。伊藤淳史だけは、ほとんど現在と変わっていないというのは、ある意味驚きです。長澤まさみは初めての主演作品で、ファン曰く「一番可愛い」らしい。
とは言っても、とにかく残念感が強い映画と言わざるをえない。責任は脚本も担当した監督にあるのは明白。せっかく「ロボット」という面白い素材を使いながら、その魅力が伝わってこない。いつでもその大きな全体像を映そうとしているのか、ロボットを作ることの精密さや動きの面白さがあまりよくわからない。
特に後半の全国大会の数試合の様子などは、観客席からの撮影がほとんどで、まるで実際の試合の中継を見ている感じ。すべて長澤まさみが本当に操作したとのことですが、そういった臨場感が伝わってきません。設計図ばかり書いている小栗旬も、その図面がよく見えないので、やはりすごさが実感できません。
また、台詞のやりとりでも妙な間がたくさんあって、なかなか盛り上がれない。もっと、彼らが「乗り越えていく」演出の仕方があっただろうにと思ってしまいます。音楽は会話を邪魔しない程度のでてくるのですが、これももや~とした音楽であまり感心しません。まぁ、そんなところをがまんして、キャストの新鮮さ楽しむ映画というところでしょうか。
徳山高等専門学校、通称徳山高専に通う葉沢里美(長澤まさみ)は、成績も悪く何事にも興味が持てない毎日を送っていました。ロボット好きの図師先生(鈴木一真)は、そんな里美にロボット部に入ってみろとすすめます。
徳間高専には、部長の豪原(荒川良々)が率いるエリート的なロボット部Aがありましたが、図師先生が連れて行ったのは自分が顧問を務めるロボット部Bの方。部長の四谷(伊藤淳史)は知識欲は旺盛だが引っ込み思案。設計を担当している相田(小栗旬)は、実力はあるが他人に感謝することを知らないわがままな人間。そして工作担当の竹内(塚本高史)は、器械の扱いは天才的ですが、遊び優先でろくに部に顔を出さない。
そんなやる気が見えない連中に憤慨する里美でしたが、操縦を任されるとその面白さに気がつきます。ロボコンでは、各自が作ったロボット(人間型ではありません)を操作して箱を積み上げることで勝敗が決まります。地区予選ではAチームが優勝し全国大会が決まります。Bチームは敗北しますが、審査員推薦枠で全国に行けることになるのでした。
竹内もやっと本腰を入れてロボットをさらに仕上げることにしたので、やっとメンバーがそろいます。4人は、図師先生の合宿をしようの一言で、海辺の旅館に出かけ昼は旅館の手伝い、そして午後はロボット制作に集中し、しだいに仲間としての絆が深まっていくのでした。
長澤まさみ、1987年生まれ。小栗旬・塚本高史、1982年生まれ。伊藤淳史、1983年生まれ。ですから、主要キャストは、この映画撮影時には全員が十代。伊藤淳史だけは、ほとんど現在と変わっていないというのは、ある意味驚きです。長澤まさみは初めての主演作品で、ファン曰く「一番可愛い」らしい。
とは言っても、とにかく残念感が強い映画と言わざるをえない。責任は脚本も担当した監督にあるのは明白。せっかく「ロボット」という面白い素材を使いながら、その魅力が伝わってこない。いつでもその大きな全体像を映そうとしているのか、ロボットを作ることの精密さや動きの面白さがあまりよくわからない。
特に後半の全国大会の数試合の様子などは、観客席からの撮影がほとんどで、まるで実際の試合の中継を見ている感じ。すべて長澤まさみが本当に操作したとのことですが、そういった臨場感が伝わってきません。設計図ばかり書いている小栗旬も、その図面がよく見えないので、やはりすごさが実感できません。
また、台詞のやりとりでも妙な間がたくさんあって、なかなか盛り上がれない。もっと、彼らが「乗り越えていく」演出の仕方があっただろうにと思ってしまいます。音楽は会話を邪魔しない程度のでてくるのですが、これももや~とした音楽であまり感心しません。まぁ、そんなところをがまんして、キャストの新鮮さ楽しむ映画というところでしょうか。
2024年11月19日火曜日
銀の匙 (2013)
青春を燃やすのは何もスポーツだけじゃない。勝ち負けがかかっていなくて、他人がどう思おうと、何かに一生懸命になっていればそれが青春だ!! という感じの映画です。荒川弘のマンガが原作で、監督・脚本は吉田恵輔です。
中学は進学校に入学しながら落ちこぼれてしまい、全寮制の大蝦夷農業高等学校に入学した八軒勇吾(中島健人)は、ほとんどが酪農家の出身の同級生の中で、サラリーマン家庭に育ち自信も目標も無いことに引け目を感じているのでした。
明るい性格で何かと八軒を誘ってくれる御影アキ(広瀬アリス)、目的意識の無さを批判的に見る駒場一郎(市川知宏)、ひょうきんでムードメーカーの常盤恵次(矢本悠馬)、生真面目で丸い体形の稲田多摩子(安田カナ)、おとなしい吉野まゆみ(岸井ゆきの)らとの生活は、実習中心で朝早くからやることが多く、八軒にとっては初めての事ばかりでした。
駒場に酪農をなめていると言われ、親の後を継げばいいだけの奴に競争社会で押し潰れるつらさがわかるものかと反発します。しかし、駒場の家の牧場は借金のため手放さるをえなくなり、駒場も学校を退学することになってしまうのです。
夢が無かった八軒は、夢が無いことはこれから何でも自由にやれることに気がつき、親のために自らの夢をあきらめようとしていたアキや駒場のために、皆が自分のために頑張れることを始めようと思いつくのでした。
八軒らを温かい目で見守る中島先生には中村獅童、豚舎を管理する富士先生には吹石一恵、夢がないと言った八軒が楽しみだと言う校長は上島竜兵、アキの幼馴染で馬術のライバルに黒木華、勝手に高校を決めた八軒に「もう期待しない」と言いつつも陰で応援している父親に吹越満、アキの父親に竹内力、祖父に石橋蓮司、叔父に哀川翔らが登場しています。
タイトルの「銀の匙 (Silver Spoon)」は、学食の入口に飾られ校長が大事にしているもの。映画の中では「外国の言い伝えで、銀の匙を持って生まれたこどもは生涯食うに困らない」と説明されています。
中心となるキャストは全員、まだまだブレーク前。妹が有名になる前の広瀬アリスは、確かにまだまだという感じがありますが、矢本悠馬はすでにコメディ・リリーフとしていい味を出しています。上島竜兵が笑い抜きでいい感じを出しているのは新鮮な感じがしました。
敷かれたレールに乗り切れず挫折した主人公が、自ら自分のレールを敷き直す。しかも、まだどうにでもなれる青春の熱い思いみたいなものが上乗せされれば、よほどのことが無い限りそれなりに拍手をしたくなるというものです。
これも中島健人のアイドル映画と単純に切り捨てるのはもったいない。名作とまではいかないにしても、見て損はしない映画になっていると思いました。
中学は進学校に入学しながら落ちこぼれてしまい、全寮制の大蝦夷農業高等学校に入学した八軒勇吾(中島健人)は、ほとんどが酪農家の出身の同級生の中で、サラリーマン家庭に育ち自信も目標も無いことに引け目を感じているのでした。
明るい性格で何かと八軒を誘ってくれる御影アキ(広瀬アリス)、目的意識の無さを批判的に見る駒場一郎(市川知宏)、ひょうきんでムードメーカーの常盤恵次(矢本悠馬)、生真面目で丸い体形の稲田多摩子(安田カナ)、おとなしい吉野まゆみ(岸井ゆきの)らとの生活は、実習中心で朝早くからやることが多く、八軒にとっては初めての事ばかりでした。
子豚の世話を始めますが、秋には食用として出荷されると聞いてショックを受ける。駒場に酪農をなめていると言われ、夏休みにアキの家でバイトをすると、大量の牛乳を流してしまいます。
駒場に酪農をなめていると言われ、親の後を継げばいいだけの奴に競争社会で押し潰れるつらさがわかるものかと反発します。しかし、駒場の家の牧場は借金のため手放さるをえなくなり、駒場も学校を退学することになってしまうのです。
夢が無かった八軒は、夢が無いことはこれから何でも自由にやれることに気がつき、親のために自らの夢をあきらめようとしていたアキや駒場のために、皆が自分のために頑張れることを始めようと思いつくのでした。
八軒らを温かい目で見守る中島先生には中村獅童、豚舎を管理する富士先生には吹石一恵、夢がないと言った八軒が楽しみだと言う校長は上島竜兵、アキの幼馴染で馬術のライバルに黒木華、勝手に高校を決めた八軒に「もう期待しない」と言いつつも陰で応援している父親に吹越満、アキの父親に竹内力、祖父に石橋蓮司、叔父に哀川翔らが登場しています。
タイトルの「銀の匙 (Silver Spoon)」は、学食の入口に飾られ校長が大事にしているもの。映画の中では「外国の言い伝えで、銀の匙を持って生まれたこどもは生涯食うに困らない」と説明されています。
中心となるキャストは全員、まだまだブレーク前。妹が有名になる前の広瀬アリスは、確かにまだまだという感じがありますが、矢本悠馬はすでにコメディ・リリーフとしていい味を出しています。上島竜兵が笑い抜きでいい感じを出しているのは新鮮な感じがしました。
敷かれたレールに乗り切れず挫折した主人公が、自ら自分のレールを敷き直す。しかも、まだどうにでもなれる青春の熱い思いみたいなものが上乗せされれば、よほどのことが無い限りそれなりに拍手をしたくなるというものです。
これも中島健人のアイドル映画と単純に切り捨てるのはもったいない。名作とまではいかないにしても、見て損はしない映画になっていると思いました。
2024年11月18日月曜日
アナザーヘヴン (2000)
飯田譲治、梓河人の共著による小説が原作で、飯田譲治が自ら脚本・獲得した映画です。正体不明の犯人による猟奇殺人事件を追う二人の刑事の活躍を描くサスペンス・・・と思ったら、どちらかというとホラーに近い話で、何だかわかったようなわからないような作品です。
殺人件場に駆け付けた刑事の早瀬学(江口洋介)は、頭が割られ脳が取り出された遺体に愕然とします。しかも、部屋の台所には鍋に作りかけの料理が残されていて、煮ていたのは被害者の脳でした。
早瀬はベテランの飛鷹(原田芳雄)と捜査に当たりますが、被害者の首がねじ切られるように殺害されている手口から、相当力の強い男が犯人と考えられました。早瀬は、かつて犯罪組織から助けた大庭朝子(市川実和子)と付き合っていましたが、朝子は直観力の強い女性でした。早瀬が持ち帰ったた捜査資料を見た朝子は、料理のことなどから犯人は女性だと言います。
続けて同じような遺体が見つかり、現場に残されたものから女子大生の柏木千鶴(岡元夕紀子)が容疑者として浮かびます。千鶴は、クラブで3人の男を連れ出し一人を殺害、一人は何とか逃げ出し警察に通報します。早瀬らが駆けつけると、柏木千鶴は死亡しており脳がほとんど委縮して無くなっていました。
現場で保護されたもう一人は、気弱な性格の木村敦(柏原崇)でしたが、今度は木村からプレゼントがあると早瀬に電話がかかってきます。指定の場所には、今までと同じような惨殺死体がありました。木村は人間離れした超人的な運動能力で現場から逃亡します。
オカルトや超常現象を使用しない飛鷹も、さすがにこの事件が普通ではないことを認めます。検視官の赤城(柄本明)は、千鶴の遺体の様子から、「ナニカ」が脳に侵入し、超人的な能力で狂暴な犯罪を起こしているとしか考えられないと説明します。侵入されて脳は腫瘍化して委縮し、肉体が使えなくなると別の体に移るのではないかという仮説を立てるのでした。
木村の襲撃でケガをした早瀬は警察病院で治療を受けますが、担当医の笹本(松雪泰子)に乗り移った「ナニカ」は早瀬に近づいてくるのでした。
今から考えると、ずいぶんと豪華なキャスティングでずいぶんと謎の多い映画を作ったものだと、別の意味で拍手を送りたくなりますが、何となく「ナニカ」の正体についても言及されているものの、最後は「誰にでもある悪意」みたいなものとしているのはわかったようでわからない。
悪意の塊であるような人間が犯人というのであれば、まぁまぁサスペンスの秀作くらいにはなったのかもしれませんが、いかんせん犯人が「ナニカ」なので、モヤモヤが残るところ。グロい場面はそれほど多くはありませんが、見る人を選ぶ映画だと思います。
殺人件場に駆け付けた刑事の早瀬学(江口洋介)は、頭が割られ脳が取り出された遺体に愕然とします。しかも、部屋の台所には鍋に作りかけの料理が残されていて、煮ていたのは被害者の脳でした。
早瀬はベテランの飛鷹(原田芳雄)と捜査に当たりますが、被害者の首がねじ切られるように殺害されている手口から、相当力の強い男が犯人と考えられました。早瀬は、かつて犯罪組織から助けた大庭朝子(市川実和子)と付き合っていましたが、朝子は直観力の強い女性でした。早瀬が持ち帰ったた捜査資料を見た朝子は、料理のことなどから犯人は女性だと言います。
続けて同じような遺体が見つかり、現場に残されたものから女子大生の柏木千鶴(岡元夕紀子)が容疑者として浮かびます。千鶴は、クラブで3人の男を連れ出し一人を殺害、一人は何とか逃げ出し警察に通報します。早瀬らが駆けつけると、柏木千鶴は死亡しており脳がほとんど委縮して無くなっていました。
現場で保護されたもう一人は、気弱な性格の木村敦(柏原崇)でしたが、今度は木村からプレゼントがあると早瀬に電話がかかってきます。指定の場所には、今までと同じような惨殺死体がありました。木村は人間離れした超人的な運動能力で現場から逃亡します。
オカルトや超常現象を使用しない飛鷹も、さすがにこの事件が普通ではないことを認めます。検視官の赤城(柄本明)は、千鶴の遺体の様子から、「ナニカ」が脳に侵入し、超人的な能力で狂暴な犯罪を起こしているとしか考えられないと説明します。侵入されて脳は腫瘍化して委縮し、肉体が使えなくなると別の体に移るのではないかという仮説を立てるのでした。
木村の襲撃でケガをした早瀬は警察病院で治療を受けますが、担当医の笹本(松雪泰子)に乗り移った「ナニカ」は早瀬に近づいてくるのでした。
今から考えると、ずいぶんと豪華なキャスティングでずいぶんと謎の多い映画を作ったものだと、別の意味で拍手を送りたくなりますが、何となく「ナニカ」の正体についても言及されているものの、最後は「誰にでもある悪意」みたいなものとしているのはわかったようでわからない。
悪意の塊であるような人間が犯人というのであれば、まぁまぁサスペンスの秀作くらいにはなったのかもしれませんが、いかんせん犯人が「ナニカ」なので、モヤモヤが残るところ。グロい場面はそれほど多くはありませんが、見る人を選ぶ映画だと思います。
2024年11月17日日曜日
揚州商人 @ 北山田
揚州商人は、東京・神奈川を中心にチェーン展開する中華料理店で、中国のレトロな雰囲気を基調とした店の雰囲気が楽しい。
以前はあざみ野にも店がありましたが、いつのまにか閉店してしまい残念。次に近いのが、北山田店。北山田は地下鉄グリーンラインの駅ができたので、地名としてわかりやすくなりました。
今回食べたのはチャーシューメン。比較的厚みのあるチャーシューと煮玉子、わかめ、シナチクがトッピングされた鶏ガラベースの醤油味です。
揚州商人を訪れる最大の目的はこのスープにあります。
つまり、実にシンプルですが、まさにまだラーメン専門店が乱立する前、町中華のメニューの一つだった頃の味なんです。当時は少なくとも自分が知る限りラーメンは醤油味しかなかったし、そもそもラーメンではなく中華そば、あるいは支那そばと呼んでいました。
チャーシュー1枚、シナチク、なると、ほうれん草(またはわかめ)、長ネギ、時に海苔などがのった一杯が定番でした。
今でこそ、各店主が試行錯誤を繰り返し、独自のスープが乱立する時代になり、それはそれで美味しいのですが、やはり鶏ガラ醤油は味の原点と言う気持ちにはかわりありません。
2024年11月16日土曜日
風が強く吹いている (2009)
青春スポ根映画ですが、何と珍しいことに舞台は「箱根駅伝」です。
正式には「東京箱根間往復大学駅伝競走」と言いますが、毎年1月2日の大手町から芦ノ湖までの往路、1月3日の復路は、もう正月の風物詩として無くてはならないものになっています。約217km、10区間を大学生が走るだけですが、見ているだけでも多くのドラマを感じることができるので、熱狂的なファンも少なくありません。
原作は三浦しおんによる小説で、脚本・監督を大森寿美男、音楽は千住明が担当し、実にリアルな箱根駅伝を再現していて、駅伝ファンならずとも感動できること請け合いです。
都内にある寛政大学の駅伝部は弱小を絵に書いたような集団で、今にも朽ちそうな竹青寮で集団生活をしていました。彼らのリーダーで、ほとんどの食事の世話や掃除などもするのが4年生になる清瀬灰二(小出恵介)でした。
灰二は厳しい父親が監督する高校陸上部で膝を痛めてしまい、実力があったにもかかわらず表舞台から遠のいていたのです。しかし、走るということの意味を知りたくて、ひそかに計画していたことがあったのです。
力強い走りができる新入生の蔵原走(林遣都)を見つけた灰二は、無理やり彼を竹青寮に連れ込みます。そして、やっと10人が揃ったことで、全員で箱根駅伝への出場を目指すと宣言するのでした。
神童と呼ばれる杉山(橋本淳)は、地方出身で山道を往復して通学していました。王子と呼ばれる柏崎(中村優一)は、マンガオタクで体力には自信がない。双子の城兄弟(斎藤慶太、斎藤祥太)は陽気な兄弟。岩倉(森康)は、すでに司法試験に合格している秀才。坂口(内野謙太)はクイズ番組好き。ムサ(ダンテ・カーヴァ)はアフリカからの留学生。そして最年長の平田(川村陽介)はヘヴィスモーカーです。
しかし、蔵原は最初はこんなメンバーで勝てるわけがないと反発し、衝突するのです。彼は高校の時に高圧的な監督を殴ってから、選手としては活躍できていませんでした。しかし、メンバー全員が灰二の想いを理解し、それぞれが努力を始めることで次第にチームとしての実力をつけていくのでした。そして、ぎりぎり予選会を突破したチームは、いよいよ本番を迎えます。
さすがに、いきなり優勝というようなあり得なさすぎる結末は用意されていません。現実的で妥当な、でも満足できる結末は好感が持てます。
物語は4月から翌年正月までの約10か月の話で、1本の映画にまとめるには多少無理があり、話の展開が拙速な感じで、本来はテレビ・ドラマ向けのように思います。ほとんどやる気がなかった駅伝部のメンバーがその気になる過程も簡単すぎるし、ライバルたちとの関係も表面的です。
それでも素材がよく知られているものなので、見ている者が自然と間のストーリーを想像できることにかり助けられている面がありそうです。監督もそのことを承知ではしょっているのかもしれません。
なにしろ箱根駅伝のシーンが良い。本物を見ているような臨場感があり、自然と普通に応援してしまうようになります。なんとか大手町まで帰って来いよ、と願わずにはいられないのは作り手の上手さということと評価できます。少なくとも、駅伝、特に学生駅伝のファンにはちゃんと突き刺さる良作といえそうです。
正式には「東京箱根間往復大学駅伝競走」と言いますが、毎年1月2日の大手町から芦ノ湖までの往路、1月3日の復路は、もう正月の風物詩として無くてはならないものになっています。約217km、10区間を大学生が走るだけですが、見ているだけでも多くのドラマを感じることができるので、熱狂的なファンも少なくありません。
原作は三浦しおんによる小説で、脚本・監督を大森寿美男、音楽は千住明が担当し、実にリアルな箱根駅伝を再現していて、駅伝ファンならずとも感動できること請け合いです。
都内にある寛政大学の駅伝部は弱小を絵に書いたような集団で、今にも朽ちそうな竹青寮で集団生活をしていました。彼らのリーダーで、ほとんどの食事の世話や掃除などもするのが4年生になる清瀬灰二(小出恵介)でした。
灰二は厳しい父親が監督する高校陸上部で膝を痛めてしまい、実力があったにもかかわらず表舞台から遠のいていたのです。しかし、走るということの意味を知りたくて、ひそかに計画していたことがあったのです。
力強い走りができる新入生の蔵原走(林遣都)を見つけた灰二は、無理やり彼を竹青寮に連れ込みます。そして、やっと10人が揃ったことで、全員で箱根駅伝への出場を目指すと宣言するのでした。
神童と呼ばれる杉山(橋本淳)は、地方出身で山道を往復して通学していました。王子と呼ばれる柏崎(中村優一)は、マンガオタクで体力には自信がない。双子の城兄弟(斎藤慶太、斎藤祥太)は陽気な兄弟。岩倉(森康)は、すでに司法試験に合格している秀才。坂口(内野謙太)はクイズ番組好き。ムサ(ダンテ・カーヴァ)はアフリカからの留学生。そして最年長の平田(川村陽介)はヘヴィスモーカーです。
しかし、蔵原は最初はこんなメンバーで勝てるわけがないと反発し、衝突するのです。彼は高校の時に高圧的な監督を殴ってから、選手としては活躍できていませんでした。しかし、メンバー全員が灰二の想いを理解し、それぞれが努力を始めることで次第にチームとしての実力をつけていくのでした。そして、ぎりぎり予選会を突破したチームは、いよいよ本番を迎えます。
さすがに、いきなり優勝というようなあり得なさすぎる結末は用意されていません。現実的で妥当な、でも満足できる結末は好感が持てます。
物語は4月から翌年正月までの約10か月の話で、1本の映画にまとめるには多少無理があり、話の展開が拙速な感じで、本来はテレビ・ドラマ向けのように思います。ほとんどやる気がなかった駅伝部のメンバーがその気になる過程も簡単すぎるし、ライバルたちとの関係も表面的です。
それでも素材がよく知られているものなので、見ている者が自然と間のストーリーを想像できることにかり助けられている面がありそうです。監督もそのことを承知ではしょっているのかもしれません。
なにしろ箱根駅伝のシーンが良い。本物を見ているような臨場感があり、自然と普通に応援してしまうようになります。なんとか大手町まで帰って来いよ、と願わずにはいられないのは作り手の上手さということと評価できます。少なくとも、駅伝、特に学生駅伝のファンにはちゃんと突き刺さる良作といえそうです。
2024年11月15日金曜日
全領域異常解決室 (2024) Part 2
めちゃめちゃ面白いとこの前書いたばかりですが、現在放送中の「全領域異常解決室」がますます面白くなってきた。というよりは、第1話から今週放送された第6話までが実は序章にすぎないということがわかり、来週の第7話からいよいよ本題ということらしい。
ネットでも、このドラマの考察で話題沸騰中なんですが、とにかくここまでわかったことは全領域異常解決室、略して全決のメンバーはすべて「神」だったという驚愕の展開。
日本には古来、八百万の神がいて、彼らの魂は肉体が滅びても、また新たな生命に宿る。物心がつく頃になると神としての記憶がよみがえって来て、それぞれの持つ特殊能力によって、陰ながら人々を守っているというのです。
全決は、そういった神々が起こしてしまった騒動を丸く納めて人間によけいな心配をさせないというのが目的の組織でした。ところが、そういった神々の中でも異端児的なヒルコが反旗を翻し、神々を消し去ろうと動き出したのです。神がいなくなってしまうと、巷は不穏に陥り人々の暮らしは崩壊してしまう恐れがあるのでした。
ここまで、登場した神を紹介します。
主役の室長代理・興玉雅(藤原竜也)は伊勢神宮内宮に祀られる興玉神(おきたまのかみ)で、内宮の守護神です。人の善意・悪意を読み取る力があります。
局長・宇喜之民生(小日向文世)は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)で、穀物の神として伏見稲荷大社の主祭神です。
全決のデリバリースタッフとして、度々突然登場する芹田正彦(迫田孝也)は猿田毘古神(さるたびこのかみ)でした。猿田毘古は、天照大御神による邇邇芸命(ににぎのみこと)の天孫降臨の際に道案内しました。
ヒルコかと疑われていた豊玉妃花(福本莉子)は、やはり豊玉毘売命(とよたまびめのみこと)で、実は全決のメンバーでした。
そして、第5話で千里眼の能力を発揮していたのは市寸島比売命(イチキシマヒメノミコト)でした。市寸島比売命は、宗像三女神の一柱であり宗像大社辺津宮の主祭神です。
第6話で、病床にあった大隈邦男(吉田鋼太郎)は、大国主神(おおくにぬしのかみ)で因幡の白兎の火傷を治し、出雲大社の主祭神となっています。
そして、第6話の最後で、もう一人の主役、雨野小夢(広瀬アリス)も実は神であることが判明しました。彼女は天宇受売命(あめのうずめのみこと)で、天照大御神の岩戸隠れの際に岩戸の前で歌い踊った芸能の神です。そして猿田毘古と夫婦になったと言われているのです。
これからも、様々な神が登場し、ヒルコとの「全面戦争」に突入していくことになりそうな後半戦が、ますます楽しみです。ヒルコはいったい誰なのか、これまでに登場した人物のなのか、それとも新たに登場してくるのか。そして、ヒルコの真の目的は何なのか。もう、目が離せませんね。
これからも、様々な神が登場し、ヒルコとの「全面戦争」に突入していくことになりそうな後半戦が、ますます楽しみです。ヒルコはいったい誰なのか、これまでに登場した人物のなのか、それとも新たに登場してくるのか。そして、ヒルコの真の目的は何なのか。もう、目が離せませんね。
2024年11月14日木曜日
三重応援ポケモン
三重県というと、何といっても伊勢神宮。食べ物だったら松坂牛が有名。
「ゆるキャラ」とも呼ばれるのは、各地の認知度を高めるのによく利用されている「ご当地キャラクター」のこと。当然、三重県にもたくさんある。
ご当地キャラクター協会に登録されているものだけでも、17人(匹? 個?)もいます。
ところが、何となくでも見たことがあると思うものは皆無。どれもパッとしない(ゴメンナサイ)。
そんな理由なのか、三重県が公式に応援を依頼したのが、ポケモンのミジュマル。
何で? 「三重」が「みじゅう」と読めるからというダジャレらしい。
お菓子だけでなく、いろいろなグッズにも三重マルが使われて、宣伝大使として活躍しているようです。
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