2023年4月14日金曜日

Amandine Beyer / Matteis False Consonances of Melancholy (2009)

アルバムのタイトルは「False Consonances of Melancholy」で、和訳すると「憂鬱な疑似協和音」という何とも理解しがたいもの。作曲者はニコラ・マティスで、この人も資料が乏しく謎めいています。

生まれたのは1650年頃らしい。自分を「napolitano」と表現していたらしいので、ナポリ出身のイタリア人なのかもしれない。成人するとロンドンにやって来て、イギリスで成功したイタリアのヴァイオリン奏者の初期の一人となります。亡くなったのも1713年頃としかわかっていません。

当時のイギリスはフランス風のヴァイオリン演奏が主流でしたが、マティスによって現代につながるイタリア的な演奏法が根付いたと言われています。マティスは初学者のために、楽譜に詳細な演奏法の注釈を書き入れたので、これがずいぶんと役に立ったらしい。

比較的早くに引退してしまい、残された作品も少ないので、ほとんど人々の脳裏からは忘れ去られた存在になってしまい、再発見されあらためて評価されたのはこの数十年前の話です。

このアルバムに収められているのは、マティスの「ヴァイオリンのためのエアーズ(アリア)」とタイトルされた曲集の第1集で、副題には「すべての手と能力に適合する二重構成」となっていることから、ある種の練習曲集と考えられます。

実際、一つが1~2分程度のさまざまな形式のヴァイオリンのための音楽が寄せ集められた感じの物ですが、おそらく全部を弾きこなせばどんな場面でも困らないということらしい。

注目のバロック・ヴァイオリン奏者のアマディーヌ・ベイエは、手兵のリ・インコーニティからメンバーを選りすぐってこの曲集を演奏しています。技巧に走らず、落ち着いて曲に命を吹き込むような演奏で、バラバラの短いフレーズがまとまった大曲のように聞こえるのが不思議です。

2023年4月13日木曜日

Leila Schayegh / Vivaldi The Four Seasons

古楽ヴァイオリンの第一人者の一人であるキアラ・バンチーニが、教育・研究の本拠地にしていたのがスイスのバーゼル・スコラ・カントルムという音楽大学でした。そしてバンチーニの元でアマンディーヌ・ベイエと共に薫陶を得て、現代の古楽ヴァイオリンを牽引する存在となっているのがレイラ・シャイエです。

ベイエよりも1歳年下の48歳ですが、二人は仲の良いライバル関係にあるようで、互いに切磋琢磨して現代の古楽を盛り上げていることは間違いない所です。

古楽器の場合、現代楽器よりも響きが弱めなので、あまり長く音を伸ばすのは得意ではないというのが一般的な見解。ですから、自然と演奏が早くなりやすい。カルミニョーラの「四季」は約37分で、イ・ムジチの43分より6分も早くなっています。

もちろん使用する楽器の特性だけではなく、演奏者のいろいろな考えも反映しているわけですが、シャイエの「四季」は冒頭、いきなり予想を裏切りゆったりとしたスタートです。しかも、小鳥のさえずりの効果音も入れて情感たっぷりというクラシックでは珍しい構成。

だからと言って、全体で40分程度なので、やたらと遅いわけではない。楽章内でのテンポの揺れは最小限におさえ、楽章ごとにスピードのメリハリをつけている感じです。また、アドリブといってもいいくらいの独奏パートを随所に入れて聞きなれたこの曲に新しさを吹き込んでいます。

共に演奏する古楽集団はチェンバロ奏者のダニエラ・ドルチが率いるムジカ・フィオリータで、シャイエとはレギュラー・セッションかのように息がぴったりで、お互いにやりたいことがしっかりと伝わっているようです。

2023年4月12日水曜日

自宅居酒屋 #61 中華風豆腐うま煮


これは昔から時々作るんですが、名称がどうもはっきりしないので、いつもは「白マーボー」とか呼んでます。でも、麻婆豆腐とはまったく違うもの。

まぁ。簡単に言えば、五目あんかけの汁で豆腐を軽く煮込んだ感じ。中に入れるのは、豆腐以外はその時に冷蔵庫に余っているものいろいろという感じです。

中華味の素、なければ鶏ガラスープの素で煮込むスープを薄めの味に作ります。ニンニク好きなだけ、生姜少々、砂糖少々、豆板醤少々、醤油少々を追加して味を整えます。

今回の追加オプション食材は、ムキエビ、椎茸、ブロッコリーでした。最後に使うみじん切りの長ネギを少々用意しておきます。

豆腐は大きめに切って、スープに入れて5分ほど煮込みます。他の食材にも火が通ったら、長ネギと水溶き片栗粉を入れて、さらに5分ほど弱火で煮込んで出来上がりです。豆腐が崩れやすいので、できるだけかき混ぜないことが大事。

味は誰もが想像する通りで、美味しくないわけがない。手の込んだ作業は無しで、簡単に美味しいというのは正義です。

2023年4月11日火曜日

Amamdine Beyer / Vivaldi Les Quatre Saisons (2008)

アマンディーヌ・ベイエはフランスの女流古楽系ヴァイオリン奏者で、ドイツのイザベル・ファウストより2歳年下で現在49歳。1995年にキアラ・バンチーニに弟子入りして、バロック・ヴァイオリンをみっちり教わりました。


バンチーニが率いる古楽集団アンサンブル415と共演し腕を磨きつつ、2006年からは自らの楽団、リ・インコーニティ(Gli Incogniti)を結成し、世界的にも知られるようになりました。現在はバンチーニの後継者として、後進の教育にも携わっています。

2008年にGli Incognitiともに演奏したこのアルバムは、また新しいヴィヴァルディの「四季」の世界を見せてくれています。

「四季」の4つの協奏曲の前に、約8分の「2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲(RV578)」、約12分の「ヴァイオリン協奏曲(RV372)」の2曲から始まります。そして通称「四季」と呼ばれる4つのヴァイオリン協奏曲となりますが、これが約38分ですからけっこう速い感じ。そして最後に約12分の「ヴァイオリン協奏曲(RV390)」で締めくくります。

「四季」のアルバムは、LPレコードならそれだけで終わり。CDだと余った時間にオマケ的に2曲程度の協奏曲が入るパターンがほとんどで、下手をするとメイン以外はあまり気にかけないこともあります。

ここでは、まずあまり馴染みのないヴィヴァルディの典型的な世界に入り込んだ後に、誰もが知っているメロディが始まります。ベイエの演奏は古楽にありがちな「奇をてらった」演奏ではありません。早めで切れのある演奏ですが、比較的落ち着いて優雅さを感じさせるところが特徴のように思います。

実は「四季」以外の3曲は、比較的新しく発見されたもので、馴染みが無いのは当たり前。めっちゃ知られている物と知られていない物をうまく組み合わせて楽しませてくれていたということ。なるほどね。

2023年4月10日月曜日

Francesco Galligioni / Vandini Complete Works (2020)

アントニオ・ヴァンディーニは1691年にボローニャに生まれた、イタリア・バロック後期の作曲家でありチェロ奏者。同時代のヴァイオリンの名手、ジョゼッペ・タルティーニと同じオーケストラで演奏していました。

後に一時、タルティーニと共何プラハに滞在したこともあるようですが、大変優れたチェロ奏者と評価されていたにもかかわらず、詳しい経歴はほとんど知られていません。

ヴァンディーニの作品は7つのチェロのための協奏曲だけが現存していて、いずれもバロック後期に登場する、従来の荘厳な雰囲気よりも優美さを重視した典型的なギャラント・スタイルで作られています。

圧倒的にヴァイオリンが花形楽器であったイタリア・バロックの中で、ギャラント・スタイルによってはじめて、それまで低音部の補強目的でしかなかったチェロにも陽があたるようになったのかもしれません。

7つのすべての協奏曲をおさめる録音というのは、やはりイタリアのDynamicレーベルにしかできない仕事のようで、Amazonで探せる唯一のCDがこれ。演奏はタルティーニの協奏曲全集を完成させた L'arte Dell'Arco で、独奏チェロを弾くのはフランセスコ・ガッリジョーニ。

ガッリジョーニは、他にも L'arte Dell'Arco との共演がありますし、ジュリアーノ・カルミニョーラとのコラボもあり、古楽系チェロ奏者としては一定の評価があるようです。

ここで興味深いのは、わざわざ「with underhand bow grip」とアルバム・ジャケットに記載されているところ。現代のヴァイオリンやチェロの演奏では、弓を上から手をかぶせるように(内返しして)持つことが一般的です。それに対して、古いスタイルでは弓を下から手で支えるように(外返しして、逆手で)持つのが一般的だったようです。

ヴァンディーニが弓を下から持つスタイルだったことは、当時の音楽史家が記載しており、またヴァンディーニに演奏の様子書いた絵(CDジャケット)でもはっきり確認できます。ガッリジョーニは、音楽を再現するために奏法にもこだわっていることの現れとして評価したいポイントです。

2023年4月9日日曜日

SAKURA 2023 LAST @ 早渕川岸


今年の桜のピックアップの最後。開花間もない早渕川の川岸から始まったので、最後も同じ場所の様子で締めたいと思います。

今年は、比較的綺麗に咲き誇った感じがするのですが、残念ながら天候に恵まれず、一番見たい時に雨だったりして、なかなかタイミングが難しかったことと思います。

また、特徴的だったのは、近い場所でも開花の程度に差が有ったこと。ちょっと離れると、あっちは満開だったのにこっちは三分咲きとかがありました。

早渕川では、ほとんどが満開なのに中に数本、まったく咲く気配がないのがあって、あれれれ、樹が枯れちゃったのかなと心配していたのですが、1週間くらいずれてピンクに染まりました。

逆に、今は他の樹が完全に落花して葉だけになってしまったのに、遅れて開花した樹は花を残しています。

去年の写真を探してみたら、同じ樹が花の付き方が今年ほどではないけど遅かったのがわかりました。もともとの植えた時期が違うのかもしれません。

とにかく、桜が散るといよいよ新緑の季節。コロナもかなり落ち着いてきましたので、生活も戻って来ることを期待します。


2023年4月8日土曜日

自宅居酒屋 #60 ニラたま


自宅居酒屋シリーズとしては簡単は正義。

まさに、ニラたまは簡単で美味しい一品です。ニラ入りの玉子焼きということですが、最近は卵の価格が高騰していますから、高級料理になっているかも。

適当に切ったニラを入れて玉子焼きを作るだけなので、レシピというほどのものは無いのですが、それなりに注意したいところはあります。

まず味付け。まぁ、好きにすればいいんですが、今回は液体の白だしと塩少々、そして砂糖も少々入れました。砂糖は入れすぎると、焼いている時に焦げやすいので注意が必要。

醤油主体でもOKですが、材料の味を生かすなら、薄めの味付けがおすすめです。

次に焼き方。ロール状にして、普通の玉子焼きのようにしてもいいのですが、丸める作業はけっこう面倒なので、今回は平たいままで両面を数分ずつ中火で焼いて完成。

それにしてもニラと卵は相性が良い組み合わせで、どうやっても美味しくなるので重宝します。

2023年4月7日金曜日

Thomas Hammes / Torelli Trumpet Concertos (2004)

ジョゼッペ・トレッリはイタリア・バロック中期に活躍した作曲家。1658年ヴェローナで生まれ、ボローニャでヴァイオリン奏者・作曲家として名を上げます。1709年に50歳で亡くなっていますが、詳細はあまりわかっていないようです。

コレッリで有名になった合奏協奏曲のパターンを始めた一人であり、ヴィヴァルディの典型的な急―緩―急という三楽章構成もトレッリのアイデアが関係していると言われています。

ボローニャのサン・ペトロニオ教会の指揮者を務めていた時に、大変優れたトランペット奏者がいた関係で、トランペットをメインに設えた曲が有名で、一つの独奏楽器を中心にする協奏曲の形式の原型になりました。

アルバムは廉価版のイメージが強いBrilliantからリリースされたもので、CD2枚組でトランペットを用いた曲を網羅したものになっています。メジャーなレーベルが手を出さない、あまり知られていないものでも、Brilliantだとけっこう手頃な価格でまともな演奏が聴けるのでありがたい。

トランペットのソロをとるのはトーマス・ハンメスという人で、ニコル・マット指揮ヨーロピアン・チェンバー・ソロイスツという布陣。正直、どの名前も聞いたことがないし、ネット情報もほとんどありません。

それでも、少なくとも聞いていて特段不満はない。堅実な演奏で、安心して聞くことができます。イタリア・バロックではヴァイオリンが主役であることが圧倒的に多いのですが、トランペットが入るだけで、雰囲気が華やかになり、格調高くなるものです。

2023年4月6日木曜日

自宅居酒屋 #59 たけのこバター炒め


たけのこが美味しい季節になりました。この時期だけは、一度は生のたけのこを買って食べたいものです。

本当に採り立てのものなら、あく抜きの必要はなく、「刺身」で食べるというのもありますが、都会に住んでいるとそれは難しい。

たけのこのメニューとしては、比較的マイナーですが、バター炒めがかなり旨い。

もちろん、レシピは簡単。

あく抜きして茹でたたけのこを薄切りにします。向きや大きさは好き好きでかまいません。ただし、厚みは、数mmにします。厚いと味が染み込みにくいし、薄すぎるとたけのこの味がいきません。

バターは・・・雰囲気なんですが、ちょっと多めくらい。溶けたらたけのこを入れて炒めます。醤油を一回しかけて、少したけのこに焦げ目がつくくらいが目標です。

最後に胡椒を振って、味を見て塩を追加して出来上がり。

例によって、めちゃめちゃ旨い。いくらでもいけちゃいます。飲み過ぎに注意です。

2023年4月5日水曜日

Bee Gees / First of May (1969)


5月のはじめ、という意味ですが、日本でヒットしたビージースの大ヒット曲としてのタイトルは「若葉のころ」でした。

5月だと、日本のイメージでは若葉というよりは緑が一杯という感じで、暖かくなり出して樹々に新しい葉が出始める今頃の方が似合っている感じがします。

「若葉のころ」は、映画「小さな恋のメロディ(1971)」の中で使われ日本では大ヒットし、ビージースの知名度を一気に広めた曲の一つ。

サントラ盤のレコードを持ってました。新しいことは覚えられないのに、古いことは忘れないというのは脳の老化の特徴ですが、「小さな恋のメロディ」はリアルタイムで映画館で見て、テレビでも見たかもしれませんが、ビデオとしては持っていないのに、トレイシー・ハイド、マーク・レスター、ジャック・ワイルドという主演三人の名前は、Wikipediaを調べなくてもすぐ思い出せたりします。

映画では、他にも「ラブ・サムバディ」、「イン・ザ・モーニング」、そして主題歌だった「メロディ・フェア」が歌われ、いずれもヒットしました。

フォーク調だったビージースが、その後「サタデイ・ナイト・フィーバー」でディスコ・サウンドに様変わりした時は驚きまくり、ちょっとがっかりしたものです。

2023年4月4日火曜日

自宅居酒屋 #58 ホウレン草のソテー


これは、もう説明の必要はありません。

居酒屋、というよりも家庭の定番。ホウレン草とベーコンは間違いない組み合わせ。トウモロコシをちょっとトッピングすれば、パーフェクト。

むか~し、昔、小学校で家庭科の時間に、初めて作った料理の一つがこれ。ホウレン草だけをバターで炒め、塩・胡椒で味付けというもの。美味しいと思ったものの、ちょっと口の中にザラツキ感みたいなものが残るのが気になった。

手間がかかりますが、先にホウレン草を茹でてから炒めると防げて、より美味しくなります。また、バターも美味しいのですが、オリーブ・オイルだとホウレン草の味がより引き立つと思います。

2023年4月3日月曜日

SAKURA 2023 @ 王禅寺


今年の桜は、地域によって、または同じ場所でも木によって咲き方がバラバラの印象がありますが、さすがにそろそろ花期は終わりが近づいています。

王禅寺は川崎市麻生区にある寺の名前ですが、その近辺の地名でも使われています。

ここには、日立製作所の原子力事業部王禅寺センターというのがあって、小高い丘の上にけっこうな広さの施設があります。原子力発電関係の仕事をしているらしいのですが、詳しくはよくわからない。

丘のこっち側、住宅街から見ると桜の巨木があり、毎年この時期には見事な景色を見ることができます。

おそらく、高さは20mくらいか、それ以上。枝を伸ばした横幅も同じくらいありそうです。

もっとも、以前はもっと広く薄桃色が広がっていましたし、ここ数年は彩もくすんできたように思います。

今年は、わりと綺麗に咲き誇っているようです。そろそろ桜の樹木としては寿命なのかもしれませんが、いましばらくは頑張ってもらいたいものです。

2023年4月2日日曜日

Ensemble 415 / Geminiani Concerti Grossi (2003)

フランチェスコ・ジェミニアーニもイタリア・バロック後期の作曲家。トスカーナで1687年に生まれ、A.スカルラッティ、コレッリより直接学び、24歳でナポリの宮廷楽団で成功します。

27歳でロンドンに招聘され、ヘンデルの伴奏で国王ジョージ1世の前でヴァイオリン演奏を披露して以来生涯の大部分をイギリスで過ごし、1762年にアイルランドのダブリンで亡くなりました。

晩年に出版されたいくつかのヴァイオリン演奏の理論書は、当時の演奏家にとって最も有意義な教科書となり、現在も研究者にとって重要な文献と評価されています。

ジェミニアーニは、多くの合奏協奏曲を残していますが、ここで聞くのは師匠でもあるコレッリのヴァイオリン・ソナタ作品5をベースにしたもの。「2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと通奏低音のための」とあり、実質的には弦楽四重奏の形態となっています。

原曲と聞き比べてみると、元の主旋律は同じでも、トリオ・ソナタだった編成が厚みを増してより音楽的になっています。だからといって、ヴァイオリンの独奏部分が埋もれてしまっていないのが面白い。

ここでも、演奏はキアラ・バンティーニが率いるアンサンブル415。録音が良いのもありますが、各楽器のバランスの良さは、バンティーニの考え方が全体によく伝わっているということでしょうか。素朴なトリオ・ソナタもいいのですが、華やかさが増したこちらも悪くはありません。

2023年4月1日土曜日

Ensemble 415 / Valentini Concerti Grossi (2001)

ジュゼッペ・ヴァレンティーニは、1681年にフィレンツェで生まれた後期イタリア・バロックのヴァイオリン奏者であり作曲家です。


10歳を過ぎるころにはローマに出て、早くも注目される存在になりました。1701年以降、作曲活動に力を入れ、ヴァイオリンを中心とした器楽合奏曲は評判となります。

先輩コレッリは1708年に引退を宣言していますが、ローマでのヴァレンティーニの人気にショックを隠せなかったらしい。

当初は小編成でトリオ・ソナタの延長のような物が多かったのですが、1710年からは合奏協奏曲を続けざまに発表し、その後はオペラも作りました。40代半ばからは教会での仕事に集中したようですが、残された楽曲はほとんどありません。

この合奏協奏曲集は作品7で、それぞれ多楽章形式で複数のヴァイオリンがフューチャーされていて、ヴィヴァルディの典型的な長調主体の急緩急と違い、いろいろな面を聞かせてくれます。合奏協奏曲ですから、その合間にヴァイオリン単独、あるいは複数が絡み合うソロが出てくるのが楽しい。

演奏は、スイス生まれのバロック・ヴァイオリン奏者のキアラ・バンチーニが率いるアンサンブル415で、イタリア・バロックを中心に評判になった演奏を多く録音しています。ここでも、古楽奏法ですが急ぎ過ぎず、聴き所はしっかりと情感をたたえた演奏は素晴らしいと思います。